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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

2019.8月の東京ハイカイ録

今回の東京ハイカイはちょいと変則的なことになった。既にここでも記しているようにうちの母親の具合が良い日と悪い日があり、特に夏の間はほぼアウト。
それでもまあ一泊位ならなんとかなるなと思って出かけたものの、心配になって電話したら丸一日連絡がつかない。翌朝9時半にようやく連絡がつくと「高熱で寝込んでいた」という。なので予定より4時間早い帰阪となった。
結局帰宅したら洗濯していたというビックリな展開だったのだが、まあ家に意味不明な老人がいると怖いということですね。

さてわたくしの東京ハイカイ(一体いつまで続けられることやら)ですが、とにかく暑いのと台風の後なのとで、色々とたいへんな心持で出ていったのですが、お盆の最中の新幹線なので普段とらない席になりました。
つまりA席。東京へ向かうときはいつも通路側なのでこれはちょっと新鮮だった。
特に田舎の風景に関心がないわたくしですけど、天竜川をみたり、知らないトンネルを見るのは面白かったよ。
そのトンネルは新幹線に対し斜めな位置にあり、電車のものだと思うが、緑が濃かったからもしかすると廃線なのかもしれない。
品川区に入っても、この位置から大井町が見えるのかと知ったり、ここにこんなプールがあるのかと思ったり。

ところで今回は現地についてから自分の立てたルートがまずいというかイマイチだと気づいた。
いつものより少し遅めの新幹線なので東京に着くのが10時前、ロッカーで不慣れな人が手間取るのを手伝ったりその場を仕切ったりで結局いつもより30分も遅れたのだ。
どうにもならんこの仕切り屋・世話焼き体質…

日本橋駅へは丸善から地下に潜るのだが、その丸善で好ましい黒猫グッズを見て色々悩んだのも時間をかからせることになった。
実は変なことを言うが、大昔からわたしが丸善で何か雑貨を買うとトラブルに巻き込まれるというジンクスがある。
本はそうはならないが、どんな小さな雑貨・文具でもそうなるし、大阪・京都・東京と関係なしなので、ここの売り上げに関与できなくなった。
本は大丈夫なのになあ…1980年代からそうなので、筋金入りのトラブルメーカーだ。←自慢するな。

要するに上野から行動するのをやめて、三井記念美術館から動き始めたらよかったという話です。
ついうっかりここを後回しにしたおかげで色々つまらんミスがついて回ったよ。

三井行ってから上野に出たらよかったがそれに気づいたときには西洋美術館にいましたね。そしてここは大量の人が。チケット買うだけで20分待ちやてか。
幸いなことにチケットがございますんで中へ入りますがな。

松方コレクションの素晴らしさについてはまた書けたら後日詳細を挙げます。
数年前神戸市立博物館でも開催されたけど、あの時も内覧会にまで行ったのに書けずじまいだった苦い記憶が蘇る…
まあとりあえず言うたら展示方法がヨーロッパの美術館方式で、壁面上部のが見づらいということと、固めて配置した連作物がどれがとれかわからんという。
まあしかし名品がたんまり。見知った絵や彫刻だけでなく初見がかなりあって、それがまさかの「国立西洋美術館寄託」とかそんなのなので、いつか所蔵品室で見れるかなと期待。

台風の影響でゴアテックス履いたのが失敗で足が速くも痛くなる。サンダルにした方が良かったかな。
そんなこと思いながら今度はフィンランドの女性画家たちの作品展を見に行くと、4年前に藝大美術館でみたヘレン・シャルフベックの作品がたくさん。
ぱちぱち撮ったので、今度四年前のときのブログにプラスして挙げ直してもいいな。
というのはヘレンも自身の作品を数十年後にセルフカバーしてるから、それに倣おう。


さて昼ご飯をどうしようかと思いながら博物館へ向かう。こんな天気なら何か買ってきてベンチで食べでもさほど暑苦しくもなかったのに読めなかった。
仕方ない。それで結局子ども図書館で食べたよ。庭を見るカウンターにいたら、突然上から大きめの水滴がコップに直撃!!!びっくりした。入るもんやなあ。
ひえー

東博でちょっと展示を見てから時間の都合で三国志展の再訪はあきらめて、再びパンダ橋へ。
そう、最近わたしはこのルートなの。
そんで三井記念美術館で「日本の素朴絵」後期展示を楽しむ。前後期共々大変よろしい。
図録も可愛い。前回購入したままあえて開いていないが、数日内にはなんとか感想をまとめて挙げたい。
日本の素朴絵は楽しい。
こういうのが面白く感じられるのはやはり府中市美術館の毎年春の恒例・江戸絵画祭での啓蒙が功を奏していると思う。
巧い絵だけがよいのではないのよ。そういうことさ。

車内で見たもの

わたしは「修羅の刻」の中でも特に鬼一と、この狛彦・虎彦の双子譚が好きすぎるのよ。

駅構内で見たもの


次に出光へ向かう。
これでつくづく思うのは、この日は西洋・東博・三井・出光なんだけど、電車のルートやランチの選択を考えれば、三井・西洋・東博・出光でもよかったわけです。そしたら日比谷線一本で出光へ行けた。
まあ尤もこの日の夜間に森へ行くというのがあるからこその、この時間帯。

「唐三彩」をみる。
作品もいいが演出もよく、喜多郎「シルクロード」がアタマの中で再生中。
フィギュアたちの美、三彩の壺たちのよさ。
唐、遼、ペルシャの三彩。
思えばシルクロードの美を味わわせてくれたのは出光美術館大阪が最初だったのかもしれない。

急にマクドの揚げたアップルパイが食べたくなったが、あれは季節限定なのか、それともここにたまたまないのか知らんが、入った店舗になかったのは無念。
(のちに調べたら他の店舗にはある模様)
それでちょっと一時しのぎにして六本木へ。

進撃の巨人展ファイナル。
知らなかった、まさかの最後の室内以外は全撮影可能とは。
撮り倒したわ。あらためてこの「美しき残酷な世界」へのときめきが高まる。
映像がまた素晴らしい。アニメではなく、原画をピックアップしてエレンとライナーの進撃vs鎧の戦いを迫力いっぱいに動かし、見せてくれたわ。
ネームまで展示されてる…
エルヴィンがネームでもやたらはっきり眉毛だったりするし、リヴァイがやはり可愛いし。

そういえば最新刊のラストの嘘予告マンガ、みんなハンジのせいでゾンビになってたけど、リヴァイさんエルヴィン先生に噛まれてたな。エルリ尊い。

ショップでファイルなど購入し、カフェでリヴァイの紅茶とデザートを頼んだが、紅茶はよくなかったな。これは淹れ方の問題と砂糖の問題かな。
紅茶好きの兵長に叱られるぞ。


定宿でぐったり。しかし荷物ってさ、宿に行く前までロッカーに入れてて、宿で一晩の間だけおいて、あとまたロッカーなので、なにやら申し訳ないような。

翌日、ようやく母と連絡が取れたのでこれはもう早く帰るしかないなと。
それで14時台のを取った。これで行けなくなったのが庭園、太田、そんぽ。
残念なり。

時間配分の結果、案外出発が遅くて良くなり、第一試合の履正社をみる。
ご近所なので応援にも力が入るわ。

まずは汐留美術館でマイセン動物園。
楽しいわー。これもほぼ撮影可能。パチパチ。
にゃんこの仕草のリアルなこと…朝倉かー


その足でそのまま三田へ。駅前の焼き魚屋でおいしくカレイの白醤油漬け焼きをいただく。
味噌汁は良くないが魚はさすがに美味しかったよ。

慶應大学図書館一般公開。




それにしても暑い。
暑すぎてか、どういうわけかなかなか駅に戻れない。
そんな大きい町でもないのに迷う。やたらと中華料理店が多いのと、昭和の中国人家庭がそのまま活きてるような光景を見たりしたからか、アタマが回らなくなる。
ようよう乗り場を見つけた。
一体なんなんだろう。

三田からそのまま神保町へ。
これまた暑さのせいか方向性を見失う。コンパスも狂いがちかと思いきや、「えっ、このルート?」でたやすく到着。
どうなっているんだ、前回と違うぞ。
米沢記念図書館、三原順カラー原画展の後期。

受付にいらしたヤマダトモコさんと愛知からお越しの方のお話を横から聴いて、そこへくちばしをつっこむ。
色々と良いお話を伺えてよかった。

さーてタイムアップ、東京へ向かうぞとあの階段を一気に上がるが、上がった途端心臓ばくばく。
真夏に一気に上がる階段じゃないよな…
三楽病院の横を通り御茶ノ水駅へ。

早めの時間帯に変更して乗った新幹線、混んでたなあ。
わたしは今度は三連のCで気楽に帰阪。
あれだ、駅ナカでおかずとか買って帰る。

帰宅したらびっくりしたことに(以下略)
…洗濯物を取り込んで、買ってきたものに自分の拵えたものも足して晩ご飯。
それから綺麗に化粧していた母と共に夜の散歩。
タバコ屋へ行くと店主が喜んで母に挨拶し、立ち話。
ちょっと買い物してから近所の喫茶店で一休み。

パインジュースに紅茶を混ぜるのだ。美味しかったよ。

来月どうなることやら。
とりあえず今月の東京ハイカイはここまで。
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奈良を観る なら観光記展

奈良の昔の風景写真、神戸の昔の祭りの様子、丁度いまそれぞれの地でその展示がある。

奈良市美術館とはどこか。
旧奈良そごう美術館がその場にあたる。
2008年にポップアップ絵本展を見て以来の再訪となる。
かつて奈良そごう美術館だった頃はよく出向いた。
そのことは先日ここに挙げている。

明治初期から昭和までの奈良観光の関連資料が一堂に会しているのはとてもよかった。
「奈良を観る なら観光記」展は東博の古写真、奈良市史料保存会、出版社、奈良市写真美術館、個人コレクション、鉄道会社の資料で構成されていた。
あいにくなことに図録はない。あれば買いたかった。
イメージ (2129)

・近代奈良観光の始まり
横山松三郎の明治五年の東大寺、興福寺の写真が並ぶ。
まだそんなころなのでちょんまげの町人が映っている。
大仏殿,南大門、鐘楼、夏の二月堂…
興福寺の金堂、三重塔、春日大社、薬師寺東塔…
廃仏毀釈の脅威が…

同時代の明治初期の猿沢池ばかり集めたものが面白かった。
手彩色がなかなかきれい。
色々な角度からの猿沢池風景。
右手に南円堂、中に三重塔、更に電柱と金波楼もみえる。
ガス灯も出てきた。きぬかけ柳、采女社、そして「五十二段」の様子が二態。
全部ある版と半分くらいで踊り場が来て、それから続くというもの。
明治28年頃のはそんな感じらしい。
人力車もたくさん停まっている。
今も奈良には人力車がよく働いている。

その段とはこれ。わたしが〇をつけているもの。
イメージ (2170)

空海手植えの松を「花の松」といい、それと三重塔のショットもある。
これは大正のもの。
今もこの松あったかなあ。ああ元のは1937年に枯れ、後継も2008年に枯れたのか…
この展示に出ているのとは違うが、こちらのサイトに古写真が年代ごとにたくさん集められている。


芸術的な写真は既に明治中期にある。
春日大社参道に一頭の鹿がいて、どこかを見ている。
こうした構図はやはり芸術写真でしょう。
もうこの時代にこうした意識を持つ写真家が生まれている。
意識的か・無意識かは別としても。

明治後期の大仏殿の屋根をメインにした写真にはシビがなく「鳥衾式」のものがついていた。
こういうのも面白い。

明治35年 奈良名勝独案内図 フルカラー。明治の浮世絵と同じく赤が強く発色している。右は白毫寺まで。既に博物館の近くの陳列館も描かれている。
イメージ (2131)

明治41年 奈良名勝全図  こちらは更に色彩も洗練されてきた。建物名は赤い名札に記されている。16師団53聯隊兵営、女子師範(今の奈良女子大)も。

奈良ホテル開業の絵ハガキもいい。
池から見える奈良ホテルの姿。
今もいい眺めだが、当時は更に素晴らしかったろう。
久しぶりにメインダイニングに行きたい。
大正期の奈良ホテルの様子を写した絵ハガキもある。もうこの時代は楽しめる時代になっている。
イメージ (2130)

今は鷺池と呼ばれる蓬莱池、そこには浮御堂。大正9年の風景。
同年の猿沢湖畔の絵ハガキもいい。鹿に俥に…

観光マップ、いいなあ。
実景図、真景図などが色々。
明治26年 月ヶ瀬梅溪16勝地真景図  躑躅川も描かれている。梅だけではなく躑躅もか。川の名前だけであっても雅なものよ。

奈良名所早見図は大仏殿が中心。日露戦争前くらいはもう観光地として東大寺も興福寺もなんとか生き返りつつあるのだな。
明治33年 奈良実測図は珍しく石版の地図で、周囲にコマ絵のように各地の名所が描かれているが、ちょっとばかり當麻曼荼羅ぽくも見えなくもない。

名所絵ハガキも色々と工夫が凝らされている。浮世絵風美人と名所の写真、カラフルな装飾と名所、色々と楽しい。
博物館、二月堂、猿沢池、奈良公園…

明治42年に東京から汽車で一日かけて志賀直哉・木下利玄・里見弴が奈良へ来た。
最年長の志賀でさえまだ20代半ば、最年少の里見弴も随分若かった。
かれらは楽しく奈良ツアーをしている。
遥か後年の昭和16年、里見弴は当時を振り返り、その時購入した絵ハガキやスタンプなども含めて「若き日の旅」を上梓した。
それからさらに40年余り後に里見弴は没した。
わたしはこの本を1993年頃に入手して、今も折々大事に読み返している。
かれらが購入したと同じような絵ハガキ、地図、ガイドブックなどがここにある。

大正期の絵ハガキの袋絵が鹿をモチーフにしたものが多い。各種あるが、偶然か、みんな鹿だった。
こういうのも面白い。

勧業博覧会ポスター
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昭和になり、吉田初三郎の鳥観図の隆盛が奈良観光にも来た。
県庁の近くにメソジスト教会もあり、刑務所は今の形だし、寺もすっかり回復している。
まだ大軌鉄道の頃。

旅行ガイドブックも新書版のが出ている。
江戸時代からこうした本はよく出ていたが、活字印刷が主流となったおかげで読みやすい。
そうそう、大正7年では今の近鉄奈良駅から大阪(鶴橋、上本町、難波のどれとは書いてないが)まで55分らしい。
案外今と変わらないな…

博文館が刊行した「鉄道省 鉄道旅行案内」は挿絵を吉田初三郎が担当しているので、とても魅力的。
この頃の博文館はいい本をよく出していた。
これは横長版。

大軌電車沿線案内図絵 附吉野電車 大正末 いいなあ、これも。吉田初三郎。吉野山だけでなく高野山も描かれ、信貴山、生駒、更には遠く富士山、釜山、上海、樺太までも。
嗚呼、大日本帝国よ。奈良県内ではもう天理が大きく描かれていた。
そういえば大本教やひとのみち教団は大弾圧を食らったが、天理はなんとかしのいでいたな。
…どうでもいいことだが、この三つの本拠地にわたし行ってるな。金光教にはまだ行ったこともないが。

奈良電車沿線案内 昭和3年 この奈良電気鉄道というのがやはり今は統合されてるわけだが、後の昭和6年版もどちらも吉田初三郎の絵。
カラフルで綺麗。橿原、天理、笠置、柳生、伏見桃山まで。
あー、なんか行きたくなってきたよ。
伏見桃山は近鉄・京阪・JRがすごく近い所に集合してて、梅田もびっくりなんだが、誰もこれに言及しないな。
けっこう桃山辺り好きなんよ、わたし。

畝傍線開通時の西大寺駅 大正9年  立派な駅の写真。
国鉄奈良駅の写真は昭和9年。今移動したあれだ。いい建物…

参宮急行名所図会 昭和6年  吉田初三郎 伊勢から松阪、津、名張、上六へ展開してゆく。
来月お伊勢さんに行くことになったのだが、今も上本町がお伊勢さん向かうベースやもんなあ。

信貴生駒電車沿線案内 大正11年  生駒ケーブル、索道な。ほんわかしてる。
生駒のケーブルは可愛いよ。信貴山はわたしの生まれる前に一家でお参りしたそうな。
それ以来わたしは行ってないので、いつか行こうとは思っている。

吉野鉄道名勝案内 大正2年 吉野山の名所と「有名人」と。如意輪寺、いがみの権太などなど。
更に表紙に武士が戸板に歌を記す姿を転用してこの本のタイトルを記させている。
「歌書よりも軍書に悲し吉野山」芭蕉の弟子・支考の句。

写真が色々出てきた。
レトロなボンネットバスの春日奥山周遊バス、大軌奈良駅構内などなど。

そして昭和15年つまり紀元2600年のプレイボール…やなくて、その年だけにやたらと橿原神宮の栞や案内が並ぶ。
やべー時代だわ。
21世紀の今に来年は紀元2680年とかそんなこと言うような議員がいよんねんから、もぉあかんわな。

エログロナンセンスの時代の楽しい風物画もある。
奈良名所風物画 物産・木辻遊郭 昭和10年  鹿の角、一刀彫、赤膚焼などの工芸品の横に遊女の絵がある。
木辻遊郭といえば小出楢重がそのあたりに下宿したことがあり、キョーフ体験を面白おかしく記していた。
笑って苦しかったわ。

昭和初期の奈良シールが可愛い。
四種とも。
イメージ (2171)
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宿屋の栞や引札がある。宣伝文句が面白い。
「梅川忠兵衛、水戸黄門、荒木又右エ門も宿泊」…まあな。
旅館いんばんや、いろは館、小刀屋、月乃家、玉屋本店、吉田屋、佳よ志本店、大仏館、好生館、奈良ホテル…

奈良市観光課のポスターでいいのがあった。昭和20年代
鹿たちが一斉に走る姿を横からとらえたもの。躍動感があった。

昭和40年代にはディスカバリージャパン。
特急あすか号、王寺駅を出るD51、奈良大和路仏像ポスター。

イラストマップ奈良見て歩き いかにもその時代らしい可愛い絵柄のもの。ドリームランドもあった。

・奈良への誘い 文士と奈良
入江泰吉先生のお写真で紹介されている。
学生の頃、少しばかり入江先生に教わったので、今も入江泰吉「先生」。
薬師寺東塔遠望 亀井勝一郎「大和古寺風物詩」  やはりよい。

興福寺阿修羅像 堀辰雄「十月」  朱色の顔、金茶に薄緑がかった髪や肌。塑の美とでもいうのか。

東大寺広目天像 會津八一「南京新唱」 びるばくしゃ まゆねよせたるまなざしを まなこにみつつ あきののをゆく
この眉根を寄せる広目天については折口信夫「死者の書」にもある。

中宮寺菩薩半跏像 和辻哲郎「古寺巡礼」 和辻の呼び掛ける「わが聖女」こそ、この像。

唐招提寺金堂列柱 會津八一「南京新唱」 おほてらのまろきはしらのつきかげを つちにふみつつ ものをこそおもへ.  やはり秋艸道人の短歌の美しさにしびれる。そして木の文様をも写し取る入江泰吉先生の写真の美…

奈良大和路仏像ポスターについてはまたいつか。




三国志展は燃えるぞ その3

いよいよ第三回目、たいていここでフィナーレ、前中後編、序破急、三代目は唐様というやつさ。
全然関係ないな…

終わりの始まりはやはりこの方
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諸葛亮孔明

川本喜八郎の人形のこの気品…
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細部をみる。
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白羽扇、素敵だ。
白皙の美貌の方でしたなぁ。


こちら打って変わって赤銅色の孟獲。
この冠の羽根のことなんていうのか知らなかったが、つい先日大和文華館の展示で知った。
「鶡冠」 鶡=山鳥(カツ)や雉の羽根つける冠。
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こちらは亀の乗っかる金印
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マキビシも。
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甘寧の持つ弓が弩です。
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ところで1993年の正月に大阪の光明ホールと言うところで川本喜八郎の三国志人形展が開催されたことがある。
わたし三度ばかり行ったが、思えばこれだけの三国志人形を見るのはあれ以来ではないかな。


さて三国それぞれ。
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横山さんのマンガの中で孔明が蜀へ行くと表明するシーン、すごく好きだ。
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なんだか雄大な心持になるのだよ。
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いろいろグッズ
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マスチフ犬のような感じの犬
「銀牙」でいえばベン。
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レリーフ、いいね。
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銅鼓。
これはもう完全に「孔子暗黒伝」。
作品を読んでから数年後に初めて東博に来たとき、改装前の東洋館でこれを見た時「あっ孔子暗黒伝だ」と思ったものな。
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ハノイの歴史博物館にもとてもたくさん銅鼓があった。
東南アジアの産物。


ついに巨星墜ちる。
曹操の最期。
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近年になりその墓陵が発見されたそうな。
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再現されていた。
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案外質素なのは曹操の合理的精神の現れのようで好ましい。


そして曹植。
父や兄と違う温和なヒトだが詩人の血は父からの遺伝。兄嫁への慕情が憐れ…
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時折このひとに鎌倉三代将軍実朝を想うときがある。


遺物あれこれ
笑う犬
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出師の表
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秋風五丈原
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道半ばにして…
横山さんの素晴らしい原画


最後に生き残ったものが笑う。
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いい展覧会だった。
燃えたなー!
また行くけれど、ほんと、自分が三国志ファンでよかったと思うばかり。
ドキドキするよ。
いいものをみせてもらって本当に良かった。

三国志展は燃えるぞ その2

続き。
展示は最新の学術研究の発表の場でもある。
そしてそれをわかりやすく伝えようとする。
解説板にも丁寧な文と情報とが仕込まれている。
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同時代の馬車の青銅フィギュア
戞々(かつかつ)たる馬蹄の響きが聞えて、というやつさ。
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ほぼ妖怪城
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ちょっとウェディングケーキにも似ているな。
この時代の塔というかお城のようなこれは他にも東洋陶磁美術館でもみている。


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妙に可愛い。


川本喜八郎
献帝と曹丕
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衣裳がまた素晴らしい。
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明器 これも面白い建物
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空中通路があるものね。この当時で凄い構造よ。


建物の前でねそべる犬
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外を見る人がこわい…
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こういう建物もある。
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色んな建物とフィギュアとが面白い。


次はいよいよ矢矢矢!!!
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かなり壮大な眺めでしたわー

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十万本だったかな、物語の中では。ここに何本の矢があるのかは知らないけど、しかし生半可な数ではないよね。
すごい。

横山マンガではここはこういう表現でした。
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タダで手に入ったも同然の矢でしたな。
しかし実際にどれだけの数の矢がリサイクル出来たかは、昔から甚だ疑問だったよ…

なお弓矢の構造はこちらに。弩ね。
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これで必ず思い出すのが「不射之射」即ち中島敦「名人伝」
因みに「不射之射」は川本喜八郎も人形で映像化している。


ショップでは面白いものがいろいろ。
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赤兎馬ちゃんのぬいぐるみ

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だまれシャツ

楽しいぞ。
続く。

三国志展は燃えるぞ その1

東京国立博物館で開催中の「三国志」展はまさかの全作品撮影可能と言う大盤振る舞いなのだ。
びっくりした。
出かけてイヤホンガイド聴きながら中に入った途端、パチパチ皆さん撮ってはるがな。
わたしも速攻で仲間入り。

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やっぱりかっこいいよね。

この展示には中国からの一級文物、川本喜八郎の人形、横山光輝の原画などのほか、同時代の遺物や「三国志」の名場面の再現などがあって、とても気合が入る。
ファンにはとても嬉しい構成なのだ。

以下、わたしの撮ったのをあげてゆくけれど、今回嬉しすぎて画像大きいのばかり。
なので何べんかにわけていきます。

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壁画もこのように。


横山三国志の原画。桃園の誓いシーン
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修整の痕もはっきりわかって嬉しい。


こちらは本国での造型
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名場面を描いたものも並ぶ。
董卓、貂蝉、呂布の三角関係。
そう、貂蝉は二人を仲たがいさせるための…
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表情がなかなか。


こちらは美周郎と謳われた周瑜が寝込んでいるところへ孔明から朗報
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この寝姿なぞ見ると「私説三国志」を思い出して、ときめきますわ…
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今回の展示ではマンガは横山さん一筋だったが、白井恵美子さんの三国志シリーズをナビキャラにしてもよかったろうなと夢想する。


横山三国志 母の涙
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さぁ川本喜八郎人形の登場。
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細部までよく出来てる…

魏呉蜀三人の王。
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わたしが本当に「三国志」にのめりこんだのはやっぱり川本さんの人形劇から。
だからやはり嬉しくなる。


三国志と同時代の遺物。
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こんな細工もありました。
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何かよくわからんけど、゜寝てた虎

こちらはゾウさん。かわええ。。。
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続く。
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