美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **自宅でログイン出来ないので、現在「遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う」で感想を挙げています。

三月の東京ハイカイ録

色々多忙でこんな末頃に東京へ出かけることになった。
展覧会の会期末にしか行けないのはまあやっぱり不都合があるわなあ。
しかし仕方ない。例によって感想は「遅ればせながら」で挙げてゆくのだ。

さてわたくしは朝も早よから新幹線で東京に来まして、いつものロッカーに荷物を放り込み、その時に「しもた、寒いのに対処するには先月同様ダウンを持ってきておけばよかったのだ」とロッカーに鍵を下した時にハタと気づくという。
まあよくあるパターンで。

弥生美術館から始まります。
平田弘史の物凄い世界に完全に負けました。
ツイートではこんな風に書いている。
「意味不明なまでの力強さは何に基づくのか。憤りか。
ただただ圧倒された。
平田弘史の凄まじい画力と物語と書とに半ば撲殺されそうになっている。
「首代引受人」冒頭、編笠の侍がこちらに歩み寄る描写、それだけで息が詰まった。
全身像から発せられるものは何か。
気迫に圧され正体が見えない。」
「筋肉、神経細胞、脂、体液、表皮、何もかもが力強く、理解を超える迫力に胃が痛くなる。
しかし刮目せよ、と平田弘史の絵は告げる。胃痛、肩凝り、体力低下、それらは平田の絵の前では言い訳にならない。内面の苦しみに耐えて耐え抜いて、モノノフの体面を保ち、対峙するのだ。」
一方、こんな企画も。



合掌するのは平田さんご本人。

この企画展に連携して(!!)華宵の傷ついた美少年展があったが情緒纏綿として優美さと悲愁とが前面に漂い、しなやかな少年たちの肢体やその表情に、妖しく魅了されたのでした。
夢二は童画が多く、可愛い子らのちょっとした淋しさなどにときめいたり。

結局かなり長時間いて、フラフラになりながら両国へ。
「江戸と北京」これで先般からツイッター上で話してた「鶉合せ」の様子を見ましたわ。
面白かったのは胡同と江戸の町の模型。

常設ではタイミングよく「四谷怪談」蛇山暗室の場を堪能し、ニコライ堂も見たが、ちょこちょこと展示が変わっているのにも気づく。やっぱり面白いわ。

京橋の加島美術に渡邊省亭。ここは外見はレトロ風で中はコンクリ打ちっぱなし。そしてそこで明治の日本画を見たわけだが、驚くべき視覚の新発見を知った。



というようなことをかいたが、ほんまによかったな。
群雀だけ撮影ダメであとはOK。ばちばち。

この時間なので教文館は来月回し。
ドトールでミラノサンドと豆乳ミルクティーで一休みしてから竹橋へ。
樂焼歴代の茶碗をみた。
その名も「茶碗の中の宇宙」展。
長次郎から当代吉左衛門、そして跡継ぎ篤人まで16代と光悦、田中長慶らの作品までも網羅しての展示。
京都では観ずに東京で観るのも面白い。

ときめくのはやはり三代目道入、ノンコウ。
ノンコウの拵える茶碗にこそ「茶碗の中の宇宙」が見える。
好きな茶碗、初めて見る茶碗、みな煌めいてわたしを招ぶ。
中に幾筋か釉垂があり、彗星のようだった。
歴代当主の茶碗いずれも良いが、やはりわたしはノンコウに帰る。もっと観たい。
昨秋の「三代道入 ノンカウ」展のときめきはまだ消えない。
http://yugyofromhere.blog8.fc2.com/blog-entry-4252.html

当代の作品は単品展示で法隆寺館のような雰囲気で見せているが、佐川美術館での展示と精神は同じ。

常設もなかなかよろしく、閉館ギリギリまでみてから出ると、辛夷の花が綺麗に咲いていた。

地下鉄から丸ノ内オアゾに出たらすぐに水山があったので入る。
茄子揚げごはんたのんだけど、うどんにも揚げ茄子ついてたから、次からごはんはいらないね。
初日ここまで。

土曜、府中へGO!気持ちよく車内でお休み。乗り継いで…
さて間もなく東府中。
府中市美術館で国芳を見るのだ。暁斎は大阪で、芳年は京都で見るのだ。
てくてく歩くと桜が咲いていた。


面白かった、さすが府中市美術館。知らんのもあったし、保存のいいのも多かったで、2時間楽しんだ。常設は後期展示の時のお楽しみに次へ向かう。

ようやく展示を見ることが出来た松旭斎天勝。
このヒトのサロメの写真を見ることが出来て良かったわ―。
とにかくこの展示はどういうわけか、行くと休みだったりで困ったもんなあ。
最終日だが見れて良かったよ。

半蔵門から表参道の根津美術館へ。
高麗仏画展。先に泉屋で見ていたから衝撃はなかったけど、鑑賞第一に楽しく拝見。
更紗の展示もよかったし、興福寺の梵天と帝釈天、112年ぶり再会を拝見。


夕方になったが、これより天王洲アイルへ。
久しぶりの浜松町、モノレール乗り場も忘れたよ。
なんとかついたが、寺田倉庫までの道のりが遠いし、土曜だからかみんな閉店で誰もいないしで、鬱屈が強まる。

DAVID BOWIE is
ボウイの魅力の一端を味わう。わたしの好きだった80年代のボウイの美貌は60代を迎えても衰えず、金から銀へ移ろうことで新たな魅力が生まれていた。
流れ続ける楽曲は“LET’S DANCE”と“SPACE ODDITY”が多かった。
他の好きな曲はあまり流れず、主に70年代のボウイ出現の衝撃ばかりが先に立っていたように思う。
スーツ姿の美貌のボウイ、前髪を伸ばし、少しラフになった50代後半からのボウイ、いつみても綺麗だった人、きれいなやせ方をしていた人…
終盤に「戦場のメリークリスマス」が出たが、これは日本向けだろうか…
そして最後の最後、場内を出たときに初めて撮影可能ゾーンがあり、映像の中で60代の優しいボウイがわたしたちに話しかけていた。「デイヴおじさん」と自ら名乗り。

泣いてしまったよ、少しだけ…

そうだ、映画監督のダンカン・ジョーンズはあのゾウイ坊やだったのだ。
そうしたことどもも含めて、やっぱりボウイへのときめきは生き続けている。

帰り道、随分迷った。初めて来たところなのでいよいよわからないし、人がいない巨大な空間なのでわびしいわびしい。
いかんな、天王洲アイル。
浜町・大門に戻ってきて、わりとにぎわいのある商業ビルに入り、ほっとする。

宿に戻り、何気なくTVつけたら「そして誰もいなくなった」放送中。
なかなか面白いし、キャスティングがすごいな。明日も見よう。

日曜日。本当は久しぶりに森下のカトレアに行きたかったが、朝から雨。
雨に濡れた朝 あの歌好き・・・

それにしてもいつからか知らんがメトロリンクが浜町まで来てたか。
これは22分感覚だけど、また使いたい。

北浦和へ。
カッサンドル展。やっぱりあれだ、1920年代のモダンな作品群がカッコ良すぎて、その後のシュールなのが痛い。難しいなあ、商業デザインは。

常設では近代日本画のうっすら夜景の軸三本が並んでる対面の壁に現代アートで〇を書いたのが映り込んでて満月になっていた。
あれは面白い眺めだったな。

王子に行きたかったが雨がけっこう降ってるので諦めて神田へ。
三井記念美術館でこの時期恒例のお雛様を拝見。
そして大磯の奥の小磯にあった城山荘の古写真を大いに楽しむ。
廃仏毀釈の難に遭うた寺社の古材を用いて、不思議な形の別荘を拵えた三井さん。
面白いし興味深かった。写真と映像が残っているのがよかった。

有楽町へ。
最終日の出光美術館で「古唐津」展をみる。いいもんですなあ。
草花をここに活けたいわ。派手な花でなく、猫じゃらしとか一緒に入れて。
解説文がまたよくてね。経糸・緯糸という表現で、わかりやすく解き明かしてくれる。
唐津と朝鮮と桃山の関係性をこんな風に表現してるのを読みたかった!と思ったよ。
作品の配置もよくて、ところどころに音楽的な良さも感じた。
いいものを見たわ。

小雨の中、三菱一号館へ。
オルセーのナビ派展をみたが、これまでドニ展、ヴァラットン展、ゴーギャンとナビ派展などみているが、こうしたくくりのは初めて。
不透明釉薬の七宝焼みたいな色合いの絵が少なくなく、個人的に好ましかった。黒の外線内に色塗というのもいいが、これもいい。
それに猫の出現率がなかなか高い。しかもその表現は猫好きの描き方。
ナビ派ばかりと言うので色々興味深く見たが、やはりドニには安堵、ヴァラットンには不安を感じたりした。面白かった。

東京駅へ向かったが、これまた彷徨し、色々疲れた。
大丸で本当は「おとし文」買いたかったのに、たどりつけず、まさかの隣で似たものを買ってしまうという…やっぱり本物でないとあかんなあ、と後から反省。

新幹線に乗りました。雨はまだ続く。
けっこうなんだかんだとくつろぎながら大阪へ。
今度は再来週に東京へ。忙しい喃。

帰宅したら猫が喜んでくれた。それだけでも嬉しいね。
次に行けばこの辺りも満開かな…
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敦賀市立博物館・旧大和田銀行本店 その2

階上へ来ました。
今昔
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照明いくつか 
三階ホールもいい。
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地下へ。
かつてはレストランもしていたそうだ。大和田さんは地元の皆さんを大事にしていた。
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最後にまた外観
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また来よう。

敦賀市立博物館・旧大和田銀行本店 その1

敦賀へ出向いた。
俳優の大和田伸也・獏ご兄弟のご先祖が作られた旧大和田銀行本店、今の敦賀市立博物館を見学した。
ここの所蔵品についてはこちらに感想を挙げている。
かねてより所蔵品の素晴らしさは聴こえていたうえ、建物の魅力も伝え聞いていたので、とても楽しみに出かけたのである。
大体の印象については既にこちらにあげている。
今回は建物の細部などをご紹介したい。

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装飾はゼセッション風でもある。

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星型やパイナップル型も見受けられる。
星は陸軍ではなく大和田家のマークらしい。紋ではない。
鳩山邸に鳩の装飾があるのと同じような感じか。

中へ。
階段などが大変魅力的である。一階フロア―はいかにも銀行窓口。
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きれいに修復され、本当にめでたい。愛でよう。

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先の優雅な階段は今は魅せるためのもの。

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昔の写真はがきもあるのでどうぞ。
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ナゾの地下への階段…
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実際に上り下りする二階への階段。
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続く。

さかい利晶の杜でみたもの その2

二階は与謝野晶子の文学館。
これは以前JRの方にあったミュシャ館と一緒だったのを持ってきたそうです。

明治から戦前の美麗な装幀を大いに楽しむ。
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武二のイルカ。今の日本の可愛いイルカやなくて洋風の海豚なイルカ。
武二は「明星」との関係も深く、晶子作品でも大いにイメージ向上の仕事をしている。

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艶めかしい…

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橋口五葉登場。
彼の装幀も本当に良いものが多い。「吾輩は猫である」も鏡花の本のいくつかも「胡蝶本」もみんな彼。

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シンプルで綺麗。

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晶子の本の装幀は中澤弘光も多い。
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椿が愛らしくて仕方ない。

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古典ものはその雰囲気を装幀から露わにして導く。

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なも、あみだ、ほとけ

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本の装幀は衣裳と同じだと思う。
かつての美意識は今も心地よい。

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パネル展示だが、夢二の童画が可愛い。

生家・駿河屋の店先が再現されている。
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引き札もある。
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けっこう色んなお菓子を拵えていたようだ。

他にも晶子のリュクサンブール公園の洋画や使っていた鏡台、着物などの展示がある。
この展示で晶子への関心が生まれた方々はぜひともここへ行かれたら、と思っている。

さかい利晶の杜でみたもの その1

元の堺市立病院の跡地を大々的に変身させたミュージアムがある。
さかい利晶の杜
という。利は利休の利。晶は与謝野晶子の晶である。
この施設のある場所は利休の邸宅の向かいというか奥に当たり、与謝野晶子の生家もごくごく近いというゆかりの深さ。
それにしても大きい。


なお利休の邸宅跡は整備されている。



ビックリするくらい大きいし、クルマも100台駐車可能だそうだ。
とはいえ、阪堺電気軌道の宿院(しゅくいん)で下車するとすぐだから、あの可愛い路面電車で来る方をお勧めしたい。
施設内には梅の花、スタバもある。
1つ浜寺よりの寺地町には名代の「かん袋」もある。
芥子餅の小島屋もある。
要するに昔の堺の中心地にこの建物がある。

ところでご存知の方も多いだろうが、与謝野晶子は少女時代は「鳳晶」といった。ほう・しょう嬢である。
実家は和菓子屋さんの駿河屋。

ジオラマでこの宿院界隈が再現されている。
この辺りは無料ゾーン。
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床面には堺の古い地図もある。

古写真もいいのが残る。
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レトロ風ポスターが楽しい。
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さてわたしは有料ゾーンへ。利休や与謝野晶子の世界を体感したいと思います。
まず利休ゾーン。
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堺の商人の気概が伝わってくる。
若い頃の商人利休を描いた映画もあったが、原哲夫が「花の慶次」にもかっこよく描いていた。
ここでは利休と付き合いのあった武将や同時代の著名人による利休トークが聴ける。
声は全て堺市出身の片岡愛之助丈。
わたしはフランシスコ・ザビエルのトークを聞いてみた。

追記
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映像もある。

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かつての堺の商人たちはこんな遠くまで船出していたのだ。
るそん助左衛門、納屋四郎五郎…

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ウサギの水滴。

茶の湯は明治以降、女性も学び始めた。
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茶の湯を描いた絵も色々あるものです。

「描かれた茶の湯」の感想をご覧ください。
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