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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

「ルノワールとパリに恋した12人の画家」展は楽しい

横浜美術館で開催中の「ルノワールとパリに恋した12人の画家」展に行った。
オランジュリー美術館のコレクション展である。21年ぶりの来日だというが、その21年前の展覧会は京都で見た。
京都国立近代美術館。そして同日向かいの京都市美術館ではスイスのプチ・パレ美術館展が開催されていた。
二つの洋画展を見て満足して帰ったと当時の日記に記している。

今回あまり情報を入れずに行ったので、ついてから初めてオランジュリー美術館展であり、ポール・ギョームの目を通したコレクション展だと知った。

オランジュリー美術館には随分前に行った。パリではルーブル、オルセーなどの大きいところへも行ったが、好ましく思ったのはこのオランジュリー美術館とモロー美術館で、特にオランジュリー美術館には滞在中に二度も行った。
なので再会する絵がいくつもあり、それがとても嬉しい。

近年洋画を見る重さに負けてきたのだが、やはり印象派から1950年代くらいまでの絵を見るのは楽しい。
気分が明るくなるといってもいい。
なにも無理して絵から人生の暗部についてとか考えたり見出したりしたくない。
以前からその考えがあるが、近年特にその傾向が強い。
自分の<現実>がしんどいからだと思う。
そんなときにこうしたなじみのあるモダンな絵を見ると気分が明るくなる。

ルノワール、モネ、セザンヌ、シスレー、ルソー、マティス、ピカソ、モティ゛リアーニ、ドンゲン、ドラン、ローランサン、ユトリロ、スーティン。

中でもマティスの作品はすべてがよかった。
7点は1915-1925頃までの作品で、いずれも非常に豊饒だった。
三姉妹
若い娘と花瓶(別名:バラ色の裸婦)
ブドワール(女性の私室)
ソファーの女たち(別名:長椅子)
青いオダリスク(別名:白い女奴隷)
ヴァイオリンを持つ女
赤いキュロットのオダリスク
こういう好きなものばかり集めてくれたのは本当に嬉しい。

ドラン アルルカンとピエロ  これはあれだ「水曜どうでしょう」ですな。

スーティンもこんなにたくさん見たのは三越での展覧会以来か。
スーティンとキスリングは三越のおかげでよい作品を知ったのだ。
90年代の懐かしい話。もうこんなに遠くへ来てしまったのか。

実はローランサンとユトリロの作品の感想を書くのは難しすぎてしたくないのだ。
「いいなー」これで終わる。それ以外にもあるのだが、言語化しにくいのだ。
たとえばユトリロの場合、まず「せつない」という感情が先に立ってしまう。
彼の伝記を措いても描かれたパリの街角にはどこかせつなさがある。
そしてローランサンの娘たちは抑制のきいたグレー、ピンク、時にブルーをまといながら黙って微笑む。
音楽性を伴う静謐さ、という多少矛盾した何かを感じて、表現する言葉を失くすのだ。

ドラン、モディリアーニ、ドンゲンのポール・ギョームの肖像。これはパリでも見た。
ドランのギョーム夫人の絵ハガキも手元にある。

ルソーの絵は本人がマジメに描けば描くほどなにかから遠のいてゆく。
ジャングルの絵以外は自分が実際に見た情景からの製作だろうが、それでも何故これなのか、と常に思う。
もし万一本人がそこにいたなら、そして感想を求められたらどうしよう。
よくそんなことを思う。

新古典主義時代のピカソの絵がいろいろある。
この時代のピカソの絵は好きだ。
楽しく眺める。

やっぱり1920年代は素晴らしい。

そしてその前代のルノワール。
ルノワールの色彩を見るだけでも心地いい。

ポール・ギョームと言う若い画商がどれだけすぐれた眼を持っていたかがよくわかる。
彼の部屋の写真と再現マケットがあった。そこだけ撮影可能。

とても楽しい展覧会だった。
1/13までなので、行ける人は行って心地よさを楽しみましょう。
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夢二 長崎十二景

おとどし久しぶりに長崎に遊んだが、なかなか写真をまとめられない。
そんな自分をせかせるためにも夢二「長崎十二景」を挙げる。
画像はすべて嵯峨嵐山文華館所蔵。

青い酒
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サボテンの花
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ネクタイ
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十字架
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燈籠流し
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化粧台
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出島
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浦上天主堂
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凧揚げ
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眼鏡橋
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阿片窟
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丘の家
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夢二は長崎に遊ぶ前から彼の地に対し憧れを懐いており、よい作品を拵えている。
「異国情趣あふれる」という言葉は、現代より夢二のいた百年前の方がずっと実感があったことだろう。
夢二は大正7年に長崎に行き、大正9年にこの連作を完成した。
その際この作品を当地でお世話をしてくれた方に進呈したという。
当時の長崎には数多くの文人が訪れた。
芥川、谷崎、茂吉、菊池寛らもその方のお世話を受けたという。

ところでこのメンバーは上村一夫「菊坂ホテル」で秋の日に谷中墓地で宴会をしている。
彼岸花咲き乱れる中に自殺少女を発見する一同。
最初に見たのは精神科医でもある斎藤茂吉だが、その時は医師としてでなく歌人の眼で少女を見ており、みんなに知らせるが、このメンバーが口々に好き勝手なことを言う。
少女は夢二のデザインした便箋に遺書をしたためており、夢二はそれを喜び、その夢二に菊池が「よかったよかった」といい、更には芥川も夢二のデザインを誉める。
挙句遺書の文がまずいと谷崎が言うので書き直そうと言い出したところで、我慢ならず少女が跳ね起きて一同を叱りつける。

実際にはこんな状況はなかったろうが、とても面白く読んだ。
特に少女を前に救護もせず、それぞれ好き勝手なことを言い合うのが、これまた各人の個性を表しており、読みながらついつい笑ってしまう。

話を戻し、連作「長崎十二景」はどの絵もみなエキゾチックな美しさがある。
らんたんの下で洋酒を嗜む女の着物は蒲公英柄で髪型も凝っている。
三味線を弾く女の後ろにはサボテン。ここで月琴なら明治となるが、大正なので三味線。
ソファに座る遊女の傍らには青銅の基督像。
緋縮緬の長襦袢の下にはシュミーズ、その立姿を眺める外国の海軍士官。
出島の前をゆく伴天連たち。
髪を白布で隠す女と天主堂へ向かう人の群れ。
凧揚げを見る芸者をみつめる滞留外国人。ところで長崎ではこれは「ハタあげ」という競技ではなかったかな。
石で出来た眼鏡橋。
「長春楼」という名の魔窟とChinaの妖しい女達。

夢二の憧れが結晶化した名作。

国宝彦根屏風と国宝松浦屏風 遊宴と雅会の美

昨年末に終了した展覧会だが、そのままスルーするには惜しいので少しばかり挙げたい。
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イブに出かけるとかなりの人出があった。講演会の日や土曜の解説の時間帯くらいのヒトデ☆である。
それでも別に困ることなく展示を見る。

北野社頭遊楽図屏風 狩野孝信 桃山-江戸前期  濃厚な人々。ふっくらめで遠近の違いはあれど、よく描きこまれている。
大体の年数もわかっているらしい。1607-1618ころ。ははあ、なるほど。
多くの人が結構距離感を縮めて仲良くしている。行動を見るのも楽しい。
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邸内遊楽図屏風 江戸前期 奈良県美  こちらもまた個性的な人々が多い。寝そべる女に食い散らかされたごちそう。
尺八を吹く男を中心に庭で群舞が続いている。門外では若い衆二人がなにやら…
寛永年間頃だという。

大和文華館誉れの阿国歌舞伎草紙、輪舞図屏風なども出て、華やか華やか。

遊楽図屏風 江戸前期 浄信寺  将棋盤を真ん中に男二人が喧嘩中。止めに入る老人もいるが、そばにいる女二人は知らん顔。MOAに似た図柄の作品がある。このお寺は木之本にあるそうで、お庭がよいそうな。そこにこうした絵が伝わるのだ。

彦根屏風  やはりいいなあ。昔彦根城に行った時、撮影どうぞと言う気軽さで、井伊家のお宝をぱちぱち撮らせてもらったなあ。なんとなく楽しい。この「なんとなく楽しい」という気分こそが風俗図の遊楽図の本質だと思っている。

松浦屏風は第一室と第二室の同じ配置に展示されていた。大きいから分けたのだ。
やっぱりエエやないですか。

カルタ美人図 江戸前期  松浦屏風の中でサシでカルタをする女たちがいるが、その二人をこちらに転用したような絵。
サシで「天正カルタ」をする二人。

美人曳犬図 住吉広定 江戸後期  彦根屏風のお姉さんを参照したらしい。
懐古。清朝がやきもので古代青銅器を再現したのを思い出す。
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かわいいねえ。


絵ばかりではなく工芸品も。
宴の器として重宝された蒔絵椿紫陽花文提重の底以外の全面が見えるように展示されていた。
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これほんと、好き。
椿も紫陽花も大好きな花なので、最初の持ち主さんとは話が合いそう。

青木木米の煎茶用の盃もある。可愛い。

応挙の一門や交流した人々が寄り集まって楽しく過ごした証拠がこの世に残る。
東山第一楼でみんなわいわいと書いたものがある。1799年。
今回は世継寂窓という人の揮毫図が出ていた。この絵師は知らないのだが、京の人だそう。

なんだかんだと楽しい様子が集まっていて、こちらも楽しくなった。
わたしはやはり遊楽図から浮世絵へと至る道が好きだ。
展示は終わったが、挙げれてよかった。

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2020年元日、手塚治虫記念館に初詣

阪急宝塚線の沿線に長らく住まうので、子どもの頃から宝塚と言う地は慣れ親しんだ「行楽地」だった。
小さい頃は宝塚ファミリーランドで遊ぶ。遊園地、水族館、動物園に温泉まであった。
そこで楽しく遊んでから一旦特急で梅田に出て新阪急ホテルのバイキング・オリンピアで晩ご飯というのが一日のコースだった。
これは祖母と当時わたしを溺愛してくれていたオジの決まり。
しかし歳月が経つと何もかもが変わる。
2020年、今はわたし一人で元日に宝塚へ出かける。

宝塚大劇場の開場に合わせてか手塚治虫記念館も元日は開いている。
去年は工事のためにお休みだった。
今年は開いているので楽しみに待っていた。

手塚治虫記念館へはいつも宝塚南口から向かう。一駅だけ乗るのである。そうすると上空からかつての宝塚ファミリーランドの跡や大劇場が見渡せる。
現実にはもう遊具は皆無なのだが、あまりに長年見慣れていたために、現実の風景の上に自分の見たいものが載って、昭和の風景に変わってしまう。
だが、それはここに限るので別に困りはしない。

南口からは武庫川を越える宝塚大橋を渡って、手塚記念館へ行くのだが、橋の途中からは大劇場が見えてくる。
いい景色である。

川には水鳥もいる。
橋の歩道には手塚キャラの陶板も埋め込まれている。
絶対踏まない。




おお、もう25周年なのか。


あけましておめでとうございます。

ある会員証のおかげで一割引き。
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スタンプを集めよう。

常設も楽しく眺め、映像では今日は永井豪の手塚話を少しばかりみる。
永井豪の展覧会も以前ここで開催されたことがある。
マジンガーZの頭部コクピットの再現があり、乗りましたわー。

今回は「手塚治虫のニャンコ」展。
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手塚作品にはかなりたくさんの猫が登場する。
可哀想な猫から擬人化された妖艶な猫などなど…
なおチラシの猫はこの話から。


そして会場はなかなか設えが凝っていた。
柱などがほわほわ。猫毛ですな。



原画の撮影は可能だがもちろんフラッシュは禁止、これは本当に守ってほしいし、絶対フラッシュはやめていただきたい。
パチパチと好きな作品を撮ったり、哀しい作品を眺めたりする。
お気に入りのシーンを少しだけ紹介。

笑えたなあ。大好き。

さらに猫を描いた他の作家のマンガの紹介があった。手塚るみ子さんのチョイスが素敵だ。
マイケル、小鉄、みかん、チビ、ツシマ…

企画展の後は映像などを見る。


制作費の大半をこの素晴らしいOPに注ぎ込んだと聴くが、このスケールの大きさにいつも胸がいっぱいになる。
そしてわたしは決してアフリカ大陸に行くことはないのだが、それはこの世界の素晴らしさが胸に入り込んでいて、そのイメージを壊したくないから、というのもある。

読書。先ほどちょっと知らない作品を見たのでそれを確認。
「ミニヨン」である。思った通り「君よ知るや南の国」から。
それからアンソロジーなどを読み、最後に「ミッドナイト」のまさかの最終回をみる。
これで終わり。いつもこの最終回を読んで帰ることにしている。
ミッドナイトよさらば。

今日は炭酸煎餅をお土産に手塚記念館を出る。また次の企画が楽しみだ。
そして今度は「花のみち」をゆく。


今日の綺麗な一枚「いばら姫」


今年もよろしく。

2019年にみたもの一覧

今年は例年になくひきこもった。
原因は親の不調と、それによるわたし自身が家庭経営をせざるを得なくなり、それが為に圧倒的に出かける数が激減したのであった。

以下、2019年に見たもの一覧。
一応200項目以上あるので見る方はこの後へどうぞ。

いい展覧会が多かったのに感想を挙げられなかったのが大半。我ながらがっかりである。
来年はもう少し何とかしたいとは思っている。
なお、それでも書けそうなものはおくればせながら挙げていこうと思っている。
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