美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

2018.2月の東京ハイカイ録

二月の東京ハイカイは二日間だった。
毎回そうだが、二日間という日程にすると肉体疲労が激しくなる。
なにしろ二日間だから荷を極力抑えてしまい、更にそれをロッカーに放り込まず持ち歩くから、えらいことになる。
実際、両肩も腕も膝までアウトである。
いつものようにキャスターにしたり、ロッカー利用したり帰りにタクシーにすればここまで炎症も重くはならない。
ちょっとした節約が実は翌日の沈没を招く。
駅まで自転車にしたがために直帰できなくなり、JRと阪急を乗り継がねばならない。
時間がもう少し早ければバスもあるが、わたしの帰阪する時間ではバスはない。
嗚呼。
今朝は葛根湯と芍薬甘草湯のお世話になり、ロイヒ軟膏を貼り、温湿布を首・肩・肘上にしている。喉には更に貼る湿布。
薬石効なく・・・ということはなく効いてはいるが、使いすぎだ・・・

ではなんでこうなったのか。
ハイカイ録というより顛末記を挙げることになる。

三連休の土曜は奈良に行ったのだが、色々あって母と意思の疎通がうまくゆかず、それが気にかかるし雨にはヤラレるしで散々。
日曜月曜の休日で東京なのだが、母の機嫌は悪いまま。こんなトシになってまで母の機嫌を気にするのかと言われたらその通りなのだが、逆に母が老齢だというのがこの話のミソというかなんというか。
それでお弁当の支度がなく、駅購入しようとしたが、やたらとおかずだけがある。
つまり「持って行け」という意図があるわけで、それに背くのも差し障りがあるので従うしかない。
老齢だけでない暴君なヒトの言うことを聞かねばならぬ身というのはミジメなもんですよ。

空いてる新幹線。なのに何故だ、何故わたしの隣になんかややこしそうなオジサンが座るのだ。
もう本当にどうなっているのだろうかというくらいあれな旅の始まりでございますわ。
ところで最近のわたしのBGM、つまりわたしのテーマ曲は谷山浩子「よその子」なのですね。
淋しい時は清志郎の「わかってもらえるさ」だけど、最近の家庭環境から「よその子」。
♪果てしない旅の始まりはもう思い出せない記憶の彼方・・・
名曲ですが、気になる方は谷山さんの歌をお聴きください。

さて東京駅へつきましてロッカーに入れなかったのがそもそものミス。
いや、この時点では入れるほどではないんよ。それがあかんのね。
で、大手町から竹橋。
開館前に東近美につきました。
十年ぶりに大きな熊谷守一展。
これはもう初期のがよく出ているのが特徴的だったな。
そして彼が熊谷守一様式を得る頃に使用していた赤い外線をピックアップしたのもいい。
更にスタイルが定着した後の猫の絵を壁一面ずらーーーっこれだよ、これ。

満足した後は常設展示。これがまた素晴らしいのだが、それはまた別項。
例によって例の如く展覧会の感想は後日各項で。




一旦飯田橋へ出てラムラへ。チラシが目に付いたので揚州商人というラーメン屋さんへ。
そこで塩ラーメンを食べ、チラシの功徳によりて杏仁トーフのデザートをプレゼントされましてな。
ラッキー。

飯田橋から川越市へ。
本川越まで歩きバスを待つがどうもここの観光はバスより歩けを推奨するのか、よくわからんことになってしまい、これはあかんわと思いながら、バスをやめて歩く。
大正通りを行き、色々よい建物を見てから美術館へ。
小村雪岱展。これはほんと、よかった。思った以上に挿絵が多くてよかった。
かなり時間をかけてじっくり眺めた。

雪岱をみるといつも数年前に亡くなられたlapisさんを思い出す。
lapisさんのブログ「カイエ」は今ではもう消えてしまったが、そこでの雪岱の記事は宝石のようだった。
今、ご存命なら新潟から川越へ行かれたろうなと思う。そして素晴らしい感想を挙げられたろう。
かれの供養になれるような良い感想を挙げたいと思っている。

時間が押したので町をハイカイすることはあまりできなかった。
いい天気だが、雪の塊りがあちこちに残っていて、容易に解けそうになかった。
メインストリートを歩きながら、川越を近藤ようこさんに案内していただいたことなどを思いだす。
面白かったなあ。
当時の記事はこちら
川越ツアー、近藤せんせと遊ぶ

池袋についてちょっとというかかなり買い物をする。フジョシは推しカプのために辛苦はいとわないものさ。
しかしこれが過重になり肩が壊れる原因になるのだよ。
前回と同じ店に入り同じものを食べたが、前回の方がよかったように思う。
そしてその店の一階でパンを買ったが、ケーキはなんと1個のぞいて完売。
そんな閉店間近の時間に店員にサバランのことを聞いたりするとろくな返事は来ないな。
まあ大阪でこんな応対する店はいくら老舗でもつぶれるが、ここはそれでも存続するだろう。

宿に帰ってからさすがにぐったり。一日目はここまで。

二日目、荷を置いて朝も早よから金沢文庫へ。
ああ、梅がよく咲いている。




鎌倉の暖かさで幕府を開いた…のだったかな。

運慶ら奈良仏師と鎌倉幕府と寺社縁起との関係などなかなか面白い展示で、資料を読み込むのにけっこう時間をかけた。
いいものを見たなあ。

横浜に出て麻婆豆腐専門店でごはん。そんなに辛くなくて助かった。2度の辛さらしい。ごはんお代わりして麻婆完食。
そのままそごうへ。
今泉今右衛門さんの作品と17世紀の鍋島焼の名品を大いに堪能する。
阪口恵子さんのテーブルコーディネートも楽しむ。
よかったわ。わたしは旧い方が好きだが、今右衛門さんの今出来のプラチナ彩のもよかったしね。

上野へ。
東博でアラビア展を表慶館でみて、撮影可能だと言うので興奮してパチパチ撮り倒してしまった。
名前と合致しないぞ、困ったが仕方ない。
常設も相変わらず楽しくて、やっぱり東博最高だな。

三菱のルドンも見たいが、加島美術へ行くことも予定に押し込んだので、ルドンは来月に。
ちょっとばかり珍しくもお茶をする。和栗モンブラン、上部分より下のメレンゲの方が美味しいわ。
先に宿へ荷物を取りにゆかず加島を見るべきだったな。
動物は可愛いが、荷物が重すぎて腕がぬけそうになった。

かなり熱を持っている。
まずいなあ。
新幹線でぐったりしつつ、JRから阪急乗換のことを思って鬱屈する。
いかん、荷物が重すぎる。
…それでも電車を乗り継いで、こめかみまで痛くしながらようよう自転車置き場へ。
あああ…満身創痍な2月のハイカイでした。
まぁよかったのは帰宅してから母と和解したことくらいですかね。

というわけで明日以降感想が続きます。


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2018.1月の東京ハイカイ録 その2

翌日の日曜、わたくしはですね、わりと朝ゆっくり目に出て行き、まずは出光美術館。
色絵の可愛いのを大量に愛で、ご機嫌になったところで退出。
それからおひるをよばれてから(古い大阪弁。現代風にすると「昼食をいただいてから」くらいになるか)今度は弥生美術館。滝田ゆう展。ああ、大人になってからでよかった。
リアルタイムに見てたのは文芸誌に掲載されてた一枚絵ばかりで、マンガそのものは実は完全に未読。
大人向けの、しかも戦前戦後しばらくの東京の下町の貧しいものを見るのは本当にニガテだった。
「三丁目の夕日」も大人になってから好きになったし。
ただ、今はだいぶ大人になったので、この世界にも惹かれるのは確か。

夢二、華宵の華やかなのを見てから東大前へ向かうと必然的に大学の前を行くことになる。
この日は試験日。皆さん大変な日。なのに小さい赤ちゃん連れの一家が無邪気に大学構内へ散歩に入ろうとして止められていた。素直に帰りなされ。

飯田橋経由で中村橋まで乗り換えなしで来た。
練馬区立美術館で小野木学 絵本原画展をみる。
幼稚園の時に読んで泣いた絵本「片足ダチョウのエルフ」の作者で、その原画が見たくて来たのだが、びっくりしたのは完訳本の「三銃士」の挿絵、偕成社版「ジェーン・エア」挿絵もこのヒトだったこと。
他にもまだあるまだある。←歌舞伎好きならわかる「まだあるまだある」発言。
そぉなんや・・・
そして一番びっくりしたのは小野木学は1976年に亡くなっていたこと。
そうだったのか。

池袋に出て、以前から気になっていたタカセへ入る。
1階でパンを販売し、2階と9階で喫茶店、3階でグリルを営む老舗のタカセ。


とろふわ卵がニガテなわたしには本当に丁度良かった。
ご飯もしっかり混ざっているのもいい。
今後は池袋と言えばここということにしよう。

ちょっとばかりフジョシ的な買い物をして、荷物が重いよーでも愛と希望と欲望がここにあるなあと思いながら宿へ。
早い時間なので予定通り鶯谷にある都内最大の銭湯・ひだまりの泉 萩の湯へ向かう。
今回地下鉄だけで行きたいので入谷から歩くことにする。
2出口で行くべきが間違って4出口にでた。そのまま行く。
根岸3丁目には宝泉湯という銭湯があるのか。知らなかった。今度行ってみよう。
それから少し前にみつけた旧陸奥宗光邸にも寄った。


そのままてくてく。歩道橋を渡り、笹の雪へ。ここにもいつか食べに行こう。

はい、つきました。


大きくて広々しててなかなかよかった。設備いいよ。
イベント湯も多いし、電気湯は東京では初めてやわ。なかなかシビレたわ。
それでここの構造に何か覚えがあるなと思ったら、福井県の某温泉旅館(実は本当に何温泉のどこのお宿か忘れた)に似ているのだった。

帰りは言問通りをまっすぐまっすぐで、うなぎの野田屋を見つつ2出口から。
ああ、きもちよかった。

2日目ここまで。

最終日、1/15.この日は小正月で、地元ではとんと(トンド、どんど、左義長)。
ほんでいつものロッカーにお世話になり、お茶の水へ。道なりにそのまま明大へ。
少し早く着いたので待つ。
今回は明大の阿久悠記念室へゆくのだ。

予想以上に面白かった。
わたしが昭和の子供だからだが、あの歌もこの歌も阿久悠か!とびっくりしたり、好きな歌を思い出したり。
更に上村一夫とのコラボ作品も紹介されていて「悪魔のようなあいつ」原画に衝かれた!野々村が良の肩を抱いてその指に焦点が。
ときめいたなあ。
これよ、これが見たかったのよ!
また「阿久悠 人間万葉歌」として彼の作詞した歌を聴く🎧コーナーがあり、「夢ん中」「時の過ぎゆくままに」を聴いてシビレた。
前者の2番は「必殺」のどれかの主題歌。アカペラでも歌えるぞ。
後者は沢田研二の傑作。聴く間ずっと「悪魔のようなあいつ」のシーンが頭に流れ続けた。寒気がするくらい魅力的な歌と歌声。
ああ、素晴らしい・・・
朝から揺蕩う。

次に博物館の企画展示を見ることにしたが、これがもう本当にわたしにはダメ。
文革のプロパガンダポスター。
なんかもう暗澹たる気持ちになるばかりで、やっぱり文革は本当にニガテだと改めて思い知らされた。世界で一番ニガテな「革命」。いや「革命」ではないわな。
勇ましい絵柄もにこやかな「同志」肖像も見るほどに鬱屈が増す。
撮影推奨、SNS拡散ということだが、無理。
わたしは本当にニガテ。
ただ、周恩来はやはり感じが良かった。
例によって解説プレートの誤字をみつけ、やっぱり通報する。
「却って」が「返って」になっていたのだ。人々の思惑とその後の狂気と恐怖の分岐点での箇所なので、スルーは出来なかった。
ウザがられるだろうが、こうした歴史的な内容の展覧会は、決して何事もゆるがせにしてはいけない。

ところで今回初めて明大の博物館に入ったのだが、刑罰関連の資料が多々あると聞いていたので、勝手にアタマが全部それモードになっていたのか、いきなり現れた日本各地の伝統工芸品を見ても「これでどう拷問するのかしら」と妙な妄想に駆られてしまい、チャウチャウと言い聞かせるのに苦労した。反省する。
因みに何を見てどう妄想したかは内緒。

石抱きの石とか種類別十手とか色々あるぞ。ドイツのあれとか。
撮影可能だけど、わたしは出来ない。基本的にこういうのは観念的にはともかく現実に負けるから無理。
ハノイでのベトナム人の無残な刑務所内の様子、ダイアナ妃の激突した柱、乃木大将の自刃した部屋…
見たことを後悔する場所の記憶は今も生きているが、それを改めて現実の眼で再確認したくはない。

学食をいただいたのだが、すごく疑問がわいた。
ワンプレートに温野菜サラダがあったが、ドレッシングなしで、設置されてるのは醤油・ウスターソース・胡椒・酢だけだった。
わたしは酢醤油で野菜を食べたけど、ドレッシングなしの学食は初めてだったなあ。

窓からはさすがにいい景色。
次に行く三井住友海上もよく見えた。
ということでそこの新館のECOM駿河台へ。
神田学生街の記憶展 



いい写真や資料をたくさん見せてもらった後、勧められてこちらへ。


昨日までと違いポカポカの日でよかった。

銀座に出た。
あおひーさんの新作を見にアートポイントへ。
ミステリアスでちょっと官能的な「召喚」をみる。
いつも不思議な世界。
他にも好ましい作品があり、そちらも投票する。

そのまま1丁目へ向かう。
少し道に迷う。それでもなんとかたどりつくがこのタイムロスは痛かった。
やっぱり中央通りを行くべきだった。
桑原聖美さんをはじめ五人の方の日本画を見る。
桑原さんの三つの作品からは静謐さと不穏さと優美さとをかんじる。
日本画は今後も生きてくれる、そんな希望を持てた。

時間がなくなり、あわてて東博へ。
「仁和寺と御室派のみほとけ」展の内覧会へ。
レセプションでいただいた粉を凝縮した和菓子がたいへんおいしくて、これは買いたいと思った。
どこのかはわからないが、よかったなあ。

さて展覧会。
前回の運慶展もそうだが、今回もとてもいい。
みどころが多すぎる。
登場する仏像の紹介のあおり文がなかなか面白かった。
ふざけてるのやなく、興味を持って知ってほしい気持ちが現れてる。
実際、「え?」と言いながら場所の説明を読み、それからまた仏像を見直す人が少なくなかった。
こういうのは大事だと思うわ。その地で愛される仏逹の紹介。

撮影可能コーナーがまた素晴らしくて。
これは本当にすごいわ。
画像はまた感想を挙げる時に。

タイムアップ。
ここまで。
新幹線に乗ろう。
また来月までサラバ。
2018年正月の東京ハイカイもおわり。

2018.1月の東京ハイカイ録 その1

2018年正月の東京ハイカイは1/13から1/15まで。
実のところ1月のどの日に行くかでかなりアタマを悩ましていた。三が日は論外として、三連休にゆくか・13-15にするか・20-21にするか・27-28にか。
相当悩んだ末、15日の東博内覧会に合わせて13-15に出向いた。
だが、そうなると冬コミ後の大阪での最初のイベント1/14にも行けず、1/28の都内でのオンリーイベントにも行けなくなるのは自明で、これで文句を言うてはどうにもならなくなる。久しぶりに「出戻り」になると、イベント情報に疎くなるのは仕方ないとはいえ、ほんと、苦しい。

さて寒い東京に着いたのが朝の9時半。いつものようにお気に入りのロッカーに荷物を放り込みに行こうとして気が変わり、先に宿に荷を置きに出向いた。
宿へは寄るなら送迎バスがあるが朝はない。メトロリンクもまだ動いていない。
なので地下鉄で移動する。新幹線でぐったりしてただけなので、まだ動けるのを幸いに歩いた。

定宿について支払いと荷置きだけして出発。
予定を変えたのでまずはフィルムセンターへと向かったら、ここは11時から。あらら。
ではLIXILギャラリーへ。「織物以前 タパとフェルト」を見る。
ああ、フェルトは知っているが樹皮布(=タパ)は初めて知った。
こちらはポリネシア、オセアニア、海の民族の拵える布で、それぞれの民族の違いがあった。写真バチバチ。






冠婚葬祭、儀礼を大事にする…伝統的なハレとケの行事をきちんと執行する民族は、実際のところ少子高齢化の問題はあるのだろうか。そんなものないのか。
最新の生活をする人々は少子高齢化へ進み、冠婚葬祭を切り捨ててゆく。
発展途上国と呼ばれる地域の人々は今も伝統を守ろうとし、あるいは守らざるをえない状況にある。伝統とは冠婚葬祭と密接に関係がある。いや、生と死とに関わることこそが実は伝統のあれこれなのか。
とはいえ、こうした伝統的手工芸はその担い手に過大な辛苦を負わせる。
そのことを考えると、今後どうあるべきか全くわからなくなる。

フィルムセンター手前のビル。


ほかにも装飾品の一部が置かれていた。

フィルムセンターではSF映画のポスターが集まっていた。
前回はメルヴィル監督特集。あれもよかった。
それから1/13は森雅之の誕生日。なんていい男なのだろう、と彼の風貌を想う。
ふと見ればこんなのもある。



映画の最初期のポスターもある。
とはいえ後世のものだが。
「フランケンシュタイン」のそれなどかっこいい。
また後日詳しく記すが、本当に自分がSF好きなのは特撮のおかげだと改めて思う。
子供の頃に見たものが今のわたしを造る。


大変たくさんの映画を観ていたことを感謝しよう。

どこでランチにするか。さっきLIXILとこことを往復した時に人が行列していた店へ向かうと、たまたま行列がなかったので地下へ降りた。


アジはよいのだが、他のものが飛んでしまっている。特に小鉢の厚揚げの炊いたんはもっと考えないとだめだと言いたい。アジに力を入れ過ぎというべきか。
ただここは都心の京橋。アジフライはやはり都心では絶品だとは思う。
そしてわたしは走水神社前の味美食堂のアジフライ定食を思い出す。また観音崎へ行こう。

三井記念美術館で鳥を見るが、ニガテな鳥が多いので、ヒトサマの1/3くらいしか見ないことになる。仕方ない。
それでも好きなものがいくつも出ているのは嬉しい。

竹橋へ出ると近美のロッカーが出待ち状態なので、いっそもう来月だと決めて、また東西線にのり、そのまま吉祥寺へ。
武蔵野美術館で中澤弘光の明治から大正のグラフィックと水彩の仕事を見る。
随分前に「中沢弘光のブックデザイン」展を見たが、洋画の仕事よりこちらが好ましい。
杉浦非水とのコラボ作品もいい。
明治のアールヌーヴォーは武二、五葉、非水、浅井忠、そしてこの中澤が担っていた。
青木はラファエル前派。

いいものを見た後は美味しいおやつ。


そう、moiさんともお話したが、このバター・スコッチ(イメージはチェルシーのあれ)、それだけでも十分美味しいので、ラム酒をいつ使うか本当に困った。

そのまま上野へ向かう。


逆にして「銀と金」になると、「ざわ・・・ざわ・・・」になるからなあ。

楽しく「博物館で初もうで」してからお宿へ戻り、一日目は終わり。

2017.12月の東京ハイカイ録

今月も東京へハイカイに向かいました。
やっぱり月に一度はお出かけしないとね。
とはいうものの12月は気分が忙しいので日帰り乃至一泊と決めている。

意外に天気が良くて富士山も綺麗。



品川で下車して五反田経由で西馬込。
京急から泉岳寺経由でも同料金。新幹線ならJRの方が合理的。
わたしは大阪人なので合理的でないことは厭だ。
…だーかーらー、どうして大田区郷土資料館への道案内に「西口」とある資料を見てしまうかなあ。
東口からの方がええに決まってるやんか。くそー。

大森界隈は海苔だけやなく麦藁細工でもとても有名で、今回はその麦藁細工を見に来たのだ。
麦藁細工と言えば城崎温泉のを思い出すが、大森のも可愛いもんだ。
先般「たばこと塩の博物館」でもいい細工物を見た。
和モダンの世界 近代の輸出工芸 金子皓彦コレクション
その感想

いいココロモチで駅に戻り、ここから長旅へ。
中井へ出る。そこでちょっと早めの昼にしようとさる店に入り、見知らぬ人と席をシェア。相席ではなく、隣の椅子を使い合うこと。
こういうシステムは同時に食べ終わらないと成立しないけど、今回はうまくいった。

西武線に乗り換え上井草へ。
ちひろ美術館へ向かうと、いつも混んでるか完売してるカリーナのサンドイッチがいくつかあったので、これを買う。



ちひろ美術館前のベンチにつくと、その向かいの席にママさんたちがきてやっぱりカリーナのサンドイッチを出してきた。
向こうはインスタ、わたしはツイッターに挙げる。
カリーナのサンドイッチと言えば1999年の夏以来かもしれない。
当時のわたしは絶賛体調不良で死ぬ死ぬで生きていて、ふらふらになりながらここのサンドイッチを食べたのだった。

絵本を大いに楽しんでからまた中井へ戻り、そこから本八幡へ。
京成に乗り換え千葉中央。
千葉市美術館へ北野恒富展の後期拝見。
よかったわー




ここから池袋へ出てちょっとお買いもの。
いいものをかなり大量に購入できて嬉しいが、かなり体に堪えたなあ。
初日ここまで。

二日めの日曜日。
大手町から西日暮里に出て一駅だけJRにのって日暮里の朝倉彫塑館。
猫百態。すごーーーく楽しい。
大好きな建物の中に朝倉文夫の猫ずらー。
可愛かったなあ。




今度は根津へ。弥生美術館で「はいからさんがとおる」展を見る。
わたしの大和和紀ベストは「KILLA」「アラミス」「イシュタルの娘」なんだよな。
しかし同時代のはいからさん、そしてその次のモガと変遷を見てゆくのは面白かった。

都美でゴッホ展。日本へのトキメキがゴッホの中でどんなに大きかったか確認。
最後は科学博物館でアンデス展。
面白かったよ。

今回は展覧会と買い物とみんな満足した。
新幹線はうまいこと空いていて、読書タイムに最適だったしね。
定宿の人にも「また来年よろしく」とあいさつもしたし。

というわけで12月の東京ハイカイも終わり。
また来年までサラバ。

2017.11月の東京ハイカイ録

11月の東京ハイカイは23日から26日の四日間。
その前日に淀屋橋から少し歩いた先にある神農祭に行って、いい機嫌でうろうろ。
それから翌早朝に出てるから4日間休まずマジメに遊んだことになるか。
展覧会の細かい感想はまたそれぞれ別項に。
四日間の足跡をたどる。

新幹線を品川で降りて大井町から上野毛へと向かう。
五島美術館で明代の七宝焼を中心にしたものをみる。
やっぱり七宝焼というものは偉大だ。
古代から連綿と続く装飾の宝。

静嘉堂で明清絵画を見る。続けて明の文物を見るのは楽しいな。
沈南蘋の猫の絵を谷文晁の一門が模写したのがあって、それが可愛い。
臨書した筈なのに目元が日本風なのがなかなか。

太田浮世絵記念館では菊川英山。このヒトの絵をまとめてこれだけ見れるのは本当にありがたい。何しろこんな企画、初めて。
わたしは英山の絵は70年代の少女マンガのキャラとも共通するものがあると思っている。

続いて表参道の伊勢半紅ミュージアム。幕末明治から大正の化粧品の流行やその当時の化粧品の容器など。こういう展覧会は大好きなので楽しかった。
大阪ではクラブコスメさんが資料館を開いていい企画展を見せてくれるが、今回の展覧会はメーカーの垣根を越えた総合展示。
最後には江戸時代のコスメの再現品があり、わたしは牡丹色の頬紅を少し使ってみた。

そこから松濤へ。三沢厚彦 ナゾのアニマルハウス。
ホワイトタイガーのみ撮影可能だが、ツイッターで見ているとみんな実に色んな角度・表情を捉えており、全く別物に見えるのが面白かった。
因みにわたしが撮ったのはこれ。



機嫌よく見終えてから池袋へ。
実に20年ぶりにある場所へ向かう。
・・・予想以上にいい買い物が出来てホクホク。諦めてたものも手に入りホクホク。
荷重だが、機嫌よく宿へ向かう。
初日はここまで。

2日目。平日の金曜。ラッシュに混ざらないように京王線へ。芦花公園。世田谷文学館で澁澤龍彦展とSF・再始動展。
こういう展覧会は時間がかかる。ドキドキの3時間ちょいでした。
フーフーフー・・・ブーフーウーではないよ。
どちらもいい展示でしたわ。

さてわたくしは次に印刷博物館へ。江戸川橋からなら橋沿いに8分か。見えてるものな。
キンダ―ブック90年展。こういうのがまた好きだから時間がいくらあっても足りない。
「ねこさま」がすごく面白かったわ。

いいキモチで市ヶ谷から本八幡、京阪八幡から千葉中央へ。すっかり真っ暗。
千葉市美術館へ北野恒富展の前期を見に行く。
ハルカスでも見たが千葉でも大いに楽しむ。
ここの怖いところは所蔵品もそれに合わせて凄いラインナップを組んでくるところ。
こらーっこんな内容の濃いものを二つも味わわせてくれるなー、後遺症が大きいわい。

この日は本当に濃い濃いものばかり見ましたわ。
2日目終わり。

土曜になりました。久しぶりすぎていつ以来かわからんが代田へ。駅がめちゃくちゃ変わっていてびっくりしたなあ。どこですかここ。
南口の改札から空を見ると白い富士山が見えた。エエ天気やな。



まだ未完成だが、完成すればここももっと大きくなるのかな。茶っ葉屋さんのところを通り、環七へ。てくてくてく・・・巨大な斎田記念館へ。
久しぶりに来たよ。そして鈴木華邨のわんこなどをみました。
2010年、2012年以来かも。

ここから町田へ向かったが、それが大失敗で、展示が終わってたことに気付いたのは芹が谷公園の入り口についてから。うわあ。
だから小田急乗り降りのわたしは町田でわざわざランチしに行ったようなもんです。
次は藤沢。こちらも久しぶりの遊行寺。二年ぶり。つまり遊行寺の宝物殿は2年ごとにわたし好みの展覧会をするわけです。今回は江の島縁起絵巻。ダイナミックで面白かったわ―
銀杏も綺麗。



「遊行寺とおぐり」展 感想

道を戻り、今度はJRで横浜へ。そごうなりよ。
平山郁夫シルクロード博物館の文物を見るが、これが本当に素晴らしくて。
毀誉褒貶は人の世の習いだからあれとしても、やっぱり美の信徒として保護活動に懸命になったのは素晴らしいことだし、失われたものへの哀惜と憤りをあらわにするのもいい。
オリエンタルから東アジアを俯瞰したような心持になる。

サントリー美術館へ行くのにわたしが選んだルートは京急乗り継ぎの大門乗換六本木。
スマホのおススメは東横線で中目黒乗り換え六本木。
・・・乗り継ぎのタイミングもあるのか、京急からの方が1分早く着いたし、大江戸線だから日比谷線よりミッドタウンに近いよ。
というわけで来ましたサントリー美術館のセーブル展。
ロココに始まり現代へ到るセーブル窯。
階段室のところはアールヌーヴォー、アールデコ時代のがあり、草間彌生のどう見ても「ワレワレハ宇宙人ダ」な造形品まで撮影可能。ロイ・フラーの映像もあり、嬉しいわ。

まだ夜の時間はある。
東博へ向かう。

フランス人間国宝展。やっぱりオープニングの華麗なる曜変天目ずらりの空間が最高。
ああ、綺麗なものを見た。
傘も羽根も扇もみんないい。ガラスの動物レリーフも素晴らしい。
本館の室町時代の大和絵も浮世絵も楽しく拝見しましてあっという間に21時。早よ帰らな職員さんに迷惑かかるがな。

というところで三日目終わり。
まだまだ不足気味だな。

葛根湯は風邪の引き始めだけでなく肩こりの緩和にも効くのですが、アホなわたくしはですね、水が冷たいので沸きたてのお茶で中和しようと同時に飲んでむせましてな。
ゲホゲホしてそれから喉が炎症起こしたようです。あかんのう。

東京駅のいつものロッカーにキャリー放り込んでから行動。
まずは本所浅草橋へ。たばこと塩の博物館で明治の頃の輸出産業の華やかな工芸品を愉しむ。素晴らしい寄木細工、色鮮やかな青貝細工、愛らしい麦藁細工などなど、いいものばかり堪能。
あああ、エエモンを見たわ。

フィルムセンターではジャン・ポール・メルヴィル監督特集。カッコ良すぎてシビレまくる。やっぱりフィルム・ノワールが好きだ。
しかし「恐るべき子供たちもこのヒトだったか。
「仁義」「サムライ」「リスボン特急」・・・うう、かっこいい。

新橋に出て遅めのランチ。マグロのタルタルフライがおいしいのだけど、柔らかものばかりでちょっとばかりイラッとくる。多少固いものもほしいな。

汐留ではルオーとカンディンスキー。わたしはわりとカンディンスキーの初期作品が好きなの。だいぶ前に「青騎士」展が三菱であったとき、よかったわ。
今回も不透明な絵の具が齎すよさをみる。

出光美術館へのルートはそりゃJRもあるけど、わたしは浅草線で東銀座から日比谷線というルートにした。ここからなら銀座線よりかは早い。というわけで出光へ。
「書の流儀」展、意外なことに若めのサラリーマンのグループが熱心に見てたな。

そこから徒歩で三菱。
ロートレックとポスターな。ここも撮影可能コーナーがあり、シャ・ノワールの猫さんがおったわ。
ときめくね。

地下を歩いて丸ノ内行幸地下ギャラリーへ。フィルムセンターのポスターを見に歩く。
みそのコレクションの戦前日本のやフランス映画、ソ連映画のが30点ばかり。好きやわ。

丁度いい時間になってタイムアウト。新幹線へ。
四日間いたけど、まだまだ足りない。もっと欲しいな。
いるとどんどん欲が起こる。
今回も大充実の東京ハイカイでした。
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