美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

2017.10月の東京ハイカイ録

今回は一泊二日でしかも観劇がメインという久しぶりのプランです。

最初から国立劇場へ向かったわけではない。
まずは三の丸尚蔵館へ。
展覧会の詳しい感想は例によって後日。

やっぱり皇室の所蔵していた古代ものはいいなあ。
外には桜のような木花が咲いていた。



半蔵門へ。久しぶり・・・
国立劇場のチケットを出力してから国立国会図書館へ。
挿絵の展示を見る。
結局これで時間を使い切る。
ああ、挿絵よ・・・面白かった。

15年ぶりの再演「霊験亀山鉾」。
やっぱりあれよ、仁左衛門が白塗してとんでもない悪役やるのを見るのが一番好き。
だから彼に殺される善人たちは出来る限り儚く憐れでないといけない。
その痛々しさに疼くぐらいでないと、やる資格はない。
ニザリー、本当に素敵だ。
個人的には焼き場の場がいちばんいい。南北は人の生き死にで不謹慎な笑いを送ってくれるが、そこにわたしも反応する。

ああ、面白かった。

いい芝居を見終えて機嫌がいいが、もう五時前だった。
明日は本当は歌舞伎座で「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」を見たかったが、チケットが取れなかったのと、足が言うことを聞かなくなっていたので諦めた。
歩き倒す分にはいいが、ずっと狭い所で動かさずにいると、わたしの足は動かなくなるのだ。痛い。まだ足が治りきっていない証拠だ。

半蔵門から上野へ向かう。
サクラテラスから山へ上がると、上野の森美術館がある。
「怖い絵」展、その時40分待ちだった。雨の中だが、これは入ろう。

実際には25分程度で中へ入り、大混雑だがどの作品も好きなように見た。
こちらにある種の執意があれば大抵のことはかなうものだ。
そんなことを思いながら「怖い絵」を楽しむ。

まだ雨は降っている。
しかも目に見えない雨に変わって。
わたしは歩く。

東博につくと柔らかな照明があちこちにあり、うすぼんやりした夜景をクノップフの描いたブリュージュのように見せていた。
写真ではとらえきれない光景だった。
だから目に記憶に残すしかない。
しかし記憶は改竄される。
ほかならぬ自分の脳によって。

運慶展を再訪した。やはり彫像の後姿の肩や振り上げた腕の強さにときめいた。
考えることはあまりせず、純粋に見る愉しみに溺れた。
していいこととよくないことの区別がつかなくなる。
畏怖の念より、ある種の欲望とときめきがそこにある。

東洋館でマジカルアジアをみる。



チラシにあったニューギニアの頭蓋骨をみる。
加工された頭蓋骨。ヨーロッパではゲルマン人が敵の頭蓋骨に鍍金した。
日本では信長が敵の頭蓋骨を盃にした。
しかしここでは崇めるために頭蓋骨を表装し、不思議な再現をした。
生者の頃と似ているのかどうかは知らない。もはや誰もわからない。
装った死者の頭蓋骨を通して生者を想う。

好きなものが展示されているのは嬉しい。


2010年以来の再会になるのか。
当時の感想はこちら










外に出ると雨は空気と同化していた。
湿潤な東アジアの片隅。
月は出ていないが、こんなものをみた。



湿気に包まれながらも心地よさが全身に沁み通っていた。


定宿に帰るとフロントの仲良しが「一泊とはお珍しい」と言う。
まあ確かに。芝居の話をしてから寝る。

2日目、日曜なのに平日担当の朝食係のKさんがいた。
訊くとやっぱり土日はなかなか人が長続きしないらしい。
Kさんもたいへん。

まだやっぱり腱は治りきっていない。一カ月たってないから仕方ないか。
しかし歩く。歩くぞー。
というわけでいきなり国立新美術館にゆくが、開館5分後には既に大混雑の安藤忠雄展。
「光の教会」の現物再現があった。
正直、本気で驚いた。
この教会は大阪府茨木市にある。わたしもその気になればすぐに行けるのだが、今も行ってない。
驚いた。まだ雨なのに光が差し込む。



不思議な快さが心に拡がる。身体はそうでもないのだが。

安藤への盲信はないし、常に一歩引いたところで作品を見るが、しかし彼の作品の強い感染力には敵わない。
そこに住む気はないが、行く先が安藤作品だということはかなり多い。

結局2時間近くいた。
地下でお昼を食べてからサントリーへ向かう。
雨なので一瞬乃木坂から霞が関経由で六本木へ向かうかと考えたが、六本木からサントリーも意外に面倒なので雨の中を歩く。
そう、ミッドタウンは遠くない。

狩野元信展を見る。うまいこと入れ替えが進んでいて楽しい。
特によかったのは酒伝童子の鬼の宴会シーン。
鬼の家来たちが御大退場後に柿や栗や梨を運んできて、レアのフィレ肉を食べたり飲んだり舞ったり吐いたりしている。
無邪気な鬼たちより腹に一物手に荷物の頼光と四天王ご一行様の方がよっぽど悪人面をしている。

おんぶのしあいっこでインドからキジル国へ向かうクマラタンと釈迦像。
なんだかなごやかでいいぞ。

さてここからはまた建築。
東近美で「日本の家 1945年から」をみるが、これがまたなんだかもうすごいなと。
安藤をみた後に一旦狩野元信を入れて本当に良かった。
続けて見るのは避けるべきだ。
偉いぞわたし。

要するに近代建築を溺愛している人間に現代の現実が容赦なく押し寄せてきて、対処しきれなくなったということだよ、諸君。←諸君と呼びかけるほど別に誰も読んでいないぞ、7e。
安藤展とこの展覧会はたぶん一緒にする。そうでないと逆にしんどい。

常設展示では好きなものが色々出ていた。
癒される・・・







ここでタイムアップ。一瞬まだ17時前なので飯田橋にでも行こうかと思ったが、行くと必ず長居する。
諦めて大手町へ。

今回は一泊二日なので特に疲れたわけでもなく、荷物が大きいわけでもないので、阪急で帰る。
いつか新線が出来るらしいが、そうなると今よりもっと楽に帰宅できるな…

自宅に帰ってから猫を触りたおし、トキメキの元を延々とみて、やっぱり遅寝になったのでした。
次は11月の末近く。
スポンサーサイト

2017.9月の東京ハイカイ録 その2

日曜、この日は京成線で千葉中央へ。
昨日みた井上洋介展で見た「京成線の変な人たち」を思い出す。

この道からの方が間違えなくて済むな。
暑い暑い日差しの中をゆく。

千葉市美術館で鈴木春信展。
可愛い男女の性差のない体型、ソフトな表現。
いいのが多く出ていた。
で、所蔵品展がたまらない。
春信の活躍した同時代の京の絵師たちの展示だもんなあ。
要するに京都画壇の光芒を見せるわけですよ。
この取り合わせで思い出すのが随分前の京博での展示。
『元禄・化政の間の18世紀こそ、絵画の黄金時代なのだ。江戸には浮世絵しかなかった。19世紀の北斎は蕭白の影響下にあった』
…これな。

お昼は全国展開の某水産系居酒屋。ここの店はさりげなく親切なのがいい。
魚はもちろん美味しかった。
再び京成線に乗り、今度は浅草へ。

暑いぞー
浅草を歩きながらめまいがしてきた。
ようやく待乳山聖天へ。
無料の浮世絵展。しかも物すごーく発色がいい。一枚の中に数色の青があったりとかね。
こういう隙間の存在を忘れないようにしよう。

桜橋をわたり、すみだ郷土文化資料館へ久しぶりに。
ここでは明治の小林清親と弟子の井上安治の展示を見る。
やっぱりいいな、江戸から明治への転換期のややこしい時期に生きた二人の絵師。
do!family美術館で見た昔からずっと好きだ。

交番があったのでそこで郵政博物館へ行くのに歩くか・吾妻橋から乗るか相談する。
結局お巡りさんのおススメに従い吾妻橋から押上へ。まあこの方が合理的だわな。

郵政博物館、17時半まで開館のくせにロッカー使用は17時までと言うのが気に食わねえ(空条承太郎風に)。
明治の東京風景を描いた浮世絵を見る。主に三世広重な。

そこでタイムアップ。一旦宿に帰り、またお出かけ。今度は飯田橋。そこで色々いろいろ・・・・・・・・・
毎晩出歩き、ときめきつづけているのですよ。

最終日、月曜。
定宿の朝ごはん作ってくれるKさんとなんだかんだとおしゃべり。
平日担当のKさんは他にもう一人入れてほしいと願うのだが、来る人は皆平日が嫌だというそうな。
東京は意外と仕事があるなあ、長期に働ける人が必要なんだなあ。
時給はともかくとして。
まあちょっとばかりそんな話をして、また来月ね。

同宿した一家に色々親切と言うか、道案内・ルート案内をする。
こういうことを自分からやるのが大阪人の血であり智であるわな。

横浜トリエンナーレへ。
三年に一度だったな。あれから三年か。もっと前かと思ってた。
現代アートがニガテなんだが、それでも心に触れるものがある。


この糸の連続を見ていて始皇帝の巨大な陵墓のあちこちに張り巡らされていたというトラップを思い出していた。



横広だからかなあ???

さてタイムアップで一気に上野へ。


こんなの見た日には一気にトリップしてしまいそうだ。

というわけで東博。
運慶展、内覧会。
これについてはもう本当に凄いのを見たと思う。
運慶がいいのは当然なんだが、それを教えてくれたのは東博だ。
素晴らしいという言葉がまず来る。こんなに見せてもろてよいのかというくらい名品が集まっている。
そしてその凄さを顕にする為の展示のあり方が見事。前から好きなもの・見知っているもの=コレハアレ、その認識が一斉に更新された。どうかこれからの観客よ、自分の眼で見てほしい。意識の改まりを知ってほしい。

これまで興福寺の多聞天の掌の宝塔を特に気に止めなかったが、今回の展示で多聞天が宝塔を天に衝き上げている姿に衝撃を受けた。
この展示だからこそわたしは見る、知ることが出来たのだ。
多聞天の掲げた先には何があるか。
多くの人とこの衝撃を共有したいと思う。
凄いものを見た。

古いガラスケースがいくつか登場。
わたしはあのガラスケースが好きだ。そこにあの作品があるのを見たとき、なんだかすごくラッキーな気分になった。
しかも中にはわんこ。そう、あれね・・・

興福寺の人気コンビ天燈鬼と龍燈鬼も登場。
明治末に関西旅行した志賀直哉、里見弴、木下利玄らもファンになり、絵はがきを購入している。
「ゆるふんの具合がどうにもね」とは志賀の言葉。昭和初期、里見「若き日の旅」での追想の話。
平成の今もこのコンビは人気者。

イヤホンガイドも良かったわ。もっと聴いていたいと思ったくらいの声と内容。聴きながら思わず「そうなのか!」と新たに目が開かれもする。特に八大童子のところが良くて3度も繰り返してしまった。
声優の小野大輔さんとアナウンサー堂真理子さん。
はっきりと脳に入る語りかけだった。

ああ、本当に凄い…

ドキドキしながらアフタヌーンティーもして、時間ぎりぎりで出る。
図録はムチャクチャ重たい。
ぐぐぐぐぐ…

新幹線に乗りながら思惟は揺らめき続け、栗ごはん弁当は美味しくいただき、タクシーで帰宅。
いろいろ片づけてからまたときめきが揺れ戻ってきて、結局のところいつもと同じ深夜までアドレナリン放出中…
いいツアーとなりました。
また来月。

2017.9月の東京ハイカイ録 その1

九月の東京ハイカイ録
今回は四日間東京におるのです。
金土日月。
それぞれたいへん忙しく過ごしました。

うちの母親は今あんまり心身が健全ではないのですが、わたしが不在になる時の方がまだマシで、今回も早朝にみそ汁を温めたり、途中までお見送りをしてくれましたわ。
これがいつまで続くのかはわかりませんが、出来なくなった時点でわたしのハイカイが途切れる可能性があるので、まあ常に一期一会の気分で出かけます。
母親も出来る限り好きなことをしろ・悔いなく遊べと言うてます。

さて早朝に新幹線。目覚めたら曇天の東京。
今回のわたくしはですね、先週から引き続いて足をいたわる為に杖をついてましてな。
それで杖を突きつついつものロッカーに荷を放り込んでから三菱一号館へ向かったのですよ。
KITTEの横を行けと言われてなるほどと納得。このルートだと地下から行くよりわかりやすいな。
まずは世間では「レオ・ミケ」展と呼ばれるダ・ヴィンチとミケランジェロの素描展。
例によって展覧会の感想は悉く後日に挙げます。

ようやく見に来れた。終了直前にしか来れなかったが。
近年になり、ミケランジェロが案外人当たりもわるくなく、良識もあり、親族への愛情も深く、というのが書簡やその他の資料から知られるようになり、わたしも好感度が高まっている。
素描は大人になってから好きになった。
なので今こんなにも会えてうれしい。中でもダ・ヴィンチ描く(おそらくは)チェーザレ・ボルジアの顔3態のうち真正面向きのそれが、「進撃の巨人」のリヴァイ兵長の目つきとそっくりだったので、朝から萌えている。

出たら雨が強まっていて、出光へ向かうのにどういうわけか彷徨してしまった。
仕方ない。ビルの地下へ入り、喫茶店でランチ。焼うどんを食べたが、具材が多いのはいいが、何味なのかよくわからない味付けではある。ちょっと不思議な味。

出光美術館で江戸琳派。いいものを見たなあ。数年前にも大いに堪能したが、今度もとても良かった。
こういうのを楽しめる環境は素敵だ。

三井記念美術館では明治の名工と現代作家の競演を大いに楽しむ。
技巧の凄さって結局なんなのだろう…ここまで凄いのを見るともう段々とわからなくなってくる。

さてこのまま雨の中を歩いて神田へ向かう。
本当は地下鉄なら最寄駅まで濡れずに済むが、ついてからが大変なのであえて平地を歩くわけさ。
そして上野に来ました。まずは科学博物館。大人気の『深海』展。
これが4時についてスイスイと入れたのは金曜で雨だからかもしれない。
機嫌よく見て回り、パチパチ撮って映像も見て、とても満足でございますわ。
そして世界館を一望してからレストランで恐竜の足をイメージしたハンバーグを食べてから、今度は東博へ向かいたいのだが、随分な雨ではないか。
困るなあ。先週こけたのは台風の雨のせいなのだぞぉ、とつぶやきつつ東博へ。

東博本館二階へ上がると、まさかの三藐院近衛信尹の特集!!
すごい嬉しい。わたしは近衛信尹の大ファンなのよ。
強い個性の字がもぉ素敵だし、彼の生涯を追うことも好きで、ドキドキするわ。
近年には大和和紀さんが「イシュタルの娘」で小野お通の恋人としてヴィジュアルを与えてくれたから、いよいよ嬉しい。
大和和紀さんが描いた彼にもときめくよ。
そう、朝から夜までこうしてときめいているのですよ・・・

他にもいろいろいいものを見て気分は昂揚するぜというところで表慶館へ。
フランス人間国宝展。
これがもう見せ方の勝利というものを強く実感したね。
特に曜変天目。フランスの陶芸家も曜変天目に魅せられてそれを拵えようとしている、というのがとても凄い。
長いテーブルにずらりと並ぶ天目茶碗に秩序立てて照明が当たる。夜の照明。それが碗の中の宇宙を照らし出す。
ときめいたなあ。
傘や扇の面白いのも色々みたが、もうこれは職人仕事という土台はあるが、現代アートだな。

それにしても今回も東博の職員の皆さんの仕事ぶりのよさに感銘を受けたなあ。
以前からここの皆さんの働きぶりの良さにときめいて憧れていたが、今回親切を受ける身になって、ますますその良さに感心した。
1つ先の動きをしはるわけだから、本当にいい訓練をうけ、いい考え方が身についていて、実行できる。
こういうのは同じ社会人として憧れるね。ほれぼれする。
テキパキ+ニコニコ、いいなあ。

9時半まで遊んでから東京駅へ。
そこから送迎バスに乗ったのだが、これがえらい目に遭った。
団体の奥さんたちが、親切にしてくれるのはいいのだが、なんだかやたらとわたしのことを知りたがるのだ。
この場だけの付き合いなのになんでそんな、と思うがおばさんの好奇心は止まらない。
親切ありがとう、褒めてくれてありがとう、と思うしかない・・・
初日ここまで。

土曜日。
乗り継いで上井草。久しぶりにちひろ美術館へ。
駅から少し行ったところのサンドイッチ屋、相変わらず混んでるなあ。
1999年の夏、わたしは体調がたいへん悪くて毎朝起きる度「あ、今日もまだ生きてる」と確認し、恐怖と安心とに打たれながら日々を送っていた。
その最中にちひろ美術館へ行き、帰りにここのサンドイッチを食べたが、それが一日一食のすべてだった。
だからここのサンドイッチを見る度に、あの日々のうすら寒い恐怖と生きてる実感とを同時に思い出す。
秋になってようやく体調も復していったが、皆さん、本当に熱中症には注意しましょう。
(そう、恐ろしいことに自覚しないままずーっと毎日熱中症で、低血圧・貧血などなど色々あったのだ。)

ちひろ美術館で心を清めたのだが、企画展が井上洋介で、そのお浄めも吹っ飛んで行った。
やっぱりどっちも必要だよなあ、わたしには。
まぁ井上洋介で好きなのはナンセンス絵本なのだが。
その成分を十分に摂取して大いに機嫌よく上井草を出た。
サンドイッチ屋は12時過ぎには完売していた。

出て中井で乗り換えるべきなのを選択ミスして西武新宿に出てしまい、ちょっとツライことになった。
わたしは新宿と渋谷を歩くのがイヤなのだよ・・・
紀伊国屋について昼食してようやく元気になり、そこから松濤へ。

畠中光享さんのコレクションであるインド染織あれこれ。
撮影可能なのでパチパチ。いやーさすが畠中さん、素晴らしい。
これも24日まで。面白かったよ。

そこから駅に戻るとうまいことハチ公バスが来たよ。それで渋谷郷土文学館へ。
元・日活の美術してはったヒトの渋谷今昔絵が面白かった。こういうのもいいよなあ。
そこからずんずんと気楽に歩いててあ゛っ!カバン忘れた。
取りに戻る。そりゃそぉだよなぁ、こんなに身軽なはずがない。
立体起動とか可能なら山種まで一気に行けるな、と思いつつ、あんな筋肉痛バリバリは困るな・・・
ええと、わたしの忘れ物を心配してくれた館の人が外に出ていて、山種への更なる近道も教えてもらえた。ああ、そう、こっちの方が近いのね。

というわけで山種美術館。
上村松園さんを中心にした美人画展。
実は最初に見た松園さんの絵は「花筐」で高校の頃だった。あの顔が狂気を描いているとはわからなかった。
今でも非常に好きな絵だが、松園さんの本領はここに展示されているような気品のある婦人方なのだ。
大正頃の作画にところどころ艶めかしさ・堕ちてはいけないと自分を叱咤しつつ、何かがこぼれるような、そんな絵が途轍もなく好きだが、それを好むものを松園さんは苦々しく思うだろう。
・・・とかなんとか思いながら歩くと男性作家たちの舞妓絵がずらり。
これを見て唐突に思い出したのが今東光「春泥尼抄」の一文。
大意は「尼僧も舞妓も本心からの笑いを忘れている。」
色々考える。

坂を下るのは足に支障をきたさないが、やっぱりあの螺旋階段にはやられる。
しかも揺れるねんもんなあ。

六本木へ。
ミッドタウンで軽食。トマトごはんと豚とジンジャーのスープ。
こういうのが好きなんだよ。

サントリー美術館で狩野元信展。永徳の祖父、探幽の高祖父。
このヒトから狩野派が一気にのし上がったようですなあ。

そこから森アーツ。
あれだ、創刊号から80年代ジャンプ展。
もう本当にわたしの子供時代からいちばんジャンプに熱中していたど真ん中の頃の展示で、ずらーーーーーーっと並ぶ表紙絵にもところどころ思い出すものがいっぱいある。


いやぁ、ジャンプって本当にいいものですね!と水野晴郎風に言うてみたら泣けてきた…

結局最後までいて、東近美へは行けなくなった。


二日目ここまで。

炎天下に地獄・幽霊・オバケに会いにゆく

この土日、地獄を這いずり回るように熱天下を歩き、オバケ・幽霊に脅かされつつも、たいへん面白く過ごした。

土曜の朝から東京へ日帰りで出かけた。
今回の目的は永青文庫、全生庵、三井記念美術館、森下江東文化センター、そしてジャンプスタンプラリーの残り8カ所。
ジャンプのラリー、永青、三井は共に17時、全生庵は16時が終了時間である。森下のみ21時。今回17時終了の山の上ホテルのヴォーリズ展は諦めた。
帰りはいつもより1時間後の19時台の新幹線である。
練りに練ったルートだが、それもテツのヒトから見ればまだまだ甘いかもしれないが。

メトロと都営どちらも乗れる24時間チケットで動く。
丸の内線で東京から後楽園、乗り継いで王子で押印。飯田橋から江戸川へ出て、暑い最中に坂を上って永青文庫へ。
ああ、暑い。

所蔵の近代日本画を大いに楽しむ。
前期もいいが後期もすばらしい。
今回、清方えがく幽霊の扇絵も見れた。

少し歩いて護国寺へ向かうが、途中にある近代建築の跡地を工事するのをみたり、講談社が外壁工事をしているのを知る。
池袋に出て押印、時短のため高田馬場までJRに乗り、押印。いい感じである。
そのまま中野、そこからまたJRになる。
荻窪で押印後、丸の内線で新宿三丁目、副都心線に乗り継いで明治神宮前で押印。

やっぱりここまで来ると完全に最後まで完遂したい。
がんばろう。

六本木で押印後、日比谷で乗り換えて千駄木へ。団子坂下をてくてく。
久しぶりに全生庵。94年ぶりに発見された清方の幽霊画・お菊さんをみる。
ここもわたしがぶらぶらしていた90年代と違いすっきりしたな。
アナゴ寿司・乃池、菊見せんべい、喫茶・乱歩などなど昔からの店やさんさきカフェなど今のお店もある。
来年くらいからまた90年代のように谷中、深川をぶらぶらしようか。

押上でも押印、そこから三越前、三井記念美術館「地獄絵ワンダーランド」後期を楽しむ。ヘタウマな十王図がやっぱり面白い。
中には「あ、ここお役所なんだ」と改めて納得する十王図もある。

予定通りに動いていよいよ日本橋から浦安へ。最後は聖闘士星矢だった。
ファイルをもらう。
ああ、完遂した・・・・・・
イメージ (148)イメージ (149)

かなりほっとした。時刻は16時50分。
疲れた。浦安は初めて来た地なのでちょっとだけうろうろ。
「青べか物語」「球道くん」「浦安の黒ちゃん」この三つがわたしの浦安イメージ。
ぜんぜんちゃいますがなw

再び地下鉄に乗り門仲から森下へ。
A7出口から出ると、元祖カレーパン屋のカトレアが。ここも昔たまにカレーパンを買いに行ったが、改装工事に入ってからずっと行っていない。後で寄ろう。
森下文化センターでホラーマンガの展覧会。
犬木加奈子、日野日出志、古賀新一、木村直巳、近藤ようこ・・・
え、木村直巳ってあの???
中学以来再読した本もあり、たいへん面白かった。

森下から淡路町経由で東京。
駅弁は秋の野菜もの。
季節の移り変わりを感じるねえ。

かなり歩きすぎたので足裏アーチが痛い。
湿布を貼っておやすみなさい。

日曜。
今日はお友達のhikotaさんと大阪市平野区の平野区町ぐるみ博物館へ。
これまた久しぶりの再訪。

大阪駅から関空快速で天王寺、向かいの王寺行きに乗り換え二つ目の平野で下車。
ああ、わたしが来なくなった後に出来たらしいイオンがある。
そこの二階でランチ。盛況なのはいいことだ。

まずは大念仏寺。融通念仏宗の本山。お練りはニガテ、百万遍の数珠繰りも怖い、しかし幽霊画は好きというわたし。


本堂の立派さ、門の良さ。
展示場所の客殿も古材を使いつつ、たいへん綺麗でよい感じになっている。
ここはBGMつき。
昔から幽霊の片袖、同一作家による幽霊画の展示は変わらず。年に一度のお楽しみ。

河内木綿の展示も見てから、元・油屋の町家博物館に入る。そうそう、ここは昔からしてはった。



次は五年前から参加の元・質屋の町家博物館へ。ご主人は近代建築をスケッチするご趣味をお持ちで、わたしの大好きな建物がたくさん飾られていた。いいなー。



歩くといろいろ記憶が戻るが、やはり来なかった間にかなり変わったようで、よく出向いた町家さん、今回はなくなり、呉服屋さんでフィルム博物館してはったところも見えない。自転車博物館もないなあ。
かつてアサヒグラフで特集が組まれたとき、表紙を飾っていたが。
そのアサヒグラフもないものな。

変わって全興寺さんがにぎやかに仲間を増やしていた。
1980年まであった南海平野駅、その名残を見せてくれる。


しかも二階はみんなが寄れる場所になっていた。これはいいことやなあ。
境内ではベーゴマで遊ぶ子供らもいるし、時間になると紙芝居も。



地獄堂もいい。

閻魔さんのド迫力。スゴいなー
ここは毎週土日はオープンだったかな。

地獄堂の閻魔さん、実はけっこう諭してくれはるのね。だから怖いけれど、胸にしみる。
お堂を出るときはちょっと明るい気持ちにもなるしね。

そして本当に怖いのは実は極楽の方。
ここの極楽はわたしには怖い、怖すぎる。

可愛い駄菓子屋博物館。
ここには新作のドールハウスがあった。
後で行った昭和ミニチュア館、そこのヒトのこしらえものだった。オリジナリティーあふれる可愛いミニチュアでしたわ。







お隣の新聞博物館はいい建物。
昭和三年。



ほかにもぶらぶらと良い建物をみたり博物館を楽しんだり。
ここの町はいい町ですわ。

またいつか行こう。

帰宅してからちょっと嫌なことに巻き込まれ、久しぶりに泣く。
人の世にこそ地獄があるなあ、ということでオチもついたね。

八月の東京ハイカイ録

金・土・日と都内に潜伏しておりました。
まず損保・・・美術館に出向く。
ようやく吉田博展をみる。千葉市美術館でじっくり見たがここでも堪能。
朝イチでもかなりの繁盛。
メモを書いたが、その後に以前の千葉市美での感想を読み直すと、ほぼというか全く同じ感想を挙げていた。
これはもう新規に感想を挙げる必要はないので、改めて「ええものをみた」という喜びだけで満たされたことを記そう。
それにしてもやはり木版画がベストで、特にアジアのそれが素晴らしい。スケッチのゾウさんもいい。

大江戸線へ向かう前にビルの地下で冷麺を食べる。いわゆる冷やし中華。わるくはないが思い出せない味やな。

練馬から西武線に乗り換えて中村橋。
練馬区美術館では藤島武二展。
だいぶ前のブリヂストン美術館以来の懐古展で、初期のアールヌーヴォー風イラスト、表紙絵、美人画がたくさんあって嬉しい。
わたしは武二は人物画がいいんだが風景画の良さを言われてもよくわからんなと常々思っていたが、今回やっぱりいいのかどうかよくわからなかった。

今度は新木場行きで飯田橋乗り換えの六本木一丁目。ホテルオークラ。
時間の都合か会場を独占してしまった。
美人画を堪能。けっこう楽しんだよ。
大好き。
いいものを見たなあ。

三井は夏の金曜なので開館時間が延びている。地獄絵ワンダーランド展。
最初に水木しげる「のんのんばあ」と幼い水木サンによる地獄巡りの様々な絵が出るのはよかった。
最後に木喰の十王がぞろっといるのも好ましい。

三越のヨックモックでお茶したかったけど、都合で三井ビルの下で大阪風讃岐うどんとやらを食べてから上野へ。

東京都美術館でボストン美術館展。
古代エジプト、中国絵画、日本美術、フランス絵画、アメリカ絵画の五本柱。
いい作品が来てたが、コレクターをもっと前面に出した方がよかったのに。
「絵巻マニア列伝」風にとか。

さすがにここで時間切れ。東博はあきらめそのまま東京駅へ。
定宿につくと、たまたまわたしの誕生日と同じルームナンバー。
顔なじみのフロントさんに拍手されましたわ。
初日ここまで。

二日目土曜日。
早めに出て上野御徒町からうさぎやCAFEへ。
九時前から並んで一度目で中へ入れましてどらやきのパンケーキをいただきました。


黒塗りに朱文字で「うさぎや」と書かれた桶が来て、いよいよどらやきパンケーキとご対面。おいしかったわー。
朝のイベントとして楽しかった。

不忍池の蓮が素晴らしい。
今夏は喜光寺、山が池と見てきたが、ここがベストだな。



春日経由で目黒へ。
目黒区美術館で北欧やドイツの木のおもちゃ展をみる。
これは有馬温泉の博物館で見たのと同じものが多いのだが、更に系統とかそんなのがわかってよかった。
ただし触れない鬱屈が折々に生じる。

がんばって坂を上り、今度は太田へ。
芳年の妖怪絵を集めたのを見る。
これは摺りのいいのが多くてきれいだった。
好きなシリーズが全編みれたのは嬉しい。

そのまま日吉に出て乗り継いでセンター北へ。外へ出たら都筑阪急がどーん!!ここがか、とはっとなる。
そしてこの辺りの住民が横浜都民と呼ばれるのもなんとなく納得した。
パブリックイメージの「横浜」とは全く異なるし、阪急があるせいか町の雰囲気も川西、西宮に近いように思われた。
阪急の地下のイートスペースで食べたが、接客の明るさも感じよかった。

初めて横浜歴史博物館へ。
ここでも芳年をみる。今休館中の神奈川歴史博物館の所蔵品から。
太田のとダブる作品も多いが初見もあり、特に歴史画は知らないものが多かった。

中山から乗り換えて八王子へ向かったが、これがわたしの判断ミスというか巡り合わせというか、八王子祭りの直中に行ってしもたのだ。ひえーーーー
バスも迂回してるが、それでも分かりやすい位置に停車したので無事に夢美術館への道へゆけた。
八王子祭りには山車が出る。



夢美術館、今年はぐるパスに参加できなかったそうな。来年はまた参加したいと言う。
ここでは「こえだちゃんと木のおうち」をみる。すごいな。
最後は遊べるので嬉しい。一部撮影可能。



お祭りを見ながら人波にもまれ倒し、駅に着いたらもう七時。ああ、あかんの。
サイゼリアでごはん食べた。
車内で淀川花火と江戸川花火のツイートを見てガクッ
淀川花火は覚悟であきらめてたけど、江戸川花火は忘れてた。去年はみれたがなあ。
まあ今回はお祭りを見たということで。
・・・この沿線のさる黒湯のお風呂屋さんに行く予定だったがやめる。
二日目おわり。

さて日曜日。
東京駅に荷物を放り込んでまず町屋へ。
花まみれの都電駅周りを見てから京成に乗り千住大橋へ。
石洞美術館では「石洞動物園」開園中。
これもとても楽しかった。古今東西のやきものなどで動物園している。楽しいなあ。
こういうのが好きなのさ。

石洞美術館が開館した頃に比べると本当に町が変わった。
まだまだ開発途中だわな。
王将で天津飯を食べたが、エビとキクラゲがよかった。

北千住、南千住で少年ジャンプのスタンプラリーに参加。シールももらう。
上野でようやく東博へ。タイ展。いいものを見たが、もっと人気が出たらよいのになあとも思う。

秋葉原でもスタンプを押し、日比谷で出光美術館へ。
仏教美術をみる。
「源信 地獄・極楽への扉」「地獄絵ワンダーランド」と見てきてここで〆。
いい順で見たと思う。

有楽町から永田町、月島、新富町、銀座一丁目とスタンプを押して回り、銀座で地上へ出た。祭りの最中。楽しそうだが時間がないので参加せず。

最後は汐留ミュージアムで深澤直人展をみる。シンプルでかっこいいデザイン。

新幹線ではのんびり。



翌日の月曜は八月七日、そう、わたしの誕生日。ツイッターを通じて多くの方からお祝いをされて嬉しかった。
台風でたいへんな一日ではあったが、今回はわたしは完全休養の一日を過ごし、ハイカイの疲労をいやし、なにをしてたか披露する。
ではまた来月ね。
最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア