美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **自宅でログイン出来ないので、現在「遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う」で感想を挙げています。

2017.4月の東京ハイカイ録 その3 東京お花見終わり篇

さて月曜日、4/10の東京にいるわたくしです。
定宿の朝ごはんの支度をするのは平日係・土日係と二人いらして、わたしは特に平日のKさんと仲良し。
最近平日にここにいないので、数カ月ぶりに再会。
「あらー」「やーやー」とか挨拶し、桜の話をしたりなんだかんだ。
ついでにちょっとお手伝いをしたり。

送迎バスで東京駅へ行き、いつものロッカーに荷物を放り込んでからお出かけ。
今回は二重橋まで歩く。丸ノ内勤務の人々に混じり、マジメそうな顔で歩くわたし。
自分の性質から考えると、到底丸ノ内界隈で勤め人なんてムリ。
大阪でも本町、淀屋橋、堂島界隈はムリ。
今の郊外にある、世間よりゆるい会社でないと到底ムリ。

乃木坂へ。今回は乃木神社にも行かずそのまま国立新美術館へ。
ムハ展と草間彌生展とをみる。
まさかのもしかでムハの超大作「スラブ叙事詩」連作が全部来日。
既に行かれた方々はオペラグラスを推奨されたので、わたしも持ってきた。

予想以上に巨大。
うそやん、と言いたいくらいの大きさ。どうやってチェコから持ってきたん。
オペラグラスをのぞくと、真正面を向いて大きな目を見開く人々が多数いることに気付く。
ビザンチンみたいな表現もある。うわーっという感じ。
とはいえ、巨大作品は見るのに時間がかかりすぎ、しまいに何を見てるのかわからなくなってきた。
離れて大体を把握し、細部をまた見直すという作業を繰り返し、ようやく観たものが脳に入るが、思ったことは「よくここまで描いたな」これが素直な感想。

今回、日本へのサービスか、なんと撮影コーナーまである。
スゴイなあ。

ムハがチェコに帰ってこの作品を制作しだした頃の美術界の潮流は、既にミュシャでありムハであるこの人を過去の人にしてしまっていた、と聞いたことがある。
しかしその時代はともかく数十年後の今、やはりその情熱に打たれている。
かれの絵は日本ではずっと愛され続けている、という事実がある。
1980年代初頭頃でも既にミュシャは日本での人気も高かった。
彼にインスパイアされた少女マンガ家も多い。

アールヌーヴォーの花形だった頃の作品は堺市から来ていた。
そう、堺市のミュージアムから。

うなりながら次の彌生展に行く前に地下へ降りる。
お弁当を食べる。相席するご婦人方皆さんミュシャ見終えたところ。
そして全員この後に草間彌生展に行く、と言われる。
空腹のままあの水玉世界に入るのはまずいわけですね。

「わが永遠の魂」展。
噂通り物販行列が長い。わたしにはムリな行列。
そこで入った途端にこんなオブジェが。



観客は年輩の人々がマジで多い。
現代アートが老人層をここまで呼ぶのか。みんな草間彌生の生命力に肖ろうというのか。
皆さん熱心に見歩き、しかも解説を聞いては頷いている。
現代アートがニガテなわたしと大違いである。
草間彌生と同世代より少し下くらいの観客。そうか同時代なのか。
そういえばうちの親なども大江健三郎はよく読んだと言うが、あれらは同時代というくくりもあるわけか。

作品は鏡の通路に無数の照明が、というインスタレーションが特によかった。
あとは大阪を拠点にするクリエイティブユニットgrafとのコラボ作品の黄色と黒のシマシマリビングセット…
♪六甲おろしに颯爽と… 脳内で歌が響く。

そういえばわたしはむしろ彼女の文学作品がいいと思っている。
その紹介があったのは嬉しい。

六本木からは銀座経由で上野へ。
東博「茶の湯」特別展の内覧会。

まず見せ方に魅せられた。
佳いのが集まるのは当然ながらさすが東博、所蔵先では見せない面を露にして新たな魅力を引き出していた。
そしてこの取り合わせ!という配置もあり、そこに惹かれた。
可愛い香合らがレトロなガラスケースに納められているのもいい。
ある意味、平成館そのものが茶箱に変身したのかも♪
内覧会は混雑が凄いからじっくり凝視にはいかないけど、次は夜間に行く。
そして一つ一つと対峙し、心の対話を楽しみたい、そう思わせてくれる内容だった。
展示替えも多いから好きな人は何度か足を運ぶことになる。
大阪の美術館からもたくさん来ていた。関東では根津、常盤山も多々。
こういうのが一堂に会する、というのは凄いわ。
とはいえ、逸翁なかったような。



椿も咲いていた。
珍しいところでこんなのも。


四時になり帰る。
ちょっとばかりドトールでくつろいでたら五時のおしらせが聴こえる。



また来月までサラバ。
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2017.4月の東京ハイカイ録 その2 やっぱりお花見篇

日曜日、朝から雨、花の雨。
「花の雨」と言うたら子母澤寛の小説があるな。家にあるが未読。
御家人・鉄太郎が彰義隊に参加する話だと言うが、なんだか可哀想なので読みにくい。
わたしは滅んでゆくものが好きだが、心の痛みを伴うので、万全の態勢をとらないと読みにくいの。
そらもう勝てば官軍の薩長より滅んでゆく連中が好きだ。
子母澤寛の小説は「突っかけ侍」「おとこ鷹」などなど江戸侍の話が特に好きだ。

さて朝のうちに定宿に荷だけ持って行く。しかし受付が新入社員でもたもたしてるのでとりあえず預けただけ。
ここから乗り継いで春日につくが、シビックセンターは大きいので春日からでは遠いな。やはり後楽園が近いか。
Bーぐるバスに乗る。最近はここから11番の目白1丁目にゆく。礫川公園も桜は綺麗。

野間記念館へ。


お向かいの東京カテドラルが借景





大観と木村武山をみる。特に武山の美人な観音さんと色紙の雀らにヤラレた。
首傾げてこっち見る奴らにズキッとなって、もぉ引っ掛かれへんぞ!と強く首曲げると、筍の陰からピョンと飛び出た雀の横顔に遭遇!
たまらんわ、あの可愛さ。捕まえて伏見のねざめ家に売りに行くぞ~!←むごい…

機嫌よく歩きますと今度は椿山荘。

椿大好き。



お昼食べてから電車を乗り継いだのだが、なにをどう間違えたのか気付けば東大前ではないか。
弥生美術館。
これは困った。本来弥生には根性入れてからゆくのに。
3/24にここで平田弘史展をみてからまだ十日足らず。
全く真逆の長沢節を見ることになった。
受付さんとお話しすると、わたしの平田弘史展の感想ツイートを引用ツイしはった会田誠さん、本当に来られたそうな。
きゃっきゃっ♪

それにしても平田弘史、セツ、全く真逆の作品が同じ位置に並ぶのが、弥生美術館の幅広さ。凄いわ。
セツ展は2004年以来で、あのときもカッコよさにドキドキした。どの時代の絵も本当にカッコいい。
50~90年代、ブレなく一貫して痩せきった身体をシャープに描く。
とはいえ、セツの文は厳しく、わたしは映画評以外は読まない。
セツの美意識の高さ、ありようは峻烈で、わたしのような者が彼の作品を素敵だと言うと本人に厭がられるだろうから、感想を書くのは控える。
亡くなってだいぶ経つが、そんな風に思ってしまうほどセツはキツく、その分カッコいい。
そしてわたしは遠くでそっと、セツの描いた人たちに憧れるのだ。

夢二記念館では学芸員さんのギャラリートークを聞いた。


面白いなあ。
わたしはそこまできちんと見ていなかったわ。

再び根津に出て、今度は明治神宮へ。
太田記念館で「帰ってきた 浮世絵動物園」前期。何故かフランス人の団体がいたー
絵はもう面白すぎる。
鳥の客が吉原の妓楼で大喧嘩。染付の大皿がひっくり返り、タイのお造りが散らばり、タイのアタマが宙に舞う!
寿老に肘つきにされ困惑する鹿、餅屋の兎に筍売りの虎。
国芳の弟子の似たか金魚は人面魚として最凶のツラツキ、手拭いかぶりの猫の耳!
珍しや祇園井特の普通の美人と足元にいる超小型狆!
ああ、まだまだまだまだ。
面白かったわ。

次は京橋へ。加島美術で最後の渡辺省亭をみる。
いいもんです、とくに色合い。

この日は早めに切り上げる。ケーキ屋さんでケーキを買ってホテルで一人楽しくいただきました。
おいしかったなあ。

なでしこサッカー観る内寝落ち。この日はここまで。

2017.4月の東京ハイカイ録 その1 大いにお花見篇

また三日間ほど都内にいたわけですが、そのちょい前に首・肩・腕の痛みに負けてまして、これは定宿やなしに温泉つきのところに泊まった方がええかも、と初日は台東区の方に宿泊したわけです。
それでまたタイミングのええというかわるいというか、出かける前日にわたくし階段5,6段からすっころびましてやね、痛いうえに痛くなり青タンまで出来るという。
ほんまにかないません。

アイタタタなわたくし、新幹線もどういうわけか普段なら指定しないような席を取ってまして、しかし人が来ないのを幸いに三席分にのさばっておりました。
さてわたくしのような大阪―東京を往来する者にお得なEXICカードの特典の一つに、メトロと都営の両線乗り降り自由なきっぷ、24h、48h、72hの三種ございますが、それぞれ安く手に入るわけです。
販売先は丸ノ内線の東京駅と日本橋駅のそれぞれサービスセンターというのか、そこね。
そこへアイタタタと言いながら向かいまして、来月分のを購入。今月のはもう持ってるからええわ。

古い町のわかりやすい所にあるホテルに荷物を預けて、早速上野へGO!
またあれだ、大通りから上野の森が見えるのだな。

上野の桜いろいろ。




「花の雨」というのもええもんかも、と小雨の中を西洋美術館へ向かって歩いたわけです。
まず目に付くのはロダンの彫刻ですな。
しかしこれは花の時季にはこう見えてしまう。

なんぎなことです。

展覧会の感想はそれぞれ後日に詳しく。
シャセリオー展。
ロマン派はええのう…ときめきましたわ。ロマン派から象徴派の流れが好きですわ。
絵も音楽も。
黒髪の女の圧倒的な眼差しの強さ、ドラマチックな構図、男性的なふくらはぎのよさ。 
見ていてこちらも気合いが入る。しかもシャセリオーの交友関係、影響を受けた人々の多彩さ、魅力的な時代にはそれに応じた素晴らしい人材が集まる。

うっとりして、もっと見たいと思ったところで2時間越えてて空腹に負ける。
これはあかんわ、といっそお山を離れようと下界へ戻るも土曜のランチタイム、空いてるところを探すのが難しい。
で、いっそカフェテリアへと。ここでエネルギー充填してから再度西洋美術館へ。

あとは「スケーエン:デンマークの芸術家村」展を見たが、怒涛のようなシャセリオー展の後に嘘も誇張もないようなマジメで堅い絵を見たのはちょっと失敗かも。
尤もクラーナハ展の後に見たりしたらどうにもならんので、これはこれでええか。

東博から藝大の桜まで。




下を見るとシャガ


次に芸大で雪村展。これはけっこう大和文華館の所蔵品のイメージが強いので、変な人物を見ても特に驚いたりはないけど、面白いことは面白かった。
ただ、醸し出すナニカに当てられてクラクラしたのは確か。
呂洞賓が出した煙から龍が出現したように、妙な煙にまかれたのかもしれない。
途中半時間ほどグッタリしたよ。動けず意識が飛んでしまった。
一休み後は布袋、唐子、寒山、虎らの機嫌のよい顔を見て、更には彼にインスパイアされた人々の絵もはっきり見覚えてるから、休めたのが良かったのかも。

上野桜木町をてくてく。
吉田屋酒店


道挟んだ隣のカヤバは今日も大人気。上野公園でも屋台出して人気。
昔々のおじいさん・おばあさんの味が伝えられ、更に大人気カフェになったのはほんまによかった。
レトロブームというのもブームではなく本物になったわけかな。

言問通りを延々と歩く。
桜咲くお寺が多いわ。新しいカフェも出来てた。時間があれば寄りたいが難しい。

根津から乃木坂へ。
階段に来たら不意に左手に綺麗な桜。
乃木神社の枝垂桜。

綺麗なあ。

その桜越しに目的地が見える。


更に中二階みたいになっているところへ上がると、風が吹いていきなり桜吹雪。

本当に綺麗かった。

来るのは9月だけだったからこんなに綺麗な桜があるなんて知らなかった。


てくてく歩いてミッドタウン。先にお花見をする。
エクレアなどつまみながらね。

野天カフェというのもいいものですな。
しかしすごい行列…
桜の他にこんな植込みもある。


ういらぶえまき。
絵巻マニア列伝に溺れる。すごいなあ。作品がいいのはわかっているが、その所有者たち・製作者たちのマニアぶりには唖然。
特にあの足利義持がたまらんな。
すごいわ。

美術館を出るとすっかり暗くなっていたので今度は夜桜見物。




さてちょっと冷えるのでラーメンの温かいものを食べて…まではよかったが、普段あんまりラーメンを食べないので入った店のラーメンは普通だがセットのものがよくなかったな。

宿に帰りとりあえず入浴すると熱いのなんの。同宿の人たちと熱いですねーと言い合う。皆さん感じのいい女性ばかり。
身体の痛いのはこれでちょっとマシになったが、熱いわ。
そこではっとなったのが、行こうと思っていた銭湯、そこも熱い可能性が高いのだよな。
痛い所に温熱膏貼ってる身としては危険すぎやん。あきらめる。
下見もしたが残念。今度元気な時に行ってみよう。


和室に布団という自分としては珍しい宿に泊まったので、早速布団に蹴躓く。アイタタタ。
まぁこれはこれでいいさ。
というわけで第一日目ここまで。

三月の東京ハイカイ録

色々多忙でこんな末頃に東京へ出かけることになった。
展覧会の会期末にしか行けないのはまあやっぱり不都合があるわなあ。
しかし仕方ない。例によって感想は「遅ればせながら」で挙げてゆくのだ。

さてわたくしは朝も早よから新幹線で東京に来まして、いつものロッカーに荷物を放り込み、その時に「しもた、寒いのに対処するには先月同様ダウンを持ってきておけばよかったのだ」とロッカーに鍵を下した時にハタと気づくという。
まあよくあるパターンで。

弥生美術館から始まります。
平田弘史の物凄い世界に完全に負けました。
ツイートではこんな風に書いている。
「意味不明なまでの力強さは何に基づくのか。憤りか。
ただただ圧倒された。
平田弘史の凄まじい画力と物語と書とに半ば撲殺されそうになっている。
「首代引受人」冒頭、編笠の侍がこちらに歩み寄る描写、それだけで息が詰まった。
全身像から発せられるものは何か。
気迫に圧され正体が見えない。」
「筋肉、神経細胞、脂、体液、表皮、何もかもが力強く、理解を超える迫力に胃が痛くなる。
しかし刮目せよ、と平田弘史の絵は告げる。胃痛、肩凝り、体力低下、それらは平田の絵の前では言い訳にならない。内面の苦しみに耐えて耐え抜いて、モノノフの体面を保ち、対峙するのだ。」
一方、こんな企画も。



合掌するのは平田さんご本人。

この企画展に連携して(!!)華宵の傷ついた美少年展があったが情緒纏綿として優美さと悲愁とが前面に漂い、しなやかな少年たちの肢体やその表情に、妖しく魅了されたのでした。
夢二は童画が多く、可愛い子らのちょっとした淋しさなどにときめいたり。

結局かなり長時間いて、フラフラになりながら両国へ。
「江戸と北京」これで先般からツイッター上で話してた「鶉合せ」の様子を見ましたわ。
面白かったのは胡同と江戸の町の模型。

常設ではタイミングよく「四谷怪談」蛇山暗室の場を堪能し、ニコライ堂も見たが、ちょこちょこと展示が変わっているのにも気づく。やっぱり面白いわ。

京橋の加島美術に渡邊省亭。ここは外見はレトロ風で中はコンクリ打ちっぱなし。そしてそこで明治の日本画を見たわけだが、驚くべき視覚の新発見を知った。



というようなことをかいたが、ほんまによかったな。
群雀だけ撮影ダメであとはOK。ばちばち。

この時間なので教文館は来月回し。
ドトールでミラノサンドと豆乳ミルクティーで一休みしてから竹橋へ。
樂焼歴代の茶碗をみた。
その名も「茶碗の中の宇宙」展。
長次郎から当代吉左衛門、そして跡継ぎ篤人まで16代と光悦、田中長慶らの作品までも網羅しての展示。
京都では観ずに東京で観るのも面白い。

ときめくのはやはり三代目道入、ノンコウ。
ノンコウの拵える茶碗にこそ「茶碗の中の宇宙」が見える。
好きな茶碗、初めて見る茶碗、みな煌めいてわたしを招ぶ。
中に幾筋か釉垂があり、彗星のようだった。
歴代当主の茶碗いずれも良いが、やはりわたしはノンコウに帰る。もっと観たい。
昨秋の「三代道入 ノンカウ」展のときめきはまだ消えない。
http://yugyofromhere.blog8.fc2.com/blog-entry-4252.html

当代の作品は単品展示で法隆寺館のような雰囲気で見せているが、佐川美術館での展示と精神は同じ。

常設もなかなかよろしく、閉館ギリギリまでみてから出ると、辛夷の花が綺麗に咲いていた。

地下鉄から丸ノ内オアゾに出たらすぐに水山があったので入る。
茄子揚げごはんたのんだけど、うどんにも揚げ茄子ついてたから、次からごはんはいらないね。
初日ここまで。

土曜、府中へGO!気持ちよく車内でお休み。乗り継いで…
さて間もなく東府中。
府中市美術館で国芳を見るのだ。暁斎は大阪で、芳年は京都で見るのだ。
てくてく歩くと桜が咲いていた。


面白かった、さすが府中市美術館。知らんのもあったし、保存のいいのも多かったで、2時間楽しんだ。常設は後期展示の時のお楽しみに次へ向かう。

ようやく展示を見ることが出来た松旭斎天勝。
このヒトのサロメの写真を見ることが出来て良かったわ―。
とにかくこの展示はどういうわけか、行くと休みだったりで困ったもんなあ。
最終日だが見れて良かったよ。

半蔵門から表参道の根津美術館へ。
高麗仏画展。先に泉屋で見ていたから衝撃はなかったけど、鑑賞第一に楽しく拝見。
更紗の展示もよかったし、興福寺の梵天と帝釈天、112年ぶり再会を拝見。


夕方になったが、これより天王洲アイルへ。
久しぶりの浜松町、モノレール乗り場も忘れたよ。
なんとかついたが、寺田倉庫までの道のりが遠いし、土曜だからかみんな閉店で誰もいないしで、鬱屈が強まる。

DAVID BOWIE is
ボウイの魅力の一端を味わう。わたしの好きだった80年代のボウイの美貌は60代を迎えても衰えず、金から銀へ移ろうことで新たな魅力が生まれていた。
流れ続ける楽曲は“LET’S DANCE”と“SPACE ODDITY”が多かった。
他の好きな曲はあまり流れず、主に70年代のボウイ出現の衝撃ばかりが先に立っていたように思う。
スーツ姿の美貌のボウイ、前髪を伸ばし、少しラフになった50代後半からのボウイ、いつみても綺麗だった人、きれいなやせ方をしていた人…
終盤に「戦場のメリークリスマス」が出たが、これは日本向けだろうか…
そして最後の最後、場内を出たときに初めて撮影可能ゾーンがあり、映像の中で60代の優しいボウイがわたしたちに話しかけていた。「デイヴおじさん」と自ら名乗り。

泣いてしまったよ、少しだけ…

そうだ、映画監督のダンカン・ジョーンズはあのゾウイ坊やだったのだ。
そうしたことどもも含めて、やっぱりボウイへのときめきは生き続けている。

帰り道、随分迷った。初めて来たところなのでいよいよわからないし、人がいない巨大な空間なのでわびしいわびしい。
いかんな、天王洲アイル。
浜町・大門に戻ってきて、わりとにぎわいのある商業ビルに入り、ほっとする。

宿に戻り、何気なくTVつけたら「そして誰もいなくなった」放送中。
なかなか面白いし、キャスティングがすごいな。明日も見よう。

日曜日。本当は久しぶりに森下のカトレアに行きたかったが、朝から雨。
雨に濡れた朝 あの歌好き・・・

それにしてもいつからか知らんがメトロリンクが浜町まで来てたか。
これは22分感覚だけど、また使いたい。

北浦和へ。
カッサンドル展。やっぱりあれだ、1920年代のモダンな作品群がカッコ良すぎて、その後のシュールなのが痛い。難しいなあ、商業デザインは。

常設では近代日本画のうっすら夜景の軸三本が並んでる対面の壁に現代アートで〇を書いたのが映り込んでて満月になっていた。
あれは面白い眺めだったな。

王子に行きたかったが雨がけっこう降ってるので諦めて神田へ。
三井記念美術館でこの時期恒例のお雛様を拝見。
そして大磯の奥の小磯にあった城山荘の古写真を大いに楽しむ。
廃仏毀釈の難に遭うた寺社の古材を用いて、不思議な形の別荘を拵えた三井さん。
面白いし興味深かった。写真と映像が残っているのがよかった。

有楽町へ。
最終日の出光美術館で「古唐津」展をみる。いいもんですなあ。
草花をここに活けたいわ。派手な花でなく、猫じゃらしとか一緒に入れて。
解説文がまたよくてね。経糸・緯糸という表現で、わかりやすく解き明かしてくれる。
唐津と朝鮮と桃山の関係性をこんな風に表現してるのを読みたかった!と思ったよ。
作品の配置もよくて、ところどころに音楽的な良さも感じた。
いいものを見たわ。

小雨の中、三菱一号館へ。
オルセーのナビ派展をみたが、これまでドニ展、ヴァラットン展、ゴーギャンとナビ派展などみているが、こうしたくくりのは初めて。
不透明釉薬の七宝焼みたいな色合いの絵が少なくなく、個人的に好ましかった。黒の外線内に色塗というのもいいが、これもいい。
それに猫の出現率がなかなか高い。しかもその表現は猫好きの描き方。
ナビ派ばかりと言うので色々興味深く見たが、やはりドニには安堵、ヴァラットンには不安を感じたりした。面白かった。

東京駅へ向かったが、これまた彷徨し、色々疲れた。
大丸で本当は「おとし文」買いたかったのに、たどりつけず、まさかの隣で似たものを買ってしまうという…やっぱり本物でないとあかんなあ、と後から反省。

新幹線に乗りました。雨はまだ続く。
けっこうなんだかんだとくつろぎながら大阪へ。
今度は再来週に東京へ。忙しい喃。

帰宅したら猫が喜んでくれた。それだけでも嬉しいね。
次に行けばこの辺りも満開かな…
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2月の東京ハイカイ録

さてわたくしは前日の京都歩き疲れの身をそのままに東京へ向かいました。
いつものロッカーの一つ上に荷物を放り込んだが、ここにはダウンジャケットもしまいます。なんしか金曜は20度くらいというのに土日は10度やというのでコートじゃアカンかも、と思ったのですね←用意周到な遊行さん。
例によって展覧会の詳しい感想はまた後日。

EXICで大阪から東京に来るものは特典がありまして、地下鉄全線(メトロも都営も)の24,48,72時間共通チケットが割引になるのですよ。
丸ノ内か日本橋で販売。それで今回は日本橋駅へ。
72時間1500円のチケットを使い倒すわけです。

で、いきなり最初にコケた。三井記念美術館は翌18日からでしたわー。
仕方ない、そのまま新橋へ。

新橋停車場で蒸気機関車展。D51などのプレートを見る。
999、トーマス、やえもん。
映画「ボルサリーノ」2のラストでは敵を機関車の石炭のところに…
そうそう「北国の帝王」は蒸気機関車の上で戦ってたなー。

汐留ミュージアムに入る。「マティスとルオー」展。
これがまたとてもよかった。絵は圧倒的にマティスの方が好きなのだが、二人の往復書簡がとてもいい。仲良しなのだね。モロー教室には後に大変立派な画家になる人々が多い。

ランチの選択に失敗する。名うての新橋でなぜこんな目に遭うかね。
わたしは冷えた天ぷらもやたら太い堅いうどんもイヤです。
ああ、えらい目に遭うた。
これならやはり無理をしてでも手仕事SAKURAでクジラ食べるとか、三田で焼き魚の大根おろしお代わりするとかすればよかった。

その三田で乗り換えて白金台へ。予定は来月だったがまあええかで松岡美術館へ。
古いやきもの、素敵な日本画を堪能して、カメラあるのでパチパチ撮って、それで次は庭園美術館へ、の予定がまた狂た。
元の道に戻ればいいものを坂を下って行き、高速道路の横を延々。しかもまた選択ミスしてついには恵比寿との間にある血豆ビルが見える位置にまで。
うううー。ホーチキが見えたので先に区立美へ。

目黒区美では小川千甕などをみる。いいスケッチや。
それでようやく納得して坂を上り、庭園へ。
ここでは京都の並河康之展。単眼鏡は借りず自眼で見る。
見えるのだが疲れた。しかし単眼鏡はシワが出来そうでなあ。

梅が綺麗だぜ、庭園美術館。

よろよろしながら次はサントリー美術館へ。
こちらもコレクターの眼といういい展覧会でしてな。
なんと撮影OK、SNSに挙げるのも宣伝効果になるからゼヒゼヒということで、わたしなんかも喜んでコロコンでパチパチ。
色々挙げてゆくとけっこう喜んでいただけたようでよかった。

それにしてもさすがサントリー。わたしはサントリーが好きなのだよ。企業としても、働く人々の応対も。
ただ、もう少しおいしくなればなあとは思う。

次は上野。都美で「ティツィアーノとヴェネツィア派」展。
申し訳ない、近年ますます泰西名画にどう反応していいかわからなくなってきたよ。
とはいえ女の肌は艶めかしいし、聖女たちのまとう赤い布は各人により違い、その質感まで感じさせるのはいいとは思った。また宴席の絵で、犬は期待をし、猫は自分からチャンスを狙っているのがあって、それが面白かった。

眼からビームは出ないけど手から電波は出ていたようで、ロッカーが開かず、そのせいで送迎バスを目の前でムザムザと見送ることになった。
更にはホテルでカード払いしようとしたらこれまた何かトラブルが起こりアウト。
こんな日はあるもんさ。

レトロなというか、本当に古い古いお風呂屋さんに行く。場所が分かりにくそうだったが、人の後を追うとついた。
ほんまに古いな。
しかしその分ひとに親切で話しかけてくれたり色々。
が、たまらなく熱い。熱いのはわかっていたが、それでも熱い。
浸かるだけのお風呂なので、ジェットバスや電気湯がないのは残念。あれば体の痛みもマシになってたかな。

初日はここまで。

2日目、土曜日。予報通り寒い。ぬくくして金沢文庫へ。京急内ではほぼ寝てましたね。
で、スマホがRTやイイネのお知らせをしてくれたおかげで金沢文庫で無事に下車。
寝ぼけてたので東西を間違え知らん出口に出たのはご愛嬌。

金沢文庫にたどり着くまでに梅の木がたくさんあった。大きな柑橘類、もしかするとハッサクの実る木も。
ここでは5年前にも開催された楠山永雄さんのコレクションが開示されていた、
今回楠山さんが亡くなられてここに寄贈されたのを機に大きなコレクション展が開かれたそうな。
前回の様子はこちら

中に小栗一大略記の一枚もののビラがあり、前回のとは違う分なのを知る。
上野が原の風葬、遊行上人の夢に閻魔が現れたりとか色々。
また、照手姫が六浦の婆さんに松葉燻しされるが、その地が近年まで名所図会に必ず出ていたことも知る。
他にも昔の金沢八景を描いた浮世絵から明治の写真絵はがき、京急以前の湘南電車などの沿線行楽地案内栞、記念切符、鳥瞰図…すごいなあ、楠山コレクション、素晴らしかった。

横浜へ。ちょいと早めにランチしようと崎陽軒へ。
八宝菜定食を頼んだがとても量が多くて昼間からようけ食べたわ。

今度はユーラシア文化館。先に階上の都市発展記念室を回る。
やっぱり都市というものは面白い。

ユーラシアでは増田彰久さんのアジアの近代建築写真展を見る。
実に面白い。中国の北京、上海、天津、奉天などが主要な撮影場所で、これがもう物凄い。
増田さんの視点が途轍もなく面白い。
貰った冊子にはまた別な方の撮ったその建物の遠景写真があるのだが、それだけでは決してわからない場所の面白さを増田さんは教えてくれる。
ああ、写真家・増田さんは永遠に心の師匠。

すごく豊かな気持ちになってから開港資料館へ。
これがまた面白くて。
その中で一つ納得したのがある。
金沢文庫の展示でみたチラシに、震災でぐったりした女がへたりこむ絵の横にカナで「ノウサツ ハマビシレン」とあり、「こんなやつれたヒトで何が悩殺やの、ハマ美人試練?ちがう、花火のミス?」と謎グルグルだったが、「納札 浜菱連」なるビラを発見。あ、そうなんや。ああ、やっぱり出かけて調べないとわからんもんやなあ。
中庭で1935年の横濱復興博覧会の案内図を見る。
これは金沢文庫、都市発展資料室、それとここで一日で3回みました。

乗り継いで都内に戻る予定が色々時間を使いすぎて予定変更。
やっぱり横浜は面白い。
今日は県庁の前でキング、クイーン、ジャックの塔を一度に見ながら昔のパノラマカメラどこに行ったかなと思ったり色々。

今度は鎌倉の長谷寺の展覧会も行かなくては。
なんかね、今昔ものって大好きなのですよ。
泰西名画より好きなのだろうなあ。

ようやっと上野につく。えらく手間取った。
なぜ横浜からこんなに時間かかるかな??
じぶんでもよくわからん状況になる。
まあ途中で体調不良というのが来たのですが。

東博で「春日大社」展を見る。以前に「大神社」展や春日大社宝物殿でも観たりはしているが、これはもう本当に大きな展覧会。
最初に鹿の屏風があるのがいい。鹿も色んな顔つきを見せて、それを追うのも楽しい。
多くの鹿を見るうちに資料や奉納された品々に導かれてゆく。
春日曼荼羅、春日権現験記絵などの絵も多く、全てを見たとしても理解に至る道は遠いことを知る。それでも見入らずにはいられない。
わたしとしては猫が雀を襲う太刀が見れたのは嬉しい。この刀をモチーフにしたポスターを持ってますわ♪

常設展でも春日大社関係のものをみる。
中で金春流伝来品をみたが、これらは脚本家の金春智子さんのご実家に伝わっていたものだと思うと、いよいよ感慨深い。
金春さんも、明治の大変な時期に散逸させないように努力なさった方々に感謝しておられたが、本当にその通りです。



150年後の今、こうして対面できるのは本当に有難いことです。

身体がちょいと言うことを利かなくなったので千葉を諦めて定宿へ帰る。
久しぶりにケーキも買ったが、これがとても美味しくて、本当にケーキの美味しさを味わう。いいなあ。
この日は早寝。


最終日、ロッカーに放り込んでから(以下略)、今日はまず文京シビックセンターへ。
びーぐるバスに乗るのだ。後楽園駅からなら外へ出た途端にバス停が見える。
これに乗るとうまいこと野間記念館につきました。
乗物はここまで全ていいタイミング。

野間記念館、12か月色紙。もぉ本当にたくさん見たなあ。すごく楽しいがちょっとクラクラしたね。画家それぞれの得意分野で彩管をふるうから、もぉ見応えありすぎる。見落としはないかと凝視したが、それでもまだ足りない。
卓上芸術を堪能。スゴかったなあ。時間はいくらでも必要。
派手な色彩を好む人が抑制をきかせたり、実験したりと千差万別。
美人画家はやっぱり美人画家、田舎が得意な画家は田舎の絵、花鳥風月、楽しいわ。




椿山荘の花をちらりと見て江戸川橋の違う出入り口を使う。ああ、こうなってるのか。
それから飯田橋の大江戸線へ。なんかディストピアな配管を見る。監視されてる気分ですなw
で、わたしは本郷3丁目へ。かねやすがある。
本郷もかねやすまでは江戸のうち
今日は休み。近江屋洋菓子店も休み。神楽坂の紀の善も休み。

久しぶりに文京ふるさと歴史館へ向かう道すがら櫻木神社を通る。
「ドラゴン桜」を思い出すよ。
本郷の今昔をみせる「新撰東京名所図会」をみる。山本松谷(昇雲)らの挿絵。
他に帝大の古い写真、地元商店の広告などが集まり、明治の文京区の賑わいを偲ばせる。
団子坂の昔、菊人形華やかなりし頃の絵もある。
その菊人形のビラが面白い。東海道の名所に講談や芝居を絡めたり、日露戦争の再現があったり。(しかも何故か忠臣蔵の刃傷まで)好きやわ~
あら申し出たら撮影可能なんやわ。パチパチ。

そこから湯島まで歩く。何故歩くのかよくわからんが歩く。本郷3丁目から御徒町まで乗ればいいのに。まあとにかく歩くうちには湯島の白梅も見える。
湯島から千駄木へ。団子坂を上がる。菊人形、D坂の殺人者…

森鴎外記念館。今回は鴎外の死に関する様々。「死してなお」展。
死の床にある鴎外に過る想い。ただの石見人・森林太郎としての死を望む鴎外。
周囲の人々の鴎外への誠実さ、死後の全集に関する様々な思惑。
鴎外という大きな存在だからこそ起こる「事件」であり、また、普遍的な感情のねじれもあり、重く受け止めた。
妻、親友、実弟。絡み合い反目しあう思い。
本当にたいへんなのは死後なのだ。
ビッグコミックで連載中の倉科遼原作・ケン月影作画「荷風になりたい」でも荷風が尊敬する鴎外の死を悲しむ話があった。そのことを思い出す。

湯島から表参道へ。ビリケンギャラリーにたどりつく。
近藤ようこさんの個展に来た。ご本人は治療中のため不在。残念だけど、一刻も早く良くなっていただきたい。無理は禁物。
絵は前日までにすべて完売。めでたいことです。
「海人」の青褪めた瞼、水中に流れる血と同じ色の上唇。彼女は小刀をくわえている。決意はその表情に浮かぶ。
蝉丸と逆髪、吉祥天女と男。
古き世の物語。その一瞬を切り取ることで物語は永遠に時間を止める。
そして近代の女の微笑は、怖い。

ここでタイムアウト。表参道から日本橋へ。そこから東京駅。ちょっとラム酒の強いチョコを買う。30品目のお弁当を買って機嫌よく乗りこんでいざ出発!
・・・いきなり停電。なんでも千葉で震度4。
10分ばかり停車後走り出す。大変やのう。被害がなくてよかった。
新大阪からは例によってタクシーに乗ったが、今日のドライバー運転荒いがな。言葉は丁寧で寡黙なんだけどこれは乗りなれてない人なんちゃうか。あかんあかん。
帰宅した途端千鳥足なのはラム酒のせいか運転のせいか。
いつもゆとりのないわたくしでした。
また来月。
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