美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **なお現在コメント欄を閉鎖中です。

正倉院展にあわせて

帰宅したら母がこんな催しがあると教えてくれた。

まちかど正倉院
詳しくはこちら。
http://search-nara.net/event/tokusyu/tokusyu.htm

奈良市内の各ホテル・旅館が秘蔵のお宝を公開してくれはるそうだ。
わたしは連休に行くのだが、時間を繰り上げて回ろうかと思い始めている。
19のホテル・旅館のうちいくつ回れるかはわからないが、時間と体力の許す限り向かおうと思う。
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予定と記録 11月

月日が経つのも早いもので、そのくせ予定をこなせていないことに苛まれております。
長期間の開館予定は助かるなぁ、と言いつつ。

・正倉院展 奈良博
・応挙と芦雪 1 奈良市美
・煉瓦の町・タイルの町 大阪歴博
・青銅器 白鶴美術館
・マヤ文化 豊雲記念館
・茶道具 香雪美術館
・油彩 世良美術館
(上4展は東灘アートマンス参加)
・映画 デスノート後編
・大林組資料館
・芝川ビル見学
・大阪の美術 大阪近代美術館(仮)
・美と趣 懐石の器  湯木美術館
・漸寒 北村美術館
・民藝の原点 三國荘 大山崎山荘
・グリコのオマケ ZUNZO
・民俗芸能 池田文庫
・京の風雅 ?円山四条派と京焼
・紅葉狩り 箕面
・絵葉書ミュージアム
・孫文と南方熊楠 移情閣
・大阪の四条派 芦屋美術博物館
・きいちのぬりえ 芦屋ラポルテ
・浅井忠と関西美術院展 京都市美術館
・エジプト発掘40年展 えき美術館
・神農さんのお祭り
・馬の美術 馬の博物館
・折口信夫展 渋谷郷土資料館
・描かれた動物たち 戸栗美術館
・燃える秋 野間記念館
・赤穂浪士 永青文庫
・小堀鞆音 明治神宮
・名品展 出光美術館
・軽井沢と上田の近代建築めぐり
・石井鶴三美術館
・池波正太郎記念館
・信濃デッサン館
・山本鼎記念館

あとは12月に回す。我ながらやっぱりよくわからない。
天王寺にも行かねばならないし、デパート関係のはチケットが届き次第行くだろうし。展覧会の後期分とかもあるし・・・
どこまで達成できるかは、わかりません。

伊勢・鳥羽社内旅行

28,29日と社内旅行で伊勢・鳥羽へ行きました。
フツーお伊勢さんには小学校の修学旅行などで行くようですが、わたしの学校は違ったので行くの初めて。
賢島や赤福本店には行ってるのに内宮とは縁がなかったわけです。
理由=トリが連隊でいると聞いて気分が暗くなったから。
今や世間では若冲が人気者ですが、大阪人のわたしは子供の頃から
若冲=トリオヤジという認識があり、ニガテなのでした。
まぁそれはおいといて、御木本真珠島でケータイストラップ造りを体験したり、色んなパールを見たりして楽しんだのよ。
海女さんのショーの前に、店内にいたお姉さんに「もしかして」と問いかけると、やっぱりTVで見たハタチの海女さんでしたわ。
がんばれー。
ちょっと小雨模様でさぶいけど、海女の皆さんがんばってはりました。
外人さんの観光客の団体が熱心に撮影していた。
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田尻歴史館 2

さて二階に上がりました。二階も一階も隣の和館とくっついています。
まず洋館部分から。
P0539.jpg窓からローマが見える?
そのステンドグラス。P0542.jpg
チューリップですね。
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明るくていい感じ。
もう一枚ステンドグラス。P0544.jpg

おめでとう日ハム、ありがとう新庄

日本ハムが日本一になった。
わたしは虎党だが、日本シリーズでは懸命に日ハムを応援した。
新庄のカッコイイ野球姿にもこれでお別れなのだ。
そう思うと、ますます力が入って、TVの前で声援し続けた。

小笠原の応援にイルカが飛び交うのにもびっくりしたし、ひちょりんのスタイルの良さにも「おおっ」となったり、マジメな稲葉もアタマにグラブかぶっての三人外野寄り集まりにも嬉しくなった。

ほんと、エエ感じでした。
新庄が泣くのも初めて見た。
張サン、怒らないであげてね。
喝いれないでね。

ああ、本当に力が入った日本シリーズだった。
おめでとう、日ハム、おめでとう北海道の人々。
そして、ありがとう新庄。
新庄、ありがとう。

田尻歴史館 1

田尻歴史館には一度行きたいと思っていた。
http://www.tajirirekishikan.com/
チラシがある。
『近代化遺産 全国一斉公開2006 近畿の近代化遺産写真展』
10/14(土)?10/29(日)
洋館2階 9:00?18:00 ※水曜日は休館
田尻歴史館の公開とともに、近畿の近代化遺産や登録文化財を紹介した写真展を開催
<内容>
生野鉱山旧混こう所(朝来市)、舞鶴鎮守府水道施設(舞鶴市)、観心寺恩賜講堂(河内長野市)です。その他に玉手橋・築留二番樋(柏原市)、泉布観・旧大阪府立工業会館(大阪市)、煉瓦館(熊取町)、布引水源地水道施設(神戸市)、旧西押立国民学校(東近江市)、京都市1件と近江八幡市1件を予定しています。

日本の近代化を支えた産業遺産建造物(生野鉱山旧混こう所、観心寺恩賜講堂、泉布観、旧大阪府立工業会館、旧西押立国民学校、煉瓦館)はもちろんのこと、普段あまり意識されることの少ない土木(舞鶴鎮守府水道施設、布引水源地水道施設、築留二番樋)・交通遺産(玉手橋)などを紹介します。 


このお知らせを見て、早速21日に田尻へ出かけた。
吉見ノ里で下車してテクテク・・・10分ほどで到着。
まぁ、素敵な・みごとな洋館。
無料ですか。ありがとう。
以下、わたしの撮影です。
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与勇輝の人形

与勇輝の人形に会うのは久しぶりだった。

難波の高島屋で10/4から10/23まで開催された展覧会に私は初日と最終日近い日の二度通った。
このあと展覧会は神戸大丸に行く。
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パリ・バカラ美術館からの凱旋展覧会だと言う話だ。
なるほどパリの人間から見れば古き日本の叙情を味わえる滅多にないチャンスだったろう。

京都国立博物館の10月常設

10月の京都国立博物館で見たものを少し書く。

菊慈童があった。
静かな少年の姿である。
わたしは菊慈童が好きだ。
色々な菊慈童を見てきた。
日本画家では菱田春草と神坂雪佳が多く描いていた。
日本画家で能が好きな作家は、<少年>なら菊慈童か弱法師かを描くのかもしれない。
ここにある菊慈童は白菊に囲まれていた。
うっとりした眼で渓谷を見ている。

その視線の並びに菊花を盛り上げ技法で描いた襖があった。
これは絵師も時代も違うのだが、菊慈童の住む深山に連なる山の菊のようにも思える。
他にも一枚、『菊花流水図屏風』がある。
伊年とあるから宗達なのだろうが、本当かどうかは知らない。

岐阜在住のイラストレーター・HIPPEさんも菊慈童を描いている。
HIPPEさんの菊慈童は色彩豊かな少年なのを思いだした。
http://harmonia-mundi.chu.jp/

クラブコスメ・モダニズムグラフィック

四月に続いて十月も阿波座の中山太陽堂、今のクラブコスメチックスの文化資料の展覧会が開催されている。
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行ったのは4日だから二十日ほど前の話になる。
この展覧会を見てから『染&愛』芝居を見に松竹座に出たのだった。

雑誌『苦楽』を出した他に文化事業にも活躍した中山太陽堂は六甲にすてきな別荘(迎賓館と言うべきか)を持っていた。
大谷光瑞の二楽荘のように。

宣伝しなければならないという考えだから、実に多くのポスターやチラシなどを拵えた。
その中で生まれたのが、モダニズムなロゴである。
img490.jpgクリックで拡大してください。
白と言う字のいろーーーんな字体。こういうのを見るとなかなか楽しい。わたしは大正モダニズムな字体に憧れがあるので、見ていて嬉しかった。
こちらにあるのはクラブ白粉の雑誌広告。
クリックしてください。
img491-1.jpg

こういうのを見るのが好きなのだよ。

化粧品のラベルたち。こっちもクリックしてください。
img491-2.jpgimg491-3.jpgimg491-4.jpg

一般公開は今月末まで。後は予約制。
次の企画展は多分来年の春のような気がする。
http://yugyofromhere.blog8.fc2.com/blog-entry-443.html

『浮舟』篠田とホリ・ヒロシによる

宇治に源氏物語ミュージアムがある。
入り口からショップまで香が焚かれている。
源氏香。
何から何まで源氏物語尽くしのミュージアムである。
行った日にはコムラサキシキブが咲き乱れていたが、植物も皆ゆかりのものである。

映画が上映されている。
ここは宇治なので宇治十帖の件を映画化している。
監督は篠田正浩。演ずるのは役者ではなく、ホリ・ヒロシの人形である。

かなり以前からホリ・ヒロシの人形を愛している。

ホリ・ヒロシの人形は物語性を内在している。生まれたときから何かの役を演ずることができるように、思う。種類は全く異なるが、文楽人形が生まれながらにその職能を負うているのと同様に、ホリ・ヒロシの人形には舞台が似合うのである。

ホリ・ヒロシの人形にはある特徴が見出せる。
それは金泥で両眼が塗りつぶされていることである。
金泥の眼はすべての表情を含む。
悲しみも歓喜も怒りも穏やかさも。
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一方、篠田正浩は何十年もの間日本映画界を駆け続けた名監督である。
ATG時代の『心中天網島』から最後の作品となった『ゾルゲ』に到るまで、その映像作品に流れる耽美性は他の追随を許さない。

『桜の森の満開の下』『心中天網島』を描いた映画監督がホリ・ヒロシの人形とコラボレートしたのである。
期待は高まるばかりだった。
ホールは30分毎に定員制入れ替えで、20分間の作品として上映される。

クリーブランド美術館展

クリーブランド美術館展を六本木ヒルズまで見に行く。
ヒルズには去年のフィリップスコレクション以来だ。
人波を泳いでたどりついた去年に較べ、今回は麻布十番からの徒歩だからか、場所によっては全く無人という状況にも入った。なぜか都心を歩くと私はしばしばそんな状況に陥るときがある。
それでも52Fの森アーツセンターにたどりつく。

クリーブランド美術館展と言えば、数年前奈良でその所蔵浮世絵展を見た。
だからてっきりギメのように東洋古美術専門なのかと思っていた。

クールベからピカソ、マチスまで。
チラシに選ばれたのはルノワールの少女像だった。
『ロメーヌ・ラコー』
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ところがどうも表情が固いなと思った。
それも当然で、ルノワールの随分若い頃の作品なのだった。
つまり<ルノワール>以前のルノワールの作だということだ。
しかも解説文によると、複合手法で描いた、キマイラな作品なのだった。
なるほど眺めれば服装、全体、髪、色調などに違いが感じられる。
しかしそれでも「見るからに」ルノワールでもある。
凄い個性なのだ。
スタイルの基本を守り続けている。
ピカソのように変遷することが進化の道筋という画家もいれば、スタイルを貫く画家もいる。
とても面白いと思った。
しかしそれにしてもこの少女、しっかりしすぎているように見える。
TVドラマ『ER』のあのヒトのようだ。

クールベの物憂げな女の顔。
ときどきクールベの描く女はある種の鬱屈を抱えているのではないかと思うことがある。
機嫌よく笑っているのは舟遊びする女だけではないか。
――ただしある種の楽しみを持つ裸婦たちの絵になると、多少事情が変わるようだが。

この展覧会の副題は『女性美の肖像』だが、どうもクールベやピカソの女性たちには一般的な意味での美人画の範疇からずれた人たちを見かける気がする。
美人画ではなく婦人像として、眺める。そんな違いを感じるのだ。

アンリ・ファンタン・ラトゥール『マリー=ヨランド・ド・フィッツ=ジェイムズ』 白い服の少女のその袖はピンク色で、ラトゥールの得意な花が服飾の形を取って少女を飾るように見えた。
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モネが最後まで手元においていた絵がある。
雪の日、外に佇みこちらをふと眺めるカミーユ。
カミーユの視線の先にはクロードがいる。
クロードの視線の先にはカミーユがいる。
そのことを深く感じた。
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ベルト・モリゾが並ぶ。塗り方が荒いような気もする。しかし確かな存在感のある女。

一瞬ベックリンの好む画題だと思ったのが、ゴーギャンの女。
『波間にて』img486.jpg
緑の波間に赤い髪がうねる。肉体のナマナマしさ。なぜこの部位が痩せているのか・何故ここにこんなにも肉がつくのか。
考えても仕方のないことを考えたくなる女の身体。
ゴーギャンがナビ派でもあるというのを考える。ナビ。預言者。
描いた背景は知らないが、どきどきする。

それだけではない。
ゴッホ『プラタナスの木』 去年ここでフィリップスコレクションを見たとき、私が一番惹かれたのはゴッホの作品だったが、それは精神病院の窓から見た景色だったのだ。
そのことにわたしは気づかず、「ああ・・・いい絵だ」と感じていた。この絵もそうだ。なにかとても惹かれるものがある。しかしその惹かれる根にあるものを思えば怖いような気もする。
つまり私は高校生の頃松園の『花かたみ』に美の極限を見るような少女だったのだ。
いまだにその領域から脱出していないのは確かだった。
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ジェームス・ティソ『7月・肖像画の描き方』 ティソを見るのは本当に久しぶりだ。
アカデミックでキレイ。こうした絵を見ると安心感を覚える。破綻がなく、そして衝撃もないが、それはそれでよいものなのだ。

マチス『ニース 花のフェスティバル』 二人の娘がベランダにいる。顔のわからない二人。彼女たちはマチスの二人の娘さんらしい。そうであろうがなかろうが、ニースと言う保養地でバカンスを楽しみ、花のフェスタを楽しむ様子がよくわかる。

アマン・ジャンを見るのは大原以来。他では見たことのない画家だ。
『女の肖像』 疲れたような女。服の着こなし方を見てもそんな気がする。

セガンティーニ『松の木』 小川の流れがある。松の木より夾竹桃の桃色の花に目が惹かれる。
夾竹桃には心臓麻痺を起こさせる力があるらしい。
わたしはどうもセガンティーニの作品を見ると、いつも静かな不安や狂気を感じる。

ヴュイヤール『カフェ・ウェプラー』 ああ、いいな!!黄色いライト、奥行きを広げて見せ、手前の白いテーブルクロスがお客を待っている。やはりこうした都会の一隅を描いた作品が好きだ。
結局自分が遊びに行けるようなところを好むのかもしれない。
大和絵なら山水画より遊楽図ということだ。

少し彫刻に移る。
ロダン『青銅時代』 『堕ちた天使』などが並ぶ。
後者の絡まり方がイマイチ理解出来ない。
ロダンの官能性は見る側が勝手に感じるだけ・妄想するだけなのだろうか。

ジョルジュ・ミンヌ『連帯』 兄弟の抱擁、と解説にあるが、・・・  ・・・じゃないの?と私なんかは思いましたね。
どう見ても・・・。うーん、ヘンな妄想が湧いてきて、その意味では楽しいが、作者の意図から随分離れているのだろうな。申し訳ないが、楽しくなってきた。

モディリアーニ『女の肖像』 黒目がある。口紅は濃い薔薇の色。
秋から冬に飾りたい作品だと思った。
色彩がそんな感じ。しっとりシックな。
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ピカソの1901年頃の女の肖像はちょっと惹かれるものが多い。
クルティザンというよりココットな感じの女。
そんな風に見える女たちの絵に惹かれる。
彼女が誰かは、知らない。img486-1.jpg

マグリット『秘密の生』 青空、切った丸太・・・わたしにはルネがわからない。
I don‘t know how to love him・・・・・・
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モンドリアンのコンポジションなどをみるといつも文房具メーカーリヒトを思い出すのだが、ここに出ていたのは『手前に若い木のある風景』や『菊』なのである。おや?という感じ。
しかしこうした作品を見るのもわるくはない。
若描きだったとしても、まるでいつも和装の人が洋服着ているようなのを見た気分がする。
つまり、なんとなく楽しい。

ガブリエーレ・ミュンスター『未来 ストックホルムの女』 カンディンスキーの恋人だったヒトらしいが、この絵を見るまでは知らないヒトだった。なんとなくせつない視線の女だと思った。
色々な理由が人間にはある。別れることにしても百の理由・千の理由がある。

展覧会を見終えるとかなり遅くなっていた。
大勢の人がまだまだ入ってゆく。
わたしはなんとなく明るい気持ちで会場を後にした。

華宵と夢二を楽しむ

弥生美術館で竹中英太郎の回顧展を見た後、別フロアの高畠華宵と竹久夢二とを楽しむ。
本当に長い間ここの会員である。
今回も来期の手続きをした。だから'07年度も弥生美術館を訪れる。

長い間ここに来ているので実に多くの挿絵を見てきた。
華宵も夢二も相当数見ているし、二度三度どころかおなじみの作品も多い。
しかしその一方で初見もあるのだから、あなどれない。
なんにせよどの作品が現れるかが楽しみで仕方ない。

内藤博士旧自邸見学

INAX東京で現在開催中の展覧会『タワー -内藤多仲と三塔物語-』の関連事業で内藤博士の旧邸を見学に出た。
INAXと早稲田大学のご厚意に負う所による。
展覧会の詳細については以下のサイトで。
http://www.inax.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_000433.html
東京、名古屋、大阪。これらの都市には、東京タワー、名古屋テレビ塔、通天閣というそれぞれに個性豊かなタワーが立っています。三つの塔は今から約50年前に、一人の人物によって設計されました。設計者の名は内藤多仲(たちゅう)。地震の多い日本の耐震構造理論を躍進させた人物で、建築の中でも構造が主役となる鉄塔を数多く設計した『塔博士』でした。
その博士の自邸は現在早稲田大学の管轄にある。
◇名古屋テレビ塔、通天閣、東京タワーを建てた「塔博士」、内藤多仲の旧自邸を訪ねます。「耐震建築の父」とも呼ばれた多仲の自邸は大正15年に建設された「耐震壁」のモデル住宅でした。柱や梁がなく、壁と床スラブだけで建物を支えるという、当時としては非常に珍しい鉄筋コンクリート壁式構造建築です(意匠設計:木子七郎)。後に、多仲が教鞭をとっていた早稲田大学に寄贈され、現在は「内藤多仲博士記念館」となっています。見学後には、自邸内でトークを開催します。
 1回目の10/14(土)は、山田眞氏(早稲田大学理工学術院教授)に、多仲の業績を中心に語っていただきます。現在、同氏は多仲の自邸に残された膨大な資料や記録、図面類を調査しています。それらから垣間見る多仲の教育・研究、設計活動や人となりについてお話いただきます。

というわけで機嫌よく出かけた。
以下の写真は私の撮影によるものである。

栖鳳と弟子たち

山種美術館で竹内栖鳳と弟子たち展が開催されている。
思えば栖鳳とその周辺の展覧会は'93の5、6月、当時茅場町に山種があったときに見て以来か。
京都ではわりとこうした展覧会は多いのだが、東京での反応がなんとなく不安なのだった。
しかし関東の皆さんがヨカッタヨカッタとこの展覧会を褒めるので、とりあえずそろそろと。

栖鳳の作品の他に弟子たちの作品と言葉などが展示されていた。
今回栖鳳作品ばかり集めた小パンフレットも出ていた。
展示物は全て山種美術館所蔵品からなのだが、ハガキ化されていない作品もここに出ているので、嬉しくなる。

栖鳳の絵、と言われて最初にアタマに浮かぶのは『班猫』である。
斑と書くべきだが班の字を用いている。そのことについても説明文がある。
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栖鳳はこのにゃんこさんを貰い受けて熱心に描いたが、留守の間に猫はいなくなってしまったそうだ。
買ったパンフには徽宗皇帝の描いた猫図があった。水滸伝の時代の猫。
いいなあ。img476.jpg

ところでよく知られているように栖鳳の実家は有名な料理屋さんで、そのせいか魚や野菜の絵がどれもこれもおいしそうで仕方ない。
特にグジ(アマダイ)やサトイモ、レンコンなぞは絶品。
しかしここにはその展示はなく、活きている動物たちの絵がある。

可愛いのは『みみずく』だと思う。
きょとんと木に止まっている。大きな眼。img477.jpg
以前から思っていたがフクロウと猫とは親戚関係にあるような気がする。
根拠=夜目が利く・可愛い・案外わるい・・・
好き勝手をほざいてはいかんな。

カエルの絵が二枚ある。
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水面に顔を出した奴と、ずらずらっと集まってる奴らの絵と。
水面に現れた方は静寂の中に緊張感も微かに漂う作品だが、集団のほうは一見してやかましそうな感じがする。
音声をonにすればきっと
ゲロゲロゲログワグワグワゲッゲッ・・・・・・
多分、そう。栖鳳はこの絵を描きながらアタマの中で暁斎に対抗していたのかもしれない。
河鍋暁斎の他にこんなカエルの集団を描いたのは栖鳳くらいだろう。
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弟子たち。
よい先生の下でよい弟子たちが修行に励み、よい画家になった。

会場を入ってすぐわたしの眼を引いたのは、池田遥邨『まっすぐな道でさみしい 山頭火』だった。
わたしは遥邨が大好きだ。絵になんともいえないポエジーがあり、キツネもタヌキも草も月も、みんな可愛い。
<美の旅人>と呼ばれたのは、洋画修行から日本画に転じて、栖鳳の指導を受けたことが大きいように思う。
大正末頃は社会派な作品を描いていたが、視線を変えたことで世界が変わり、それがこうした美を生み出したのは確かだ。

松園の名品も並んでいた。
『砧』 img478.jpg

この作品は山種の外部展覧会でのチラシや半券によく選ばれる作品だ。
孤閨の怨をかこち、夫の帰りを待ちわびる女。
それが静かに端正に描かれている。

西村五雲『狗子』 岸竹堂―西村―山口華楊という系譜は、京都画壇では<動物好きな画家>という認識で見られている。
西村五雲は栖鳳の弟子にもなり、いい作品を残している。
このわんこたちも可愛くてついついなでてしまいたくなるのだった。
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久しぶりに華岳の『裸婦図』と対面した。
わたしにとってはインド美人の最高峰なのだが、あいかわらず素敵だった。
自分の持つ絵葉書は外光に晒されだいぶヒマセしたが、実物はやはり豊麗でその前に立つだけでどきどきした。
やはり絵は、見たときに心に何らかの作用を齎さないと、活きてはいないと思う。

機嫌よく好きな作品を見て回り、機嫌よく会場を後にした。

ちひろのファッション画と茂田井武の絵

上井草のちひろ美術館に久しぶりに出かけた。
行くたびに改装されていて、内部構造の変化に驚いたりする。
今回のタイトルは『ちひろのファッションと茂田井武』である。
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ウィーン美術アカデミー

損保ジャパンまでいそいそとウィーン美術アカデミー展を見に行く。
三重で開催したときのチラシを恨めしげに見てから数ヶ月、やっとこさですな。丁度真ん中の日に来ました。

お客さん、繁盛してる。
昨夏ファーブル美術館展見に来て以来のご無沙汰。
最初に意識が行くのがクラナッハ『ルクレティア』
暁闇の中に白い肌が浮かんでいる。
こういう構図、好き。20060703_02.jpg

たとえば去年のボッチチェリのヴィナスなどもそうだった。
背景が真っ暗だから、より意識が鮮明になる。
ルクレティアという名を聞けばわたしなどはすぐにボルジア家を思い出すが、これはそうではないルクレティア。
刃が静かに手に光る。
身体つきはいかにもクラナッハゑがくところの少女めいた感じで、こちらの掌に収まりそうな・・・・

次に『不釣合いなカップル』 いやいやよーく合うてはります。
若いフテブテしそうな嫁さんの手はじーさん亭主の懐の銭袋に。
じーさんはむにむにと・・・
欲と色とが合致している点、ここのカップルはピッタリかもしれない。

ルーベンスの『三美神』が三重でのチラシのメインだった。
これはなんとなくラリックのガラス工芸の花瓶を思い出す。
そんな形に見える。img467.jpg


しかし『軍旗をめぐる戦い』はちょっと構図が入り組んでいて、どうなっているのかがよくわからない。イタリアの戦いの割には持つ刃物が丸く反ってるような気が。トルコ辺りからの輸入品なのか。
トルコとイタリア諸国の関係は色々あるので、この辺はそんな感じかも。なんしか元ネタはダヴィンチなのだし。
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気に入ったのは猫の『争闘』
フジタの先達ここにあり、のような暴れん坊な猫たち。しかもどいつもこいつもエエ柄の猫で、こういう猫は丈夫で賢くて可愛くて・・・(エンドレスで褒め言葉が出てきそうだ)
にゃぁっ としたツラガマエの猫たちが暴れている絵を見るだけで、嬉しくなった。
他にもお母さん虎が子供らにおっぱいあげてるのもあった。
このコーナーはどうぶつ宝島のようなものかもしれない。
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ファン・ダイク『15歳頃の自画像』 絵は巧いと思うけれど、そそられない、なんてことを考えるフラチものでした。

ムリリョ『サイコロ遊びをする少年たち』 可愛いね。足裏が土で汚れているのがリアル。わたしは『貝殻の子供たち』が好きだが、こんなリアルな少年たちも好きだ。しかしこの子達はもしかすると将来はバクチ打ちになるかもしれないな・・・
この絵の後には修羅場が待っているのかもしれない。
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他にも可愛いちみっこ。img467-1.jpg
『アドニスの装いの少年』

マイテンス『マリア・テレジアの肖像』 先日京都でマリア・テレジアの展覧会を見ていたので、この絵にもなにやら馴染みがある。
つまり絵画としての馴染みというより、知人の近況を見たという気分での、馴染みなのだ。

サムソンとデリラを描いた作品があった。
ところが残念なことに作者の名を失念した。
サムソンがデリラの膝枕で眠るのへ、散髪の手が伸びてくる・・・
ごく小さい頃セシル・B・デミルの映画『サムソンとデリラ』を見て以来、この物語に惹かれている。旧約聖書の物語は<物語>としてたいへん面白いのだ。そういえば有島武郎の同名戯曲もなかなか面白かった。女に溺れてぐっすり眠るサムソン。いいのか、そんなにも安らいでいて・・・。

ヴェロネーゼ『野外で楽しむ人々と水浴の女たち』
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なんとなく、ロセッティを思い出した。

ところで静物画についても少し。
卓上にやたらめったら狩猟の獲物を載せないでほしい。
テーブルクロス、きっと血まみれになる。
血抜きした?いや死後硬直が来て血も固まっている?
そしてそれをみつめる鳥・・・なんかいやな感じだなぁ。
こうした絵を見ると、東洋絵画の花鳥画という概念が西洋に無いのがよくわかる。

ホーホストラーテン『トロンプルイユの静物』 hoogstraten46.jpg
扉に布がかかって刷毛とか工具類がポケットに・・・と思ったら、騙し絵なのだ。
ふと思ったが芝居の書割、あれもトロンプルイユの一種というわけか。

デジデーリオ『奇想の建築』 nome62.jpg
古代ローマ風な建造物が建つ並ぶ中を行く(その当時)現在の人々。
・・・確かに失われた建造物を画上で再現して、そこを歩く光景は<ありえぬもの>だろうが、そんなに奇異に感じぬのは、私が西洋の人間ではないからだろうか。
他にもユベール・ロベールの奇想画『奇想の廃墟』 体育館めいたドームの屋根が壊れて空ののぞく中を描いた作品もあったが、これらを日本の風土と日本の建造物に置き換えたとして・・・そうか、ちょんまげの人の前に寝殿造りの建物がある感じか。
なんとなく、納得。
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マルティン・フェルディナント・クヴァダル『ウィーン美術アカデミーの裸体教室』 おじさんモデルをケンメーに写生する人々。
そしてそんな情景を描く画家。
二重構造だなー。

それから火山の噴き出す絵があった。
ヴッキー『噴火するベスピオ』img468.jpg

これをみて、『スターウォーズ・シスの復讐』を思い出した。
アナキンとオビワンの戦うムスタファ。
その溶岩流がこちらにまで流れてきそうな予感。

なかなか見応えのある展覧会だった。
後はこのチケットの半券を持って森アーツまでクリーブランドを見に行くのだよ。








中沢弘光のブックデザイン

中沢弘光といえば、陽光に照らされた静かな美人を描く洋画家、というイメージがある。
東京国立近代美術館に収蔵されている作品には、実際そうしたものが多いように思う。
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神保町の古書会館で15日から21日まで中沢の装丁本や口絵などを集めた展覧会が開催されている。
その続きに洋画展が開催される。
英太郎をみたその足で向かった。弥生でチラシをもらわなければ知らないままだったろう。

山の上ホテル、明治大学を横目に古書会館の二階に上がると、中沢の作品がケースに収められて並んでいた。
木版画作品も多い人だと知った。
というより「あ、これ中沢なのか」という感じである。

お孫さんが蒐集されたのが大半らしい。
先日の川瀬巴水もそうだが、日本の風景版画には深い味わいがある。
また中沢のように美人画を多く描いた人の挿絵には、よいものが多い。口絵を見るだけでも楽しい。
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クリックしてください。

日曜日の初日に行ったので行きたいお店も色々お休みだった。
わたしは神保町に来ると必ず柏水堂でケーキをいただくことにしている。店の内装のレトロなステンドグラスもステキだし。
二週間ばかり開催されているので、行かれた方は古いお店でお茶など飲みながら反芻するのもいいと思う。

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英太郎回顧

竹中英太郎、という画家を知ったのは随分以前だった。
子供の頃から乱歩、横溝正史を愛読していたので、資料を読むことが多かった。
するとそこに必ず現れるのが英太郎の挿絵なのだ。
それらは創元社のシリーズでなら本文と共に楽しむことができる。

弥生美術館の'06最終期の展覧会は竹中英太郎回顧展である。妖かしの、と枕詞がついている。
確かにその通りだ。一目見ればこの言葉が胸におちる。

'89.5わたしは英太郎の絵が見たくて初めて弥生美術館に来た。
友人三人との最初の東京ツアーである。
当時既に乱歩『孤島の鬼』を偏愛していたわたしはその原画が見たくてここに来たのだった。
それから17年の歳月が流れたが、好むところは全く変わらず、増えはしても減りはしないままだと気づく。

雑誌『新青年』の編集者が横溝正史でなければ英太郎の活躍はもしかするとなかったかもしれない。
そう思うほど、英太郎と新青年のつながりは深い。
横溝への感謝の気持ちのことを「言葉にならないほどだった」と思い起こす英太郎。
かれは日本の探偵小説だけでなく翻訳物にもたくさん作品を描き続けた。

アールデコジュエリー

14日から始まった庭園美術館の『アールデコジュエリー』展に行った。このアールデコの館での展覧会は、どれをとっても優美なものに感じられる。
絵画展であれば、宮様の邸宅にお招ばれして、その壁に飾られた名画を楽しむという気持ちになるし、工芸展ならば貴族の生活というものを目の当たりにしたようにも思う。
それはこの館の魅力が前提として活きているが故の、二重構造の愉楽なのだ。
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ここでのジュエリー展を楽しむのは三年ぶりだが、数えれば三年に一度ずつほどの間隔でアールデコやジュエリーの展覧会が開催されている。
今回の展示品の多くはブティ・パレ美術館からのものだが、借り出したという感じは少なく、まるで宮様ご秘蔵の宝石箱をお蔵から開きましたという気分である。
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一つ一つのアクセサリーやそのデザインノートなどについて語ることに虚しささえ感じるほど、何もかもが美しい。
鉱物が人の手・人の意思・人の視線によって、隠されていた本性=美を見出され、形を変化され・調整されて世に出る。
世に顕れる、と言うべきか。
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世に顕れたこれらジュエリーたちは人の身を飾り、人の眼を楽しませ、人の心を騒がせる。
美であること、それ自体が罪であるかのように。

時代の志向と個人の嗜好とが合致してジュエリーの形態がある方向に向く。
宝石そのもので魅せるか、石よりも飾りで魅せるか。
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ジュエリーデザイナー・シャルル・ジャコーのデザイン画は185点ここに飾られている。
セピア色に移った紙に描かれた輝き。
それらが立体化されたか・未構築かという問題はさておいて、画そのものを眺めるだけで様々な空想が齎される。
どのような人の手に嵌められたかも、どのような状況で使用されたかもわからぬままに。
シャルル・ジャコーはカルティエのデザイナーだったらしく、解説を読むと膨大な数のデザインを生み出したようだ。
それらは現在プティ・パレに収められている。

アールデコ絵画も多く展示されている。
中には見知ったものも多い。
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ジョルジュ・バルビエの作品。スタイル画のような洗練された女たち。
この館の女主人である朝香宮妃の肖像写真を思い起こす。
妃その人ご自身が<アールデコの女>そのものなのだった。
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会場にはいくつかの章があり、中にインドのマハラジャのコーナーがあった。しかしひとつ瑕をあげるなら、解説文にインドとイギリスの関係を良好なものだと書いたのはどうであろうか。
好んでイギリスの植民地になったわけではないのである。<セポイの反乱>と呼ばれた民族運動(反乱、という言葉自体が既にイギリス寄りの見方なのだ)も、後年のガンジーのことも考えればこの解説文に納得するのは、避けたい。
しかしヨーロッパの技術を容れてマハラジャたちはその身に豪華なジュエリーをつけていた。


わたしの好んだ作品をここにあげる。
小鳥のモチーフ。img454.jpg

とても可愛らしい。

やがて時代の流れから、宝石とエマイユ(七宝焼)のジュエリーに取って代わり、宝石と黄金のジュエリーへ移るまでを展覧会は映し出している。

第一次大戦前夜のパリの社交界、自由な生き方をはじめた女たち。
その空気を味わえる展覧会は来年1/14まで。丁度三ヶ月間。
わたしはパスを使ったが、そうでなくともここにいたいと思わせるような展覧会だった。
詳細は以下の公式サイトへ。
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/jewlley/index.html
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色々あつめました。

千露さん、lapisさんに続いてやっとわたしも開店(回転?)しました。
遅れた原因は一つ。優柔不断さゆえです。
当店は男性作家・女性作家に棚を分けております。
「あ」から「わ」まで、1作家1作品で構成いたしております。

お寺めぐり 泉涌寺から太秦へ

昨日の続き。
この日の予定。
泉涌寺―東福寺―広隆寺―晴明神社―イノダ本店―新京極かねや

彼女が三十三間堂の千躰ほどの佛だちにうっとりしている頃、わたしは再び京都博物館の絵巻に耽溺していた。
バスに乗り泉涌寺に向かう。
ここの楊貴妃観音の美麗さについては別項にする。

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泉涌寺の中庭から。

お寺めぐり?黄檗から祇園まで

三日連続京都にいた。
初日は特別公開の近代建築を見て回りうろうろ。
非公開なので詳細はあげない。

翌日、これは関東から仏像が見たくて来た人を案内して、あちこちうろうろ。
私は仏像は苦手だから大概外にいる。
出て来たその人は目もウットリと、仏像のプロポーションの美について熱く語るが、私にはあまり響かない。
「院派が慶派が」
慶は多分鎌倉時代の運慶快慶たちだろうが、イン派がよくわからない。

とりあえずこの日のコース。
宇治の源氏物語ミュージアム、 黄檗山萬福寺、普茶料理・白雲庵、京都国立博物館、西本願寺、高島屋(神坂雪佳展)、祇園 。
向こうは会う前に平等院も行っている。
わたしにとっては珍しいツアーだったので、なかなか面白かった。
まず一日目の話。

建物見たり虹みたり

昨日は中秋の名月、今日は十六夜で、朝は雨がぱらつきながらも明るい空だった。
京都へ向かう車内からみた虹。
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午前8:20~8:25の大山崎辺り。
山裾から完全なる半円を描き、山裾へ潜る虹。あわてて撮影したが本当に綺麗だった。
で、虹が薄れてから画像を見て「おおっ」となった。
そうです。
二重の虹でした。わたしは二度目かな、二重の虹を見るの。
うれしかった。

まあとりあえず話の内容はちょっとマクラとはあんまり縁がなさそう・・・なこともないこともないか。

えー先週docomomo展見てきたので、その感想はまあなんというか嬉しいというか、モダンムーブメントもええもんですね、というか。
本野精吾の作った家具は素敵だな、とかこうやって眺めたら、自分も知ってる建物が多くて、たくさん見学してきたなという述懐がわいてきたり。

石津邸には主人夫婦が写っていたけれど、これはもしかして石津謙介さんかな、とパネルをジーっと眺めたり、「ここ、使いにくかったなー」とか「ここの階段はよかった」なんてことを独り言まじりに見て回りました。

内容の展示物についてはHPに詳しいのでそちらへどうぞ。
http://house.sumai.city.osaka.jp/museum/frame/0_frame.html

あとはわたしの撮ったどうにもならない下手な写真です。

トロースドルフの赤ずきんたち

トロースドルフ美術館という私設美術館がドイツにある。
主なコレクションは、ドイツに発祥し世界中に広まった<童話>赤ずきんの絵本やその原画である。
館主はこよなくこの物語を愛するご夫妻で、絵本画家とも仲がよく、現代の作家の作品なども多く所有する。

展覧会は大丸梅田で開催された。
もう終幕を迎えたか。
わたしは二度通った。
二度とも大勢のお客さんが来られていて、みんなとても楽しそうだった。
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赤ずきんの物語は最初はペローによるもので、次いでグリム兄弟が物語化した。
登場するものは変わらない。
赤ずきんの母、赤ずきん、狼、赤ずきんの祖母、狩人。
しかし物語は微妙な変容を見せている。
ペロー版では、赤ずきんはおばあさんに化けた狼の言うままに服を脱ぎ、そして狼に<食べられ>る。
物語の最後には若い娘への戒めが綴られている。
つまりとてもセクシュアルな物語なのである。

しかしグリム版では赤ずきんとおばあさんを食べた狼は狩人に殺され、二人は救われる。

更におまけがつくときもある。
狩人と赤ずきんの婚姻などである。

物語の概要や底に流れる思想などは措くとして、描かれた赤ずきんの様々な姿を楽しんだ。

可愛い少女・いたいけな童女・おしゃまな娘・ポップな女の子・・・
実に色んな赤ずきんを見た。
狼も色んな種類を見た。
見るからに悪辣そう・可愛いわんこ風・シェパード風・一見紳士風などなど。
騙してやろう・喰ってやろうが大方だが、仲良くしたかったんだ風もいる。
画家の意識がどの方向へ向いていたかがはっきりとわかる。
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赤ずきんの服装も実に様々だ。
『赤ずきん』そのものもマントか帽子かに大別される。
中の服は民俗風のもの・その時代のもの・などなど。
イギリスの絵本はケイト・グリーナウェイ風のワンピースだった。

土曜の夕方と平日の昼とに通ったが、二度ともある程度以上のお客さんばかりで、子供は一人もいなかった。
会場の奥の方には赤ずきんの分類パネルや、『あなたも赤ずきん』コーナーがあった。
フェルト製のフード付きマント。籠にはワイン・フルーツ・パンなどなど。
撮影コーナーなのだが、赤ずきんになれそうな子供は一人もいなかった。みんな、元・こども。
絵本も色々眺めたり。
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色んな赤ずきん。クリックしてください。

仕掛け絵本もたくさん並んでいた。
飛び出す絵本(ポップアップ絵本)、シャドウボックス、いろいろ。
なんだかとても楽しい。
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赤ずきんのほかにも、レオ・レオーニ、ヨゼフ・ウィルコンらの絵本原画がある。レオーニの切り絵のねずみがあんまり可愛くて嬉しくなった。ウィルコンのフクロウだかミミズクだかもホウホウと可愛い。
ミミズク選手権。ちょっとそれを主催しょうかな。
ああもう、可愛い。

ところで今日は中秋の名月だ。
月と言えばウサギなのだが、ヨーロッパでは月は狼だ。
狼男は満月に力を得る。
狼が赤ずきんを食べる為に変装したのは、満月の日だったのかもしれない。
普段は言葉を使うことも出来なかっただろう。

ところでこの後には蛇足あり。

「染模様恩愛御書」を見る

今日は久しぶりに歌舞伎を見に行く。
最近東京の歌舞伎座でわたしはチケットを取れない状況だった。
国立では見ているが。
今日は松竹座の『染模様恩愛御書』細川の男敵討。
めちゃくちゃ楽しみ。そういうわけでかなり良い席を予約している。
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以下は松竹のサイトから。
みどころ
この作品は『蔦模様血染御書(つたもようちぞめのごしゅいん)』という外題で明治22年11月、市村座で初演されました。当時は、本火を使った演出で大評判となりましたが、衆道(男色)という主題や、見せ場である大火事の演出の問題により長らく上演が途絶えていました。今回、その幻の傑作が、若き花形俳優の果敢な挑戦により新たに甦ります。

あらすじ
大川友右衛門(染五郎)は、浅草観音参詣の折、美しい若衆姿の印南数馬(愛之助)を見染めます。数馬が細川家の小姓と知った友右衛門は武士の位を捨て、細川邸に中間として奉公するようになります。ある日、友右衛門は数馬の寝室に忍び、二人は衆道の契りを結びます。数馬から横山図書(猿弥)という父の敵があることを打ち明けられた友右衛門は、数馬と互いの腕の血をすすり合い兄弟の義を結び、敵討ちの助力を約束します。ところがこの様子を、かねてから数馬に心を寄せる腰元のあざみ(春猿)が見つけ、細川候(段治郎)の知るところとなります。お咎めを蒙ると思いのほか、友右衛門の数馬への思いと、数馬の孝心の篤さに感銘を受けた細川候に、逆に士分に取り立てられた友右衛門は、いずれこの御恩に報いようと決心します。
ある日、細川邸に起こった火事はまたたく間に燃え広がり、このままでは細川家の宝である、将軍より拝領した御朱印が灰燼に帰すのも時間の問題となります。ここに馳せ参じた友右衛門は、御恩に報いるのはこの時をおいてないと火中に飛び込み、ついには自らの腹をかき切り、御朱印をその中に入れて・・・


・・・なんか聞いたことのある筋立てだな、と思った途端ハッとなった。
杉本苑子『珠の段』筋書き。
酒も飲まず、女も知らず、藩公・重役から将来を期待された青年武士の津田悠之助。そんな彼の運命を狂わせたのは伊波数馬と名のる十五歳の美童だった。数馬を恋慕う悠之助は兄の仇討の助太刀を頼む数馬の言葉を信じ、仇敵養老屋喜造を討ったが……。裏切られることを知りながら、命をもってあがなう犠牲的愛を捧げる青年武士の心情を切なく描く

そう、ここでも男は身分を捨てて陸尺になり、不実な相手のために『珠の段』つまり切腹してその中に宝をしまって、という行動を起こす。

萌えますね。
それに印南数馬と言う名は、実は木原敏江の『摩利と新吾』の新吾の叔父様の名前だった。
杉本せんせも木原せんせも等しく青年と美少年の愛が好き。
ああ・・・見る前からときめくなぁ。
因みに『珠の段』とはお能の演目で、国芳も描いているが、海女が愛する男のために、龍宮から宝を盗みだし、追手を蹴散らすために自分の胸腹を切り裂いてその中に宝をしまって海上へ、という物語。『海士』という題だったように思う。

以下、お芝居の感想。

遊行画廊

千露さんのギャラリー『風の花』に遊びに出かけたわたしは、『遊行画廊』を開こうと思う。
あら、lapisさんもギャラリー・カイエを開催されている。
遅ればせながら大阪でも開設です。

・「あ」から「わ」まで一点ずつ
・一人の画家の作品は一点のみ
・自力で思い出す

どうぞ、いらっしゃいませ・・・

天神橋界隈ぶらぶら(改稿)

朝からよく歩きました。
大丸梅田で赤ずきん展見て(こちらは後日)大阪駅前2ビルでチケット物色してから北新地→大阪天満宮。
10/2まで古書市してはるのよ。
手に入れたのは凄い雑誌ばかり。
『写真通信』大正十四年発行分、芸術新潮'82.12『世紀末の魅力』、みづゑ'87冬『追悼・澁澤龍彦』、'84冬『江戸のグラン・エキセントリック』『ピエール・クロソフスキー』これ表紙若冲の100匹わんちゃんのよ。クロソフスキーもあるし。凄く嬉しいけど、これらについても又後日。

さてその天神さんには星合茶屋と言う茶店があります。
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この<愛敬橋>を渡るとそこにあるのです。
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前々からここでぜんざい食べてみたいと思てましたが、機会がないままでして。
そしたら最近ニュースで、お箸を使いにくい人らにもおうどんを食べやすく、といううどんがここで出てることを知りました。
うどん、世の中で一番好きな食べ物です。
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これは<天神天うどんの冷や>です。
要するに大阪で言う<てんぷら>=さつま揚げと同類やけど、ちょっと違う、を乗っけてダシぶっかけにショウガ入れたーるうどんです。
ほんでうどんは短いサイズで、一本やのーて二本で隙間があるという、特許もんなうどんです。
300円。おいしかった。
でもちょっとカラかったねと店のオバアチャンに言うと、うどん冷たいの出すの手間取ったからサービスに仰山ダシ入れてもたんが却ってアカンかったか??とのこと。
「今度おねえちゃん来たら薄するわな。また来ィや」
おばあちゃん、エエなぁ。

ここにはこんなものもあるのです。
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元々使われてた橋の・・・。

さて本も買うたし、境内の菅原公一代記ジオラマを見ることに。
20年前博多人形師から寄贈されたそうです。
全部クリックして巨大化させてください。

ちびっこの頃から天才少年。IMGP0275.jpg

どこでも才能豊か。IMGP0276.jpg

旱魃の所には雨を降らせる。IMGP0277.jpg

「このたびは幣もとりあえず・・・」IMGP0278.jpg


まあこの後もお話しは続くわけです。見に行ってください。
天神さんは学問の神様やから、かしこなります。←大概天神さんの氏子は子供の頃親にそう言われてきた筈。
その本殿。P0279-1.jpg


ここを出るとついこないだオープンしたばかりの常設の寄席<天満天神繁盛亭>があるので、遠景。
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えらい人気でなかなか席が取れないらしい。
今は物珍しいからのお客さん殺到かもしれないので、これから恒常的に人気の出るようにせなアカンのです。

田川啓二の世界 オートクチュールビーズ刺繍

大丸心斎橋で<オートクチュールビーズ刺繍・田川啓二の世界展>を見る。
デパートでの展覧会にピッタリの、華やかさが横溢した夢のような展覧会。
詳しくはこちらのサイトに。
http://www.tagawakeiji.com/top.html

わたしは不覚にも大丸に行くまでこんな凄い作品があることを知らなかった。
ミュージアムの入り口にはメリーゴーラウンドが据えられて、浮き立つような音楽も聞こえている。見れば乗り物の動物たちみんな、ビーズで出来ている。
凄い。凄いとしか言いようがない。

中に入ると不思議の国のアリスの世界が広がっていた。
しかも<わたし>たちひとりひとりがアリスだと言う趣向。
Web上で再現された世界はこちら。
http://www.tagawakeiji.com/gallery/showalice.html
ホント、びっくりする。
なにもかもビーズ。img393-3.jpg


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ジオラマ仕立てでパーティの椅子なども実物大で置かれているが、それも全部ビーズ。
白地に物語の語りがあると思えば、それも白地のスパンコールにビーズで作られていたのだ。
クラクラする。
花畑と言うか花園が2m大で壁に掛けられているが、それも全ての花がビーズ。
綺麗なのは当然、「凄い」としか言いようがない。

向こうにMOAにある光琳の紅梅白梅図が、と寄って行けばそれも全てビーズとスパンコールと滝ビーズ。
こちらは光琳の原画。img401.jpg

さらには国周ゑがく九代目団十郎の十八番も再現されている。
こちらは関羽の原画。
これを「模写」。201-0198.jpg

ヒゲの再現が凄い。本当に凄い。
他にも不動、粂寺弾正、景清、歌合せのお女中たち、などが再現されている。
葵祭も作られていた。

そして着物から作り起こしたドレスが並んでいる。
信じられないくらいの技術。img392-1.jpg

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豹柄までビーズで・・・(絶句)
シンデレラを描いたドレスもある。物凄いとしか言いようがない。
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ここにあげた図版よりサイトを見るほうがいい。
どれくらい凄いかがよくわかると思う。
会場にいる人みんな、ため息。
綺麗なのが当然過ぎて、言葉もなくなった。

向こうにゴッホの『星月夜』がある。
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技能のある人にはこんなことが出来るのですね・・・
他にも『夜のカフェテラス』ああ・・・これはシャープの液晶でCMにもなってたけど・・・
『よきサマリア人』『アイリス』こんなに、こんなに・・・。
『ひまわり』こちらは原画。img403.jpg

こちらはモネの『睡蓮の池』原画。img402.jpg

いずれも全く遜色のない作品。

他にもクリムト、ピカソ、カンディンスキーがあった。

息を呑むばかりで、会場のお客さんたちも殆どシーンとなっていた。
会場を出るとそこに物販コーナーが広がる。
何か欲しくなるのは当然な気持ちだが、まだ余韻にクラクラしている。
本当に素晴らしかった。

10/2まで大丸心斎橋で開催。行ける人は行き、行けない人は田川さんのサイトで楽しみましょう。こちらの目までビーズになりそうな展覧会だった。
キラキラキラ・・・・・・

予定と記録 10月

10月から11月にかけて文化財登録見て回ることが多いだろうと思います。

・粉本 鉄斎美術館
・昔の絵葉書 池田歴民
・染模様恩愛御書 松竹座
・美と趣 懐石の器  湯木美術館
・漸寒 北村美術館
・民藝の原点 三國荘 大山崎山荘
・グリコのオマケ ZUNZO
・docomomo後期 住まいのミュージアム
・レンガで出来た 大阪歴博
・内藤多仲邸
・茂田井 茂  ちひろ美術館
・ウィーン美術館展 損保美術館
・クリーブランド美術館展 森アーツ
・竹中英太郎 弥生美術館
・秋の日本画 野間記念館
・伴大納言絵巻 出光美術館
・ジュエリー 庭園美術館
・聴竹居
・本野精吾自邸
・御影公会堂
・田尻歴史館
・宇治山田駅
・神宮徴古館
・モダニズムグラフィック クラブコスメ
・源氏物語ミュージアム
・風俗資料館
・京博常設

他にも院展、吉村作治のミイラ発掘、松花堂の百人一首、などなど。
それから正倉院展も兵馬俑もエコール・ド・パリもオルセーも始まります。
京都工芸繊維大ではグンナール・アスプルンドも開催中?かな、それと琵琶湖文化館で『桃山 華麗なる黄金の世紀』も始まるし。

秋になったなーと言う感じのラインナップですかね。


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