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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ハノイをハイカイ その5

ハノイ旧市街のこんがらがる電線。
わたしのアタマもこんがらがる。
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だんだん何かが麻痺してくる。
長征というのを思い出す。中国共産党だったか、いわゆるロングマーチ。
歩くことそれ自体が目的になり、何を見てもわからなくなる。何も感じなくなってくる。
自分がこの空気の中に入り込んでゆくのを感じる。
しかしそれでいて違和感がある。その違和感を感じる神経がまだわたしを支えるものかもしれない。

旧市街の中にある劇場のおもて。
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マーマイの家というものをみつける。
これは中国風木造建築で、入るとどこか京の町屋を思い出させる風情がある。
商売もしていて、月琴が売られていた。
小鳥の声がする。中国もベトナムも小鳥を飼うのが好きだ。

リトルハノイというレトロなカフェに入り、クロックムッシュを食べるが、やはり外国人客が多い。
それだけにやや値が張る。一旦のんびりする。
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不意にジェレミー・アイアンズを想う。
わたしはあの英国俳優がとても好きだ。
かれは不思議とアジアを舞台にした作品が似合う。金髪碧眼の美しい男性。「Mバタフライ」「チャイニーズボックス」「マリア・カラス最後の日々」。
彼はアーモンド型の眼をした女や少年を愛し、西洋人の枠から外れてゆき、次第に崩れてゆく・・・また、西洋社会にあっても身分も社会的実力もあるのに、愛情のためにずるずる堕ちてゆく。
そんな役がとてもうまいのだ。
わたしはこの店の中や昨日のメトロポールホテルで、かれを探していたのかもしれない・・・


カテドラルへ入る。IMGP0858.jpg

素晴らしいゴシック教会。内部のバラ窓やステンドグラスの美麗さにときめく。

外には東方の三博士の壁画がある。IMGP0859.jpg

フレンチ・ゴシックの名品。りんごんと鐘が鳴った。


再びホアンキエム湖の畔へ。亀の塔をようやく見る。
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伝説があり、また実際に巨大な亀がここに生息してもいる。
ガメラマーチが頭の中で再現する。


そこからしばらくしてタクシーに乗る。
夕方にホテルに戻った。プールに向かうが、寒くて泳げず、サウナでぬくぬく。

夜になり、タクシーでフォー・ガー(牛肉入りフォー)専門店へ。
ここは店内で食べれるので、それを力に入る。大混雑で床は汚れているが、テーブルは拭いてくれる。
フォー・ガーはおいしいがとても量が多い。わたしはライムをとてもたくさん絞る。絞るのが好きだ。
それにしてもほかの地元の人たちはよく食べる。
わたしはひ弱だと思う。とてもそこまで食べられない。
180000ZDNらしいが、値段の感覚がもうわからない。

少し歩くと、金融庁などがある。
もう暗いのでいよいよ方向感覚は狂っている。

タクシーでホーチミン廟へ。
何故こんな夜にまで出歩くのかと思いつつタクシーに乗る。
ラズベリー色のライトアップ。IMGP0861.jpg

バーディン広場はウォーキングする人などでにぎやか。
やっと心和む。
和んだ途端、大雨。ははははは。困ったな。
雨宿りの木は大きい。

ネオンは雨で揺らぐ。
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共産党の赤い☆IMGP0864.jpg


ホテル前からタクシーで帰る。
まだ早いが寝る。寝るというても6時間しか眠れないわたしだからきっちり起きる。
起きても仕方ない時間なので眼を閉じる。眠れないが寝る。
怖い夢をみる。
色々考えるとやっぱり自分の狂気を疑わずにはいられなくなる。
明日は何とか明るく楽しい時間を持たねばならない。

ハノイをハイカイ その4

三日目。
ブラッスリーで朝食ビュフェ。桃李の方が好みだが、ここではおかゆをいただく。オムレツはチーズとトマトのみでリクエスト。フォーとスイカとドラゴンフルーツ。ナスの炊いたんやサラミがおいしい。

歩く。ハノイ友好文化宮殿?の横を行く。アールデコの鉄柵がいい。
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なんだかこんなものもある。沖縄によくあるやつ。IMGP0781_20121101124606.jpg


近くのハノイ警察博物館に入る。国の花ハスをモティーフにした柄ガラスがいい。
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模型もあったり。ここは無料。
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前後をみる。
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階段はやはり魅力的。IMGP0786.jpg

人民裁判所は撮影禁止。非常に綺麗で清潔な建物。
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そこから収容所へ向かう。
わたしは何がいやというても収容所が本当にいやだ。
ここのことはツイッターでも書いたから軽く書くが、人間がどこまで残虐になれるかを目の当たりにしたような気がする。ここで見たものを詳しく書くことはしたくない。
わたしは常にある種の恐怖感を抱えて生きているが、それから逃れるために愉楽を求めて歩いているのだ。
決して何も知らないわけではなく、知っているからこそ、わたしは少しでも楽しいもの・面白いものを求めて歩くのだ。そうでなければ生きていられない。

タクシーでホテルへ戻り一旦休む。あの衝撃が大きすぎて、ほかに見たものが塗りつぶされてしまうのを感じる。
それでは困るから楽しいものを探すのだが、何も見つからない。同行の奥さんはさすがにしまったと思ったか、美術博物館へ行くことを宣伝・宣言する。わたしの気分を変えないとまずい、と思っているのは確かなので、わたしも乗った顔をする。

美術博物館へタクシーで向かう。
(ここの感想もまた別記事で挙げる)

レーニン像まで歩く。IMGP0834.jpg

レーニンの本名を思い出したり、演説の様子を思い起こしたり、インターナショナルの歌が頭の中が流れるのを聴いてみたり、「世界を揺るがした十日間」の一節がふと浮かんだりするのを楽しむ。

向かいの塔も魅力的な形をしている。IMGP0836.jpg

少し離れると木で覆われる。IMGP0835.jpg


近所のハイランドカフェに入る。ハイランドホテルの系列のカフェらしい。
パラソルの下でリプトンティーとバナナケーキを。どちらも火を通したもので、バナナケーキはぬくぬく。
いい気持ちになるが、とりあえずそうでないと困る。

街中の建物いくつか。
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北門教会へ向かう。ホーチミン廟を遠目にしつつ歩く。
タンロン遺跡をちらっと見るが、中には入らず歩く。
結婚式の記念撮影を道端でする人々をみかける。もう何組目かわからないが、なぜ道端でするのだろうか。


やがて教会へ。薄汚れているが実に立派。しかも妙に現地化しているのが興味深い。
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塔が面白い。IMGP0839.jpg

教会のあちこち。
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妙な壁画や盆栽もある。
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ところが境内の民家に少し入り込むとシェパード登場。
わんわん吠えられて困るが、それ以上は追いかけてこない。
よくしつけられている。

給水塔へ。なんとなくイタリアを思い出す。
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周辺カフェはまだ小ぎれい。ファッションストリートらしいが、どこへ向かっているのかまたわからなくなる。
ただただ歩く。

ロンビエン橋が見えた。汽車がゆくのが見えた、動いているのだ!!感動した。
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この鉄橋はベトナム戦争中何度も壊れては作り直されたらしい。
形は隅田川にかかるどれかの橋に似ている。IMGP0852_20121101153437.jpg


車とバイクに露店にと、歩くに歩けない中を歩く。

次へ続く。

ハノイ歴史博物館

ハノイ歴史博物館へ行く。
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外観の美しさはこの通り。
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庭には様々な石像がある。
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わたしは特にゾウさんや虎に龍などがお気に入り。
ラクダもいたなあ。獅子もいる。
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看板を見るとクメール佛のようなのも見えた。
インドシナパターン。IMGP0705.jpg

銅鼓がある。東博でおなじみの銅鼓。
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わたしが銅鼓を知ったのは、諸星大二郎「孔子暗黒伝」から。東南アジアには銅鼓が存在する。
その用途は実のところはっきりしないのだ・・・
上にどうぶつがいるよ。IMGP0719.jpg

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中央のしつらえ。IMGP0715.jpg

階段や窓がすばらしい。窓ガラスは色が薄く入る。
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麗しの天井。IMGP0714.jpg IMGP0740.jpg


やきものの美麗さ。IMGP0723.jpg

文書は漢字。中世は中国文化が生きていた。
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ゾウさんの石像やレリーフがいっぱいあるのも楽しい。
わたしは猫、パンダ、ゾウがとても好きなのだ。
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民画では西遊記や三国志や世界民族絵などがある。
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中世の楽しい絵。

十王図のレリーフも面白い。獄卒はブタさん。IMGP0727.jpg

飴色に輝く仏像はこれは何で輝くのか、ニスなのか。

螺鈿も繊細。中国文化を飲み込んで、ベトナムの工芸への繊細な手が生きている。
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工芸はやはりアジアがよろしい・・・
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ふと見ればこんな像が。IMGP0737.jpg

楽しい。IMGP0738.jpg

奥には仏像が並ぶ。神秘的なルーム。
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窓の外を眺めて一休み。IMGP0741.jpg

ハノイをハイカイ その3

ホテルから歴史博物館へ向かう。タクシーに行く先の名称を書いた紙を手渡す。
これはフロントで書いてもらったり、書いたのを添削してもらったり。
マカオ以来そういう手段を使っている。

歴博が非常に面白い。
建物もすばらしいし、その展示もいい。
(歴博の中身は別に記事として挙げる)
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銅鼓がある。東博でおなじみの銅鼓。
わたしが銅鼓を知ったのは、諸星大二郎「孔子暗黒伝」から。東南アジアには銅鼓が存在する。
その用途は実のところはっきりしないのだ・・・

ゾウさんの石像やレリーフがいっぱいあるのも楽しい。
わたしは猫、パンダ、ゾウがとても好きなのだ。

民画では西遊記や三国志や世界民族絵などがある。
中世の楽しい絵。

飴色に輝く仏像はこれは何で輝くのか、ニスなのか。


道路を挟んだ向こうの革命博物館へ。
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車とバイクの洪水の中へソロソロと入って行く。怖いが仕方ない。
少しは慣れてきたが、神経はいよいよヒリヒリする。
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革命博物館の内装には竹が使用されている。
武器が多い。巨大なコンセントのようなものを手にした兵隊の像があるが、あれは何なんだろう?
わたしは武器に関心がないのでさっぱりわからない。
いしいひさいちのギャグマンガを思い出す。

階段がとても素敵。IMGP0746.jpg

こういう螺旋がいい。IMGP0747.jpg

中学高校の頃大好きだった作品、池田理代子「オルフェウスの窓」にはロシア革命が描かれていた。
非常に感銘を受けたわたしはその当時読めるだけのロシア革命の本を読みふけった。
また同時期にウォーレン・ビーティ(当時はこの表記だった)監督制作主演の映画「REDS」にも非常に興奮したのだった。
今はややネトウヨに近いのに、昔はやや左翼に近かった。
ほんと、歳月を感じるぜ。


オペラ座の前へ来た。隣はホテルなど。やっと綺麗に保たれている建物を見た。
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メトロポールホテルでお茶をしようと入るが、セキュリティチェックの厳しさにちょっとびっくりする。
アフタヌーンティーはまぁおいしいが、あくまでもここは対外国人のホテルであり、植民地であったことを改めて思い起こさせる雰囲気がある。
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きれいな建物。
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シンガポールのラッフルズや東京の帝国ホテルにも通じる何かが。
自分が何をしているのかもわからない。
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メトロポールホテルの外観などなど。
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ひたすら歩く。迎賓館、中央郵便局、教会、学校などなど。
あまりに歩きすぎて何もわからなくなってくる。
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公園の噴水のモニュメントも西洋とも東洋とも言い難いナニカになっている。
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カエルが可愛い。IMGP0763.jpg

まだまだこんなのがある。
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何時間歩いたか、暗くなっていた。
ハノイ駅の前にいた。ここが目的なのかどうかはもう私にはわからない。
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しかし駅へ向かおうとしている。渡るのにたぶん15分くらいかかっているが、苛立ちもない。
ただただ車とバイクの洪水を見ている。そろそろと歩き始めたが、とうとうバイクと接触した。
ミラーが柔らかい。速度も30kmくらいだから当たっても痛くないのかもしれない。
マスクし続けているので呼吸が苦しいし、そんなこともあってか、脳が働かないのだ。

駅では列車が止まっているが、単線なのでどうなっているのかもよくわからない。時刻表も読めない。
昼間に見た線路周囲は露店まみれだった。汽笛が鳴れば店を一旦撤去して、また開くようだった。
そんなのに乗ることなど出来るわけがない、わたしに。
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ロッテリアに入る。なぜロッテリアなのかはわからないが駅に接している。まるで日本の地方のJR駅のようだ。
58000zdnのセットを頼むが、店員さんの優しさにとても癒される。
ああ、わたしは疲れきっているのだなと感じる。
しかしどこか絵空事のような感覚もある。
持ち帰りにしたが、「駅から徒歩10分」などという架空時間を信じたのはよくなかった。
ただただ歩いているだけ。やがてニッコーホテルが見えた。本当に安堵する。
しかしすぐに食べることはせず、わたしはサウナに行った。

サウナで元気になる。ふと八瀬の釜風呂のことを思う。それから天狗の是害坊のことを。
ニホンは昔からサウナで湯治したのだ。日本人たるわたしはやっぱりこうしてサウナで復活している。

元気になると、ハノイで何故こんなにも買い物が出来ないのかを考える。今まで行ったアジア諸国を思う。台湾、マカオ、シンガポール・・・みんなとても買い物しやすく、欲しいものもすぐに手に入った。露店も入りやすかった。
しかしハノイでわたしは何も出来ず、ただただ歩いているだけ。ハノイで雑貨を買いあさる人の強さを思う。
到底わたしには不可能だと思う。

アジアの混乱に飲み込まれた二日目はこれで終わる。

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