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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

夢の超特急 東海道新幹線開業50周年記念 

難波の高島屋で9/1まで開催していた新幹線の展覧会は楽しかった。
展覧会と言うか、イベントと言うほうがよりリアルかな。こういうのはよろしいもんです。
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新幹線は長いので、会場も横長に設営されていた。

入るとこんなのが並んでいた。
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わたしが初めて新幹線に乗ったのはいつかなあ。もうあんまり前で思い出せない。
東京を行き来するようになったのは1990年ころからだが、この頃はまだ「ひかり」だったように思う。
「のぞみ」は高かったのだ。
それで初めて「のぞみ」に乗ったのはスーパー歌舞伎「カグヤ」見た日で、その日に祖母が急死したのであわてて新幹線を変更し、のぞみに乗ったが、やたらと窓ガラスが揺れていた。

それが元でと言うわけでもないと思いたいが、新幹線に乗りたくなくなり、また丁度従妹がJALの国際線のCAになったこともあり、身びいきが強いもんで、長らく飛行機で東京へ出かけた。
やがて従妹も子育て退職し、わたしもまた新幹線に乗る気になり、ブロガーとしてデビューしたころ、大勢の方のお勧めでEXICの会員になった。それからはずっと新幹線で東海道を往来している。

改めて「いい乗り物」だと思う。

万博の頃の浮かれ具合と新幹線の関連グッズなどが面白い。
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模型も可愛い。1409661738622.jpg

ビール。1409661709954.jpg

模型の電車が走り回る。富士山もあるし、走る中には「ドクターイェロー」も!!!
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結構楽しかったのでした。
これからもよろしく、新幹線。

諸星大二郎原画展

阪神百貨店で「諸星大二郎原画展」を見た。
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初期の手塚賞受賞作「生物都市」の生原稿、「貞操号の遭難」のカラー表紙と生原稿などから始まる。

その前にふと傍らを顧みれば、今回の原画展を寿ぐマンガ家の皆さん方の諸星オマージュ色紙が並んでいた。パロディやキャラの絵などが描かれている。
・近藤ようこ ニャートピア。ネコと融合している。「生物都市」
・大友克洋 「原画展に来いよぉ~」と声を出す仮面と返事する男。「マッドメン」
・藤田和日郎 すごくハンサムな稗田礼二郎。
・寺田 克也 物思いに耽る孫悟空。座っているのは…
・高橋留美子 協働しそうな孫悟空に栞と紙魚子たち。
・星野之宣 星野孫悟空と猪八戒ののんびりな会話
・ヤマザキマリ コドワの横顔。モノクロ。かっこいい。
・山田章博 コドワ。フルカラー。きれい。
・吾妻ひでお たぶん、栞と紙魚子。
ほかにもあるのだが、今回は一切の筆記用具が禁止されているので、記憶にあるところを挙げてゆくしかない。

幡のようにカラー口絵や表紙絵の一部トリミングを貼っている。
それを見るともなく見ると、何やらぞわぞわする。悪夢を切り取ったようにしか見えない。
随分前に出た「西遊妖猿伝の世界」に、額縁が欲しくて安い絵を購入し、自分の絵をそこに飾っている、という記事があった。
ヒラニア・ガルバが二人いるような絵だったと思うが(今回はない)、表紙絵・口絵は時間が完全に止まった世界が描かれている、と思った。ひどくシュールな作風なのである。
改めてカラーの絵を見てゆくと、この世でないどこかが描かれているように思えた。
「カオカオ様」がいた世界、それが広がってきている。そんな気がした。

「暗黒神話」の生原稿を見ると、参考にした本や台詞などの手直しが枠外に書かれていた。
現在、完全版が執筆中だということなので、これら「資料」も増えるのかもしれない。

「孔子暗黒伝」ではアスラと赤が仏陀の臨終の場へ現れるシーンが出ていた。
この作品は非常に印象的なシーン・動きが多い。
ここでは仏陀の動きに衝かれ、息をのんで<待って>しまう。
期せずして、赤とアスラの立場になる。

原画を見ることで、新しい視点が生まれ、気づけなかったことにも気づく。

「ヒトニグサ」があった。驚いたことにこれは82年の作品だった。もう32年も前なのか。
考えたこともなかった。
稗田の現れる作品で時間の流れを感じるものは、薫君と美加ちゃんの兄妹を見るときだけかもしれない。二人の成長する姿で時間の流れを感じる。

美加ちゃんの一枚もののカラーがあった。可愛い。
昔から思うことだが、諸星作品の少女たちは同性であるわたしから見ても、嫌な子はまずいない。わたしは特に「マッドメン」の波子が大好きだ。

縄文少女のイラストがある。いろっぽさと何かしでかしそうなところがあって、そのあたりに魅力を感じる。壺を抱えているのも可愛い。

珍しいところで「キョウコ」の絵があった。鉛筆書きである。どの「キョウコ」かはわからない。「恐子」「凶子」「狂子」…
あの小説集はじわじわと怖い。怖いというより気持ち悪い…
マンガ家の小説というものは妙にうすら寒い話が多いような気がする。山上たつひこも…

「失楽園」は名画パロディがあって、そこから知った絵もいくつかある。
今、久しぶりに原画を見て、好きではない作品だが、やはり読みたくなってきた。

知っている作品なのに、改めて原画を見るとことで妙にドキドキし、続が読みたくなってくる。
そそられている。
先がわかっているのに、それでも不安なくらい先のことがわからない。
なぜだろう。

いろんな作品が並ぶ。
こうして見てみると諸星宇宙のその広大さに、ただただおののくばかりだった。
「暗黒神話」で主人公・武はオリオンの彼方にまで行く。
わたしたち諸星ファンはオリオンの彼方にもついて行き、また全く異なる世界にも向かう。
高揚しているのか落ち続けているのかも実はわからないが、それでもついて行かずにいられない。

時間もそうだ。
古代から現代、そして未来、また時間軸の異なる世界もある。
どこに行くかもわからないまま、しかしそれでもついてゆく。ついて行くが、こちらの予測できない場へ気づけば取り残されている。
どうしていいかもわからないまま、それでも否応なしに悪夢のような陶酔が押し寄せてくることに気づく。
そしてそこに溺れて、いつまでも這い上がれなくなる。
諸星大二郎の魔力に絡みとられたものは、永遠に岸辺に戻れない漂流者になるも同然なのだった。

二年ほど前の画集「不熟」からのカラー原画がいくつか出ている。
現実から遠く離れた地の情景がそこにある。
不条理さ、それが絵として表現されている。

いくら見ても見飽きなかった。
壁面展示なので壁に沿って歩き、また逆側の壁を見て歩くのだが、距離はそんなにないはずなのに、永遠に続くような気がした。
終わってほしくないからそんな妄想を抱いたのだろうか…

9/2まで。

なお、現在「暗黒神話と古代史の旅」という本が発売されている。

諸星大二郎: 『暗黒神話』と古代史の旅 (別冊太陽 太陽の地図帖 27)諸星大二郎: 『暗黒神話』と古代史の旅 (別冊太陽 太陽の地図帖 27)
(2014/08/27)
太陽の地図帖編集部



「暗黒神話」の秘密に触れたような気がする本なのだった。

浮世絵に描かれた子どもたち / スモールワールド

千葉市美術館の企画展はいつもとても魅力的だ。
ここでハズレの展覧会などないと思う。
今回は公文教育研究会所蔵の「浮世絵に描かれた子どもたち」と所蔵作品展「スモールワールド」が開催されていた。
どちらも心の底から楽しめる展覧会だった。
8/31で終了したが、忘れたくはない。
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まずは浮世絵から。
公文の所蔵品展は以前に京都文化博物館でも開催されている。そしてサイトでも所蔵品を公開している。
京都でみたとき、さすがに公文やなあと感心した。
いいコレクションなのである。
2003年の「遊べや遊べ子供うきよえ」展。
江戸時代は子どもを大事にした。
絵からはそんな様子も見て取れる。

1.子どもへの愛情

春信 蚊帳の母と子 お母さんが「サアサ、蚊帳にお入り」というのに、まだままごとをしたい。小さなスイカに包丁、夏のおもちゃ。くくり枕が転がってる。
楽しい遊びはもっと続けたい。

歌麿 名所風景美人十二相 赤子に乳をのませる母 長刀を持つ小さな人形を動かし、赤子の気をそそる。ほしがって身をのばす子ども。朝顔と梨。絵は色ずれしているが、それはそれでいい。

国貞 時世百化鳥 風車にみみづく コマ絵が風車にみみづく。若いお母さんがお乳をあげつつ髪をセット中。ダルマや猫のおもちゃもある。可愛いなあ。
江戸時代の地層からは今もこうしたおもちゃなどが発掘される。

歌麿 風流子宝合 大からくり 碁盤の上に小さなのぞきからくりを置いて、弟たちにのぞかせるおねえさん。
どんなからくりを見せているかはわからないが、あの独特のリズムで語っていたら、それはそれで楽しかろう。

英泉 当世子宝十景 高輪の月見 ゴザに寝る子の腹の上に帯を掛けてやる。そして団扇で風を送る。優しい母。
高輪は二十六夜待ちの名所だったとか。平岩弓枝の小説を思い出す。

子どものための「背守り」や「巾着」が手作りされている。単に糸をつけるだけでなく、どうせなら可愛い刺繍を施してやりたい、という母のための手本もある。

応為 女重宝記 絵本仕立てで十ヶ月間の胎児の様子を、それぞれの仏像と対比させつつ展示する。
面白い。殆ど冗談のようなポーズの胎児もいた。

#2歌麿 母譲りの美貌の子どもとのツーショット絵が綺麗。「七変化」シリーズ。

英泉 浮世二十四好 楊香 二十四孝が元ネタ。コマ絵では虎から父を守る楊香、メインではおんぶされた子どもがウグイスの籠を狙うドラ猫をちょんと突く。

国芳 見立七婦子仁 えびす 姉が小さい弟を遊ばせる。金魚釣り。ちびの手にはタイのおもちゃも。
朝顔も咲き、染付の鉢も綺麗。

芳虎 五色和歌 定家卿 白と青がある。コマ絵で定家が描かれ、メインではそれをモチーフにした絵。
母子が楽しそうな様子。しみじみといい絵。

英泉 花見 三枚もの。母子や姉弟など三組の人々が花見を楽しむ。狐あやつり人形を持ってたり、目かずら(目元の絵だけ描いたお面、今ならひらかたパークのひらぱー兄さんのがそれに当たる)、桜を持つ子もいる。
女たちの着物がこれまた面白い。蝶や都鳥の文様はいい。椎茸の連続文があるのは初めて見た。大分県が大喜びしそうな着物の意匠。びっくりした。
あるんやねえ、こんな柄。…ないか。


2.子どもの成長を願う

国貞 風流古今12月のうち弥生 三枚続 総勢17人がわいわい。桜もよく咲いている。

英泉 当世好物八契 雛人形 垂髪の雛。手に白い姉様人形を持つ娘がいる。ほのぼの。

#3豊国 内裏びな 描かれたお雛様。それも飾りとして愛された。繧繝縁に座す。

芳藤 おひなさま両めん合 お雛様と五人囃子という組み合わせで、前姿・後ろ姿とを貼り合わせて遊ぶもの。

さすがに「おもちゃ絵の芳藤」だけにほかにも楽しそうな子供らつきの組立絵などもある。

国芳 稚遊五節句のうち 七夕 短冊に酸漿にスイカなどなど。


3.江戸は教育熱心

寺子屋の絵がたいへん多い。実際に寺子屋はたくさんあったようで、私塾も多かった。識字率が高いのはたいへん結構なことだ。

豊国 風流てらこ吉書はじめけいこの図 書き初めですわ。

国芳 幼童席書会 発表会、なかなか立派な文字を書く子もいる。端では山盛りの何か赤いものを食べる子もいる。箸でつまんで食べている。なんだろう。
可愛い。
綺堂の小説にもこの寺子屋のことが出てくる作品がある。
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広重 諸芸稽古図会 戯画風なこしらえ。

芳藤 婦人一代出世双六 いろんな職業の女が描かれている。最下層に辻君、比丘尼、女乞食がいる。それから門付、番太のかみさん、水茶屋、取上婆、飴売り、茶屋女、蚕養女、後家と猫、踊りの師匠、機織り、琴の師匠、ご新造、奥方、大名家の年寄…

玉むし物語 虫尽くしの物語絵巻。玉虫姫と蝉とのしみじみとした愛情物語。


4.遊び好き・いたずら好き

ちびっ子たちの楽しそうな様子が生き生きと描かれた作品が多い。
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春章 正一位三囲稲荷大明神 子供らのお祭り。お稲荷さんもにこにこしているように見える。鍵をくわえていた。
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国貞 雪合戦 武家の女子等の遊び。町の男の子らとはまた違う楽しさがある。

貞広 子ども四季遊び 四季それぞれの楽しい様子。冬はわんこと引っ張り合いっこ。

#3広重 幼童子をとろ子をとろ これは戊辰戦争の当てこすりらしいが、わたしはそれをみてちょっとばかり八犬伝の絵を思い出した。

重政 おさなあそび24孝 丁蘭 男の子らの楽しそうなままごと。


5.キッズ大行進 見立て絵・やつし絵

忠臣蔵、富士の巻狩り、火消し、相撲などなどが描かれているが、案外このあたりは淡々と眺めた。

6.子供の好きなお話

金太郎がとても多い。
歌麿、清長、国芳、芳艶らの絵がある。

金太郎のその後の公時が活躍する頼光の話もある。
国芳、芳年の絵がいい。

牛若丸と弁慶も多い。
特に国芳が多いのはやはり武者絵の人らしくていい。

芳虎 庚申山の妖怪 現八と大山猫の化身が戦ったところ。現八の活躍する話はわりと人気が高いと思う。
わたしもその昔の「新八犬伝」でも現八かがけっこう好きだった。

重宣 昔ばなし一覧図会 かちかち山、花咲じいさん、文福茶釜、桃太郎、さるかに合戦などなどが異時同時図的に描かれている。

高嵩谷 桃太郎絵巻 わりと浪人風な桃太郎。

はちかつき 渋川版おとぎ草紙 横長本 やはり好きなんだな。わたしも大好き。

国芳 舌切り雀 これも一枚に話が全て取り込まれていて楽しい。

芳虎 時参不計狐嫁入見図 狐の嫁入りのめでたい行列を見るのは、丑満参りの女。…こわ~

終わったが、いい展覧会だった。
ありがとう、千葉市美術館。

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