美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **なお現在コメント欄を閉鎖中です。

二楽荘と大谷探検隊

龍谷ミュージアム「二楽荘と大谷探検隊」展におぼれた。
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どちらの固有名詞もわたしのときめき対象なのである。
平静でいられるはずもなく、ドキドキしながら会場へ向かった。

勧められるままに最初に大谷探検隊の資料を見る。
室内に足を踏み入れると、前掲チラシ下部にある、大谷探検隊諸君の砂漠のテント張りの写真、あれが大きく引き伸ばされているのが見えた。
そしてその裾には、彼ら百年前の探検隊諸君のカバンが、旅の埃もそのままに展示されていた。
若々しく使命感に燃えた青年たちの写真が、百年前のものから、一気に身近なものに変わった。

龍谷ミュージアムは西本願寺の龍谷大学のミュージアムであり、これまで二度にわたって大谷探検隊の展覧会を開催してきた。
二年前に「仏教の来た道 シルクロード探検の旅」(感想はこちら

今春は「チベットの仏教世界 もうひとつの大谷探検隊」(感想はこちら

この二つの展覧会である。
いずれも非常に素晴らしい内容だった。

中央アジアへ行った大谷探検隊の活躍には常にときめき続けているが、チベット組の方は知らず、こちらにも非常に感銘を受けた。

「二楽荘と大谷探検隊」を特集した展覧会はこれまで芦屋市立美術博物館で二度開催されているが、今回の展覧会も先行する二つの展覧会に何ら劣ることのない、良い展覧会だった。

列伝形式で探検隊諸君の事績や資料や写真、そして家族とのかかわりまで展示されている。
これらをじっくり眺めることで、「集合写真の中のだれか」から一個の人の姿が浮かび上がってくる。
手紙の内容も家族あてのものは温かなものが多く、また真摯に「使命」に向き合っていたことが伝わってくる。

彼らの紹介は既に99年と2003年の芦屋市立美術博物館での「二楽荘と大谷探検隊」でも見ているので、懐かしい人々に再会したような気持ちになる。
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わたしの大好きな橘瑞超の写真を見る。帽子を「阿弥陀」に被る可愛い少年。
それで気づいたが、全員の顔写真を集めた幟とその説明板に、瑞超だけ二種の写真が使われていた。
探検隊員として出ているときのものと日本に落ち着いた青年時代末期のものと。
ファンとして二枚の写真が上がっているのは楽しい。

列伝スタイルの展示は、懐かしい友達の消息を知るようで面白かった。


さて二楽荘。
芦屋で開催したときに作られた模型があった。
全景写真はかつてのものと現状との比較もでき、興味深い。
工夫を凝らした内部を写したものもあり、以前の芦屋で見た感動がよみがえってくる。

アラビア室、イギリス室、インド室、シナ室。
今もしばしば芦屋市美博の二冊の図録を読み返しているので、これらの手彩色写真絵ハガキには慕わしさがつのるばかりだった。

二楽荘はやがて疑獄事件の渦に巻き込まれ、大谷光瑞の手から離れてしまう。
パラダイス、もしくはユートピアとしての二楽荘はそこで消失し、やがて不審火により焼失する。
全く無念な話である。


他の資料ではまだお嫁入り前の大谷武子の写真などを見ることが出来たのが嬉しい。
そして大谷探検隊の将来した遺産…
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今回は人間を中心にした展示で、それがとても興味深く思えたのは、なによりやはり展示の配置の良さだったと思う。
面白かった。11/30まで。

ウフィツィ美術館展

東京都美術館「ウフィツィ美術館」展に行った。
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ウフィツィ美術館にはミレニアムの年に行ったので、記憶がはっきりしているところとあいまいなところが混ざり合い、優雅なイメージばかりが活きている。
子どものころから森川久美の描く中世のイタリアの作品のファンだったが、実際に行ってみると、フィレンツェが最も素晴らしいと思い、このウフィツィ美術館にも喜んで出かけていた。だからますます憧れと夢が募った。

イタリア各地を巡って、結局自分が一番感銘を受けた都市はフィレンツェだったことは確かだ。その時の記憶を排除することはできない。
だから絵を見ても、甘い夢ばかりを追うことになった。

第1章 大工房時代のフィレンツェ

ドメニコ・ディ・ミケリーノに帰属  タッデオ・ガッディ、ガッド・ガッディ、 アーニョロ・ガッディの肖像 1440-50年(?) テンペラ/板 ウフィツィ美術館
タッデオ・ガッディ、ガッド・ガッディ、 アーニョロ・ガッディとは三代の男の肖像だった。父・自分・倅、あるいは自分・倅・孫、あるいは祖父・父・自分。
シャッポの三人のうち中の世代の男の顔は津川雅彦によく似ていた。
法華経の経文の中にこんなものがある。
「…タイニョゼ リキニョゼ サーニョゼ エンニョーゼ ニョゼホー ニョゼホー ニョゼタイニョゼ…」
または寿限無の落語、あれに似ているタイトルだと思った。

サン・ミニアートの画家本名ロレンツォ・ディ・ジョヴァンニ・ディ・ノフリ) 聖母の幼児キリスト礼拝(中央)、磔刑と聖フランチェスコと聖ヒエロニムス(上部)1480年頃 テンペラ/板 ウフィツィ美術館
笑うママと物言いたげな幼児。ヒエロニムスは赤い地デジチューナーを手元に置いている。そんな景色に見えた。

ドメニコ・ギルランダイオ(本名ドメニコ・ビゴルディ)  聖ヤコブス、聖ステファヌス、聖ペテロ 1492-94年 テンペラ/板 アカデミア美術館
三人のファッションが興味深い順にあげてゆくと、
深緑と赤の衣裳にサンダル、柄入の赤の衣裳に靴、水色と山吹色の取り合わせにサンダル。なかなか自分なりのオシャレをした三人なのだった。
貝殻装飾の柱が綺麗。元はパッツィ聖堂の祭壇画だったとか。

マッラーディの画家  殉教者聖ピエトロの説教と殉教 1500年頃 テンペラ/板 パラッツォ・ダヴァンツァーティ美術館
左は大きく説教中の絵。黒馬が飛び跳ねている。右は暴力。 ぼがっっっ刀も。赤い冠を見えてるよ…

バルトロメオ・ディ・ジョヴァンニ  毒入りのワインの杯を祝福する聖ベネディクトゥス 1485-90年頃 テンペラ/板 ウフィツィ美術館
敵意のある修道士からもろた毒入りワイン。それを祝福したらアーラ不思議、毒だけコポコポと流れ出ました。
三人とも白衣なのだが、背後に立つ奴、検死官みたいな目つきだったな。

バルトロメオ・ディ・ジョヴァンニ  湖に落ちたプラキドゥスの救出 1485-90年頃 テンペラ/板 ウフィツィ美術館
蒲の穂綿が見えるような川べり、弟子救助。空を飛びながら襟首掴んでるよ。

バルトロメオ・ディ・ジョヴァンニ  砂漠で改悛する聖ヒエロニムス 1490-95年頃 テンペラ/板 サン・サルヴィ修道院美術館
赤帽をキリストの十字架像にかけておく。カットされた木もあり、なにやら砂漠中にしてはけっこう木とかキノコとか生えてるよな。どくろはまあ定番にしても。奥ではロバがいたり、ライオンも伏せしていたり。

ドメニコ・ギルランダイオ(本名ドメニコ・ビゴルディ)の工房  キリストの埋葬 1479-80年 テンペラ/板 スカンディッチ、サンティ・サルヴァトーレ・
エ・ロレンツォ女子修道院付属教会
これは参拝者のための板絵なので、立てられている。祈念画というものらしい。
聖母は老母に描かれ、遠くに教会もみえる。

フィリッポ・リッピ  受胎告知のマリア、大修道院長聖アントニウス 1450-55年頃 テンペラ/板 ウフィツィ美術館
フィリッポ・リッピ  大天使ガブリエル、洗礼者聖ヨハネ 1450-55年頃 テンペラ/板 ウフィツィ美術館
ボッティチェリのお師匠さん。縦二枚x二枚に四人の姿を対で描いている。
マリアとガブリエル、アントニウスとヨハネ。
百合持って外に立つ天使と、「びっくり!!」リアクションの広げる手を見せるマリアと。

ネーリ・ディ・ビッチの工房  洗礼者聖ヨハネと一緒にイエスを跪拝する聖母 1480-90年 テンペラ/板 ウフィツィ美術館
ママも従兄もおでこが丸くて広い。シンプルな顔の二人。坊やは手に小鳥を握る。

ヤコポ・デル・セライオ  アハシュエロスの饗宴 1485年頃 テンペラ/板 ウフィツィ美術館
ヤコポ・デル・セライオ  王妃ワシテの饗宴 1485年頃 テンペラ/板 ウフィツィ美術館
ヤコポ・デル・セライオ  モルデカイの勝利 1485年頃 テンペラ/板 ウフィツィ美術館
続いているそうな。「エステル記」から。
このあたりの知識が欠落している。旧約は面白いけど、あんまり物語として面白がると真剣な信者さんが怒るからなるべく聖書関係とは無縁でいたいのよね。
まぁそういう意味もあって、泰西名画にあんまり関心が向かないのかもしれん。
物語絵。異時同時図。けっこう色々と情報の詰め込まれた絵。

ヤコポ・デル・セライオ  十字架から降ろされた墓の前のキリスト 1480-90年頃 テンペラ/板 アカデミア美術館
立つ死体。足元には釘抜きと釘が。倒れる聖母。まだ左には執行人がいる。ここまで運んだところ。

ペルジーノ(本名ピエトロ・ヴァンヌッチ)  哀れみのキリスト(ピエタのキリスト) 1497年頃 カンヴァスに移されたフレスコ フィレンツェ貯蓄銀行
マグダラのマリアが美人。イエスは「ジーザス・クライスト・スーパースター」のテッド・イーリーによく似ている。
サヴォナローラの戒めに従った作。
今ちょうど惣領冬実「チェーザレ」にも出てきたな。森川久美も描いていたと思う。メディチ家の栄光がここで一旦途切れるのだなあ。

ペルジーノ(本名ピエトロ・ヴァンヌッチ)と工房  悲しみの聖母 1500年頃 油彩/板 ウフィツィ美術館
手を合わせる、やや老けた聖母。涙ぽろぽろ。

ペルジーノ(本名ピエトロ・ヴァンヌッチ) 聖母子と二人の聖人 1490-1500年 油彩/板 パラティーナ美術館
日本のみずらのような髪型の女たち。赤ん坊が握るものは何だろう。

ペルジーノの周辺(本名ピエトロ・ヴァンヌッチ) 悔悛する聖ヒエロニムス 15世紀 油彩/板 フリーニョ修道院美術館
ほとんど「お手手のしわとしわを合わせて幸せ、なむー」なヒエロニムス。見張りのはずのライオンもよそ見。

サンドロ・ボッティチェリ  聖母子と天使 1465年頃 テンペラと油彩/板 捨て子養育院美術館
ああ、綺麗やなあ。宗教的な関心や感銘はないが、純然たる美に撃たれた。
素晴らしい。

サンドロ・ボッティチェリ  ロッジャの聖母 1466-67年頃 油彩/板 ウフィツィ美術館
こちらも綺麗。純粋にその美に惹かれ、ただため息。

サンドロ・ボッティチェリ  聖母子、洗礼者聖ヨハネ、大天使ミカエルとガブリエル  1485年以降 油彩/板 パラティーナ美術館
ヨハネ少年の美貌に打たれた。天使たちもみんなきれいだが、ヨハネ少年の可愛らしさにドキドキ。

サンドロ・ボッティチェリ  聖母子(海の聖母) 1475-80年 テンペラ/板 アカデミア美術館
海の見える室内。ぼーっとする母とザクロを持つ坊や。そうか、海か。


第2章 激動のフィレンツェ、美術の黄金期の到来 Ⅱ 

サンドロ・ボッティチェリ  パラスとケンタウロス 1480-85年頃 テンペラ/カンヴァス ウフィツィ美術館
この絵が今回の主役。パラスはよくよくみれば無表情。おびえるケンタウロスがいい。どこか背徳的な喜びをひそかに感じる。

サンドロ・ボッティチェリ  聖母子と洗礼者聖ヨハネ 1505年頃 油彩/カンヴァス パラティーナ美術館
どれを見てもやはりヨハネが可愛い。聖母がヨハネに幼児を抱っこさせようとするかのように見える。

サンドロ・ボッティチェリ 東方三博士の礼拝 1490-1505年 テンペラ/板 ウフィツィ美術館  18世紀の補筆あり (もしくは1500年頃)
これはまた凄い大群衆になっている。馬同士も話し合っている。

サンドロ・ボッティチェリ  十字架の道行 1510年以降 テンペラ/カンヴァス ウフィツィ美術館  
ああ、ぼろぼろ。しかしいたわしさより、何かときめく。

サンドロ・ボッティチェリ  鞭打ち 1510年以降 テンペラ/カンヴァス ウフィツィ美術館
無表情なキリスト。右の鞭打ち男の靴がカッコいい。

フラ・バルトロメオ(バッチョ・デッラ・ポルタ) ポルキア 1490-95年 テンペラ/板 ウフィツィ美術館
ブルータスの貞淑な妻、らしい。彼女の後追い自殺の様子。

フラ・バルトロメオ(バッチョ・デッラ・ポルタ) 沈黙を促す聖ドミニクス 1506-07年頃 フレスコ/陶板 サン・マルコ美術館
しーーーっっ!!

フラ・バルトロメオ(バッチョ・デッラ・ポルタ) アレクサンドリアの聖女カタリナ 1506-07年頃 フレスコ/陶板 サン・マルコ美術館
なにかしらかっこよく見える。

フラ・バルトロメオ(バッチョ・デッラ・ポルタ)  エッケ・ホモ(この人を見よ) 1509年頃 フレスコ/陶板 サン・マルコ美術館
おでこにささって血まみれやし…

マリオット・アルベルティネッリ  キリストの礼拝 1495年頃 油彩/板 パラティーナ美術館
十字架にいばらがまきつく。幼子の手には黒い五色鶸が掴まれている。それを見るほかの鶸もいる。

フランチャビージョ  イカロス 1507-08年 油彩/板 パラッツォ・ダヴァンツァーティ美術館
ギリシャ神話。綺麗な体。両腕に羽をつけてバサバサ…

フランチャビージョ 聖母子と洗礼者聖ヨハネ 1510年頃 油彩/板 フリーニョ修道院美術館
これもヨハネ少年の美貌に喜んでしまう。
豊かな彩色の一枚。

フランチェスコ・グラナッチ  銀杯の探索を命ずるヨセフ 1515-20年頃 テンペラ/板 ウフィツィ美術館
裏切り者の兄たちをはめるヨセフ。捕り手に命令を下している。おおー。ヨセフも活躍するの初めて見たわ。

ジョヴァンニ・ディ・ロレンツォ・ラルチャーニ  運命の寓意像 1520-25年頃 油彩/板 ウフィツィ美術館
変な海豚に乗り、こっちにやってくる。自身が帆柱になったような女。
山本芳翠「浦島図」を少し思い出した。

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第3章 「マニエラ・モデルナ(新時代様式)」の誕生

アンドレア・デル・サルト  ピエタのキリスト 1525年頃 壁面から剥された アカデミア美術館
パスキンのような色彩感覚。淡淡としている。

アンドレア・デル・サルト  地面に座る聖母と幼児キリスト、聖ヨセフ、幼い洗礼者聖ヨハネ 1528年 石墨/紙 ウフィツィ素描版画室
ママにまといつく赤ん坊をあやす坊や、と言う構図。

アンドレア・デル・サルト 幼き洗礼者聖ヨハネ 16世紀後半 油彩/カンヴァス ウフィツィ美術館
真っ赤なほっぺ。可愛い。

バキアッカ(本名フランチェスコ・ウベルティーニ) トビアスと大天使ラファエル 1510年代 油彩/板 アンドレア・デル・サルト 《最後の晩餐》美術館
少年と青年と犬と。それだけでも旅立ちがわくわくしてきそう。

ヤコピーノ・デル・コンテ  聖母子と洗礼者聖ヨハネ 1534年以降1549年以前、 油彩/板 ウフィツィ美術館
お乳を吸う幼子と「おばさま」と取りすがる幼児のヨハネ。マリアの胸のところ、開け閉め簡単にできてるのだなあ。


第4章 フィレンツェ美術とメディチ家

ブロンヅィーノ(本名アーニョロ・ディ・コジモ)と工房  ロレンツォ・イル・マニフィコの肖像 1555-65年 油彩/錫板 ウフィツィ美術館
この時代までやなあ、メディチ家の豪華な夢は。

ブロンヅィーノ(本名アーニョロ・ディ・コジモ)と工房  教皇クレメンス7世の肖像 1555-65年 油彩/錫板 ウフィツィ美術館
何かしでかしそうな顔つき。

フィレンツェのメディチ家タピスリー製作所  春(プリマヴェーラ) 1546年 絹糸、下絵素描およびカルトン:ブロンヅィーノ 5月15日以前 鍍金がけした銀糸、羊毛 パラティーナ美術館 
ああ、綺麗なタピスリー。豪華な作りやなぁ。

ジョルジョ・ヴァザーリ  無原罪の御宿りの寓意 1542年 油彩/板 ウフィツィ美術館
蛇の悪魔、顔は天使に似ている。その木にアダムとイブが縛られている。アブラハムとイサクもまた。

多くの絵が並ぶ中、気に入ったものばかりを挙げた。
それにしてもヨハネ少年の愛らしさには萌えすぎてしまった。
ろくなことは書いていないが、まぁ天の神様にお許し願おう。

12/14まで。

林原美術館ALL STARS 1「絵画・書跡・能装束」

ちょっと前に岡山の林原美術館に行った。
開館50周年記念特別展「林原美術館ALL STARS すべて魅せます 国宝・重文全公開」そのpart1「絵画・書跡・能装束」を見た感想。
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林原コレクションは岡山の旧主・池田侯の伝来品が多く、能関連はすべてそうだったと思う。大名の愛好したお能のさまざま。それを見るだけでも楽しかった。

坤興万国全図 イタリア人マテオ・リッチが中国で刊行したものが本歌で、これはその写しの一つ。
世界地図。わたしらが見知っている世界とは微妙に違うようだが、それはそれで面白い。

アジア航海図 朱印船ので使うた地図。鎖国令が出るまでは日本からアジアへ旅立って働きに出ていたのになあ。

洛中洛外図屏風 東福門院の入内行列が描かれているもの。金型雲。なかなか美麗で人々もよく描かれている。
虎皮つけた鉾もある。
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右6には百万遍と相国寺が描かれている。言うたら京大と同志社が描かれている感覚かな。
いくらでも見る場所があり、いくつもの発見があり、見飽きない。
こんな人らがいた。イメージ (6)

職人尽絵帖 室町時代 烏帽子作り、鍛冶、藁葺きのミニ民家の中で焼き物が見えるから、これは窯なのか。他にも梓弓の巫女、琵琶法師、仏師などなど。

清明上河図 明代の一枚。二年前か、北京の故宮展で本物を見たときの感動は今も心から抜けていない。本当に楽しかったなあ。
あれを本歌にしたもの。丁度橋のところのひとごみがすごいね。
これは明の万暦年間に趙浙が描いたもの。
全巻展示。いいものを楽しく眺めて、喜んで、本当にいい気持。

四季芦雁図 飛んだり騒いだりが四枚連続の絵。にぎやかでいい。作者も何も書いていない。表情豊かな雁たち。
「雁の寺」の絵も案外こんなのかもしれない。

ご宸翰もいくつかある。貴重な書簡も少なくない。
古筆手鑑「世々の友」がいい。大聖武が表で聖徳太子が裏という構造。
やはり古美術はいい。

能の資料をみる。
池田家はお能の面に独特の名称をつけていたそうだ。
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小面 銘 倚迢 二重瞼のたいへん美麗な女の顔。切れ長のその眼。ややうつむき加減の綺麗な顔。横から眺めても顎に至るまでシャープな線がいい。

増 銘 宝増 やや細い目。こちらも美人。艶めかしいがあくまでも静かな女。

猩々 いかにも元気そう。「天下一友閑」のサイン入り。

鬘帯も四本。桐散、鱗文、夕顔文、花菱。

装束もいいものが並ぶ。いずれも桃山時代のもの。
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紅白段桜花文様摺箔 これが特にいい。金泥を使った装束で裂をつなぎ合わせた構造らしい。

芦水禽文縫箔 雪持芦というより芭蕉のようだ。隙間に鳥がいる。

段片身替に雪持芭蕉文様繍箔 これはまた先のによく似ている。

狂言の肩衣もある。帆舟が可愛いね。

こういう凄いものをさらりと見せてくれるから、やっぱり都心を離れて城下町に行かなくてはいかんのですよ。
11/16まで。

近世絵画 1750-1850

大阪市立美術館に「うた・ものがたりのデザイン」展を観に行き、特集展示の「近世絵画1750-1850」の感想から先に挙げる。

◆若冲と林閬苑
蔬菜図押絵貼屏風 伊藤若冲 六曲一双 寛政六年(1794)  一枚に一点ずつ野菜を大きく、薄墨で描く。
右はなた豆、蕪、瓜、レンコン、大根、サトイモ。左は茄子、キノコ、南瓜、慈姑、ヤマトイモ、冬瓜。茄子だけが色が濃いがあとは本当に薄墨で、一気呵成な感じ。さすがに青物屋の旦那だけにリアルで、しかも大きくおいしそうに描いてたな。

おっちゃん度の高い人々のいる風景。
山水人物図押絵貼屏風 林閬苑 六曲一双 安永九年(1780)
飲中八仙図押絵貼屏風 林閬苑 六曲一隻 安永二年(1773)
仙人図押絵貼屏風 林閬苑 六曲一双 安永七年(1778)
ロバと高士、サンゴの植木鉢と高士、髭の生えた侍童などなど。
サンゴの密漁の件についてはイキドオッテおるのだぞ。
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◆大雅と門人たち
山郭晴光図 池大雅 一幅 宝暦六年(1756) 34歳のときの絵。山は・・・で表現。ロバで行く人。

西王母・東方朔図 池大雅 双幅  右にピンクの着物を着て桃林でくつろぐ西王母。左は桃入りの籠を抱えた東方朔が逃げてゆくところ。鼻でかおじさんの朔さんの籠の桃、ザーサイ色してましたな。

浅間山真景図 池大雅 一幅  確かにリアリズム。というより、なぜこんなに分割する?

竹林書屋図襖 池大雅 四面  泉南の旧家に伝わったもの。のびのびした絵。

唐美人図襖 福原五岳 四面 安永二年(1773) カラフルだがある種の抑制が利いていて、静かで温和な唐美人たちの集まりになっている。

花卉図押絵貼屏風(大雅写し) 青木夙夜 六曲一双  池大雅の弟子で、大雅堂の初代堂守になった人。
絵はともかく賛か詩がね、全部書体を変えて書いたーるのがすごい。

木村蒹葭堂像 谷文晁 一幅 享和二年(1802) 彼の死後に依頼を受けて描いた一枚。しばしば見かけるものだが、サザエさんの旦那のマスオさんの友人のアナゴさんに似ているといつも思う。機嫌よく笑う蒹葭堂。

◆富士を描く
薩埵嶺望不二山図 上田耕夫 一幅 左手に大きく富士。稜線くっきり。
その下には松林。遠近感が面白い。

神洲奇観図 中林竹洞 一幅 天保八年(1837) 富士山どーーーん!!!

◆上方の絵師たち
雪中狗子図 円山応挙 一幅 天明三年(1783) 可愛すぎる。左手に茶犬が白犬とじゃれあう。それを右手の白犬がうらやましそうに見ている図。可愛すぎて噛んでやりたくなる。

楼閣山水図襖 吉村周圭 四面  舟が乗り込んでくる。大きな松がある。ゆとりを感じる佇まい。

煙霞帖 岡田米山人・岡田半江 一帖 文化十四年(1817) ノート、みんなでわいわいと風景を描いているのを集めたもの。

廬山図 蔀関月 一幅  円内に廬山の滝が。これはもう「廬山昇竜破!!」と言いたくなりますがな。「聖闘士星矢」の紫龍ね。

楼閣山水図襖 原在中 四面 文化五年(1808) こちらは豪華絢爛な楼閣が左手に広がっている。

牡丹孔雀図 岸駒 一幅 天明五年(1785) 南蘋風。紅白の牡丹。どこかしらエグミがあるのがいかにも。

牡丹孔雀図 上田公長 一幅 こちらの牡丹は白。線がくっきりとしている。

この二枚の左隣にいるのが狸と鹿。

寒月狸図 森徹山 一幅 もこもふわふわでお尻から尻尾が手前。首をねじて右を見ている。
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月に鹿図 森徹山 一幅 月下の鹿。これまた右を見ている。狸も鹿も孔雀たちをぽかんと見ているような風情。

鼠図 白井直賢 一幅  羽箒に集まる三匹。なんかいややな。

円山応挙像 山跡鶴嶺 一幅 いつもの肖像画。おっちゃんな応挙。

呉春像 岡本豊彦 一幅 ご隠居さん風な呉春。

◆諸国の絵師たち
小袖屏風虫干図巻 勝部如春斎 一巻  御簾が風でそよぐところから。多くの小袖と屏風とを干す。屏風は金屏風から墨絵ものまで多様。五月の子供らの遊びを描いたもの、山水画、羅か絽のような薄物の朝顔屏風、群鶴、唐美人などなど。華やかで忙しい一場。

日落群峯陰図 浦上玉堂 一幅 一人行く橋の上。ずーっと下の話。

狂風倒樹図 浦上玉堂 一幅 わざわざ「狂風倒樹」と画中に書く。

淂寿富貴図 片山楊谷 一幅  南蘋風。海棠と綬帯鳥。

山水図押絵貼屏風 横井金谷 六曲一双 天保三年(1832) 京都・大仙院  けっこう激しい。大きく走る。

美人図 宇野蘭渓 一幅  手前で背中を向けて座る女と立つ女。立つ女の髪には多くの簪が刺されている。笹紅を下唇に塗る。

墨梅図 中林竹洞 一幅 天保九年(1838)  さすがに竹洞。墨絵だがとても華麗。下がり梅の艶やかさ。

花卉蔬菜鳥獣図巻 松村景 一巻  亀に枇杷に慈姑に…民家もある。練習帳か。

老松図屏風 沖一峨 六曲一双 鳥取の絵師で近年回顧展があったな。金屏風に墨絵で大きく松を描く。かっこいい。

赤壁舟遊図 中林竹渓 一幅 今から上陸する、というところ。いい夜。

12/7まで。
早めに「うた・ものがたりのデザイン」も書きたいが、とりあえずこちらの印象が濃いうちに。
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