FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

東近美でみたもの

東近美でみたもので好きなのを並べます。
クリックしたら拡大版ね。

IMGP0540_2015051100401617d.jpg IMGP0541_2015051100401828c.jpg

佐伯の街角のポスター、これはもしかすると「裸の女王」と謳われたジョセフィン・ベーカーかもしれないな。

梅原描く女たち。IMGP0542_20150511004019942.jpg

これが名高い「カニ」の絵。IMGP0543_20150511004021a75.jpg
先般世田谷美術館で高峰秀子を描いたものが集まっていた時もこの「カニ」絵の話題が出ていた。

IMGP0544_20150511004022e34.jpg IMGP0545_2015051100404260b.jpg
梅原も安井もなんだかほのぼのしている。

清方えがく近松IMGP0546_201505110040436a7.jpg

綺麗。IMGP0547_2015051100404572a.jpg

北脇昇のどう見ても悪の結社の三巨頭図。
IMGP0548_20150511004046925.jpg
左:ふっふっふっ 右:はっはっはー 真ん中 んがぐぐ…

最後は日本のゴーギャン土方久功の「猫犬」IMGP0549_201505110040487bb.jpg

本当に可愛い。

やっぱり常設の力というものはすごいものです。

四月五月の東博で見たもの

好きなものばかり撮った。
ただただ並べてゆきます。

IMGP0464_convert_20150430010841.jpg

以下、クリックすると拡大します。
IMGP0465.jpg IMGP0466.jpg

IMGP0467.jpg IMGP0468.jpg

中国、朝鮮のむかしの工芸品、絵画にはときめきがつまっている。

IMGP0469.jpg IMGP0470.jpg

IMGP0472.jpg IMGP0477.jpg

小鳥の楽園。
IMGP0473_2015051023234417e.jpg IMGP0474.jpg

IMGP0479.jpg IMGP0486_20150510233117c52.jpg

IMGP0480.jpg IMGP0481.jpg

猫は猫。
IMGP0475.jpg IMGP0482.jpg

IMGP0483.jpg IMGP0484.jpg

坊やもたいへん。IMGP0485_201505102331161d2.jpg

IMGP0487.jpg IMGP0488.jpg

仏の国へ。IMGP0489_20150510233146766.jpg

IMGP0490.jpg IMGP0491_20150510233454cfb.jpg

IMGP0492_201505102334552a9.jpg IMGP0493_201505102334579a6.jpg

IMGP0494_2015051023345884e.jpg IMGP0495_201505102335252e0.jpg

金太郎。
IMGP0496_20150510233526574.jpg IMGP0497_20150510233528363.jpg

IMGP0502_201505102338524e0.jpg IMGP0509_20150510233919491.jpg

IMGP0510_20150510234449fbc.jpg IMGP0511_201505102344516d8.jpg


美人いろいろ。IMGP0498_201505102335296e0.jpg 

IMGP0499_2015051023353105c.jpg IMGP0500_20150510233850e5c.jpg

弁慶も樊噲もたいへんです。
IMGP0503_2015051023385339d.jpg IMGP0504_20150510233855c62.jpg

IMGP0501_20150510233851228.jpg IMGP0505_201505102339136b9.jpg

着物の柄が面白い。IMGP0506_20150510233915bc2.jpg

IMGP0507_20150510233916548.jpg IMGP0508_2015051023391846c.jpg


平治物語。
IMGP0513_20150510234452925.jpg

IMGP0514_20150510234453f99.jpg

IMGP0515_201505102344556c6.jpg

IMGP0516_20150510234525da7.jpg

IMGP0517_201505102345266cb.jpg

IMGP0518_20150510234528e60.jpg

IMGP0519_20150510234529fec.jpg

IMGP0520_20150510234531246.jpg

IMGP0521_2015051023485484c.jpg

IMGP0523_20150510234856bec.jpg

虎の親子IMGP0524_20150510234857937.jpg

IMGP0525_20150510234858b2a.jpg IMGP0526_2015051023485972d.jpg

やっぱりいいなあ、東博。魅力があふれかえっている。

幕末・明治の浮世絵

うらわ美術館で「幕末・明治の浮世絵」展を見た。
イメージ (42)

「探訪・歴史絵から開化絵まで」という副題があり、浅井という方のコレクションで構成されている。
浅井氏は心斎橋の古書店で修業され、独立後は浮世絵コレクターとして名を馳せられたようだ。以下は展覧会の狙いなど。
「浅井勇助氏は、「浮世絵とは美術品として作られたものではなく、かわら版から進化したもので、情報誌であり、実用品であった」ことを信念に、歴史・説話・昔話などを題材に1万点余りを蒐集しました。浅井氏は、浮世絵は当時の世相を現しているだけでなく、しばしば政治的な意味が隠されていることに気づき蒐集した結果、幕末から明治期のものがその多くを占めていることが他の浮世絵コレクションと異なる特徴です。新聞やラジオはもとよりテレビもインターネットもない時代にさまざまなニュースを民衆に伝え、さらに、幕末期以降の浮世絵版画は子供たちに道徳や日本の歴史を教える視覚的教材として貴重な役割を果たしていました。幕末から明治期の浮世絵は、美術品として鑑賞するだけではなく、歴史的資料という観点からも見ていただければ幸いです。」

コレクターの方の考えを踏まえて鑑賞する・美術館側の導きで眺める、そうしたことも大事だが、わたしはあくまでも好き勝手にしか見ない。これは素人の一観客だからこそ可能なことだと思っている。
イメージ (43)

序章
歌麿 太閤五妻洛東遊観之図 1804 正妻北政所は髪の両サイドに花かんざしを付けるお姫様スタイルで、妍を競う淀殿やお松の方たちよりも派手だった。
五人の女と言うと「西鶴を巡る五人の女」や「金瓶梅」の西門慶の家庭を必ず思い出す。

第一章 最後の浮世絵師と呼ばれた歌川派の流れ
・広重とその系譜
広重 伊勢名所二見が浦の図 1849 女たちワイワイとしっかりした足ごしらえでここにいる。岩にはぐるぐる巻きの注連縄。まるであれだ、呪布でも巻きつけたかのよう。(富樫の幽遊白書だね)

二代広重 江戸名所 品川沖潮干狩りの図 1852 この人が「茶箱広重」の人。一ノ関圭のマンガになりましたな。みんな楽しそうに潮干狩りしているが、子供らが鰈を獲るのにはびっくりした。まれにあるそうやね。みんなたくさん貝を採ってました。わいわいと声が聞こえてきそうな画面。

広景 青物魚軍大合戦の図 1859 コレラ大流行の翌年。魚族vs青物たち(野菜)の戦い。名前が面白いのは魚族よりむしろ野菜組。
藤唐土之助(とうもろこしのすけ)、宇利三郎、みかん太夫、砂村元成(かぼちゃの名産地。)
魚類の方はわりにありきたり。いかにも魚類。タコ入道の大ビームがスゴイ。
ミニタコがいっぱい出現するのだが手に手に武器を持って現れるのだ。
さてどちらが勝ったのでしょう?

昇斎一景 湯島聖堂博覧会 1872 展覧会では絵の右上の「元ト・・・」がタイトルになっている。
真ん中奥に名古屋の鯱。手前に吉野のサンショウウオ。左側の回廊には大量のちょんまげさん。右側には動物の剥製がずらり。猫、オオカミ、イノシシ、鶴、亀などなど。その手前には盆栽も。こういう絵がとても好きなのだ。妙に楽しい。
イメージ (48)

イメージ (49)


三代広重 東京名所之内 銀座通煉瓦造鉄道馬車往復図 1882  馬車が行く。目に鮮やかな明治の赤絵。
この人は清方の近所の人で、夫婦揃って少年時代の清方を可愛がってくれたそうだ。

・豊国の系譜
豊国と国貞、国芳

豊国 かげま茶屋 文政頃か 無題である。女装の陰間たちと豪商の後家さんやお女中など眉を落とした裕福そうな女たちがいる。少年を買いに来た女たち。
女装少年、この(男の娘)らの可愛らしいこと。
女客の前に仕出し料理があるが青椿柄の足つき箱やチリレンゲなどもみえる。
いちゃつく後家さんの手が男の娘の袖口に入り込む。
男相手のかげま茶屋の絵も見たいところです。

三代豊国 別荘雪見酒盛 1855 実は役者絵という仕掛け。雪だるまの大きいのが庭にある。大きなスズメもいる。室内の三人は立役二人と女方。いいわけにはいろんな道があるようです。

国芳 頼光三天王囲碁図 1861 これも好きな絵で囲碁に夢中の三人が出てきたオバケをエイ邪魔なりとばかりにひしぐもの。

国貞の弟子たち
国輝 春の明ぼの 1844-47 武者絵の凧を揚げたりする正月。戸には「ゑび」の字がずらりと並ぶ。お江戸のえびさんと言えば…

貞虎 四季子供遊之図 初午祭 1837 可愛いちびっこたち。お稲荷さんのお祭り。おこわを持つ子もいた。わんこをついつい持ち上げたりも。

国久 出雲国大社之図 1862 出雲に寄り集まった諸国の神様たちが、わがとこの娘や息子の縁談話に気合が入る入るの図。お稲荷さんと廣田神社、気比と諏訪(なんと縁談話だと「来んでええ」と言われた出雲にも来るらしい)、荒神さんはとんとの番。これはどうやら和宮降嫁の話らしい。

国芳の弟子たち
芳員 義仲の四天王木曽奥山に是を退治 1844-1847 大蛇退治ですがな。なかなか勇壮。

芳艶 八嶋壇浦海底の図 1858 顔面が二色の青に染まる知盛。エイもタコも今では眷属。

芳幾 豊饒御蔭詣りの図 1867 お札が降ってるところ。ええぢゃないか。

芳盛 風流人形の図 1856 師匠もよく描いた活人形の図。アメノウズメと猿田彦の出逢い。深川八幡宮での興行のためのフグ。

芳虎 早竹虎吉 1857 上方下りの見世物はレベルが高かったのだ。曲芸何でもござれ。獅子たちがブサカワでいい感じ。石橋など。行燈渡りもあるか。

芳年の門人たち

芳年 羅城門渡辺綱鬼腕斬之図 1888 柱巻する鬼と顔を挙げる綱の対比がガッコいい。ドキドキする。

年方 鳥羽法皇白河の御遊ニ玉藻前ヲ召之図 1885 櫻の頃。妖しい目つきの美女が迎えに来たものたちの話を果ているところ。

イメージ (21)

第二章 幕末の浮世絵を探訪「歴史画と武者絵」

国芳 聖徳太子物部守屋誅伐の図 1852 平安から戦国時代までの鎧兜の着方。葦毛の馬に乗る太子。目からビーム!!!

国芳 信長の命で光秀を打つ蘭丸の場面 1837 見立て絵。絵の中では将門=信長として時代を変えて表現していた。鶴柄の着物が妙なダンスをしているようにも見える。

芳年 真柴久吉武智主従之首実検之図 1866 一つ差し出すところ。あと6つ控えている。うむ、日本人は立派な首狩り族です。

芳幾 万国男女人物図会 1861 オランダ、イギリス、スペイン、蒙古、朝鮮などのほかに無腹国、穿胸国などなども含まれる。おろしゃとえぞもあり。

国周 酒簡座興酌妓婦 1862 宴席にいるのは清河八郎。床の間にある白いモフモフは狐の襟巻に見えて仕方ない。

清親 日本外史之内 禁門の変 1882 慶喜が馬上の人。會津侯もいる。

第三章 明治の三傑 芳年・国周・清親

芳年 15代慶喜公 1877 悔しそうな面持ちで小舟に立つ。大船に乗り換えるところ。

芳年 狭穂姫 1880 物凄い炎上の中に佇む姫。この話は特に好きな話の一つ。

芳年 日本武尊 川上梟師 いよいよオグナが川上タケルを刺し貫こうとするところ。臨場感があるなあ。

国周 妹背山 入鹿御殿の段 1869 当時の役者絵。この芝居を見たシーボルトはドーデに話し、ドーデはそこから「盲目のミカド」を書いたそうだ。

国周 慶安太平記城外の場 1883 九代目団十郎の松平伊豆守になり、初代左団次が丸橋中弥に。この頃から慶安太平記もやれるようになったのね。

国周 忠臣蔵三段目 1887 福助のお軽。この頃の福助人気というものは凄まじかったそうだ。美貌の福助に満都の子女がクラクラしていたそうな。

清親 帝国議事堂炎上の図 1891 実録もの。大炎上。これは練馬でも見たか。

清親 征清兵士野営の夢 1895 日清戦争の最中。テントで眠る兵隊さんの夢は、帰宅したときの出迎え。妻と妹がにこにこと玄関に現れ、幼い息子がラッパを持って現れ、老母が涙ぐんでいる。
清親は日清戦争の関連絵を多く描いている。

第四章 明治の開化絵と新聞錦絵を探訪

芳虎 東京日本橋風景 1870 えっ!!木製やけど自転車が走ってる!!
二人乗りのと大型三輪車風のと今もある普通のと。えー、マジですか!
この年に「自転車」という名称が初めて使用されたとか。タイムリーやなあ。

芳幾 横浜英吉利商館繁栄図 1871 おお、骨董品などを見せている。みんなワイワイ。この英一番館の跡地にはシルクセンターが建っている。

長谷川小信 大阪府陳徳西洋製鉤橋 心斎橋真写之図 1873 当時最新鋭の橋。なんと現在もあるそうな。鶴見緑地のすずかけ橋がそれ。
現物の写真はこちら


三代広重 東京開化名勝京橋石造銀座通り両側煉化石商家盛栄之図 1874 チラシ。桜並木の街路樹。洋傘もさして人々が行き交う。中国人もいる。にぎやかな京橋から銀座。今のlixilあたりかな。

清親 訓導小学校教導之図 1874 ペスタロッチの指導で女性教師が子供の教育に多く携わるようになった。ブランコに乗る子供らの不安そうな顔、大シャンデリアが目立つ。

芳年 明治小史年間紀事 三重県下頑民暴動之事件 1877 打ち壊し中。いろいろあるなあ。

暁斎 東京名所之内 上野山内一覧之図 1877 博覧会当日の様子。ロング。巨大な風車もあったようだ。

イメージ (50)

三代広重 第二回上野博覧会之図 1881 おお、あの猩々のいる噴水に鯉も泳いでいた。楽しそうやな。貴女たちものぞいている。

周延 欧州弦楽合奏之図 1889 これは日本の洋楽事始めな絵としてよく見かけるし、わたしも好きだ。コンサートをしているところ。

周延 内国勧業博覧会 機械館の図 1877 蚕の糸をとるところ。殖産ですなあ。

歌川豊宣 板垣君遭難之図 1882 こんなの見たの初めて。刺されてはいなくて犯人がもう押さえられている。でも「板垣死すとも」だからまたアウトになるのね。

四代国政 中嶋座(正月芝居 木村屋のパン) 1886 パン屋さんの宣伝用の大きな洋太鼓を抱えて打ってる人がいる。「西洋菓子」と書いてある。「どんつく」もある。どうやら市川鬼丸が出ていたようだ。
市川鬼丸といえば市川多賀之丞か。清方と関係の深い役者で昭和のかなり終わりに近い頃まで長生きした。


安達吟光 貴女裁縫之図 1887 これは現在茶道資料館で展示中。あの展覧会で初めて見た絵師。明治3-30年間にしか活動記録が残っていないそうだ。もっと見たい絵師。
上品でいて可愛らしい。ミシンをしたり火熨斗ならぬアイロンを使う人もいる。

安治 東京小網町鎧橋通り吾妻亭 1888 このお店は西洋料理の名店。先ほどの西洋太鼓の人もいる。洋犬が走る。
そして前輪が大きく後輪が小さい自転車に乗る人もいる。

吟光 新皇居於いて正殿憲法発布式之図 1889 折上格天井、シャンデリア、百合型の照明の豪華さ。綺麗なあ。

勝月 憲法発布式上野賑 1889 手古舞のお姉さんもいる。山車も出ている。これを見て思い出すのが文学座の芝居「絹布の法被」。憲法発布を天皇陛下から絹布(けんぷ)の法被をくださるものと庶民が勘違いしたそうな。その騒動などを絡めた話。なんとなくこの絵を見て納得。

楊斎延一 貴顕結婚式之図 1900 後の大正天皇と節子皇后の結婚式。少年時代の大正天皇の絵は「ダブルインパクト」展にも出ているが、明治天皇とはまた違う繊細な美少年という感じ。

柳哇 旅順降伏乃木大将とステッセル将軍の会見ならびに捕虜検閲之図 1905 日露戦争ですね。テント内での会見。

三代貞信 昭和16年12月8日ハワイ真珠湾に於いて皇国海軍米国太平洋艦隊を撃滅す 1942 ぎゃーゼロ戦飛んでるわ。
こういうのや日清日露戦争の絵が瓦版の後身だという考えになるわけだ。

イメージ (22)

第五章 歴史人物画
イザナギ・イザナミ、神功皇后、鎌足、道真、井伊直弼、福地源一郎、塙保己一などが描かれている。
いかにも明治の選択だという感じがある。

本当に初めて見る絵が多かった。
今後はこうした明治の浮世絵がどんどん世に出てくるように思う。とても期待している。

6/21まで。

広重と清親 後期

太田美術館の「広重と清親」後期展を観た。
そのことについても少しばかり。

幕末の広重と明治の清親が同じ場所を描いている。それを並べることで時間の流れと風俗の変化が見て取れる。

広重 江戸百 両国花火  上がっていった花火が放物線の途中で開く。
清親 両国花火  完全な半円形で円内に花が開く。
1858年と1880年の差は花火ではあまりわからない。

イメージ (45)

広重 五十三次 庄野の雨  ざざぶりに木々の影がその強さを示す。
清親 梅若神社  実線で雨を描かずとも豪雨を表現。
時代さよりも表現の違い、表現方法の選択肢の違いを感じる。
どちらも大好きな作品。
イメージ (46)

広重 江戸百 隅田川水神の森真崎  近い桜と遠くの筑波山の対比。
清親 武蔵百景 隅田川水神森  遠くに湧き起こる雲、手前に月琴。
「富士や筑波に」と歌われていたのは旧幕時代。月琴は明治のブーム。

広重の抒情性を改めて感じる。
四季江都名所 夏両国之月 舟に西瓜を載せて売る。丸々した西瓜はシマシマがなく緑の爆弾のよう。あとは瓜も売っている。江戸時代の人は千葉辺りから売りに来るこうした野菜や果物を喜んで買っていた。

五十三次 蒲原 夜之雪 ああ、実にいい一作。すべての音が雪に吸い込まれ、蔵われる。

木曽路之山川 灰色の空、白い山、広がる川…この摺も綺麗だが、今まで一番感銘を受けたのは中右コレクションの摺だった。非常にいい絵、いい構図。

清親の描く「東京」をみる。
内国勧業博覧会 弁天堂に池。奥に公園が広がる風景。
五本松雨月 舟の灯りがぼうっと…もう多分蝋燭ではないのだ。
柳島橋本屋 夕暮れ。料亭を見る母子が行く。
わたしは料亭を見る母子の図を見ると村上もとか「龍 RON」の小すずを思い出す。大連で彼女は料亭を買収し、自分の城にするのだ。

光線画の人だけに清親の描く灯りは江戸のそれとは違い、たいへん意味のあるものになっている。街灯のついた浅草酉の市、ぼやっと光るような浅草、浅草田圃の太郎稲荷の背景に広がる不思議なグラデーションを見せる風景。
これらはやはり明治の新しい灯りなのだ。

亀戸の梅も藤も、旧幕時代から明治、大正、昭和、平成の今日まで変わることなく人気がある。
ゴッホが模写して自作に取り込んだ広重の江戸百の亀戸梅屋敷、清親の頃もみんなが喜んで見に行く。
なんていい風景だろう…

イメージ (44)

広重の戯画を見る。芝居町の人々による一種のごっこ。
信太巻を売る保名と買いに来る葛の葉母子、カエルのおもちゃを買う道風、鼠のおもちゃを売る仁木とそれを買う荒獅子、桜姫が働く茶店の床几に座る破戒僧姿の清玄、大森名物の麦藁細工を欲しがる鬼女、油屋の忠盛のもとへ来る寒さしのぎの藁をかぶった坊さん、スサノオはオロチの蒲焼をせっせっと焼いている…
とても楽しい。

あとは「百日紅」映画化記念にと北斎、お栄、英泉の肉筆画が出ている。
来月は江戸の悪。楽しみ。

細見美術館 琳派のきらめき

京都、難波、日本橋と高島屋を巡回する「細見美術館 琳派のきらめき」展の感想を挙げたい。
三カ所で見たのに会期末のこんな時期にしか挙げられない。情けないわたしにおつきあいください。
イメージ (39)

・琳派誕生 光悦・宗達の美意識

月梅下絵和歌書扇面 光悦・宗達  ツートンカラーの扇面に月と梅と和歌が丁寧にかかれている。斜めに切った金と銀。銀地は酸化していた。ただ、その効果を最初から宗達にしろ光悦にしろ予測していたのかどうか。
この辺りの事を知りたい。
最初から計算してての創作なら、リアルタイムと経年変化と、どちらをより楽しんでほしいと思っていたのだろう。
尤もこうした考えを持つものが現れること、それも折り込み済みかもしれない。

萩薄下絵和歌書扇面 光悦・宗達  こちらは左のごく一部に朱色の固まりをおく。稲藁のような形。この軸は中廻しに菊などが金で表現されている。

忍草下絵和歌巻断簡 光悦・宗達  金銀に上からビロロビロロとした草が垂れ下がっている。
こんな風に彡孑彡孑彡と交互に垂れ下がる。

忍草下絵和歌色紙「郭公」 光悦・宗達  草が乱れ咲く。もあもあしている。杉が羊歯のようだ。和歌の始まりが「郭公」。

茶杓 銘「明け烏」光悦 櫂先が大きい。共筒は無骨な感じ。

伊勢物語図色紙「大淀」 一緒に暮らそうという男にいや、と拒む女。これも前に久保惣での特別展の伊勢絵展で見た。

墨梅図 宗達  薄墨でヒコバエというのか、新しい枝なども面白い構図で描かれている。

双犬図 宗達・無染浄善 ヘッドロックわんこ。白犬vs黒犬。細見コレクションの中でも特に可愛い一点。
いいねえ、可愛い。

四季草花図屏風 「伊年」印  右はさつき、あざみ、牡丹、すみれ、花菖蒲、大根、あじさいなどなど。
左はナス、桔梗、女郎花、薄、菊、楓、水仙などなど。
明るくてよいね。

秋草図屏風 喜多川相説 一曲もの。地味な地にムクゲか芙蓉、萩、烏瓜、などなど。
 
梅に鴬図 光甫  これも構図がいい。ずーっと延びる二本の木。そこにウグイスが。小さくて可愛い。

四季草花桜楓図屏風「伊年」印  左は萩、女郎花、白菊、楓、水仙まで。右は一重の山吹、青いタンポポ、桜、アザミ、つくし、スミレ、葵、なでしこ、牡丹、花菖蒲。 
 
イメージ (40)
  
・花咲く琳派 光琳・乾山と上方の絵師

宇治橋図団扇 光琳  川には二つの渦が巻く。実際には川で渦巻くのなんて見たことないけど、光琳の絵を見ると「そうか、宇治橋は鳴門みたいな?」と思ったりするのだった。
団扇の外には橋のたもとがあるので、そこに誰かがいるのかもしれない。

柳図香包 光琳  根津では三つばかり見たが、あれでようやく閉じ方・魅せ方がわかったのだ。これはさらりと柳。

唐子図筆筒 乾山  案外大きいなと思った。赤絵で童子が描かれている。
ちょっとばかり仙厓のスタスタ坊主にも似ている。腹かけが可愛い。

牡丹唐草文向付 乾山 白地に赤いのが。どこか外国風にも見える。

秋草図団扇「成乙」印  薄に萩に桔梗が描かれているが、軸の中廻し金泥の濃淡で大きくアゲハがスタンプされている。こういうスタンプ、ほしい。

簾に秋月図 渡辺始興 簾からのぞく秋草達。こんばんはと言いながら桔梗屋薄が顔を出す。空には丸いお月様。

白象図屏風 始興  金砂子が散る中に白象が佇む。草や石もあるその場。ゾウの爪はかなり大きい。目が反り橋みたいになっている。

いよいよ中村芳中登場。
白梅小禽図屏風 これは本当に好きな作品で、鳥の鳴き声まで聞こえてきそう。
ただこの鳥を見ると最近は星新一の「ホシヅル」に見えてくるのが止まらない。

朝顔図 目つきの悪いパンダの眼の周辺に見えて、面白くて…

月に萩鹿図 世間はよく芳中を「ゆるい」というが、この鹿を見たら確かに「ゆるい」。もぉ本当にゆるキャラもいいところである。むろん、可愛い。

初夏山水図 淡彩で岩山と柳。いいものだ。

花卉図画帳 7月の芥子図がいい。ほしくなる。これを袋物にしたい。

イメージ (41)

・新たなる展開 抱一と江戸琳派

朝顔図 宗理  薄墨で描く朝顔。どこか暁の頃に見るような趣がある。

槇に秋草図屏風 抱一 いつもにこにこ桔梗にフジバカマ、萩、白菊がいる。
女郎花も黄菊も一緒。なにやら楽しそうで、秋草合唱隊の一団に見えた。

扇面貼交屏風 抱一  白地の扇に1シーンずつ描く。蒲公英、土筆、菫。黒い鳥はクイナ?、白椿、烏瓜、瓢、立花と老人、河骨、柿、山水、羽根つき、クチナシ、砧…
一枚一枚別仕立てのを集めて貼ったのだろうか。

朴に尾長鳥図 其一  これはまたいつみても好きな絵。朴の花びらの白さが好きだ。

白椿に樂茶碗花鋏図 其一  いいなあ。風流。この黒樂は誰のだろう、とそんなことを思うのも楽しい。

月次花鳥画帖 其一 五月のヒバリが可愛い。なんだか鼻歌でも歌っていそうである。

四季草花流水図屏風 孤邨  左に土筆、菫、蒲公英。水の端に菖蒲。構図がいい。イキイキした花々が明るい気持ちにしてくれる。

酒井道一の花鳥画もたくさん並ぶ。
紫陽花図 大きな花の頭が揺らいでいる。とても愛らしい。

菊花盛果図 線描が魅力的な菊。黄色と赤とで描かれている。桃がおいしそう。

江戸琳派の系譜は昭和まで続いた。
菊に小禽図 酒井唯一  まっすぐに落下する小鳥。ゼロ戦の高等技術の木の葉落としとかいうやつですかね。

鯉にかきつばた図 唯一 これは描き表装がいい。

イメージ (38)

・京琳派ルネサンス
神坂雪佳登場。
細見のおかげで雪佳を好きになった人はとても多いと思う。

金魚玉図 いつみても面白い。描き表装に至るまで神経が行き届いた絵。

椿に菫図 ピンクの椿に群青の菫。色の濃淡がいい。

菊慈童図 可愛い幼童の姿でというのもいいものだ。白菊に囲まれた中でゆったりと過ごす。時間の流れの違いを感じる。

住吉螺鈿蒔絵色紙箱 小さい鷺がいるのを発見して、とても楽しくなる。

よいものをたくさん出してくれた細見に感謝、それらを見せてくれた高島屋に感謝したい。
日本橋では5/11まで。

GWの東京ハイカイ録 2

5/4。実はこの日は本当なら横須賀美術館、清方記念館、横浜うろうろ、そごうの順で18時から帝国ホテルの予定だった。
ところめがGWです。神奈川のリゾート地がどえりゃーことになってるのはちょっと考えたらわかることですがな。
はっっっ名古屋弁と関西弁が入り混じり!
ええと、要するにいきなり行き先変更になりました。
これがまた面倒でね。つまりわたしはがちがちに予定を組むので急な変更が利きにくいのだよ。
仕方ない。とりあえず山種へ向かう。

でも山種は5/16か5/17に行けたらブロガー内覧会なのになあと思ってるから足が重い。選択はミスかなと思いながら向かったが、やっぱりいいものがたくさんあるので喜ぶ。
今回は松園さんがメインと思えばそうではなく、女性画家がメインと言うべきで、珍しくも野口小蘋の作品などがたくさん出ていた。
それもそのはずで実践学園のコレクションが来ているのだ。
たいへんよろしい。

駅まで戻り、今度はJRに乗って目黒へ。まず権之助坂を下って目黒区美術館。
ここで新潟市美術館の名品展をしているが、ピカソを主役にするのは東京ステーションギャラリーの富山市近代美術館展と同じ。むしろ新潟の知られざる画家たちの作品群の方がよかった。
草間弥生の水玉が飛んでる棚を見る。血しぶきが飛んでるようにしか見えず、気持ち悪くなる。

次にバスで白金台へ。なんせ暑いから体力消耗を防ぐのと、わたしの体調がまだ万全ではないからなあ。
この日は27度まで上がったらしい。

松岡美術館。
なんか人気投票の結果発表をしていたが、これがひどい。
一位はやっぱりあの猫の給仕だった。まぁこれはわたしも一票を投じたい。
しかし人気というのは作品の価値とは別物。
ベスト10までにすべきでしたな松岡…

庭園美術館のお庭がリニューアルしてた。中に一人ベンチで宴会中のひともいた。しかし本館、えらいことなってるなあ。こらアカン、次回に回します。

原宿。これがもぉ阿鼻叫喚ね。
裏道を抜けて太田記念美術館。先月の続き、「広重と清親」後期。
二人の描いた同じ場所を並べる。
それぞれいい。時代の差は大体半世紀。その半世紀の間に変わったもの・変わらなかったものが見える。
結局最後には「広重いいなあ」と思っていた。抒情性の問題。清親は清親でいいのだが、なんだろう、抒情性に欠けているのかもしれない。それは絵の問題ではなく「明治」という時代の問題かもしれない。
来月は江戸の悪。かっこいいなー。期待高まるわー。

御茶ノ水へ。
三楽病院の前を往く。今はもうかつての面影はないが、ここにあった階段が純粋階段でトマソン第一号だったっけ。
そんなことを思いながらも駿台予備校の間の道に入り、男坂の階段を下り、左手の米沢記念図書館へ。

三原順復活祭。今月はマックス特集と後期の作品群。
リアルタイムの頃はマックスによくイライラした。理由は明白で、依存度高すぎるのが腹が立ってたのだ。しかもトラブルメーカーで、自分の犯したことの重大さを気づかないままだというのが許しがたかった。
だが、一度も彼が消えればいいとは思わなかった。
わたしがマックスに好意を持っているのは、ちょっとばかり女の子と接触しているとき。ああいうときは普段の甘ったれが消えて、案外紳士的でしかも自立心もある。その意味ではマックスは普通の社会人になれると思った。
そしてあれから30年以上たった今、たぶん退屈ながらも平常な暮らしを続けているのはマックスだと思うのだ。
原画を見ながらそんなことをしみじみ思った。

この日は御茶ノ水駅近くの丸善でついに「はみだしっ子」フェアに乗ることにして、一巻と「ラストピース」とを購入した。
絵ハガキが対象書店四店舗それぞれ別種のものがつき、「ラストピース」のみ共通。丸善はやはりいい感じだった。

新御茶ノ水から日比谷へ。帝国ホテル入り。実は初めてなの。
あべまつ・sachie両姐と共にのえるさん追悼のごはん食べ。
楽しい3時間でした。帝国ホテルはさすがに端正な人が働いているなとかそんなことを思いながら話が次から次へ。
また今度もおしゃべりしましょう。のえるさんも空で聴いてて笑ってるだろう。

三日目ここまで。


5/5最終日、子供の日。
朝食はホテルの一階なんだけどエレベーターで紳士的なおじさんに親切にされる。そして送迎バスに乗るとこれまたさきほどの方に親切にされたので、バスを降りてから丁寧にお礼を言う。
こういう日は朝から良いことが続くものです。

ロッカーもいつもの場所がちゃんと空いている。
そこから北浦和へ向かう。
丁度開館と同時に入る。埼玉近代美術館。リニューアルしましたね。

ここでも野口小蘋の絵を見る。大熊家コレクションの充実ぶりに目を瞠り、様々な名品を楽しむ。堂本印象の両把頭の美女の絵が特にいい。
今回は雪岱がなかったが、また出るだろうからそれまで待とう。

ついで浦和に出る。幕末・明治の浮世絵展。浅井コレクション。
これがまぁ今まで見たこともないのがたくさん出ていて見ごたえがあるのなんの。
豊国の「かげまちゃや」が男向けのでなく女向けの、言うたらホストクラブな様相を呈しているのを描いていた。客は大店の後家とかお女中。がけまはみんな女装した、いわゆる「男の娘」。可愛かったわ。女客は皆眉を落としていて、売り子の方が可愛い。今度はぜひ男の客が来ているところの絵が見たいものです。

安達吟光の絵が出ていた。茶道資料館、藝大とこの浦和と三つで見たことになる。この絵師は今まで知らなかったので、もっと見たい。
上品な絵が多くて好きだ。

浦和から上野へ。東博の鳥獣戯画は110分待ち。それをスルーして藝大で「ダブルインパクト」再訪。
骸骨フィギュアがポーズを変えていた。動くんや!
ここでも吟光、清親などを見る。

改めて楽しんでからやはり再訪のグエルチーノ。きれいなものよ。ふてぶてしい猫が可愛い。

常設ではフェルメールに帰属のいい絵を見て、幻想的な版画を見るが、ちょっと好みではないか。


再び御茶ノ水。神保町まで歩き三軒の本屋をまわる。三省堂、いいな。
しかしレジが一階に集約なのか…
四軒ともまわり、絵ハガキをすべて手に入れた。
「はみだしっ子」の文庫本は遊行七恵のために買った。
初版で揃えた単行本は<わたし>のもの。あれは遊行七恵の蔵書ではない。

新幹線に乗る。隣席のお兄さんが面白い人で、ちょっとした親切をしてから話が弾む弾むで盛り上がり、お弁当をおすそ分けしたり、お菓子をもらったり。
名古屋まで旅の話で大いに盛り上がりましたわ。
知らない人とこうして楽しい時間を過ごせてよかった。

ハイカイの〆にはいい気持がプラスされました。

GWの東京ハイカイ録 1

ゴールデンウィーク、近年は東京にいることが多い。
今回は5/1の夜から5/5までハイカイしておりました。
ハイカイと言うより漂流に近いかもしれない。

例によって展覧会の個々の感想はまた別稿にして何をしていたかを挙げます。

5/2から。
先週も東京、今週も東京にいるわけだが、見たい展覧会が多すぎて、これでもまだ時間が不足している。
この日は木場公園の東京都現代美術館へ向かうことから始めたが、昔々は木場か門前仲町から歩いたりした。
それで清澄白河駅が出来てからはそちら。でもそれでも遠い。
調べたら定宿からすぐ近くの交差点でバスが出ているが、それでも徒歩5分。
で、近年は東京駅からバスに乗ってたのだが、この日は菊川からがよいというご教示をツイッターのフォロワーさんからいただいた。菊川からは徒歩13分。
その人は前にも町田市国際版画美術館への近道を教えてくれたので、本当に道に関しては「先達」なのだった。

菊川の手前の森下には昔々深川にハマッてた頃はよく行った。つまり元祖カレーパンのカトレアに行くためですな。あと森下文化センターか。
菊川はその意味ではスルーしてたのだ。
ところがそのご教示を受けて地図で調べたら、あーら三つ目通りで一本やん。
そこで思い出したのが1996年8月末に見た「未来都市の考古学」展。
あのとき両国からふらふら歩いてたようで、三つ目の途中で人に道を聞いたら、「トコロじゃなくもっと下だね」と言われ、本所が今も「トコロ」という呼び名なのを知ったのだった。尤もそれは御年輩の人々の感覚かもしれないが。
キモチ的には「鬼平犯科帳」だったのは確か。
なにしろ三つ目通りには池波世界だとしゃも鍋「五鉄」があるのだ。
「本所の銕」の歩いた道をテクテク行く。

初夏のような一日だが、9時代は道の片側が完全に日陰になるので歩きやすい。
道路の街路樹も草花もいい感じ。
わたしはもともと深川が好きなので好感度が上がる上がる。
とか言ううちにバミヤンが見えたので、昼はあそこでランチにしようと思いながら向かう。

MOTと呼んでほしい、と言われても「現美」としか呼ばれない東京都現代美術館に到着。開館直後なのでたいへん空いている。
山口小夜子展。
最初の映像から最後の写真撮影可能空間に至るまで、全く弛緩のない内容だった。これは企画の良さもさることながら、山口小夜子と言う人の尋常でない魅力があるからだった。
ツイートしたのはこちら。
「山口小夜子展、予想以上の素晴らしさ。自分の眼に映る小夜子の魅力が大きすぎて、ただただ息を殺して凝視するばかり。どの時代でも小夜子は闇をまとい、そして発光する。躍動する姿を見る。静止する美。異様なまでの美の力にひれ伏したくなる。冒頭の映像。黄金の病をわずらうように見え、息を飲む。」
「山口小夜子展、この小夜子マネキンの列びを見てわたしは「高丘親王航海記」のパタリヤ・パタタ姫を想った。」
凄いものをみた、と思っている。

さてバミヤンについて「暑いし何を」と思ったら店のお勧めが冷麺か麻婆豆腐。
冷麺を食べるにはちょっと早いなと思って麻婆豆腐にしたら辛いのなんの。
わたしは辛いのが嫌なので、酢を混ぜましたがな。食べやすくなったわい。
豆腐は好きだけど参ったなあ。

菊川から本八幡へ。
前に一度来たけど町歩きをしたわけではなくて乗り換えただけ。
今回は地下鉄からJRの前まで歩いたが、いい感じの商業施設があり、活気がある。それでコルトンバスという無料バスを待つ間、ちらちら見たりした。
コルトンというのはちょっと離れたところの商業施設で、あのニッケの工場の一部を開いてるみたい。関西でいうとつかしんとグンゼの関係かな。

ここがまたええ感じの商業施設で、しかもすぐ隣にお目当ての市川市文学ミュージアムと市川市図書館がある。
これはよろしいなあ。
市川市がええところだとはよく聴いていたが、確かに暮らしやすそう。
しかもこうした大型商業施設だけでなく小さい商店も活きていて、人の感じも悪くない。これはいいなあ。

朝から三つ目通り、市川、というても本八幡あたりだが、その良さを実感した。

市川市文学ミュージアムでは地元の名士でもある式場隆三郎の展覧会が開催。
これは実に意義ある内容で、感心するばかり。わたしは「二笑亭」目当てだったが、本の装幀のよさにときめき、彼の自邸(濱田庄司の設計)の写真にわくわくした。
民藝の人たちの建物は本当に魅力的だと思う。
「民藝と建築」という本も出ていることを知り、心ときめく。
それから市川市初代市長が浮谷竹次郎とあり、浮谷東次郎の叔父だと知る。
そういえば同じくレーサーの式場壮吉は隆三郎の甥御さんだそうだ。
ああ、すごいなあ市川市民たち。
図録を買う。これがまたよい内容で千円。よろしいなあ。

なお常設では市川市在住の文学関係の人の資料展示があるが、永井荷風、井上ひさしの他に脚本家の水木洋子の資料がよかった。
「浮雲」の脚本家。わたしにとって「浮雲」はすべての映画のベスト10の一つ。
原作よりずっと好きだという珍しい作品。
水木洋子の自邸模型もよかったが、どうやら一般公開されているらしいので、いつか行きたいと思う。市川市は洋館も多いので、ぶらぶらしてみたい。
市川市、本当にいいところだなあ。

さて本八幡から佐倉へ向かう。これまた一本で行けます。
歴博の「ニセモノ、ニセモノ」展を観に行くが、多くのお客さんでにぎわっていた。みんなやっぱりこうしたテーマのものは大好きなのだ。
色んなニセモノがあるが、笑えるのはよいけれど、笑えないものが多く、そちらは深刻でもある。
贋作事件とか捏造事件な。「永仁の壺」事件とか石器時代のあれとか。
後者は毎日新聞の大スクープで、朝刊見た瞬間のショックは大きかったなあ。
わたし個人は「さすが古代史には強い毎日やな」という感想が湧いたのだが、古代史が好きなうちの母はもぉ本気で激怒してたな。
「自分で掘った穴に埋もれてしまえ!!」と怒ってたが、それを聞いて石川達三「自分の穴の中で」があったな、くらいは思ったよ。
まぁあの事件で大迷惑をこうむったのはこの歴博と東博などなど…

歴博の常設は時間の都合で456しか見なかった。しかしそれでかなり満足している。そこから千葉市美術館に出るのが一苦労。
京成で乗り継ぐわけです。バスがないからなあ、時間的に。

千葉市美術館、歴代館長のチョイスした作品群を見る。
夜間開館なので空いてて気楽に見れるが、8Fの古美術と近代絵画はよいが、7Fの現代アートで気が殺がれて困る困る。
なんというか、正直なことを言うとがっかりした。
ただし版画はいい。深澤の版画なんか出てくるとやっぱり嬉しいからねえ。

最後はサイゼリアに行った。わたしは昼は和食、麺類、中華までだが、夜は洋食とかこういうのも平気です。
ただ、あまりに騒がしくて耳がわんわんになり、まずい状況。

初日はここまで。


5/3。憲法記念日。
わたしは護憲派です。九条を守り続けたい。
これについて金春さんと全く同意見で、ツイッターで大いに頷き合ったのでした。
85年か86年かのこの日に「破戒」が放映されたのを見たなあ。市川雷蔵が瀬川丑松で三國連太郎、岸田今日子、藤村志保、長門裕之らが出てました。
あれは学校から見るように言われたのだった。観てよかった一本。

京王八王子へ。バスもスムーズに八王子夢美術館。加山又造さんの展覧会。
又造さんは多摩美の先生だったのでそこからの所蔵品がたくさんるというか、版画がメインで、これがまた素晴らしい。もともと版画がいいのはわかっていたが、彫師の人が技法説明もされて、それが解説プレートにあるのでわかりやすいし、そこからの発見も多い。
又造さんはすごく実験精神が旺盛だったのだ。
わたしは又造さん大好きなのだが、本当にこれは素晴らしかった。
最後は墨絵の大作が出るのだが、そちらは下絵がずらりと並ぶというもので、これもまた加山又造と言う作家の創作の軌跡を見れるわけで、こんなに価値の高い展覧会はないな。
うーんうーんとうなるばかり。八王子夢美術館は本当にレベルが高いです。

京王の駅ビルの上のうどん屋でランチ。つけ麺屋。かちんうどんにしたが、餅を焼かずにチンしてバーナーで焼めつけてたらアカンで。皿から取れないし、洗い物に難儀するよ。こういう点がだめだ。
あとは悪くはないけれどねえ。

地下の菓子屋で柏餅と桜餅(道明寺の方ね)を買う。
府中へ。実はこの日は天皇賞の日で、行きしなに競馬場へ向かう人らの熱気に苦しんだのだった。

東府中から機嫌よくてくてくと行くが、藤が見えたので、その下でさっきの柏餅などを食す。餡はともかく餅じゃなく団子だったのが無念。わたしは餅が食べたいのよ、柏でくるんだ餅が。

「動物絵画の250年」後期。図録はこの後売り切れたそうだが、前期で購入しててよかった。
わかっちゃいるがトラ・わんこにやられる。猫もいるし魚類も楽しいな。
と、観て歩くうちにいきなり応挙先生の「百兎図」!!!これにはマジでヤラレたぜ!もう、ほんまにワンサワンサと兎がいっぱいいて、走るのもいればモグモグもいるしクンクンもおる。
可愛すぎるがな。あーすごい。大久野島みたいなところですなー。

常設は浅野竹二の木版画がたいへんよかった。特に関西方面の風景版画。
しかしどう考えても北浜としか思えんところが小浜になってて、これは浅野の字がわるいなと思う。

バスの時間がきた。武蔵小金井へ向かう。
前原坂で下車。はけの森美術館へ。それとは逆方向へ向かい、ちょっとゆくと叔母の家があるが、そちらには行かない。
またいつか叔母に会うときは三鷹か吉祥寺で会いたい。
人の家に行くのがニガテだし従妹らが来ている可能性もある。

中村研一の自邸の美術館で小金井の住人だった河野通勢の展覧会がある。
二人はご近所で同い年だけどあまり交流はしなかったそうだ。
(どこかで聞いたよな、四条の住人でご近所で同い年だけど、全く交渉がなかったらしきジャク・ソンの二人と似てるよな。「同い年の天才絵師」展、か…)

これは挿絵はなしで見どころとしては…うーん、「竹林の七妍」かな。
あとは「花魁図」。ちょっとさみしいかな。
緑の濃い絵が多かった。ほかに高田稔主演の「松下村塾」に時代考証したそうで、五枚ばかり写真。斬首のとことか。
中村は猫の絵がいいよね。

帰りに近所の立派な民家があり、巨大な木があった。オニイタヤという楓の親戚。落ちた楓の葉を家の人はトンボと呼んでらした。v vな形だから。

やはり小金井は緑の多いところですなあ。
駅まで歩き次は吉祥寺へ。

駅から少し離れたところに出るとこれまた表とは違う顔が見えるね。
北欧カフェmoiへ。ご主人とツイッターでお付き合いが出来たので、ドキドキしながら向かうととてもいい感じのお店。ご主人とお話をするとほっとする。

なかなか吉祥寺には来れないが、また来たいと思う。おいしいお菓子も嬉しいしね。そしてエッダ、サガ、カレワラなどのお話も出来てよかった。

吉祥寺美術館で粘菌類キノコ絵の展示を見るが、これがもぉ可愛くて可愛くて。
正しい描写だけど可愛い。抒情がある。日本の画家で動物画や植物画を専門にされる方には、正しい描写と同時にいい感じの愛嬌があり、それがとても魅力的。可愛かったなあ。あとびっくりしたのがKKブックスのキノコの本、あの数学者の森毅さんが出してたのか。びっくりしたわ。
森さんのご実家は実はうちの近所なのだよ…

常設の浜口陽三と萩原英雄はともに「顔」がメインの展示で、これがまた面白かった。

いいココロモチで最後は日本橋高島屋。

京都、難波とみた細見美術館の琳派展。ようやくリストも手に入れてほっとするが、3か所も見て回っていまだに感想が書けないのはちょっとヤバい。
わたしの衰退はかなり激しいな…

いいものをたくさん見た。会期終了後にしか感想を挙げれそうにないが、書きたいと思っている。
なお、一階で車種は知らないが車に琳派の絵柄を装飾したのが展示されていた。
ハデハデな琳派カー。

でも琳派カーはこれだけではない。
朝一番に見た八王子夢美術館にも琳派カーは展示されている。
1990年、加山又造さんがBMWにモノスゴイ加山琳派なペインティングを施している。その製作から完成までの写真と模型とが現在展示中なのだった。

二日目はここまで。
最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア