美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **なお現在コメント欄を閉鎖中です。

本野精吾の西陣織物館(現・京都市考古資料館) その2

中の人から外壁のタイルを見るよう勧められた。
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目地が埋められている。

かつての風景をとらえた写真
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本野の設計した家具はやはりモダンである。
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写真パネルで本野精吾自邸が出ていた。
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こちらは工芸繊維大。
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旧鶴巻邸。
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鶴巻邸(現・栗原邸)は以前に撮影している。
こちらです。

模型
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設計図面など。
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さて元に戻りこちらの3階貴賓室の在りし日の姿
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別フロア。可愛い階段
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ドアのレトロな「押」「押」
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ああ、晴天によく映える。
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「西陣」の碑IMGP0668_20151006004203732.jpg

いつまでも残されて愛され続けてほしい。

神港ビルヂング

神戸の神港ビルヂングを訪ねた。
とても素敵な建物でどきどきした。
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塔屋界隈。
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やっぱりこれです。
本当にカッコいい。

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装飾の優雅さはアールデコ風味。

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屋上に上がれたので、あちこち見回す。
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…けっこう複雑な構造。
↓こちらは中の方ね。
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ご近所さん。
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にぎやかでけっこう。
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こちらは海側。
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ありがとう、素敵な塔屋。IMGP0567_201510050035316ef.jpg

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室内のすりガラスは白帆の大群。
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可愛いね。IMGP0575_20151005004408307.jpg

廊下もいい。ちょっとした装飾がいい。
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食堂のタイルも素敵。
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木枠の赤は何だろう。ベンガラを思い出したよ。

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今はもうこんなガラス見ないものね。

飾られている絵や写真はすべて船関係。
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大切な計測
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照明もレトロ。
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階段も少しずつ様相が異なる。

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出入りするだけでわくわくする。

こちらは喫茶店のコレクション。
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この後ここでお茶したけど、アップルバイがおいしかったなー。また食べたい。

こちらも素敵だ。
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こんな資料もある。
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外観
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素敵な素敵なビルヂングでした。

こちらは後日、いただいたファイルです。
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ありがとうございました。

「長新太の脳内地図」を散歩する

横須賀美術館で「長新太の脳内地図」展を見た。
入ったらすぐに白い招き猫の大群のパネルがあった。これ、物凄い大群やなあ。
しかも顔ハメ箇所がある。
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シュールでナンセンスな作品の多い長新太の展覧会では、こういうのも大いにありだと思う。
絵本作家、マンガ家として晩年まで大活躍した長新太。

他の作家さんの文に絵をつけるのも少なくないが、長新太のオリジナル絵本はもう本当に凄い。
何が凄いかというと、まず前提も何もなくいきなり話が始まっている。
ここがどこか・誰が・いつ、といったこともないときがある。
そして戸惑う間も与えてくれず、次から次にパンチを繰り出してくるのだ。
ううむ、この迫力に負けるのだよ。しかも絵はどちらかというとそんなに可愛くもないし、またド迫力があるわけでもないのに。

ラストにオチがあるかというとないときもある。そのあたりがやっぱりナンセンスの神様たる所以なのかもしれない。
「ゴムあたまポンたろう」など、もう意味不明なのだが、それがやっぱり面白くて仕方ない。
わたしのように理屈が欲しい読者もあの妙な迫力に(脱力系迫力とでもいうべきか)ヤラレて、ああそぉか、ゴムあたまだからハネないとね、と納得させられてしまうのだ。
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空を飛ぶゴムあたまポンだろう

「イカタコつるつる」なんかもうわたし、忘れられなくなったよ。
ここで初めて作品を知り、原画を見ただけなのに。
イカがラーメンを、タコがスパゲティを食べてて、つるつるつるつる…
でも間違って自分の手も麺と一緒に食べて「いたーい、いたーい、でもおいしいよー」 こ・わ・い…
しかも隣に座る互いの食べ物を一口そぉっとつまみ食いして…
ほんまにたまらん話。

さて、ゆっくり初めから見て回りましょう~~
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第1部イマジネーション

・巨大な…
「ぼくのくれよん」1973 クレヨンで描かれている。ゾウさん用のだと猫も乗れたりするくらい。赤一色になるとどうぶつのみんが逃げ出し、黄色になるとわーいと食べに行く。
妙な美味しさを感じるよね、確かに。

「はるですよふくろうおばさん」1977 編み物に勤しむうちにどんどん巨大化して…木も森も包み込んでついにはドームになる。そんなアホな、という所に有無を言わせぬ脱力系迫力がある。

連作物の「キャベツくんとブタヤマさん」がずらりと並ぶ。1980―2003
4作ほどあるが、いずれもシュールな話が多い。それだけでなく巨大化したものや増殖したものがブタヤマさんとキャベツくんを襲ったり、ブタヤマさんが食欲に負けてキャベツくんを食べようとしたり…不気味な話でもある。
冒頭に挙げた招き猫の大群は「キャベツくんのにちようび」1992。ブタヤマさんは驚くと「ブキャ!!」と声を挙げる。
色も原色がハキハキと使われている。それだけでも視覚的な刺激があるところへ、へんな生き物も大量に現れ、妙な行動を見せる。
バレエクラゲはSWE3にも出て来たから「おお、先達」と思うが、デンノコザメ、ヤキュウウニとどんどん意味不明なのが現れる。

長新太のナンセンスさは杉浦茂のそれとは表現は違っても同一の方向を向いているように思った。どちらも明るいナンセンスさをシャラッと出して、知らん顔をしている。

・イカとタコ
長新太は水族館が好きでガイドブックも描いたそうだ。

「イカタコさんのおいしゃさん」1993 グワッシュ使用。色がいい。この妙な生き物は子供でも模写できそうな描線なので、より親しみやすい。わたしもついついメモ書きにイカタコさんを描いてしまったよ。足が収納式だというのがすごい。

「イカタコつるつる」2004 ほんと、もう、こういうセンスが一番好き。萩原朔太郎「死なない蛸」とはまた違う不気味さがあるが、それがギャグになっているのが実は一番怖かったりする。

・ライオン
長新太のライオンは明るい色合いなのがいい。
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「さかさまライオン」1985 影が本体から乖離し、反逆を企て、本体に変わり支配する、という物語は古今東西にある。
マンガでも坂東江利子「弱虫ぼくと強虫あいつ」が1980年頃にそれを描いたし、旧くはアンデルセン「影法師」がある。
シャミッソー「影を失くした男」、ル=グィン「影との戦い」でも本筋は違うが、影とはなんなのかということを深く考えさせられる。
「影との戦い」ではゲドが名を持たぬ影に対し、自らの名たる「ゲド」と呼びかげたことで影が彼と一体化するのだ。

さて、ここでもやはり影が本体から離脱しようともくろむ。自分が主体となって動き出すことで、影がライオンの行動の主導権を握る。
が、やがてハンターから狙われ絶体絶命の時、影はその特性を活かし、ライオン本体では飛び越えることのできない距離の峡谷を一気に飛び超え、ライオンの危機を救う。
後ろ足から引きずられて後ろとびをするライオンに、ハンターの銃は届かない。
ラスト、ほっとしたなあ。またこのハンターが、福本伸行作品にしばしば出てくる狂気のカネモチ爺さんのような執着心を見せるのがこわい。

「たかいたかいらいおん」2002 山吹色とオレンジとを巧く使う。夕日の中のライオンの姿、せつなさもある。

・変身
「はなねこさん」2002 「わたし」も合体して、犬を撃退するのがいい。

「まねっこねこちゃん」1996 エビに遭えば耳がエビばさみになり、といったなんにでもメタモルフォーゼを繰り返す猫。魚枕、滑り台、恐竜、なんにでもなる。
でも基本は猫。擬態なのか変身なのか。

「そよそよとかぜがふいている」2004 タイトルと中味がどうつながるのかわからないまま話が終わる。巨大な手を持つ猫がどんな相手でもその手でバンバンと叩きギュッギュッと握り込んで△おにぎりにする。箱詰めのおにぎりどうぶつたち。
これをみると村山知義「おなかのかわ」を思い出す。なんでも食べる猫のおなかからどんどん出てくる兵隊たちや王様、おばあさんなどなど。
「食べる側」の圧倒的な存在感と不条理と。この大きな手を持つ猫が何故みんなをバンバン叩いて△おにぎりにするかもわからない。理由のわからないものほど気持ちの悪いものはない。

第2部 センスとナンセンス

・長新太の絵本づくり
「がんばれさるのさらんくん」1958 絵本デビュー作。水彩と鉛筆のシャープな線。画風が後年のものとは全く違う。動物園のどうぶつたちがオーケストラを作ろうと奮闘する。
当日火事になるが、野外ステージで大成功。ゾウのタンバリン、ネズミのトライアングル、山羊の指揮などなど。

「おしゃべりなたまごやき」1959 こちらは背景などもなかなか凝っている。王様の紋章なども綺麗な線と色で描かれている。
1972年にセルフカバーした絵本の方は、既にもう「長新太」の作品になっている。

「だっこだっこねえだっこ」2005 最晩年の一作である。人、犬、猫、靴、アイス、パン、みんながみんなそれぞれにくっつく。猫は猫、人は人、アイスはアイス…

・ナンセンス
「チョコレートパン」2000 チョコの池があって、パンたちが並んで浸かりに来る。
上がった時にはみんな立派なチョコレートパン。上がった後のチョコのしずくまである。
トコトコ歩くパンたち。だが、たまーに違うパンも入りに来る…

「ごろごろにゃーん」1976 線のくっきりした絵。魚型飛行船に乗り込もうとやってきた猫たち。ゴムボートから移る。釣りをしながらの飛行。山を越え、雲を越え、土星を越えて…

・怪と快
「つきよのかいじゅう」1990 ネッシーの写真を取ろうと待ち構える男の前に現れる謎の足。妄想の拡大化が面白い。やがてその足がシンクロを始めた。
原画展示はここまでだったので、気になって気になって仕方ないわたしは続きを本で読んで、ようやく納得した。したが、話にオチはない…
男は巨人のシンクロなんかより、ネッシー待ちを今後も貫く。

「なにをたべたかわかる?」1977 獲った魚が次々に他を食べて巨大化する。
重いのでもうダメ。…ラストが結構さむい。

長新太はマンガも描き続けていたが、そちらはけっこう過激なものが多い。
とぼけた線描なのだが、内容がなかなか…
ペン画でひょろろとした線でコワイこと描いてて、笑うに笑えない。アブナイな。

びっくりしたのが庄野英二の「星の牧場」の挿絵が長新太だったこと。
えーって感じでしたな!
更にびっくりしたのがヒメネスの「プラテーロとわたし」の挿絵も長新太だったこと。
まじですかー!まぁ尤もわたしは「プラテーロとぼく」の方しか知らんかったんですが。

ところでANAの機内誌「翼の王国」は読み物が面白かったのだが、ここでも長新太のナンセンスと言うか不条理マンガが連載されてて、機内でよくアタマがぐるぐるになっていた。
丁度連載始めた頃かな、1994年頃はよく飛行機に乗ってたのでした。

・記憶
「火の海」1974 蒲田での空襲体験を描く。シンプルな線でコママンガにしている。
突き放した描線で描かれている話が非常に怖い。

北海道旅行、ヨーロッパ旅行の絵日記なども出ていた。
自分の知ってる場所が長新太の手にかかると、全く別な時空になるなあ。

最後にこちらが長新太の脳内地図。
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タイトルがいかにも70年代。やっばりね、80年代という享楽の時代を通過して、そこで生き延びた時点で70年代の鬱屈が消えると思うのね、わたしは。

いい展覧会でした。

関西の彩り 近代日本画を中心として

白鹿酒造博物館へ行った。
丁度この界隈の西宮酒蔵ルネサンスの開催日と合わせたので、西宮駅から無料バスでつれてもらえた。ラッキー。

初めてここへ来たのは1992年の四月だったが、それからの再訪に約20年かかった。
理由は「行きづらそう」だったからで、いい展覧会でもスルーしていた。
つまり「近いくせに交通が不便なところ」がニガテなのだ。
ところが去年、もしやと思い今津から歩いたら歩けるし、普通に今津から阪神西宮乗り換えだけで行けるし、その気になればここから香櫨園の西宮郷土資料館や西宮大谷も遠くはないことが分かった。
で、今は今津まで阪急で出て一駅だけ阪神に乗り、後は歩く。
こうなるとこれからは常に行こうという気にもなる。
今までごめんね、白鹿。

今回の展覧会は「関西の彩り 近代日本画を中心として」である。
これが物凄く充実した内容で、ちょっとやそっとで太刀打ちできないようなラインナップなのである。
わたしが見たのは前期。後期も凄い内容のように思われる。
とにかく見た記憶、コーフンした想いとかそんなのがまだ身内に留まる間に感想を挙げたい。

…とはいうものの、何の因果か、折角手に入れてたチラシが行方不明。
仕方ないのでこちらへどうぞ。
pdfだからちと気を付けてください。

みつかりました。10/14
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梅亀図 鈴木百年 衝立 川のほとりに紅梅。陸には2匹の亀がいる。特にどうこう言うこともないが、家具としての衝立、そこにこうした温和な絵があれば、やはりほのぼのする。

家翁百季栄春庭孔雀図 百年 こちらは旧幕時代最後の年の軸。二羽の孔雀が薄紅の長春花(薔薇)と共に描かれている。
いつも思うのだが、孔雀と薔薇の取り合わせは字面だけ見ればアールヌーヴォーを始め、西洋風のロマンチックなムードがあるのだが、実際にはこうした大和絵もその題材を多く選んでいる。

嵐峡春景図 今尾景年 これはジグザグに流れが来るのを巧くとらえていて、視覚的に勢いがある。斜め下向きに急流、そこで折れて逆方向斜め下へ向かう流れ。随所に墨絵のシルエットで桜、松と桜を配する。あーかっこいいな、いい構図。

嵐峡細雨図 木島桜谷 墨の濃淡で雨の様子を表現する。松の幹の長いのにはびっくり。

福禄寿図 塩川文鱗 お子様二人と白鹿がいる。白鹿の背中には如意や霊芝が積まれて括られている。愛でたいものを持ち運ぶ白鹿。そして彼らの上には桃が実る。
可愛い坊やたちの福禄寿というのはいいね。

松竹梅図 山田耕雲 これは面白い。逆くの字に蕾のついた白梅、二つばかり節の見える太い竹、バランのような松。これが可愛い。みんななんとなく2頭身キャラのようである。
しかしキリリと存在感をアピールしている。

花ふぶき 松園 春だなあ。

女三番叟図 松園 若松柄の着物は薄紅。音曲の聞こえそうな絵である。
1983年の展覧会のチラシをもらった。
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32年前でもきれいな印刷のまま世を過ぎている。

お福之図 松園 お多福なので鼻は低い。正面顔である。萌黄地に薄紅の打掛。白い線で花をデザインしたもの。可愛い。

花鳥図 西山完瑛 衝立 キジのカップル。白梅に百合に朝顔に山茶花に水仙に蓮華。
この絵も98年のチラシ。
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雪月花図 五井金水 細い三幅対。ふっくらな杜鵑(案外雲雀かも)、まん丸な満月、タンポポにスミレにモンシロチョウ。楽しい雪月花である。

全然関係ないが、親子丼が何も鳥と卵だけでなく、サーモンとイクラの取り合わせもあるのを思い出した。

淀川筋図 久保田桃水 向こうの小高い丘に民家が並び、淀川では小舟で煮炊きをする二人がいる。岩間には菜の花が咲いている。和やかな春の淀川。

〆飾り鶯図 西山完瑛 たくさん止まる雀たち。お米がついているからなあ。

山水貼画帖 庭山耕園 苫屋の上に薄い月がかかる。紅葉に川の流れ。あっさりと仕立てられた絵。

十二か月色紙 上田耕冲ほか 28枚のうちから。87歳の耕冲や息子の耕甫らの絵がある。
雪こもりから顔を出す牡丹が外を見る。
耕甫のは紅葉に小禽。

桜谷伝神画册「四時佳興」 桜谷 柳に燕が3羽。頭頂だけ黒い小鳥たち。

色紙画帖 大谷句仏ほか 椿柄のダラリの帯の舞妓、榊原紫峰えがく雪の紅梅に文鳥、池田桂仙の南画など。

蓬莱僊境図 関雪 青碧色の山、岩、そのはるか下の道を行く杣二人。箱書き自体も関雪自筆でなかなかいいことが書いてある。

汝陽逢麹車 菅楯彦 大酒のみの汝陽が出勤途中に酒を積んだ車を見て涎を垂らす、という杜甫の「飲中八仙歌」詩句から。彼は玄宗皇帝の甥で大酒のみで明るい性格だったそうだ。杜甫の「飲中八仙歌」の一人。要するに唐の八大酒豪のことを謳った。
この詩の内冒頭の「知章騎馬似乗船 眼花落井水底眠」は教科書にも採用されている。
菅楯彦はいかにも機嫌良さそうな人を描いている。
 
月次図 武部白鳳 12幅対 細めの軸にとても素敵な12か月。
1.若杉 2本の枝に鈴らしきもの3つ。2.猫柳 ふくらまず。3.鶯飛ぶ よく肥えてる。
4.釈迦誕生 水盤に腰に手を当てたポーズ。5.香魚 泳ぐ鮎。6.九十九(フトイ) 先端が黄色の草。太藺。湿地に咲くらしい。7.綿花 黄花が咲く。8.秋月 まん丸の月。
9.3匹の虫 バッタ、コオロギ、鈴虫。10.熟稲 茶色の穂。11.紅葉 風に3枚の葉が舞う。
12.厚氷 確かに氷がピシッピシッ。

武部白鳳は西山完瑛の弟子で、完瑛は芳園の子で、芳園は松村景文の弟子で中村芳中にも学んだ。琳派と四条派の血脈が来たところで、白鳳の息子・本一郎がSFアートの画家だというのが、めちゃくちゃかっこいいと思うのでした。
因みに武部本一郎展の感想はこちら

青梅図 白鳳 床の間の設えがあり、そこに飾られていた。墨絵。枝と青梅と。

十日ゑびす図 溪仙 サラエにお多福の面。西宮戎ですな。しかしえべっさんの祭りにお多福も出演?うちの地元のえべっさんは、えべっさんと大黒さんだけだったな。
場所により違うのだろうなあ。

不老長春 田中柏陰 1921 松に鮮やかな長春花(薔薇)。ツケタテで描く。青苔を表現するのに墨の上に鮮やかなトルコブルー。綺麗でした。

瓢十七態屏風 山元春挙とその一門 前後期で展示替えするようだが、資料として左隻も出ていた。緋色を地に様々な瓢が描かれ、その中に絵を描いたり、瓢にまといつくものを描いたりしている。
これは楽しい屏風で、その内訳を記す。
右 
・稲穂に雀 林文塘 瓢箪の下部が割れてそこに稲がのぞく。
・花下遊楽 王舎春輝 瓢の中での楽しそうな様子。
・秋の虫 山元春挙 りーんりーんと鳴いていそう。
・許由洗耳 高倉観崖 じゃぶじゃぶ・・・
・養老滝見 王舎春輝 
・花見(大石内蔵助) 川端春翠 
・松に鶴 
・猩々 山下竹斎 金のシルエット。

・雀のお宿 久保田竹友 割れた中に稲と巣がある。
・秀吉の瓢 植中直斎 
・瓢に蜂 春汀
・山水 西井敬岳
・養老孝子 川村曼舟
・瓢舟 小村大雲
・老人飲酒 川端春翠
・聴鶯山房図 高橋秋草
・富貴益開図 岡文濤

日本画家は正月に弟子たちと一緒に競作することが多いようで、応挙などもそうだし、清方もそうだった。
こうした作品は楽しい。

探梅覚秋図 池田桂仙 白っぽい中に小舟が浮いている。蔦と梅。この言葉の意味は知らないが梅を探して秋を感じる、という意味でよいのだろうか。

二枚の絵が並ぶのを見たが、どちらも南画で、カラフルかモノクロかの違いを感じるだけで同じ絵に見えた。
青緑紅葉山水図 姫島竹外 フルカラー
松林山水図 河辺青嵐 女性の画家。モノクロ。
山の形がそっくりだからそう思うのだろうか。

夏渓寒巌図 中林竹洞 夏と冬の山の様子を対幅で。

泛艇観蓮図 中林竹渓 「はんてい」と読む。もやーん。小舟が出てて蓮の葉の隙間をゆく。
竹渓は竹洞の息子。

松竹梅文蒔絵盆 庭山耕園下絵 黒に松ぼっくり・小笹・小梅が落ちている。ちんまりしたところがいい。

古端渓五福硯 村田香谷箱書き 住友家によく絵を納めてたあの画家の箱書き。硯自体はコウモリがついている。

ここまでがタイトルの展覧会の内容なのだが、この後がまた凄かった。

笹部コレクションからのものなのか何なのか、リスト外の展示品が素晴らしいのだ。

三畑上龍 立姿美人 簾をあげる美人。抹茶地に大きい白茶の草柄模様の着物。黒地に金の龍の文様の帯。かんざしを触りつつ簾をあげる女の唇は笹紅色に塗られている。

森一鳳 鬼に金棒図 これは明るい戯画。

一鳳 松に鶴、竹に亀の図もある。

鉄斎 山桜扇面図 小さな扇面に桜がいっぱい。抹茶団子のようなシルエットがある。

岸岱 滝に桜花 山桜の枝振りがいい。

呉春 山桜と嵐山の図。飛鳥井雅章の短冊貼り付け。

呉春 嵐山夜景図 うっすら墨で描く。山の端と川をやはりジグザグに描いている。

秋草と芒を呉春が、菊を岡本豊彦が描くという作品もあった。

三傑桃下の会図  劉備を景文、左の関羽を豊彦、右の張飛を柴田義菫が描いた。
全体の雰囲気が呉春風なのが妙に面白い。

桜花 川端玉章 紅葉が濃い。小鳥が止まる。白に灰色の花。
まだ江戸時代とは地続き。

最後に1922-23に刊行された「大近松全集」の付録版画を見た。
中には「アッこれ」的な作品も少なくはない。
9枚の芝居絵を版画にしたものを愉しもう。
・夕霧 島成園 紫鉢巻を大きくクローズアップ。白い顔には怨みがどこか滲む。
・錦祥女 西山翠嶂 紅流しのところ。苦痛をこらえて妙な笑顔になっている。
この絵はしばしば堂本印象美術館などでも見かける。
・世継曽我の朝比奈 西村五雲 カニのような髪型なのはお定まりにしても一本一本が細めなのでポップな感じ。
・雪女 松園 横向きの大きな顔。細い手が刀を持つ。怖いような顔である。
・文覚 渓仙 滝の中には既に不動明王とセイタカ・コンガラの2童子がいて、滝行をする文覚を待ち構えているが、文覚は岩に取りすがったまま。
蝉丸 菅楯彦 これは先般池田でも見ている。その時の感想はこちら。美少年である。
・梅川 北野恒富 顔を大きくクローズアップ。決心の強い顔。
・酒呑童子 玉村方久斗 貴女らの上を鬼首が飛びまわる。この構図は考えたこともなかった。
・与兵衛 山口草平 刀を持って女を殺そうとするところ。「不義になって貸してくだされ」のあと。

この内容の濃さには正直驚いた。
ああ、本当に良かった。
後期にも行こうと思う。

名所へのいざない

頴川美術館の「名所へのいざない」展の前期分に行った。
小さい美術館だが、いいものが多いので行くのがいつも楽しい。
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光忍上人絵伝断簡 鎌倉 ロングで捉える2つの情景。山中でその地の地主明神と会う役行者。百済の宝勝権現を勧請したのをその地で祀りたい。神於寺と言う岸和田の山中にあるお寺。
次の場は右端の岩場に不動明王らしき偉丈夫が佇む。その周囲にぽつぽつと四人の少年らがいる。八大童子かもしれない。色も各自違う。
しかしよくよく見たらセイタカ・コンガラが鬼を抑えつけているのだった。
このお寺は後に廃れてしまったのを百済の光忍上人が復興させたそうだ。
6年前にもこの絵を見ている。
当時の感想はこちら


この時出ているもので共通するのがある。
伝・能阿弥 三保松原図 室町 元は屏風なのを軸装にしているが、画像はこの通り一枚ものになる。なんというか縹渺としている。

芦屋浜松図釜 今は可愛い尾垂ちゃんだが、もとは真形だったそう。耳は鬼面という古式ゆかしいカタチ。上部に霰打ちがあり、州浜と雲とを表現。「末の松山釜」と呼ばれている。
割ササゲ象嵌金環付。瓢の蒔絵が可愛い。

山王霊験記 室町 今回は3シーン出ている。
1.働く人々。蓆の上に俵からコメをばーっと出す人、サラエでザリザリする人、坊さんもちびっこらも働く。
2.山王の使いの蜂が来て、駿河に住む幼い兄弟の暹賀・聖教らに比叡山へ行けと唆す。
これが本当の『虫の知らせ』ですなw
何らかの祭りがあったようで鯛や瓶子が見える。
3.富士山と三保の松原。汐造りに勤しむ人々。

高士観瀑図 室町 祥啓 大きな杖にすがり、前かがみしながら滝を見る。

洞庭秋月図 海北友松・惟杏栄哲賛 桃山 さらりと描く。建物が小高い丘のゴルフクラブのように見えた。

蘭亭曲水図 狩野山楽・石川丈山賛 江戸 横長の画面で墨絵でそこに薄めの墨でハキハキぎっしりと隷書体に近い文体で「永和九年…」と書かれているので、なにやら煤けたようにも見える。
豊臣家恩顧で潜伏していた山楽がようよう世に復帰し、譜代の臣たる丈山とコラボ。
泰平の世の中、か。

池大雅 蜀山行旅図 蜀桟道の厳しさよりも、行楽地・蜀へいらっしゃーい的なムードがある。ちょろちょろと淡彩。妙に楽しそうな人々がわりとたくさん。途中の休憩所の亭なんか和気藹々。馬で今から上るよの人らものんびり。

養老瀑図 高久隆古 江戸 おお、お酒の滝がゴクゴク…

桃源舟行図 浦上春琴 江戸 狂激なオヤジの画と違い温和な息子らしく、あっさりと。
しかし割と描き込みの多い図。

山水人物図 月僊 江戸 二面ある。
・桃源舟行図 小舟の老人が棹を持つ。すぐ上に崖から身を乗り出すように桃が咲きこぼれ、その枝を老人に向けて手を差し出すように伸ばす。あとは何も描かれていない。
・山中を行く人々の図では橋を行く馬がいい。

足柄吹笙図 田能村直入・篠崎小竹賛 1844 カラフルな絵。例の豊原に笙の秘曲を教わる図。桜の下での演奏。

南北極星愛鹿図 森寛斎 1892 背中にちょっと黒柄の入った白鹿たちがぞろぞろ樹間に出現。山中の林で。そこへ爺さん二人がご対面。寿老には侍童がつく。本当に鹿鹿鹿鹿鹿。

魯山人の絵瀬戸秋草文壺が奔放な草の生え方を見せていて、かっこいい。
明治の武蔵野蒔絵硯箱には菊の御紋が月のかわりにつく。

宇治名所絵煎茶碗 道八・景文絵 江戸 おお、呉須手。
宇治の朝霧、白帆がぼーっと来る、鳳凰堂、宇治橋の三の間…

染付名所図煎茶碗 沢村陶哉・須磨対水絵 大正から昭和 染付が綺麗。グルメで有名な対水。薄い染付がいい。
・三十六峰烟雨・南紀第一勝那瀑・(清水の)灯り・仙酔翠嵐處・看瀑茶屋は此處…

しみじみといいココロモチになった。
後期は光琳や浪花百景図が出る。

生誕200年記念 伊豆の長八 幕末・明治の空前絶後の鏝絵師

鏝絵を初めて知ったのは藤田洋三さんの写真集からだった。
江戸から伊豆と大分に鏝絵が多く存在していたそうで、関西には少ないらしい。
強いて挙げれば京都の三条烏丸そばのさる店には漆喰細工らしきものがあるが、今のところ未確認。

実際漆喰で文様と言えば西洋館のシャンデリアの掛けるあたり、天井そばの柱上の装飾くらいしか思いつかない。
そして鏝絵の技法を確立したのは「伊豆の長八」という天才左官職人だということを知ったのも、その藤田洋三さんの写真集からだった。

「生誕200年記念 伊豆の長八 幕末・明治の空前絶後の鏝絵師」展が武蔵野市立吉祥寺美術館で開催されている。
長八の生誕地・伊豆の松崎には彼の名を冠した美術館がある。もう随分前からあるが、いまだに行ったことがない。
そもそも関西から伊豆はとても遠いのだ。
箱根がようやく「案外行きやすい」と気づいたものの、伊豆はやはり遠い。
だから本当に今回の展覧会は嬉しかった。
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長八はその道の名人という意味では左甚五郎と比肩する、と大分県の鏝絵特集の「銀花」49号にある。そしてそこにはこうも書いてある。
「長八が残した鏝絵は細密画といえるもので、西洋のフレスコ画を思わせ」なるほど、「サライ」から出た「鏝絵―消えゆく左官職人の技」で紹介された長八の作品はいずれも大変丁寧で、工芸による絵画もしくは絵画を工芸化した作品に見える。
そうしてわたしはいよいよ実物を目の当たりにすることが叶うのだった。

秋江帰帆 1862 まるで木彫りのようだった。彩色はあくまでも静か。

二見が浦 1874 ピカーーッと白が目立つ。その白地に赤い日が。漆喰の白は本当に白い。

湖上観月の図 1875 この作品あたりまではいかにも名所図という構図なのだが、あとからどんどん変わってくる。 
龍 1976 勢いがある。かっこいい龍。

黄鶴楼の図(仙境図) 唐詩などでも有名な黄鶴楼である。
この楼が黄鶴楼となる原因というか元の話をモチーフにしている。鶴と白梅がある。日本画家の結城素明がこの作品を見て感心したようで、後にかれは長八の研究書を出したそうだ。

富嶽 1877 うそのようにリアルな風景。むろん鏝絵なのだが写真のようだった。

二十四孝 1874 これは誰の話になるのかは不明。大雨の中、蓑に笠の男女が来たところ。泊めるらしい。
表情がはっきりとみえる。

近江のお兼 1876 国芳の絵で有名な大力の女・お兼。暴れ馬を軽く抑えて何事もないかのよう。くくれた顎、手に団扇、本当に気軽な感じで馬を止めている。

女人図 1876 真正面向きの顔にはガラスの目玉がはめ込まれている。しかもやや伏し目がち。静かな風情のある女。白い頬。それがやはり漆喰の白の美しさなのだ。

常盤御前図 雪中常盤である。漆喰の白さが雪の重い白さを表現する。可愛い子供らと共にさまよう姿。

機を織る女 これは構図がうまい。トリミングされたように女の手元を見せるが、全身像はない。

清水次郎長肖像 伝・長八 維新後の次郎長である。オールバック。ナマナマしくリアル。漆喰の盛りで人の顔がリアルに表現されるのだ。

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塑像を見る。
チラシのオジサンは上総屋万次郎。イキイキした描写。
今回初めて塑像があることを知った。

神農像 1875 真っ黒な塑像。目玉ぎらぎら。

神功皇后・応神天皇・竹内宿禰 戦前までこの三人の取り合わせは雛壇に飾られるくらい人気だった。博多人形のようにも見えた。髪は植毛。ちりちりしているところがなにやらナマナマしい。

毘沙門天像、弁財天像などの像のほかに親鸞や個人像があった。漆喰でこうした像も拵えてしまうのだ。

白狐像 1863 ニコニコしたお稲荷さん。左が可哀想に口元が壊れている。

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絵もある。
不動尊図 1880 その前で絵を描く老人もプラス。これは長八本人らしい。

スサノオノミコト図 1888 ダイナミックな絵。

本当に長八は何でもできるのだ。

柱掛け、ランプ掛けの凄いのがあった。龍や疾走するような鷹、秋草にウズラのしっとりしたものもある。

衝立も梅と椿のものが特によかった。円窓の内側に椿、窓の向こうに白梅と言う構図。
立体感のある絵とも、絵心のある工芸品とも違う、やはり独自の世界。

漣の屏風 これに参った。都路華香、福田平八郎の先達がここにいる。あーもう本当にざーざーざー…

大理石風に装った花瓶まで拵えるし。

建築装飾として土蔵に作られた作品群が独立して、展示されていた。
竹と雀 1875 灰色のシックなもの

寒梅の塗掛け軸 1875 これもいい。梅が咲きこぼれた様子を表現する。

春暁の図 1875 この本物を間近で見れて、本当にうれしい。御簾を挙げる女の顔の豊かさ。いいなあ、ようやく見れたが、とても満足した。

貴人寝所の図 1875 なんだかやたらと嬉しそうな貴人なのだが、どうみても笑福亭鶴光に見えて仕方ない。

関連資料を見る。
その道の名人の名が列挙されたものがあった。
新聞…唫香(岸田吟香のことか)、武者絵…大蘇芳年などと名と仕事が載るのだが、更にほめ言葉つきなのである。
歴史画の菊池容斎には「谷文晁、応挙にいや増される」などとある。
英雄…榊原健吉は「いかつく見えて優しいしゃれもの」…
その中で長八は、
鏝絵…入江長八 前代未聞のわざ
うむうむ、納得である。
他に生き人形の松本喜三郎などの名もある。
明治は多士済々だったのだなあ。

こうした細かいところまで楽しめた。
10/18まで。

2015.9月の記録

20150905 小田原の近代建築(ろうきん・だるま・民家・清閑亭など) 建築探訪
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20150905 小田原に滞在した文学者たち 尾崎一雄、北原白秋、北村透谷、川崎長太郎 小田原文学館
20150905 琳派 岡田美術館
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20150906 うらめしや 後期 藝大美術館
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20150906 絵の音を聴く 雨と風、鳥のさえずり、人の声 根津美術館
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20150906 国宝曜変天目茶碗と日本の美   サントリー美術館
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20150907 アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝 東京国立博物館
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20150910 武生市内の近代建築(公会堂・商店・幼稚園・北前船主の館) 建築探訪
20150912 ダ・ヴィンチとアンギアーリの戦い 京都文化博物館
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20150912 永青文庫コレクション 近代日本画 京都文化博物館
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20150912 祇園祭 鯉山の名宝 京都文化博物館
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20150912 裂地を知ろう、和菓子を知ろう 茶道入門2 茶道資料館
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20150912 玄奘 迷い続けた人生の旅路 龍谷ミュージアム
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20150912 四条堀川・辻徳 建築探訪
20150913 逸翁の審美眼 逸翁美術館
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20150913 小林一三と野球 小林一三記念館
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20150913 夢ひらく東宝 池田文庫
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20150919 没後50年 不滅の江戸川乱歩 ミステリー資料館
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20150919 立教大学・乱歩旧宅・自由学園明日館 建築探訪
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20150919 「戦後池袋」池袋ヤミ市と戦後の復興 豊島区郷土資料館
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20150919 SHUNGA 春画展 前期 永青文庫
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20150919 四季礼賛 夕べの彩り、夜のしじま 野間記念館
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20150919 「戦後池袋」ヤミ市から自由都市文化へ 東京芸術劇場
20150919 風景画の誕生 ウィーン美術史美術館所蔵 ブンカムラ
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20150920 享保雛を中心に  久月の所蔵品 ギャラリー
20150920 わん・にゃん・鳥さん大集合 郷さくら美術館
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20150920 目黒区総合庁舎 建築探訪
20150920 琳派と秋の彩り 山種美術館
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20150920 渋谷 國學院大學博物館
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20150920 近藤ようこ 物語る絵 ビリケンギャラリー ギャラリー
20150920 伊豆の長八 武蔵野市立吉祥寺美術館
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20150920 萩原英雄・浜口陽三 武蔵野市立吉祥寺美術館
20150921 長新太の脳内地図 横須賀美術館
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20150921 東の正倉院 金沢文庫 金沢文庫
20150921 明治有田 超絶の美 万国博覧会の時代 横浜そごう
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20150921 斎藤与里のまなざし 新宿中村屋
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20150921 機動戦士ガンダム 森アーツ
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20150922 明治神宮の御宝物 明治神宮宝物館
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20150922 古九谷 戸栗美術館
20150922 ニキ・ド・サンファル 国立新美術館
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20150922 躍動と回帰 桃山の美術 出光美術館
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20150922 鉄道遺構再発見 lixilギャラリー
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20150922 あおひーさん「道草模様」 アートビス ギャラリー
20150922 温泉と文藝と鉄道 新橋停車場
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20150922 片岡鶴太郎 四季彩花 汐留ミュージアム
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20150923 森本美由紀 弥生美術館
20150923 夢二の版画/ファッションリーダー華宵 弥生美術館
20150923 東博の常設 東京国立博物館
20150923 クレオパトラとエジプトの女王 東京国立博物館
20150923 生命大躍進 科学博物館
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20150923 蔵王権現と修験の秘宝 三井記念美術館
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20150923 月映 東京STギャラリー
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20150926 伝説の洋画家たち 二科100年展 大阪市立美術館
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20150926 仏像彫刻 大阪市立美術館
20150926 トーベ・ヤンソン ムーミンと生きる 阿倍野ハルカス
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20150926 クレパス画名作展 なんば高島屋
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20150926 スポ根 ・巨人の星・アタックNO.1・エースをねらえ・あしたのジョー 大丸心斎橋
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20150927 ルーブル美術館展 風俗画 京都市美術館
20150927 ルネ・マグリット 京都市美術館
20150927 Baron住友春翠 邸宅美術館の夢 泉屋博古館
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生誕130年記念 中村屋サロンの画家 斎藤与里のまなざし

中村屋サロン美術館の展覧会にはいつも最終日近くにしか行けず、感想もその展覧会の終了後にしか挙げられない。わるいめぐりあわせは自分の怠慢のせいなので、中村屋には罪はない。中村屋でよくないのはロッカーがないことくらいだ。

「生誕130年記念 中村屋サロンの画家 斎藤与里のまなざし」展を見た。
彼の絵と言えば兵庫県美術館所蔵の半円型の牧歌的な壁画、「法々華経」の居眠る娘と背後の鶯の声、ドニの描く世界に接岸した陸地に住まう女たちを描いたものなどが思い浮かぶ。
シャヴァンヌに惹かれた、というのもこのあたりの作品を見ていたら自然と頷ける。
明治の夢のあり方の一つ、それを具現化している。

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斎藤は師匠の鹿子木孟郎についてフランスに渡り、ローランスに師事する。
ローランスは泉屋博古館に作品があるのが知られているが、歴史画の大家でアカデミズムの画家である。
鹿子木はローランスの教えを身に着けるが、若い斎藤はそれよりも同時代のポスト印象派の方に惹かれた。
20世紀初頭、ポスト印象派の台頭はあったが、アカデミズムもまた不滅の輝きを見せていたのだ。

初秋(眠れる女) 1909 桔梗のそばで気持ちよく眠る女。半ば膚をさらしている。鼻の穴の形が目に残る。

木陰 1912 これはシャヴァンヌの影響を受けた作品だというが、なるほど構成も題材も確かにその通り。時折見る絵だが、木のそばの二人の裸婦が好ましい。

1917年の文展に出した「秋」がパクリだと中傷され、撤去という事件があった。
しかしそれが誤解だと認められている。迷惑な話である。

斎藤は1919年に大阪日日新聞の学芸部次長として大阪暮らしを始めた。勤めは翌年にはやめているが1936年まで大阪暮らしを続けた。その間に関東大震災もあり、大大阪の時代もあり、面白かったろうと思われる。
その後は豊島区に転居している。

バラ 1934 染付瓶に濃い色の花。これが林武風な味わいがある。

K子像 1937 チラシ。長女を描いたという。
着物の色合い、室内の感じなど明るい要素が詰め込まれている。「日本の洋画」である。

台湾の娘たち 1939 三人の娘さんたちのバストアップ。丸顔、びっくり顔、正面向き顔、それぞれ面白い。

帰国したあとの斎藤はフォーヴにも影響を受けている。

薔薇咲く庭(朝 薔薇と少女) 1939 太くしっかりした輪郭線と濃いめの色彩でハキハキ。
 
つつじ 1935 室内にいくつか鉢植えがある中の躑躅の鉢。室外も見えている。何故躑躅の鉢を室内に入れるのだろう。黒田清輝の躑躅を思い出すような繁茂。
ちょっと室内の方がいいのかもしれない。

晩秋の赤城山 1946 戦後である。クレパス風な色彩。そこに紗を掛けたような抑制があり、ある種の静けさがある。

花を挿す 1949 こちらもクレパス風。座敷で椿と梅とを活けている。

花あそび 1950 女児らが遊ぶ様子。ドニ風。

1950年代になり、斎藤の絵が童画風になった。谷内六郎や茂田井武の仲間のような絵を描いている。和やかでほのぼのとした可愛い絵である。

夏の朝 1952 蓮池に小舟を出している。竿を取る男と、大蓮を採る少女。
「少年の頃」もまた蓮だね。

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秋海棠 1950 猫が可愛い。これは今回の展覧会でも特に人気の一作だという。やっぱり猫好きが多いなあ。

ひばり 1952 あげひばり。空を見上げる姉妹。和装の姉と洋服の妹。和やかなある午後。

古都の春 1953 奈良へ家族旅行した時の情景がモデルらしい。池のほとりで鹿にせんべいをあげたり、日傘をさして歩いたりする家族。
てっきり猿沢の池だと思っていたが、正倉院そばの池だというが、「みろく池」だというのか?大仏池とはまた別?わたしはちょっとわからない。
和やかでいいなあ。

勝浦温泉 1953 これがまた和やかでいい絵で。宿の中、懐かしの九官鳥がいる。袖なしのワンピースの少女が可愛い。

裏磐梯 1953 山頂の緑と削られた赤膚との比較。五色沼もみえる。
10年ほど前に行った時と案外変わらない。
会津磐梯山は宝の山よ~
會津パンダ遺産というのをこないだ見てウケたなあ。

十五夜 1954 月の見える室内で琴を弾く婦人。正面顔もほのぼの。さらっと描けそうな感じの目鼻立ちが優しい。

読書する少女 1955 ピンクのセーターの少女。籐椅子、白椿、いいアイテム。

秋の果物 ザクロ、クリ、ブドウ、柿などが熊谷守一風な筆致で。

年降るごとにどんどん形がシンプルになってゆく斎藤与里。

山峡秋色(多治見の秋)1957 もこもこした形のものが描かれていて、それが山や川の岩だったりする。

黒猫と秋海棠 蹲って寝る黒猫。表情はわからない。幸せそう。お庭でスヤスヤ。

鞆の浦 1959 こちらもぽこぽこもこもこな景色。

ぶどう摘み もう本当に童画風で、温かなキモチが湧いてくる。日常のささやかな幸せを感じる。

もっと早く見に行くべきでしたなあ。

「ワン・ニャン・鳥さん大集合」

既に終了したが中目黒の郷さくら美術館の「ワン・ニャン・鳥さん大集合」展は楽しい展覧会だった。
現代日本画のみを収集する美術館として知られているだけに今回も、1970―2015年の作品が集まっていた。
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竹内浩一 戯画 女郎蜘蛛とねこ おお、リアルな猫。6匹のシャムにアメショーが一匹、彼らが上から糸で降りてきた女郎蜘蛛にコーフンして暴れる図。


漢字の変換は「絡新婦」と出たが、それは妖怪らしい。ここで暴れる猫たち、妖怪退治もいけそうですな。

武蔵原裕二 連作の200号の絵が出ている。もうほんと、犬犬している。
108匹犬図 遊 こちらには26種の犬が描かれている。ボール遊びに皆夢中。わんわんとたいへん。

108匹犬図 食 長いテーブルの上にはパーティの御馳走が。犬たちも勝手な饗宴に夢中。とんだ晩餐会になった。フルーツもケーキもあるから、これはヒトのパーティの御馳走だったのだよなあ。ワインに「SATOSAKURA」とあるのはご愛嬌。

白い妖精 よく肥えて…

加山又造 洋猫 もちろんシャムネコ。又造さんのシャムネコ。ただし1970年の猫だから線は鋭すぎるくらい鋭い。振り向く黒シャムちゃん。

河股幸和 雪の華 白い紀州犬のりりしさ。雪の中にいる紀州犬。
ところでわたしの中では紀州犬=高橋よしひろ「銀牙」の忍犬・赤目さん。先祖代々伊藤家の巻物を守り続けた忍者犬の棟梁ね。今も連載中。

芙蓉 薄紅と白の花の下、ぶちの猫のうっとりした様子がいい。

幸田史香 春うらら 枝垂桜がはらはらと散る中、花びらの行方を追うように、キジやんの猫、振り返る。

松村公嗣 夏日 人だけでなく、犬も猫もぐったりです。

林功 遠い風 小舟と茶色い犬と。

家本佳生琉 芳信 梅が咲いて春が来たことを告げる。秋田犬がキジと一緒にいる。

壁面を覆う猫・猫・猫・猫!!!
金木正子 ねこもよう 四季シリーズ!!!
春夏秋冬を100号ずつ描くが、四季それぞれ違う種類の猫たちであふれている。!
背景には様式的な丸文の花。春は桜、夏は睡蓮、秋は菊、冬は梅花藻のような水仙。
金地に花と猫たち。各20匹ずつ!
春はカツギ、夏は三毛、秋は白、冬は黒。
あ゛―――可愛すぎる!!!
一匹一匹皆あたりまえだけど、柄も顔つきも表情も仕草も気持ちも違う。可愛すぎる!
中でもカツギの黒地の多いタビのちび猫、不逞なつらつきでこっちに向かって片手をあげている!!あーもー、ほんまにこんなに現実に居たら飼えないし世話も出来ないけど、それでもこんなけいたら…うちも大抵ようけ猫がいるが、ほんまにこんな状況なら…
見ていてすごい幸せなキモチになる連作でした。
作者の金木さんは24歳の猫と同居していたそうな。それがさすがにもう彼岸の彼方へ行ってしまったので、深い喪失感を味わっていたそうです。
立派やなあ。24年も生きる猫なんてわたしは見たこともないわ。「茶ちゃん」。いいご家族やってんなあ。茶ちゃんもしあわせな一生やったと思う。

コーフンしたなあ。
次は鳥さんコーナーなんだが、申し訳ない、やっぱり猫が好き。

上村淳之さんの鳥の絵はよかった。尉鶲が飛ぶ図。

鈴木紀和子 誘い 枝垂桜にメジロと雀。この人の絵、見たことがある気がする…知らぬ間にどこかのギャラリーで見ている気がする。
可愛らしい鳥たち。

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ここは桜の絵を必ず常設で見せてくれはるので、そちらも楽しむ。
角島直樹 春朧(醍醐寺) 凛々しい塔。そう言えばいまだに行ってないなあ。

大河原典子 桜月夜 これは八重桜で「普賢象」。造幣局の通り抜けのところに咲いている。

曲子明良 琵琶湖四題 春朧 萌黄地に竹生島が浮かぶ。その上空に桜が広がる。

中神敬子 水鏡花 セピア色に墨絵で水面に浮かぶ花びらを描く。幻想的で美しい絵。

名古屋剛志 ハルノナガユメ 実相寺の夜桜を描いた、とある。山梨にあるお寺だとか。
赤い和傘がアクセントになる。デザイン性の高い絵。


高木かおり 遠い春の記憶 府中市郷土の森博物館にある古民家の格子窓から見る桜。
これを見て、それまで関心のなかった府中市郷土の森博物館へ行きたくなった。
古民家から近代建築まで復元した建物を設置しているのか。

戻るとまた猫ばかり見て回った。
この展覧会を見たのはシルバーウィークの頃で、家の猫どもから離れている最中だから、猫不足で淋しかった。
絵であっても80匹の集団、そして他の猫たちとこうして<交流>出来てとても嬉しい。
ああ、またこんな展覧会が見てみたい。
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