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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

2015.10月の記録

10月に見たものです。

20151003 旧ハンター住宅(王子動物園内) 建築探訪
20151003 宮本輝 神戸市文学館
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20151003 名所へのいざない 頴川美術館
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20151003 関西の彩り 近代日本画を中心に 白鹿酒造記念館
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20151003 白鹿、白鷹の酒蔵見学 建築探訪
20151008 京都府庁 建築探訪
20151009 琳派 京の彩り 京都国立博物館
20151010 伊東深水と永井荷風 『南方風俗スケッチ』と『断腸亭日乗』から見る戦時下の風景 市川市芳澤ガーデンギャラリー
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20151010 郭沫若旧宅・木内ギャラリー 建築探訪
20151010 村松秀太郎小品展「失楽園」挿絵など 木内ギャラリー ギャラリー
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20151010 柳田國男 日本人を戦慄せしめよ 神奈川県立近代文学館
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20151010 大仏次郎の愛した舞台 バレエも、歌舞伎も 大仏次郎記念館
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20151011 アルフレッド・シスレー 練馬区立美術館
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20151011 歌麿・英泉・北斎 礫川浮世絵美術館名品展 浮世絵太田記念美術館
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20151011 伊東深水が見た像(リアル) 美の軌跡・素描 伊勢半紅ミュージアム
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20151011 わたしの好きなシロカネ・アート 松岡美術館
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20151011 オットー・クンツリ 東京都庭園美術館
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20151011 「祇園閣」岩崎和雄写真展 富士フォトサロン ギャラリー
20151011 小村雪岱 「忠臣蔵」「遊戯菩薩」「闇に開く窓」 銀座三越
20151012 屏風絵 津雲邸所蔵品 ギャラリー
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20151012 青梅・津雲邸 建築探訪
20151012 町立湯河原美術館所蔵名品展 青梅市立美術館
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20151012 浮世絵から写真へ 江戸東京博物館
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20151012 江戸から明治へ 常設 江戸東京博物館
20151012 アジアへの旅 東京国立博物館
20151017 京産大図書館所蔵優品展 京産大むすびわざ館
20151017 武蔵野の禅刹 平林寺 花園大学博物館
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20151017 比叡山 みほとけの山 大津市歴史博物館
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20151018 国立美術館巡回展 洋画の大樹が根付くまで 小磯記念美術館
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20151018 日本衣装絵巻 卑弥呼から篤姫の時代まで 神戸ファッション美術館
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20151018 小松益喜・川端謹次 戦後・神戸洋画壇の輝き 神戸ゆかりの美術館
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20151018 酒器と神獣 神、人をつなぐ美術/オリエント絨毯 楽園を描く・人を彩る 白鶴美術館
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20151018 筑前・黒田家が伝えた名宝 福岡市美術館のコレクションより 香雪美術館
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20151024 蘇州の見る夢 前期 大和文華館
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20151024 北野恒富と中河内 大商大商業史博物館
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20151024 美術とインテリアの出会い 高島屋・装飾事業のあゆみ 前期 高島屋史料館
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20151024 スヌーピーと仲間たち大集合 大丸心斎橋
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20151025 俳画のたのしみ 近世編 伊丹市立美術館
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20151025 ドーミエ・ゴヤ  伊丹市立美術館
20151025 国姓爺と近松 尼崎市立文化財収蔵庫
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20151025 ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム 兵庫県立美術館
20151025 バウル・クレー だれにもないしょ 兵庫県立美術館
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20151025 新旧対決 兵庫県立美術館
20151031 立売堀ビル・長瀬産業・今橋ビル・大同生命・コダマビル・フジカワビル・新井ビル・大阪証券取引所・天満教会・くらしの今昔館・原田産業・農林会館・山本能楽堂・オリックスビル イケフェス 建築探訪
20151031 通天閣 新天井画「原画公開」 クラブコスメ
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いいものをたくさん見た月でしたなあ。

和歌の世界

名古屋の昭和美術館に出かけた。
一番の目的は文化の日に公開の南山寿荘を拝見することだが、同時に「和歌の世界」を愉しんだ。

いりなか駅からまっすぐというが、地図に現れない物凄い坂を上り下りした。まるで双ヶ岡を端から端へ歩いたようである。しかもすぐに現れた岐路、これが地図と違い、大きい。
地元の方が現れて、一緒に歩いてくださらなければ、わたしのような方向音痴は一体どうなっていたことか。
それにしても本当に凄い坂…

南山寿荘は別項で挙げるにして、今回は「和歌の世界」の簡単な感想を挙げる。
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和歌の神様は住吉さんだったか、和歌の生き神様は柿本人麻呂である。その肖像画がある。
いつものようにぺたりと坐り込んで片手をちょっと背後について、もう片手で筆を持つ、というポーズではない。
バストアップで上空を見ながら軽く口を開け、筆を持つという姿。
月僊の絵に本居宣長の賛。
(人麻呂が登場したことで自分の時代が終わったと悄然とするのは額田王だったな…)

永楽妙全による像もある。こちらは座る人麻呂。
遠目には道八の狸も長八のおやじさんも妙全の人麻呂も大差がなかったりする…

紀州本万葉集 この解説を読んで「!」となった。そう、万葉集の研究者の仙覚の校合した「仙覚本」と「非・仙覚本」とがどちらもここにあったのだ。仙覚本は11-20巻、非はそれ以前の巻。ちょっとびっくりした。

亀山切 伝・紀貫之 あ、この表具…「清水裂」だな。和歌よりそちらの方が気に入った。

古今集、詞花集、石山切、それから下って室町、江戸時代の写本が現れる。
建礼門院右京大夫、伊勢物語、三十六人集・・・

何を書いているのか読めないような細く繊細な書体。
鑑賞するためだけの書体。
そう言い切ってはいけないのかもしれないが。

古瀬戸尻膨茶入 銘・伊予簾
いよすだれの歌 小堀遠州
伊予簾添え状 小堀権十郎
1つの茶入れに和歌とその歌の成立についての文章などもつく。
権十郎の書はなかなか味のある文字。

尾張徳川家の至宝「初音」のその写しの愛らしい三段香箪笥があった。
小さな扉を開くと三段の抽斗がある。紅梅もきちんと再現。

艶めかしい美女が描かれた「時代不同歌合絵巻」もいい。
天下の美男であろうとも業平を見るより、ここでは美女を見る方が楽しい。

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染付玉章香合 玉章とは手紙のことだが、このATOKはたまずさを知らないんだな…
玉章は玉梓でもある。だから玉梓も出ないわけだ。
例「わーれーこーそーはー玉梓が怨霊~~」
結び文の形に染付でロバに乗る人の図。明代。
それで「結び文」と打とうとしたら「結び踏み」と変換してくれましたわ。
…なにやら縛られた誰ぞを踏んでるような…

八代集之抄出類聚 これはまたいい字。

松下人物螺鈿組硯箱 清朝  舟に乗る人、松の下にいる人、花や竹、縁周りには笠の連続文。きらきら綺麗。

紹鴎袋棚 これは綺麗な赤光りする棚で、そこに砂張水指がはみ出ている。

東園三十勝 松平定信  鳥の子紙で上下に緑色に珠を追う竜の文様が入る。中には鴛鴦の透かし。

竹蓋置 二つ並んでいて可愛かった。大きい方を夏冬、小さい方を春秋と呼んでいるそうな。

和歌のことはわからないにしろ雅であったなあ。

12/6まで。

豊かなる朝鮮王朝の文化 交流の遺産

徳川美術館と館内でつながる蓬左文庫では「豊かなる朝鮮王朝の文化 交流の遺産」展が開催されている。
これがとても面白かった。
古文書を並べているだけでは「ああ…アタマが痛い」のわたしだが、見せ方がいいので「もっと見たい」という気にさせられた。
大方は蓬左文庫所蔵品。それ以外は別なところから。
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第一章 書物から見る朝鮮王朝と日本
一.朝鮮本の世界
王朝時代に鋳造した活字などが展示されていて、そこからまず惹き込まれる。

資治通鑑綱目  宋・朱熹撰 朝鮮・思政殿訓義 150冊の内 朝鮮王朝16c刊行  これはまた力強い活版印刷。とても大きな字。それにしても「資治通鑑」が一般変換されるというのは凄いな。そんなことにも感銘を受けている。
司馬光というとすぐに子供の頃の甕割事件を思い出す。あれもやっぱり冷静で賢いからこそ出来ることなのだが、まぁちょっとニクソイところもあるね。
この本なども大事に伝えられてきたのだろう。

「トンイ」などの韓流歴史ドラマを見ていると、書物がいかに大切にされていたかを思い知らされる。そのことを思いながらこの活字をみる。

活字から展示物を見る、ということをしている。
それがとても面白い。

分類補註李太白詩  唐・李白撰 宋・楊斉賢集注ほか 15冊の内 朝鮮王朝16c刊行  唐の大詩人の詩の勉強はこの時代もやはり盛んだったわけか。
東アジア圏の文化の父は中国、兄は朝鮮、というのを改めて想う。

剪燈新話句解  明・瞿佑撰 朝鮮・尹春年訂正 林芑集釈 2冊の内 朝鮮王朝 1559年刊行  おお、瞿佑のあれの。日本では「牡丹燈籠」が有名。その解釈本か。

内訓 朝鮮・昭恵王后撰 4冊の内 내훈 朝鮮王朝・1573年宣賜  漢字とハングル文字とがそれぞれ並列。全く読めないが、こうした二か国語以上が併記されるのを見るのはとてもときめく。
たぶんロゼッタストーンを思い出すからだろうが。

楽器図 2面 악기도 江戸・17C 徳川美術館  元は障壁画だったのを剥がしたらしい。
色んな楽器がわりと即物的に描かれているのだが、白のキジネコがニャアと座っているのが最高に可愛い。朝鮮の猫図はどれもこれも愛らしすぎる。
これは狩野派辺りが写したものらしい。朝鮮の楽器については「トンイ」、絵画関係は「イ・サン」などで日本でもおなじみになった。

救急方 朝鮮・闕名賛 2冊の内 구급방 朝鮮王朝・16C刊  この活字もハキハキしている。
凍傷の手当ての方法などがある。小豆半升を煮るとか何か書いてある。煮てどうなるのかがわからない。食べさせるのか、凍傷部分に当てるのか…

二 朝鮮本と日本の書物文化
こちらの古い活字にもとても惹かれる。

駿河版銅活字 23箱の内 江戸・1606および1616年 印刷博物館  これまた凄くいい活字。カッキリしたわたし好みの字体。こんなのを組んで活版してたわけか。

白氏五妃曲 唐・白居易撰 1冊 江戸・1603年刊 個人蔵  
長恨歌 琵琶行 唐・白居易撰 桃山-江戸・1596-1615年刊 個人蔵
どちらも素敵。白楽天の紡ぐ物語詩にはときめくものが多い。
そして両方とも素敵な活字。

帝鑑図説 明・張居正 呂調陽同撰 6冊の内 1606年刊  わるい皇帝・いい王様のお話ですな。この活字は秀頼版の。
ところで1606年を「江戸時代」表記するのは、ここが徳川美術館だからか。
改めてわたしは声を大にして言うぞ、「わるいのはぜんぶ #家康のせいだ」
ハッシュタグ付で言ってみました。
 
有名どころの本が色々。
史記 漢・司馬遷撰 49冊の内 江戸・1603年頃刊
方丈記 鴨長明著 1冊 1596―1615
白氏文集 唐・白居易撰 18冊の内 江戸・1618年刊
なんだか嬉しい。

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第二章 高麗・朝鮮美術と日本
一 高麗の仏教美術
思えばこの章に現れるものたちは大和文華館で見ているものの仲間なのだ。

紺紙金字華厳経 巻第四 감지금자화엄경 권 제4 高麗・14C中期 徳川美術館  見返しにほとけたちの絵があるのは高麗の特徴。ベカーーーッと金色の絵。諸仏金綺羅金。しかし釈迦か毘盧遮那仏かよく知らないが、一人だけ白い顔に緑青色の白毫を見せている。

紺紙金字華厳経 巻第二十三 감지금자화엄경 권 제23 高麗・14C中期 個人蔵  こちらは見返しの諸仏はみんなで仲良く入浴中のような風情がある。

紺紙金字華厳経 巻第五十九 감지금자화엄경 권 제59  高麗・14C中期 徳川美術館  入法界本16.ちびっこが善財童子。諸仏は長身。

菊唐草文螺鈿経箱 국당초문나전경상 高麗・12C後期-13C 徳川美術館 小さな菊が鏤められている。これは先年大和文華館に入った箱とよく似ている。同時代のものだからだけでなく、もしかすると同じ工房のものかもしれない。

地蔵菩薩像 지장보살상 高麗・14C 徳川美術館  頭巾というか被り物というか帽子をかぶったお地蔵さん。大きなお顔である。

二.工芸品
やきもの・墨・文具・錦…こちらは全て徳川美術館の所蔵品。

朝鮮王朝のだから三島とか粉引とか井戸に斗々屋に刷毛目などなど。
わたしはやきものは高麗青磁がベストなんですよ。
でも李朝の白磁の佳さも尊い。

鉄絵算木手花生 철회 산가지통 꽃병 朝鮮王朝・16C …見たことあるなあ、あっっ!
森ビルそっくりだった。

白磁四方鉢 백자 사방사발 朝鮮王朝・16-17C  見込みに貫入と青タイルのような釉溜り。

渭原葡萄硯 위원 포도무늬 벼루 朝鮮王朝・17-18C  四角の枠の中に葡萄、サル、碁を打つ人、働く人などなどが刻まれている。碁打ちを見る人もいるから、これは「爛柯」の話をさすのかも。

渭原寿山硯 위원 수산 벼루 朝鮮王朝・17-18C  やや雑な感じにも見える。
渭原硯は鴨緑江の支流・イゲンの岩から作られたもので、名品だという。

朝鮮墨が数本並ぶ。もしかすると初めて見るのかもしれない。
中国と日本ものは見ているが。
烏玉という名称をみるだけで黒々とした墨の様子を想う。

鹿唐草文螺鈿軸筆 一対 녹당초문 자개붓 朝鮮王朝・16-17C
古銅唐草文銀象嵌水注 고동당초문 은상감 연적 朝鮮王朝・15-16C
砂張耳付筆洗 손잡이 달린 놋쇠 필세 朝鮮王朝・16-17C
草花禽獣銀象嵌鉄水滴 초화금수 은상감 철연적 朝鮮王朝・16-17C
両班の暮らしに欠かせない文房具たち。

丹地紗綾形吉祥文朝鮮錦 붉은 바탕 연속만자길상무늬 조선 비단 朝鮮王朝・17-18C
浅葱地龍・波濤文朝鮮錦 하늘색 바탕 용/파도무늬 조선 비단 朝鮮王朝・17-18C
白茶地雲に鳳凰丸文朝鮮錦 담갈색 바탕 구름에 봉황무늬 조선 비단 朝鮮王朝・16-17C
うーむ、わたしはあんまり見ないほうだが、やっぱりこういうのを見ると韓流時代劇を思い出すねえ。

第三章 朝鮮通信使と両国の交流
一 朝鮮通信使の饗応と交流
絵図や献立やナンダカンダを見ると、その当時いかに朝鮮との関係が深かったかを知らされる。

二 祭礼のなかの「唐人」と朝鮮通信使
こちらなどでもなにやらすごい迫力の胴掛けまであるし…

何も考えずに見に来て、本当に拾い物のすごい展覧会を見た。
ああ、これは観ることが出来てよかった。
11/8まで。

なお、チラシのタイトルの「朝鮮王朝」の文字も活字から拾ったそうだが、それだけ見てもカッコイイなと思った。

相応寺屏風と「茶の湯の名品」

徳川美術館に行った。
行くと顔ハメ看板の武者たちと館長トクさんの人気投票の結果がでていた。夏に行ったときは投票中だったが、もう開票されて、トクさんが優勝していた。よかったなあ。

ここは刀装具、茶の湯、能、室礼、奥道具などの展示室があり、それぞれ期間を決めて展示されている。
わたしが見たうちでとてもよかったものを少々挙げる。

拾得図 伝・賢江祥啓 室町 箒を持った拾得が向かって右向きに顔を上げて笑っている。おでこが後退し始めているが髪はさらさらで案外いい顔に見える。
ヒョウ柄の腰巻をつけている。

金欄手唐子文仙盞瓶 明 腹の表裏に唐子がそれぞれいる。下帯一つの唐子が可愛い。瓶の蓋のつまみは見返り狐らしきもの。

染付唐子文仙盞瓶 大明嘉靖年製 四人の唐子がご主人の外出を演じている。春駒のようなものにまたがる子供、傘の代わりに蓮の葉を差しかける子供などなど。

奥道具を見にゆくと、そこで相応寺屏風が出ていた。
これはたいへん嬉しかった。現物を見た記憶がないからだ。いつも画像か複製の一部だけ。
八曲一双の大きな屏風に様々な遊楽の情景が描き込まれている。 

もう本当に全体から享楽的なエネルギーがあふれだしている。
右1,2では泳ぐ人、けんかするらしき連中、そんなの関係なしに宴会に興じる人々。
右3,4では屋内でものを食べたり、座敷で猿回しを見たり。外ではカットハウス、矢売、座頭と犬などの様子が活写されている。
右5,6は餅を焼いてイートイン、大変おいしそう。乞食もいる。巨大な松の木が描かれている。
右7,8は能。黒式尉かな、あの黒い面は。その下方では大きな邸内で衣裳あわせ中。
更に凄いのが左隻。
左1,2 三人漕ぎ手の船がその屋敷へ向かってやってくる。享楽の館。籠で向かう人もいる。舟をこぐのも娯楽の一つに見える。
左3,4 つたの絡む屋敷の塀。前では群舞。三味線弾くのは太夫と盲人ともう一人。
台所もよく描けている。本当に活気に満ちたいい絵。
左5~8は室内。これがもう凄まじい。一階も二階も中庭も離れも大賑わい。蹴鞠するというよりサッカーに興じる男女、わいわいと元気いいのなんの。その一方で静かにお茶をする人々もいる。池もあり、渡り廊下の向こうの離れの浴室も立派。そこでは湯女もいてサウナを楽しむ。

多くの邸内遊楽図の元締め的な「相応寺屏風」。本当にすごかったなあ。

絵巻はあともう一つ出ていた。
掃墨物語絵巻 白粉と黛を間違えた娘さん。出家しようと剃髪するところからのを見た。秋の別れである。ひとには桔梗がたくさん咲き、朝顔も格子にからみつく。
北山に庵を結び、母と二人で暮らす娘。もう冬になっている。

常設だけでこんなにいいものがどーんとあるのだ。さすが尾張徳川家である。

次は特別展「茶の湯の名品」。
室町から桃山辺りの茶の湯を中心にしている。
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室町将軍家、わび茶、きれいさび、玄々斎と尾張徳川家といった章で構成されているが、例によって好きなものしか挙げられない。

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布袋・朝陽・対月図 足と手指で綾取りをする布袋。義満から家康、そして義直へ。

茶入れなども大名物のがいくつも並ぶ。
肩衝茶入 銘・靭、大海茶入、茄子茶入などなど。可愛いなあ。

柳燕図 伝・牧谿 綱吉―光友 柳の下をシュッと飛ぶつばくろ。一方、二羽は柳の葉影に隠れている。飛ぶ奴のカッコよさが目に残る。

古銅鴨香合 明 口を開けてるファンキーな鴨。首回りにビスがいくつも打たれているので甲冑ぽいのも楽しい。

白天目 武野紹鴎―義直 室町 白というより薄緑に覆われ、貫入が優しく入っている。
口べりに金覆輪。見込みに青緑の溜り。賞翫したくなる。

油滴天目(曜変天目) 油屋浄言―家康―義直 金 実に小さい☆キラキラな天目。チカチカして可愛らしい。

盆石 銘・初雁 遠州’s 桃山 ははあ、並び山の中腹に鳥がおるな。
これは削って出したのか。人工的な感じが強い。

ところで玄々斎と名古屋との関係が深そう。
ここへ来る前に先にいった昭和美術館でも玄々斎の関係をうかがわせるものがあった。

金彩鯱香合 斉荘(尾張家12代) 樂旦入 わはは、やっぱり金のシャチホコか~~
これに似たのを樂美術館でも見ているから、作ったのは一個二個ではなさそうですな。

不昧公の箱書きのある染付蓮唐草文水指もある。この人がいなければ江戸中期の茶の湯の在り様は変わっていたかもなあ。

尾張徳川家に伝わる茶道具の数々が並ぶ。
古瀬戸肩衝茶入 銘・虫喰藤四郎 室町 1673年には尾張家に入っている。骨喰ではないよ。あっちは刀、こっちは茶入。

小さ目の香合が集まっている。
螺鈿騎馬人物図香合 明―清 キラリと可愛い。
瑠璃雀香合 明 濃いめの瑠璃色で愛らしい雀。

ずらりといいものが知らん顔して居並ぶので、お客さんもわいわいと大騒ぎ。
見た日は茶道しているご婦人方が大挙して見学されてたのでこれ以上は観ていない。
それでも好きなものはこうしてじっくり眺めた。

最後に新収蔵品のお披露目。
そのうちでハッとなったのが一つ。
柿の蔕茶碗 銘・京極 京極家伝来 平瀬露香・佐野弥高亭旧蔵 佐久間将監・益田鈍翁・森川如春庵箱書 高松家寄贈
・・・すごい伝世品だ。あの猫好きオヤジの佐久間将監も主人だったのか。

こういうのを見ると「茶の湯」は奥が深いと言うよりも、進むほどに沼に沈むようだと思うのだった。

浮世絵から写真へ 視覚の文明開化

江戸博「浮世絵から写真へ 視覚の文明開化」展に行った。
去年あたりから開化絵の展覧会などもいいのが増えてきたが、今回はそこに写真も現れた。
上野彦馬の古写真の時代より、わたしは大正の都市散策者たちの写真にときめくのだが、しかし幕末から明治初頭の写真事情の面白さというものは、やっぱり捨てがたい。
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プロローグ
名所と遊楽の屏風が二点出ている。
作者不詳 上野浅草図屏風6曲1双 江戸前期  右隻を見た。浅草寺の桜の頃、隅田川も花見客の往来で賑やかである。鍋で宴会する人もいるから、こんな昔から日本人はやることが変わらないらしい。

菱川派 邸内邸外遊楽図屏風 6曲1双 江戸前期  こちらも右隻。舟遊びもしている。中洲もあり三味線を弾くのもいる。色子を連れたお大尽もおり、句会をする家もある。秋の行楽の頃。

第一章 日本の絵と渡来した写真 二つの世界
浮世絵の方は幕末の人気の絵師のが集まっていた。

北斎 冨嶽三十六景 御厩川岸より両国橋夕陽見 1831~33年  ベロ藍の綺麗さがいい。

英泉 蘭字枠江戸名所 永代橋 天保年間  虫食いがあるが、それが妙に綺麗。

英泉 今容音曲松の葉 富本風 天保年間  こちらもベロの綺麗な。傘をさす女。

英泉 四季美人図 春と秋とを見た。梅の下で文読む娘、川べりで文もつ女。わんころもいる。
この絵は初見。後期には夏冬が出る。

さて上野彦馬、下岡蓮杖、内田九一らの肖像写真や風景写真が現れた。
こういうのが出てくると、さっきまでの幕末浮世絵は「古き良き時代」の産物になってしまうのだよなあ。
尤もさらに時代が進むと、この時代の古写真もまた「古き良き時代」の産物になる。
過去のいいものは時代を経ると更にいいものになる、というシステム。

横山松三郎の写真を見て、ついつい笑ってしまった。
ポーズをキメさせるのが好きなのか、撮られる対象がそういう注文を付ける人なのかは知らんが、ほぼ全部がキメてはりますな。
中には女性南画家の奥原晴湖もいるが酔っぱらっているようである。
この時代にけっこうオモロイ写真が多い横山。

鈴木真一の写真の中には四歳の永井壮吉(後の荷風)もいる。可愛いがな。ところで全然関係ないが、ソーキチという名は知る限り4人いる。
斎藤宗吉(北杜夫)、富本壮吉(演出家)、津田左右吉(歴史学者)それからこの人ね。

明治も真ん中になるとだんだんとけったいな写真も出てくる。
江崎禮二のコラージュはなんかもうスゴイ。なんなんだという面白さがある。
1700人の赤ん坊、赤ん坊の大集合ものとかそぉいうのをコラージュするんよ。
しかも手彩色。これはまさか大真面目でこういうことしてるのか、それとも江戸時代の遊び心がここに復活したのか。
明治にもこういう面白さがあるのだなあ。

正直なことを言うと、明治維新があったことで、一旦日本人の諧謔性が停止してもたと思っている。 
上方はちょっと措くけど、江戸から東京になり、面白いものを排除されたように思っている。それはやっぱり地方から中央へ上がってきて支配層になった政府首班の連中がそもそも諧謔性を有していないからではないかなと思うのだ。
いや、政府首班の辺りはまだしも、その下でひたすらがんばって「日本」を国家として欧米並みにしようと懸命になった連中は、そりゃ面白いはずもないわな。
江戸の諧謔と言うのはやっぱり「愚かと言う徳」がないと存在できないのだと思う。
その意味で明治はあんまり面白くないのだ。

大正でまた面白くなって、戦前まではよかったが、そこから戦争でアウト。
戦後になってゆとりが出てくるまでアウト。そこからはまた面白くなったが、現在は多分この交互の時代の流れでいうとアウトの時代になりつつあるように思うね。

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第二章
明治の浮世絵が並ぶ。
芳藤、芳員、国周、周延、三代広重らの作品。
開化絵、横浜絵がこの時代に多く生まれている。

たまらんのが芳藤「開化旧弊興廃くらべ」。ちょっと拡大する。
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…ああ、負けてるなあ古いものたちは。
これぢゃ付喪神にもなれねへな。

芳幾の俳優写真鏡は妙なリアルさがあって、それがどれもこれも死相が現れてるように見えるのがこわい。

おかしいのが作者不詳で井上茂兵衛が出版した大久保とか岩倉とか三条などの連中の肖像画なんだが銅版の多色刷りはええとしても、その出来がもぉ殆ど横尾忠則。
いやーびっくりするわw

松斎吟光 大日本婦人束髪図解 ヘアカタログと言うべきかな。この人は安達吟光かな。絵が同じだ。

神奈川歴博で大々的な回顧展が開催された五姓田一家の作品もあった。
こんなのもある。
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コンドル夫妻ではないが、わりとコスプレしたがる人らがこの時代も多かったわけですなあ。
ボストン美術館のビゲローなんか三度笠の股旅スタイルしてたものなあ。

小川一眞の百美人シリーズがずらーっ。
本当に百人。スタジオの背景は同じでそこに百人の芸妓が現れて撮影。
凌雲閣百美人。

ところでここは中は売店もあった。エレベーターで上がり、いわゆる「十二階下」の私娼窟が広がるところから公園まで一望。
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この界隈をマンガで描いたのを見たのはたった二つだけ。しかもどちらも上村一夫。
明治半ばが舞台の「修羅雪姫」と大正半ばの「菊坂ホテル」。
前者は主人公の鹿島雪がエレベーターで十二階下を眺め、やがて流れの月琴弾きに身をやつし、私娼窟を牛耳る一家に入り込んで暗殺を行う。
後者は菊坂ホテルの主人の娘がホテル(高級下宿)の住人・谷崎潤一郎に誘われてやはり望遠鏡をのぞくが、そこである男の妾をする女に声をかけられるエピソード。
妾は本妻にここの望遠鏡で覗かれているという。

他のどの実在した塔にもない話がここになら存在しそうである。
東京タワーでもスカイツリーでも通天閣でもマリンタワーでも、そんな話は似合わないし、あったとしても面白くないだろう。

ここで国貞と二代国久の幕末の浮世絵百美人図が現れる。
写真の実在の美人たちに比べると、なにかしらたまらないような退廃美を感じた。
こちらも芸者たちをモデルにしたという形のシリーズで、新橋・柳橋・芳町の芸妓。
決まりきった様式の中で描かれているのに、たまらない官能性がある。

やはり幕末の頽廃した空気がわたしにはたまらなく魅力的なのだ。
それもそのリアルタイムにいたいというのではなく、過ぎた時代としての幕末に執着しているのだった。

シリーズもの、という意味なのか今度は古美術を写した図説などがたんと現れた。
松平定信「集古十種」、抱一「光琳百図」、蜷川式胤「観古図説」、大蔵省の「国華余芳」などなど…
真面目に古美術を学ぶにはやはり蜷川のそれや「国華」をじっくりと観ることから始めるべきかもしれない。


第三章

ここで凄いものを見た。
ガラス絵に写真の切り抜けを貼り付ける手法。ガラス絵自体は油彩と違い一発勝負の代物でミスは許されない。そこにこんなにたくさんの人物写真をよい位置に配置する。
…見た目以上に手の込んだ作品なのだ。
イメージ (42)

ガラス絵の技法については小出楢重がその著書にも記している。
青空文庫で公開中

とはいえここでばかり感心するわけにはいかない。
次がまたたまらない。
写真油絵という代物まで出てきた。

小豆澤亮一という人が生み出した技法らしいが、当人がその技法を秘したため、その死後はとうとう幻の技法になってしまった。
なんだかすごいわ。

エピローグ
両国らしくお相撲さんの肖像で終わり。

井上安治 小錦八十吉 多色木版 初代。なかなかハンサム。

佐藤寿々江/彩色 横綱 白鵬 2009 写真に手彩色したもの。あの巨大写真パネルの。
2013年まで佐藤さんの手彩色作品が掲げられていたそうです。
油光してピカーッ

面白い展覧会でした。12/6まで。

通天閣 新天井画 原画公開展

クラブコスメチックス文化資料室さんも今回のイケフェスに参加された。
いそいそと出かけると、(株)クラブコスメチックスから寄贈された通天閣の新しい天井画の原画公開と、その製作過程映像などがあった。
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初代通天閣が生まれた当時、中山太陽堂を名乗っていたクラブはエントランスの天井画をプレゼントした。
このチラシの右上にあるのがその当時の写真。セピア色なのでちょっとわかりにくいかもしれないが、ところどころ「おお」と納得もゆくではないか。
当時の原画は版画家の織田一磨。
わたしは織田一磨のファンなので、そのことを教えていただき、とても喜んだ。

戦争やなんだかんだあり、あれから百年の今、再びクラブコスメチックスから通天閣へ天井画の寄贈になった。
今回は織田の原画をベースにした沖谷晃司さんの「花園に遊ぶ孔雀図」。
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前回と違い今回は八角形ということで、完全オリジナル部分も製作することになった。
更に元の色がわからないというネックがあったそうである。
難儀な事態である。
それがどのようにして今回の美麗な絵になったか。
そのあたりのお話を伺い、さらに映像を見て、大いに「おおお」になった。
いやもう、本当にこればっかりは行って・見て・聞いて、で大納得の話なのだ。

お話を伺うと2000年の町田での織田一磨展の図録にこの原画の下絵がある、ということなので早速帰宅後チェックする。
イメージ (57)
ああ、ほんまや。

これで色彩設計も決まったようで、よかったです。
ついでにこちらは同図録にあった織田の孔雀図。
イメージ (58)
クリックすると拡大化。
なるほど納得。

しかし前回と違い今回の天井画は八角形なので、もう少し裾野に必要な花々が。
ということで、選ばれたのがこちら。
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何かと申せば、クラブの当時の洗顔料。
花柄をモチーフにしたパッケージデザイン。その花を画面に加えることになったそうです。
いいねー。
沖谷さんの下絵では孔雀と花菖蒲と言うパターンもあり、これまた面白い。

この日は見に行けなかったけど、また近々新世界に行って通天閣の新天井画を拝もう。
そうそう、お土産コーナーでは通天閣限定のクラブコスメチックスの化粧品もあるそうな。
冬が近づいてきたから、新世界に行ったら絵を見た後はずぼらやのてっちり、というのもええなあ。

ところでこちらはくらしの今昔館にある昔の大阪の街並み模型の一つ、天王寺ルナパーク。
初代通天閣がネオンピカピカ。


こちらは朝の様子


さすがに天井画は見れなかったw
やっぱり本物を見に行けということですな。

展覧会ではほかに歴代ポスターの内から優品を選んでいた。
北野恒富の美人画ポスターがとても好きだ。
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北野恒富の展覧会は現在大阪商業大学商業史博物館で開催中。
それと谷崎記念館「大谷崎と挿絵」でも恒富の絵が出ている。

あとはいろんなパターンの双美人マーク。「わたしに似た子はだあれ」と言いながら探すのも楽しい。
11/6まで。
次は来春4/1~5月末まで「”素肌の美を増す”化粧品」展。

秀吉の時代 桃山美術の光と影

逸翁美術館「秀吉の時代 桃山美術の光と影」をみる。
11/3までの文化探訪ラリーの間は無料。とはいえ明日はお休み。
基本的に桃山時代の作品ばかりで、それ以外については表記する。
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第一章 桃山美術の光 ―黄金・南蛮
案外これまで見ていなかったものが出ていた。

花鳥図 対幅 伝・狩野真笑 薄めの墨絵で右にはカンザキアヤメのような花と小鳥、左は鴨ップルが泳ぎ、その上空でツバメがパッ と腹を見せている。

豊臣秀吉像 画稿 伝・狩野光信 これはチラシにもなっているし、ここの名物の一つでもある。この肖像画がやっぱり秀吉のイメージに一番近い気がする。会うたことないから知らんけどね。

利休伝書 三幅 3通のうちの2通目が懐石料理の献立表で、秋のメニューが書いてある。松茸、赤貝、アワビ、卵焼、鴨…読んでて涎が湧いてきますわ。こういうのを吉兆の湯木貞一さんが再現とかもしてはるのやろうと思う。
ほんまに美味しそうです。

南蛮渡来風俗図屏風 一隻 土佐派 金型雲がもこもこ。ずらーっと並ぶ商店。とはいえこれは商店街ではないわね。まあお店の並ぶ道のところ。それで悉く店番が女。いろんな店屋さんがあるが、全て女主人またはバイト女子みたいなのが並ぶ。彼女らは一様に口を開けているが、それはなんでかというと、前を往く南蛮人御一行を見てるから。
「ガイジンやガイジンや」とは騒がぬだろうが、「イヤー珍し」とでも言うような顔つきでじーっと見ている。その外人さんらは積み荷の重たいのをごろごろと船に積もうとしているところ。桟橋はないので艀で。で、その船の構造がサントリー美術館所蔵の南蛮到来風俗図のそれとよく似ている。
乗り込もうとしているのか見学しているのか、伴天連も数人立っている。
この頃はまだまだ布教活動もしてたのでしょうかな。

法花蓮華文水指 明 可愛い法花の鉢。紫地で中は青。花は白くて花芯が立っている。
これくらいのサイズのは手元にほしくなるね。わたしは法花大好き。

砂張鉄鉢建水 朝鮮王朝15世紀 ほんまに見るからに托鉢グッズ。

存星丸銘々盆 1595 三枚あり、揃って赤地に金の龍の真向で手をパッとしてる柄。

ハンネラ花入 東南アジア これはまた大きい。肩のところに文様がたくさん入っている。むしろアンデス風な感じもある。

秋草蒔絵螺鈿聖餅箱 筒型のでこれは伴天連から発注されたものらしい。技術力の高さで魅了する。蓋には「IHS」。イエズス会のマーク。

花鳥蒔絵螺鈿洋櫃 付 籐編外櫃 いかにも桃山なビッシリ蒔絵でわたしはこの手のがたいへんニガテなのだが、隣にある籐で編んだその外櫃に惹かれた。
渦巻文が連続し、発注先のヒロン家の紋章らしきものも編みこまれている籐のボックス。涼しく風通し良さそう。これは欲しいわ。それにしてもこんなの初めて見るわ。
ちょっと調べたら日大のサイトにこの写真と詳しい説明がありましたわ。
こちら。

交趾黄鴨・萌黄鴨香合 明 セットもの。黄色と緑の鴨二羽。可愛いなあ。

宋胡録食籠小香合 アユタヤ王朝15-16世紀 このシャムには染付はなくて鉄絵なのだが、しかし何故青はここになかったのだろうか。ベトナムにはあったのに。
そんなことを考えるのも楽しい。

塗もの二種をみる。ちょっと意外な味わいである。
彩漆秀衡椀 綺麗な文様が入っている。有職菱文。艶やか。

根来朱箔絵蓋付片口 赤に黒というか、なんかもう経年劣化が味になるというワビサビ、そこからパンッと離れた明るく派手な朱塗りに金箔の綺麗な片口。
これ、桃山のですよ。うまいこと色落ちもせず伝世したものだなー。

イメージ (52)

第二章 桃山美術の光 ―かぶき・数奇
「傾き者」のかぶき。かぶいた、のかぶき。

片桐且元の茶会記、利休から前田利家への消息、織部から松屋久政への消息。
これらが見事に表装され後世の茶人の自慢となって茶席に出現する。

安楽庵策伝像 松花堂昭乗 気楽そうなおっちゃんの像である。なんとなく知ってるような知らんようなと思ったら「醒酔笑」の作者だった。あ、そうかー!な気分。で、なにか思い出そうとしたら、どういうわけか「閑吟集」の方が出てきたりするのだ。
なんでやねん。

隆達小唄 高三隆達(たかさぶ・りゅうたつ) この人の拵えた小唄が随分流行ったというのは知っていたが、実際の歌は知らない。ちょっと見るとソネットの形式に近いな。
恋歌ばかりか。だからわたしに無縁なのか。
「君が代」があった。

三十三間堂通矢図屏風 一隻 久しぶりに見る。ずーっと長い長い三十三間堂。枝垂桜も少々咲いて、浮かれた人もいて、じゃれ合いの掴み合い、裸踊りする奴などなど。
見物席も大勢でにぎわっている。

黄瀬戸あやめ手砂金袋鉢 これはまた黄瀬戸のあやめ手の器の中では最大ではないのか。とても大きい。

白天目宝珠茶入 室町-桃山 美濃産だがお伊勢さんの御師の手で運ばれたので「伊勢もの」と呼ばれているそうな。ふっくらした可愛い茶入。

井戸茶碗 銘・きたむき 朝鮮王朝15世紀 北向道陳所有のところからの銘。目跡は大4つ章1つ。外側の口縁近くにそばかすみたいな広がり方してるのもいい。

南蛮手付茶入 宗旦銘・いも 東南アジア …ほんまに「いも」と書いてある。

唐津大茶入 銘・阿闍梨 えらい大きいな。

織部茶器 むしろ白地の方が多いね。竹節みたいな感じ。

鼠志野草文長方平鉢 江戸時代 なかなかええ鉢です。要するにほしいな、と。

第三章 桃山美術の影 ―和敬清寂
影と言うても「光あるところに影がある。まこと忍者の栄光は闇に生まれ闇に死す サスケ、お前を斬る!」というわけではないです。

三鷺図 伝・呂紀 明 絵の左側に三羽の鷺がいる。けっこう眼を大きく瞠っている。

達磨画賛 烏丸光弘 江戸時代 ゆるいゆるい達磨。要するに外線は2筆書き、目鼻は ・し これだけ。

古備前ラッキョウ形へこみ徳利花入 でかっ!びっくりしたな。だいぶお酒も入りそうやけど、こんなけ凹んでたらあまり入らないかもしれない。

万字釜 辻与次郎 卍文と筋文が交互に来るのを筋卍文というそうで、それがびっしりと続いていた。

長次郎の赤「常盤」と黒「千鳥」が並ぶ。どちらもわたしはニガテ。桃山時代の派手華麗に対抗するわびさびか…
しかし必ず一つの時代には相反するものが存在する。

共筒茶杓「轍」山上宗二、「一葉」津田宗及、「長刀」古田織部 ほかにも宗旦や利休の拵えたのがあるが、いずれも黒光りしていた。利休のだけが長い虫食いがあったか。
力強そうな茶杓たち。

第四章 光と影とを  ―光悦・宗達
…早く「琳派」後期にいかねばならない。

12/13まで。
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