美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 **自宅でログイン出来ないので、現在「遊行七恵、道を尋ねて何かに出会う」で感想を挙げています。

北九州市 八幡市民会館 

先般、北九州に行き、主に村野藤吾の関わった建造物を見て歩いた。
随分時間が経ったのだが、ようやくこうして挙げてゆけるようになった。
まず北九州市の八幡市民会館を紹介する。
1958年の作品である。
なお、この建物と近くの図書館には解体の危機があるという。

撮影箇所などは意図的に挙げない。
出来る限り多くの方がこの建物を実際にご覧になり、保存の方向へ進めばいいと思っているからだ。

IMGP0100_201604271241122cf.jpg

IMGP0101_20160427124114c27.jpg

IMGP0102_20160427124115f0b.jpg

IMGP0064_20160427124239849.jpg

IMGP0065_201604271243201d2.jpg

IMGP0063_20160427124237340.jpg

IMGP0067_2016042712432453b.jpg

IMGP0068_20160427124325dca.jpg

IMGP0069_201604271243276e3.jpg

IMGP0070_20160427124343f46.jpg

IMGP0071_201604271243451af.jpg

IMGP0072_201604271243466f7.jpg

IMGP0073_20160427124348ffa.jpg

ここでロケをした映画の紹介もあった。
そして竣工当時の写真も並ぶ。








IMGP0074_20160427124349b1b.jpg

IMGP0075_20160427124609fd9.jpg

IMGP0076_20160427124610587.jpg

IMGP0078_20160427124614372.jpg

IMGP0077_2016042712461254c.jpg

IMGP0079_20160427124615b5f.jpg

IMGP0081_201604271246435ed.jpg

IMGP0082_20160427124644951.jpg

IMGP0083_20160427124645ff8.jpg

IMGP0084_201604271246476bb.jpg

ホールの様子。先ほどもちらりとみたが、中に入る。
IMGP0085_201604271249233ee.jpg

IMGP0086_20160427124925173.jpg

IMGP0087_20160427124926f32.jpg

IMGP0088_20160427124928a73.jpg

IMGP0089_20160427124929e35.jpg

IMGP0090_2016042712495184c.jpg

IMGP0091_20160427124953b2d.jpg

IMGP0092_201604271249549ac.jpg

IMGP0093_20160427124956016.jpg

煙突を見る。
IMGP0094_20160427124957ef2.jpg

IMGP0095_20160427125154a3c.jpg

IMGP0096_20160427125155baa.jpg

IMGP0097_201604271251574c2.jpg

IMGP0099_20160427125200a2e.jpg

IMGP0098_20160427125158f5a.jpg

階段やちょっとした装飾に村野藤吾らしさを強く感じる。勿体ないと思う。
そしてご案内してくださった方々もこの建物をとても誇りに思っておられるのだった。
スポンサーサイト

北九州市立八幡図書館

こちらは市民会館の向かいの図書館である。
全面的にかかわったかどうかはわたしは知らない。
ただ、外観を見ると今は亡き南千里の駅前の建物を強く思い出す。

IMGP0066_201604271243221c7.jpg

IMGP0080_2016042712464198b.jpg

IMGP0103_20160427125703881.jpg

IMGP0104_20160427125705d1b.jpg

IMGP0105_20160427125835691.jpg

IMGP0106_20160427125837f92.jpg

IMGP0107_20160427125838710.jpg

IMGP0108_20160427125840633.jpg

IMGP0109_201604271258419b5.jpg

IMGP0110_20160427125920780.jpg

やっぱり可愛い。

2016..4月の記録

20160402 山水 理想郷への旅 大和文華館
イメージ (56) イメージ (57)

20160402 素顔の美を増す化粧品 中山太陽堂にみる商品戦略 クラブコスメ
20160402 宮西達也ワンダーランド ヘンテコリンな絵本の仲間たち なんば高島屋
イメージ (51) イメージ (52)

イメージ (53)
20160402 ド・ローラ・節子の和のある暮らし 阪急梅田
イメージ (54) イメージ (55)

20160403 培広庵コレクション 佐川美術館
イメージ (9) イメージ (10)

20160403 樂吉左衛門x織部 佐川美術館
20160403 大津歴博の名品 大津市歴史博物館
イメージ (83) イメージ (84)

20160409 永平寺とその寺宝 寺社
20160414 中之島図書館 建築探訪
20160414 素顔の美を増す化粧品 中山太陽堂にみる商品戦略 クラブコスメ
20160416 永樂歴代と17代目永樂善五郎 日本の美 京のみやび 京都高島屋
イメージ (33) イメージ (34)

20160416 禅 心をかたちに 京都国立博物館
20160416 水 神秘のかたち 龍谷ミュージアム
20160416 木村伊兵衛 パリ残像 えき美術館
イメージ (23) イメージ (22)

20160417 蕪村の手紙 伊丹市立美術館
20160417 エドワード・ゴーリーの優雅な秘密 伊丹市立美術館
イメージ (46) イメージ (43)

イメージ (45)

20160423 暮らしの中の愛玩の品々 頴川美術館
イメージ (37)

20160423 三岸節子 私は燃え続ける 香雪美術館
イメージ (60) イメージ (62)

20160423 生頼範義 スター・ウォーズ、ゴジラを描いた巨匠の軌跡 明石市立文化博物館
イメージ (80) イメージ (81)

20160423 富岡鉄斎 近代への架け橋 兵庫県美術館
イメージ (55) イメージ (56)

20160424 絵ものがたり 藤田美術館
イメージ (68)

20160429 ファンタスティック 江戸絵画の夢と空想 後期 府中市美術館
イメージ (14) イメージ (15)

イメージ (17) イメージ (16)

イメージ (5)イメージ (6)

20160429 萩尾望都 SF原画展 武蔵野市立吉祥寺美術館
イメージ (12) イメージ (13)

20160429 ギリシャ神話へのまなざし 萩原英雄の版画 武蔵野市立吉祥寺美術館
20160429 黒田清輝 日本近代絵画の巨匠 東京国立博物館
イメージ (35) イメージ (39)

イメージ (37)イメージ (38)

20160429 生誕300年記念 若冲 東京都美術館
20160429 虎 東京国立博物館
20160429 黄金のアフガニスタン 守り抜かれたシルクロードの秘宝 東京国立博物館
20160430 奥村土牛 画業ひとすじ100年のあゆみ 山種美術館
イメージ (2) イメージ (3)

20160430 没後40年 高島野十郎  目黒区美術館
イメージ (65) イメージ (66)

20160430 万年筆の生活誌 筆記の近代 国立歴史民俗博物館
イメージ (26) イメージ (27)

20160430 柳田國男と考古学 国立歴史民俗博物館
20160430 生誕140年 吉田博 千葉市美術館
イメージ (70) イメージ (72)

イメージ (66) イメージ (69)

イメージ (67) イメージ (68)

イメージ (71)

20160430 四季のうつろい 時のうつろい 千葉市美術館

迎賓館の外周と外観など その1

先般、迎賓館が一般公開されたときに外観と外周などを撮影させてもらった。
内部は心の中だけで反芻する。
それで自分が撮ったものを挙げる。

門の辺り
IMGP0284_20160425163303e39.jpg

IMGP0285_201604251633041ab.jpg

IMGP0286_201604251633064e3.jpg

IMGP0287_20160425163307925.jpg

IMGP0288_201604251633099bc.jpg

遠景 
IMGP0289_20160425163320d27.jpg

IMGP0290_201604251633221c2.jpg

いよいよ。
割と早い目に入れました。
外観をパチパチ。
IMGP0291_20160425163323d11.jpg

IMGP0292_2016042516332516d.jpg

IMGP0293_20160425163326f4f.jpg

IMGP0294_20160425163503da5.jpg

IMGP0295_2016042516350528d.jpg

IMGP0296_2016042516350698c.jpg

IMGP0297_2016042516350753b.jpg

IMGP0298_20160425163509aad.jpg

IMGP0299_20160425163529831.jpg

IMGP0300_20160425163530c59.jpg

IMGP0301_20160425163532616.jpg

IMGP0302_201604251635337ac.jpg

IMGP0303_20160425163535fa7.jpg

IMGP0304_20160426123520945.jpg

IMGP0306_201604261235239cb.jpg

IMGP0308_2016042612352688c.jpg

葉牡丹すごいね。IMGP0305_201604261235224e0.jpg

次からは噴水。
IMGP0307_20160426123525468.jpg

IMGP0309_20160426123548dd0.jpg

IMGP0310_2016042612355055e.jpg

IMGP0311_20160426123552189.jpg

IMGP0312_2016042612422504c.jpg

IMGP0313_201604261235548d7.jpg

IMGP0314_20160426123746577.jpg

IMGP0315_20160426123748bf2.jpg

IMGP0316_2016042612374918b.jpg

スプラッシュ!!
というところで続く。

迎賓館の外周と外観など その2

続き。外観の残りなど。

IMGP0317_20160426123750344.jpg

IMGP0318_20160426123752c79.jpg

IMGP0319_20160426123826ccf.jpg

IMGP0320_2016042612382880e.jpg

IMGP0321_20160426123830f8d.jpg

IMGP0322_20160426124937fe9.jpg

IMGP0323_20160426123833f3f.jpg

IMGP0324_20160426124524226.jpg

IMGP0325_20160426124526cd7.jpg

IMGP0326_20160426124527c4a.jpg

IMGP0327_201604261245295b8.jpg

IMGP0328_2016042612453042d.jpg

IMGP0329_20160426124544c09.jpg

IMGP0330_2016042612454535e.jpg

IMGP0331_20160426124547d95.jpg

IMGP0332_20160426124548785.jpg

IMGP0333_20160426124550edf.jpg

IMGP0334_20160426124703882.jpg

IMGP0335_201604261247056c4.jpg

IMGP0336_20160426124706d23.jpg

IMGP0337_201604261247074a9.jpg

宮殿外のガゼボを撮るのを忘れた。またいつか。

日当たりが良すぎて逆光に逆らえなかった。
もう少し曇りの日に今度は行きたい。

中之島図書館をみる

住友家から寄付された施設というものが、大阪には大変多い。
建物だけでなく文化そのものを寄贈されたということを認識しなくてはならない。
その住友家の心意気に倣って、昭和の頃までは大阪の普通の市民からも様々な寄贈品があった。
そのことを知らずして「大阪には文化はない」と言ってはいけない。
そして「文化などない、どうでもいい」といった態度でもって、文化を破壊しようとした大阪市の前市長の所業を決して忘れてはならない。

住友家の寄贈の一つに中之島の図書館がある。
今では正門は開放されているが、かつては長らく閉ざされていた。
十年ほど前その正門が開放されるイベントに参加した。
偶然TVに映され、当時の社長から「建物が好きな人なんだねえ」と言われたのも懐かしい。

今回、その中之島の図書館の内外を撮影したので挙げる。

IMGP0001_20160425123621ed6.jpg

開放された美しい正面風景。

近寄ろう。IMGP0003_201604251236249aa.jpg

見上げる。IMGP0005_20160425123626955.jpg

階段廻り。
IMGP0006_20160425123638eae.jpg

IMGP0009_201604251236435cb.jpg

IMGP0010_2016042512364451b.jpg

IMGP0013_201604251239554e9.jpg

IMGP0014_2016042512395633e.jpg

IMGP0015_20160425123958b7c.jpg


照明
IMGP0007_201604251236393b1.jpg

IMGP0008_20160425123641daa.jpg

IMGP0011_20160425123951952.jpg

IMGP0022_201604251243120de.jpg

銘板がある。
IMGP0017_2016042512401604f.jpg

IMGP0020_20160425124020656.jpg

北村西望の彫像。
IMGP0018_20160425124017b56.jpg

15代住友家当主吉左衛門友純 号・春翠 肖像
IMGP0021_201604251243111ca.jpg

IMGP0024_20160425124316e1d.jpg


置かれていた家具IMGP0025_20160425124317797.jpg

素敵な彫刻IMGP0026_2016042512433114b.jpg

IMGP0027_20160425124332f11.jpg

IMGP0028_20160425124334a4f.jpg

IMGP0029_201604251243352fa.jpg

IMGP0030_2016042512433724d.jpg

IMGP0032_20160425124840b0d.jpg

IMGP0031_201604251248380ae.jpg

IMGP0034_20160425124841e09.jpg

ちょっと上がってみる。
IMGP0035_20160425124842c0b.jpg

IMGP0036_20160425124844441.jpg

IMGP0037_20160425124900e75.jpg

IMGP0038_201604251249021d2.jpg

模型など
IMGP0039_2016042512490456a.jpg

IMGP0040_201604251249058d3.jpg

帰る前にもう一度見上げる。IMGP0004_20160425123625cbe.jpg

またね。IMGP0002_20160425123622e15.jpg

外観と周囲
IMGP0041_20160425124907c31.jpg

IMGP0042_20160425125204862.jpg

IMGP0043_2016042512520686b.jpg

IMGP0044_20160425125207c20.jpg

IMGP0045_20160425125209621.jpg

中では小さな、しかし充実した企画展がよく開催されている。
またカフェも開室しているしショップも面白いものが多いのでおススメする。
なお、こんなファイルもある。
イメージ (66)

イメージ (67)

絵ものがたり

藤田美術館で「絵ものがたり」展を見た。
イメージ (68)
わたしは絵画や工芸品で文芸性を持つものが殊に好ましく思われるので、たいへん嬉しく眺めた。

源氏絵・伊勢絵がいちばん選ばれるところだろうが、それ以外にも物語は無限にある。
鳥獣戯画巻残闕 この模本はなかなかいい。
レースの様子。
イメージ (72)
狐馬に乗るウサギvs麒麟に乗る猿。

イメージ (71)
駆ける!

手に汗握る様子の観客たち。中には手をグーにして同胞を応援する狐もいる。
イメージ (70)
結構楽しめる。

枕持って谷間をうろつく菊慈童、物語の本質を衝いている気がするな。
イメージ (69)

野呂介石が黄公望の「天地石壁図」を模写したものが本物と一緒に並んでいる。
この模写をしたくて仕方なかったことを・出来てとても嬉しことを、野呂は記している。
絵の良さは正直よくわからないが、かなりな細密描写だと思う。ただ、原本より模本の方が柔らかな感じもある。

七夕をモチーフにした硯箱もある。
梶の葉を蓋の表に七枚水に浮かべる意匠。ただ、中に収めたセットのうち水滴は梶の葉ではなく楓、硯自体のレリーフは菊だった。

玄奘三蔵絵も9巻1段が出ていた。
王様に誘われて5年に一度の大がかりな法会に参加する玄奘。龍頭の船に二人のる。
近隣の王侯らは白象に乗ってやってきた。

葦手の綺麗な硯箱もある。紀貫之の和歌を鏤める。
チラシのは光琳の拵えた桜狩蒔絵硯箱。螺鈿の桜が可愛い。

師宣 大江山酒呑童子絵巻 勅命を受けて頼光らが住吉・熊野・石清水を拝みにゆくところ。
考えたら全部出かけてるわけで、大江山行くのより遠いところまであるな。

渡邊崋山による好きな歴史シーン集めましたレビュー集とでもいうべきノートが出ている。
歴史故事人物図 囲炉裏端に座る人が火を吐いてるから、一瞬菅公のことかと思ったが、風俗が違う。
イメージ (74)
解説を読むとなんとこれは利休居士。横でムカムカしているのが太閤。
利休も亡霊になってからようやく憤りを吐いているわけだ。
そしてここで太閤が叱りつけると利休の亡霊は後ずさりしたとか。
それで太閤は堀三十郎と言う当時15歳の美少年(と文中にはある)を呼んで後を見させたが、もう利休の姿はなかったそうな。
利休の恨みもいいが、その15歳の美少年の絵も見てみたかったな…
この元ネタは知らない。今回の展示で初めてこんな話を知った。

今回は最初に菊慈童、次に文中のみの堀三十郎と美少年の登場があったが、最後にまた可愛らしい美少年がいた。
古染付雲堂手花入 明  伯牙の御傍仕えの侍童、スゴく可愛い。この画像では分かりにくいが、まつ毛も長く鼻の形もよく、どこかペーソスを感じさせるような表情がとてもいい。
イメージ (73)

ああ、またいつか会いたいものだ。
6/12まで。

暮らしの中の愛玩の品々

松濤美術館へ名品展として出向いている頴川美術館の数々、ネットでの好評を聴くだけでファンとして、とても嬉しくなる。
さてその留守を守る様子を見に行くと、これがまたとても面白かった。
「暮らしの中の愛玩の品々」
イメージ (37)

春秋花鳥図屏風 景文 金屏風、右にトリ一家に白梅から牡丹、左は鶴に桔梗、黄菊、竹、南天。温厚な優しい、いい絵。

ここから始まって絵と工芸品とがいい具合に並んでいた。

つい先日見たばかりの永楽和全の可愛いやきものがあった。
紫交趾梅形鉢 全体に紫色の釉薬をかけて蕊の辺りを卵色の釉薬でまとめていた。
可愛いなあ。

ほかに明清の愛らしいやきものがごろごろしていた。
名品展に自慢の品々を出していてなおかつ、こんなにも深いレベルのものが知らん顔して現れるのだ。

尉姥図 景文 高砂の老カップルが機嫌よく立っている。爺さんは顔が大きい4-5頭身で、傍の婆さんは猫背である。
本当に昔の日本人の体形が描かれている。

蛭子大黒図 横山清暉  景文のお弟子。淡彩でご機嫌な二人組を描く。踊るえべっさんの背後で鯛が目を向いている。
大黒さんも俵の上でブーツ履いたまま鼓打っていて、これは「萬歳と才蔵」やわと思う。

鬼の念仏図 風花翁雲阿 大津絵のあれ。可愛い。梅逸や日根対山に学んだそうな。

ここからの工芸品はすべて個人蔵。
いいものばかりだった。

鎌倉彫雲錦文食籠 三橋了和 大正から昭和にかけて作られたもので、とても凝っている。
イメージ (78)
普通雲錦文は桜は桜・楓は楓と住み分けているのだが、この雲錦文は違う。
楓が指のような葉をいっぱいに広げて桜を抑え込んでいるのだった。
桜はそこから飛び出そうとするも、いまだに閉ざされたまま。アルカトラズ・雲錦文。
これはここの所蔵品ではないので、今回のチャンスを逃すと次にいつ会えるかわからない逸品。
作者は関東大震災で関西に逃れてきた。父祖は鎌倉仏師の中興の祖・26世鎌山の長男。関西に来てからは大徳寺と表千家の御用を勤めていた。

阿蘭陀松竹梅鶴亀文角皿 上田耕冲の絵付けである。めでたい絵柄。鶴も亀もファンキーで、松はええかっこして、梅も竹もキラキラしている。
イメージ (77)

昭和の根来塗もある。むろん剥落はないのでピカピカ。わたしは塗り物はピカピカな春慶塗がベストなので根来もこれくらいピカピカなのはほっとする。

桑流水文蒔絵茶托 前田南斎 これも大正から昭和のもの。水の流れが@@ぽい。

螺鈿四君子文香卓 藤一 明治の腕のいい職人の仕事。とても綺麗。桜に菊の文様。螺鈿の美を堪能する。

煎茶用具も並んでいた。
ここでも三浦竹泉のこしらえたやきものが色々出ている。
木米に倣うものもあり、達者なのを感じる。
持ち主の嗜好が見えるようで楽しい。

白泥ボーフラ これは急須。面白いな、素焼きなのだ。
蒟醤の盆もある。絵柄は沈み過ぎてわからない。
木瓜形の錫の茶托あるがこれは引手にしたい。
南鐐瑪瑙紐瓶はつまみが瑪瑙。愛らしい。

煎茶の用具も組む楽しみがある。
最近は煎茶の面白さを知るようになり、とても楽しい。
先ごろも静嘉堂の「煎茶の美」に大いに喜んだが、そもそも煎茶用具の良さを知ることになったのはこの頴川美術館のおかげだった。

四季花鳥図屏風 応挙 これは水辺の楽園とでもいった風情の絵で、鷺、翡翠、鴨たちも心得て、なかなかいいポーズを見せている。左の秋の様子はコガモとマガモのあららな様子もあり、雀たちも愛らしく、全く見飽きることはない。

小さな美術館だが、みるものは尽きない。
GWには松濤美術館へ出開帳する名品たちの陣中見舞いに行く。
とても楽しみ。

生誕110年記念 三岸節子 私は燃えつづける in 香雪美術館

昨秋の吉祥寺武蔵野市立美術館からの巡回で御影の香雪美術館に三岸節子展がやってきた。
毎春ここでは女性の画家を特集しているからこの巡回もそれに合う。
前回、三岸節子の熱に全身を焙られ、わたしもまた激しく燃えた。
今回は「まぁ巡回やし」と甘いことを考えていたが、そんな簡単に済むはずがない。
例によって三岸節子の強さ・激しさに燃え上がり、美術館を出たときには目は爛々、意気軒昂、来るなら来い、という状況になっていた。
三岸節子に倣えば「わたしも燃えている」というところだ。
そう、円地文子「私も燃えている」という名作もある。
素晴らしい諸先輩に敬意を表したい。

感想は一部重複するが、なるべく違う作品について書いていきたいと思う。
イメージ (60)
前回の感想はこちら

展示室は一階と二階にある。一階に入った時、明るい一隅に目を向けさせられた。
そこに初期の節子の絵が数点並んでいた。
好太郎の死後に幼い子供らがいることで室内画を制作していた時期の作品ばかりである。
だが、照明のメリハリがこれらの作品を際立たせていた。
隣の部屋から「お母さん」と言って入った時に子供の目に映る風景、そんな様相を呈していた。
日差しが入る室内、明るい気持ちの室内画なのである。
イメージ (61)
青のギンガムチェックのテーブルクロスにライムがゴロゴロ。日常の何気ない風景に見るものは喜びを感じる。

花 1949 これは茶色い花を瓶にいけてるようだが、どうみても茶色い大きな顔の猫がほっぺたをふくらませてその場に立っているようにしか、見えない。可愛いなあ。

1954年になりようやく憧れのフランスへ行くことのできた節子。
そこで作品が非常に力強くなる。

ノートルダム寺院 1955 ああ、凄い迫力。寺院がどんっっとそこに強く建つ。
決して壊れることのない強い建物。
鳥海青児のノートルダムを思い出したがあれとは違う強さがあった。
鳥海のノートルダムはチョコフレークを無限に集めたような厚みがあるが、こちらはそこまで厚くはなくとも自力で立っているような強さがあった。

二つの太陽 1967 まるでエジプトの墓所を描いたようにも思えるが、ここには強い生命力がある。
ハヤブサがとても可愛いのもいい。
たぶんハヤブサイメージ (64)

ブルゴーニュの麦畑 1980 非常に力強い黄色。なんかもう、この麦畑の中を大声を上げながら駆けずり回りたい。

ヴェネツィアの海 1985 今回、この絵に<出会えた>ことが最大の喜びだった。
十年前の展覧会でも見ていたはずだが、記憶がない。たぶん、今のわたしでないと感じ取れない良さがこの絵にはある。
臙脂色を濃く、薄く、海と空に使い、あるところでは臙脂の上にベージュが重ねられ、黒い鳥の群れを載せ、絵の枠外に空も海も続くことを教えてくれる。
異様によかった。
しかしこの絵は印刷物でもデジタル画像でも、本当の色は再現できないのだった。
だから自分の眼と記憶に頼りながらこの先生きてゆくしかないのだ。

花 1989 チラシの力強い花。今まで見ていなかったものを見た。何かと言えばこの花を活けていた瓶の絵。
イメージ (65)
わたしにはこの二人の性別は分からないが、とても魅力的な二人だと思った。


白い花(ヴェロンにて) 1989 こちらも瓶に惹かれた。花は白く、白い壺には騎馬の人が描かれている。アジアのヒトのように思われる。抹茶色の背景も珍しい。
イメージ (63)

太陽賛 1960 素描である。ところで三岸節子はこの絵のように太陽に顔を描くのがマイブームだった時期があるのだが、関西人の悲しさ、わたしはそれを見ると必ずサンテレビのゆるキャラ「おっ!サンテレビ」の太陽なおっさんを思い出すのだった…

彼女の出かけた装幀が並ぶ。「チャタレイ夫人の恋人」「夜のリボン」、雑誌「コドモノクニ」「女人短歌」「婦人之友」…
わたしはショップで彼女の手掛けた装幀・挿絵を集めた図録を購入した。

サクラクレパスを愛用した節子。今回はそちらの作品はなかったが、遺品紹介にサクラクレパス72色セットが出ていた。とても嬉しい。
実はわたしはクレパスをなんとなくまがい物のように思っていたのだ。
だが、サクラクレパスを使って力強い作品を描く洋画家たちの作品を見たことで、遅ればせながらサクラクレパスへの尊敬と愛情が湧きだしてきた。
その恩人の一人がやはり三岸節子だった。彼女の力強さがクレパスで存分に発揮されていることにとても惹かれたのだった。

イメージ (62)

さいたさいたさくらがさいた 1998 この絵を初めて見たのは1999年だった。「ああ、こんな老境に入っても力強く、元気で、そして見事な桜を描いている」と感銘を受けたのだ。それから日を置かずに彼女の訃報を聞いた。
だからこの絵は決してわたしの胸から消えることない。

ここで彼女の言葉が紹介されていた。
「生命に執着し、執念を燃やし」と節子は書く。
「今の私なら描くことができます。」
さくらの「美しさと怖さとを。」

美しさと怖さが混ざり合った見事な桜だった。
桜色の炎を噴きあげて、燃え続ける木だった。
最後の最後まで燃え続けていた画家だった。
ありがとう、三岸節子。

富岡鉄斎 近代への架け橋

兵庫県美術館で「生誕180年記念 富岡鉄斎 近代への架け橋」展が開催されている。
なにしろ莫大な作品数なので前後期完全入れ替えということで、わたしはこの虎に会いたかったので後期に出かけた。
イメージ (54)
クリックすると巨大な虎が飛び出してきそうになります。

土曜は夜間開館日で20時までなのでちょっとゆとりで出かけたら、やっぱりじっくり見れたね。
展示作品の七割くらいは清荒神の鉄斎美術館から来ている。
ほかにも大和文華館、京都市美術館、東博、付き合いの深かった和菓子屋の虎屋から名品がずらり。
名品、というたが、それはもう世間でその作品群が名品だと認識されているからだが、実際のところわたしなどはあんまり鉄斎の良さと言うものがわからない。
これについてはまた例の一つ話を持ちだすが、昔の日曜美術館で「女子供に分からぬ鉄斎の良さ」というのを聴いて以来、そのコメンテーター共々鉄斎がすっかり嫌になったのだ。
しかし悪いのはそいつだけの話だから、現在ではそんなこと関係なしに鉄斎に対している。

展覧会の副題「近代への架け橋」とある通り、洋画家たちは鉄斎の絵に未来を見ている。
だから展示の最後は鉄斎に影響を受けた洋画家たちの作品が並ぶ。

さて膨大な数をみたが、自分が好ましいと思ったものだけしか感想が書けないことをはっきり書いておこう。
わたしは儒者も好かないし文人気質と言うのもわからないし、で、とんでもないことしか書かないので、鉄斎さん、悪ぅ思うてくださるなよ…

イメージ (55)

粉本)雉子図 安政元年(1854) 19歳 紙本着色 95.2×30.7 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
特定の絵の師匠を持たなかった鉄斎は粉本主義というか、先人の名品を模写することで腕を磨いたそ
雉が菜の花を見つつ顔を挙げている。巧いとかそうでないとかはわからない。
だが、真面目に取り組んでいることだけははっきりと伝わってくる。

大田垣蓮月肖像 明治10年(1877) 42歳 絹本着色 102.5×43.2 個人蔵
出家した歌人の蓮月老尼に「学僕」として仕え、薫陶を受けたそうである。
彼女を描いた絵と言えば林司馬かな、そのあたりが描いたのを見ているが、どこかぬるりとしたものを感じたが、こちらは傍仕えしただけにリアルな感じがある。耳の後ろに髪があるのもリアルだ。

登嶽巻 明治8年(1875) 40歳 紙本着色 19.2×514.3 株式会社 十一屋
南朝の尹良親王の墓の調査に赴いた帰りに富士山へ出かけたそうだ。
鉄斎は南朝ゆかりの人々を多く描いているが、それは時代の要請なのか個人的思想によるものなのか。
Wikiを丸呑みするわけではないが、この親王を知らないのでちょっと調べた。
なにしろわたしは護良親王くらいしか知らないのだ。
…長くなるのでちょっとやめる。

耶馬渓図・宝珠川図 明治時代 40歳代 絹本着色 各143.8×18.4 碧南市藤井達吉現代美術館
新婚すぐに嫁さん置いて九州旅行してるよこの人。尤もそれで得た感興を絵にしているからまぁいいのか。
川沿いに髑髏型の大岩が三つ並ぶのが面白い。

湖光山色図(琵琶湖図) 明治19年(1886) 51歳 紙本金地墨画 167.5×368.0 一般財団法人 布施美術館
パーッと視界が開く。おお、琵琶湖か!という感じ。石山寺の方向から描いたそうだ。なるほど。

攀嶽全景図 明治22年(1889) 54歳 紙本淡彩 215.7×137.7 大和文華館
大きな絵。富士山。「あかん、仙人になれんわ」という意味のことを横に書いている。

蝦夷人図屏風 明治25年(1892) 57歳 紙本金地着色 各158.7×336.0 個人蔵
これは前にも見たがイヨマンテしている図。鉄斎は別に実見したわけではないそうだ。
イヨマンテと書くだけであの歌声が蘇るなあ。←古すぎる!

楠妣庵図 明治27年(1894) 59歳 絹本着色 140.4×49.6 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
こちらも南朝ゆかりの絵。河内の甘南備にあったそうだ。それが鉄斎の頃には畑になっていて誰ももうここにそんな庵があったことを知らない。鉄斎は一人でその在りし日を描いて追悼・顕彰する。
…という意味の解説があったが、ちょっと調べてみると、明治6年に廃絶された後、大正6年に再興され、今も富田林の甘南備にこのお寺があるそうだ。伊東忠太(!!)により復元されたとある。

太秦牛祭図 明治30年(1897) 62歳 絖本着色 149.0×53.0 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
これは別版もみているが、このお祭りも例の廃仏毀釈のあおりを食って廃絶してもたのを明治20年に鉄斎らが尽力して再興させたそうな。
ぞろぞろとケッタイなお面の人々が牛に乗って登場。
描きながら鉄斎はやっぱり嬉しかったろうなと思ったりする。

盆踊図 明治時代 60歳代 絹本着色 各55.0×71.8 髙島屋史料館
おお、これは好きな作品。時々史料館でみる。右は円舞、左は斜めに動く人々。
右は緑系、左は藍染の浴衣。昔の上方の浮世絵師の風俗画に倣ったそうだが、気軽に見てゐられるよろしい絵ですな。

富士遠望図・寒霞渓図 明治38年(1905) 70歳 紙本着色 各154.7×359.6 京都国立近代美術館
あー、海が真っ白。陸地の隆起したのがよくわかる。
これはどこかドイツロマン派な山と東欧のアニメーションの背景ぽいな。
かっこいい。
イメージ (57)
もしかしてこうしたところが鉄斎の近代性なのかもしれないな。
なお寒霞渓は紅葉が赤々。しかしお猿さんはいてません。

イメージ (56)

華之世界図 大正3年(1914) 79歳 絹本着色 140.1×41.6 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
「緑が濃い」のではなくほんまに「青」。文人画にだけ南画にだけある青。なんか違う漢字を嵌めたい青。
川と松とがいい感じ。

高遊外売茶図 明治~大正時代 70歳代 絹本着色 132.2×42.2 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
川の前で商売道具おろして一休み中の爺さん。売茶翁。秋ですなあ。商いは秋ないですよ。文句言うてんと働きなはれや。

富士山図 大正7年(1918) 83歳 絹本着色 97.0×227.0 学校法人 樟蔭学園
金地にどーーーんと横長の富士。これは樟蔭学園の創立者・森平蔵から依頼された絵。

不尽山頂上図 大正9年(1920) 85歳 紙本墨画 44.3×68.2 車軒文庫
絵を見たとき、左上の丸いハンコに目が行く。「頂上之印」とあり、左右に口と表の字。よくわからんのだが、これは富士山登山証明の印らしい。鉄斎は明治8年に登頂したそうな。それをここに再現。…こういう字も書けるんだ。←そこかよ。

富士山図 大正13年(1924) 89歳 紙本木炭 45.0×61.0 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
実はこれ、洋画の方の紙に書いてある。
鉄斎の孫娘は洋画家の正宗得三郎から手ほどきを受けていたのだが、そこへふらりとおじいちゃんが来て「面白そうやな」とばかりに自分からその紙で富士山を描いたそうな。ちゃんとぼかしてみたりして、紙や技法を変えてもやっぱり鉄斎らしい絵になるのが面白い。

靖献遺言人物像・南朝忠臣遺像 右隻 明治3年(1870)左隻 明治4年(1871)
35歳 36歳 紙本着色 各165.1×369.0 竹苞書楼 佐々木惣四郎
何も知らずに見てみると歴史上の人物画、特に南朝の人々と中国の高士らかと思うが、これは安政の大獄で師友らを亡くした心の痛み・憤りなどを込めているそうだ。
珍しいほど端正に描いている。

層巒積翠図 明治時代 40歳代 絖本墨画 138.1×40.2 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
ああ、なんかもうこの墨でヒトの手指のような山々がズンズン並ぶのって畑中純ぽいなあ。

普陀洛伽山図 明治20年(1887) 52歳 紙本墨画 158.0×79.5 是住院
やたらと山の中の。山中他界か。

漁樵問答図 明治33年(1900) 65歳 紙本着色 各155.6×361.0 京都市美術館
労働の歓びにあふれた屏風絵。右隻の小舟で煮炊きするちびっこ可愛い。左は網を打ったりもしている。樵は見当たらないが、とてもいい感じの漁師の人々。
どこか蕪村風な味わいもある。

蓬莱仙境図・武陵桃源図 明治37年(1904) 69歳 紙本着色 各178.0×365.0 京都国立博物館 6W
わっ大きい絵。しかしその大きい絵いっぱいの自然の中に、小さいロバに乗る赤い衣の人をみつける。そのことが面白くもある。自然と人と。

十年研錬帖 明治40年(1907) 72歳 紙本着色 各28.0×41.4 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
このノートはいい。楽しい絵がいっぱい。
カラフルな蝶々の群れ、可愛い狸、蝶を噛む猫など。狸は森徹山のを倣ったそうだ。

寒月照梅華図・梅華満開夜図 明治44年(1911 76歳 紙本墨画紙本着色 各150.5×40.8 大和文華館
これは好きな絵で、大和文華館で出るのを割と楽しみにしている。

雲龍図 明治44年(1911) 76歳 紙本淡彩 138.5×51.2 鳩居堂
龍のファンクな顔立ちが可愛い。まん丸の眼に鼻や口。のほほんとした龍だった。

猛虎図 大正6年(1917) 82歳 紙本着色 141.8×53.3 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
顔のアップ。可愛いわ。
イメージ (53)

寒山拾得図 大正9年(1920) 85歳 紙本淡彩 143.8×49.8 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
おおおお、若い二人組、なんかもおこれは漫才コンビですがな。
「キミ、いっつも巻物もってるけどソレなんやねん、おれみたいに掃除せんかいな」「この巻物か、これにはなぁ人を操る秘術が書いてあるんじゃ」「アホなこと言うてんと働けや」(ゴソゴソ…巻物を開きなんか唱える、途端に相方、掃除し始める)「どや、威力凄いやろー」
…ええかげんやめよ。

魁星図賛 大正10年(1921) 86歳 紙本着色 131.5×32.4 車軒文庫
これも多く描いていた。虎のパンツの鬼さん。

艤槎図 大正13年(1924) 89歳 紙本着色 90.9×46.2 京都国立近代美術館
ぎ・さ図という。ギは船の装備…艤装のギ。サは筏のことらしい。
巨大蛤のようないかだに乗る父子。鉄斎と仲良しの内藤湖南父子のヨーロッパツアーのために描かれたもののひとつ。内藤父子が日本へ帰る途上で命つきた鉄斎。

群僊集会図 大正5年(1916) 81歳 絹本着色 188.0×71.2 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
これまたカラフルで鹿もいたりする。
こちらはリストの表紙。一部だけトリミング。
嬉しそうに出迎える坊や。
イメージ (58)

雪中芭蕉図 大正8年(1919) 84歳 紙本墨画 143.5×39.8 米田春香堂(株式会社米田商店)
雪持ちバナナ図の巻。
仙縁奇遇図 大正8年(1919) 84歳 絹本着色 127.2×35.4 株式会社 虎屋
仙女が下界の男に恋をして罪を問われ、カップルは下界へ十年流されたという話。
夫婦それぞれ虎に乗って出発――

餐水喫霞図 大正9年(1920) 85歳 紙本墨画 191.0×81.0 高野山霊宝館
屋根つきの橋がなかなかいい感じ。
斜めにズーンとある。

嫦娥奔月図 大正12年(1923) 88歳 紙本淡彩 132.6×53.6 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
月宮を背景にニッコリ笑う女。してやったり。

三幅対。
1 瀛洲仙境図 大正12年(1923) 88歳 紙本着色 131.2×53.2 碧南市藤井達吉現代美術館
2 西王母図 大正12年(1923) 88歳 紙本着色 131.0×53.2 碧南市藤井達吉現代美術館寄託
3 福禄寿図 大正12年(1923) 88歳 紙本着色 131.2×53.2 碧南市藤井達吉現代美術館
白い顔の西王母、無邪気なへんな爺さんの寿老人。桃も鹿もあっても妙。

瓢中快適図 大正12年(1923) 88歳 紙本淡彩 132.2×31.8 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
壺中天というよりひきこもりのおっちゃん。

水郷清趣図 大正12年(1923) 88歳 紙本淡彩 130.7×31.0 清荒神清澄寺 鉄斎美術館
ぱっと飛び立ち翡翠。動きのある絵。

好古癖図 大正13年(1924) 89歳 紙本淡彩 131.7×32.7 個人蔵
殷代の青銅器を写生したノート。いいなあ。

資料も大変たくさん集まっていて、面白い。
印が素晴らしいのばかり。印も凄い。呉昌碩、羅振玉らが拵えた…
自分が絵付けしたやきものなどもある。
道八、蘇山、六兵衛など。
また烏帽子などもある。儒者ですからなあ。

最後に鉄斎に感銘を受け、インスパイアされた洋画家たちの絵が並んでいた。
正宗得三郎、鍋井克之、中川紀元、中川一政、前田寛治。
こうしてみると鍋井さんなどは南画を洋画にしましたというような雰囲気があるな。
中川もそう。

そうか、やっぱり面白かったのだなあ。
納得。

最後にこんな気持ち。
イメージ (59)

池大雅美術館コレクションをみる

月初に京都文化博物館で特集陳列していた京都府蔵池大雅美術館コレクションの池大雅作品をみた。
あの時は実相院の特別展を見たのだが、この展示も大変良かった。
とはいえ見に行った日が最終日だったのを気づいたのが随分後だったので、感想を書き損ねてしまった。
しかし終わったとはいえ、書いても別にかまわない。
わたしは記憶と記録のために、見てよかったものを挙げているのだから、多少のずれがあってもまぁええことにしよう。

そもそも苔寺のご近所にあった池大雅美術館が閉じてからはこの京都文化博物館で折々に展示してくれるので、とても助かる。
そういえば同じフロアでの展示の祇園祭の資料なども、元は四条烏丸のさくら銀行の京都文化財展示室に所蔵されていたものなども含まれていると思う。
失われたハコのかわりにここがある。そう思うだけでも安心する。

さて、現在神戸市立博物館に「わが名は鶴亭」展が来ていて、その鶴亭がなんでも池大雅と交流していたそうで、池大雅作品も展示されているらしい。
その意味ではここで挙げるのもいいタイミングかもしれない。←いいわけするな。

イメージ (49)
高士訪隠図屏風 1750
ここだけ見たら竹林のある家でのんびりくつろぐのもいいな…とうっかり思ってしまうのだが、全体を見ると「やっぱり住めないな」とわたしなどは思ってしまう。
イメージ (50)

文人がなんで山の中の暮らしをいいものとみなすのかは実のところわたしには理解できない。
中国の絵画でそのように描かれているから、というのではこたえにはならない。
そもそも本場の中国の場合、山には虎がいるのだ。かまれたら虎の使い魔たる「倀鬼」になってしまうやん…
などということをついつい考えてしまうのだった。

池大雅は本人がいい人だから周りからも大事にされ、奥さんの玉瀾と楽しく暮らし、好きな絵を描いて生涯を過ごした。
身過ぎ世過ぎで書いた店の宣伝看板も書き間違えてしまうお茶目なところもあったようだが、それがまた「楽しいエピソード」になっている。
イメージ (51)
右上の二つ。これがそれ。
その隣の井上泰山さんのお店の宣伝の仕事をうけてのんびりとしたのを書いたはいいが、ミスしている。
しかしこの味わいがええのでこうして後世に残った。

ところで奥さんの玉瀾は「六歌仙容彩」の祇園のおかぢ(お梶)の娘お百合が生んだ娘で、生家の茶店の経営もしていたようだ。
玉瀾の出生について池波正太郎は「さむらい劇場」「おとこの秘図」で楽しい想像をめぐらしている。
そして池大雅への好意がにじんでいるのを作中から感じる。

池大雅の書は他にも千字文が出ていた。「天地玄黄」で始まるあれだが、四文字で一単語のはずが、大雅は三文字ずつで書き分けている。なんかすごいのを見たような気がした。

最後に名所図会に大雅堂が描かれているものも紹介されている。
イメージ (52)

18世紀の京都画壇はまことに花盛りだったのだなあ・・・

泉布観と旧桜宮公会堂の外観

造幣局の通り抜けの帰りにお向かいに。
IMGP0109_20160422163933da7.jpg

IMGP0111_201604221639346c0.jpg

モッコウバラが咲き乱れている。
IMGP0112_20160422163935e90.jpg

IMGP0113_20160422164350125.jpg

IMGP0114_20160422164352457.jpg

いい眺め
IMGP0115_20160422164353d20.jpg

一般公開日が待ち遠しい。
IMGP0116_20160422164355235.jpg

IMGP0117_201604221643562f5.jpg

IMGP0122_201604221644190fb.jpg

こちらは旧桜宮公会堂。
どうやら今はウェデングとカフェになっているらしい。
IMGP0118_20160422164413ea6.jpg

IMGP0120_20160422164417f48.jpg

お庭は和風なところもある。
IMGP0119_20160422164415742.jpg

IMGP0121_201604221644187c7.jpg

横に回ると煉瓦の小屋が。
IMGP0123_2016042216480498f.jpg

いつかまた。
IMGP0124_20160422164806c98.jpg

くれなづむ大阪。
IMGP0125_20160422164807faf.jpg

造幣局の通り抜け 2016 その2

続き。
黄桜の御衣黄。
IMGP0077_20160422162721eca.jpg

IMGP0078_20160422162723338.jpg

IMGP0079_20160422162724382.jpg

IMGP0080_20160422162725d1e.jpg

IMGP0081_201604221627277f8.jpg

IMGP0082_201604221627438d8.jpg

IMGP0083_2016042216274565c.jpg

IMGP0084_20160422162746769.jpg

IMGP0085_20160422162748cdc.jpg

IMGP0086_20160422162749236.jpg

IMGP0087_20160422162939362.jpg

IMGP0088_201604221629417d5.jpg

IMGP0089_2016042216294254b.jpg

IMGP0090_2016042216294439a.jpg

造幣局をバックに。
IMGP0091_20160422162945d39.jpg

IMGP0092_20160422163005b4a.jpg

IMGP0093_20160422163007992.jpg

IMGP0094_20160422163008714.jpg

IMGP0095_20160422163010313.jpg

IMGP0096_201604221630110ec.jpg

IMGP0097_20160422163127f47.jpg

IMGP0098_201604221631283a4.jpg

タンポポも咲く。
IMGP0099_20160422163130847.jpg

IMGP0100_20160422163131c4c.jpg

IMGP0101_201604221631336f1.jpg

IMGP0102_20160422163153817.jpg

IMGP0103_20160422163155d64.jpg

IMGP0104_201604221631575b6.jpg

IMGP0105_20160422163158ee6.jpg

IMGP0106_20160422163200c18.jpg

IMGP0107_20160422163315a87.jpg

IMGP0108_2016042216331641c.jpg

銀橋はいつみてもいいなあ。
また来年までサラバ。

造幣局の通り抜け 2016 その1

先週の木曜が造幣局の通り抜け最終日だった。
その時に例によって八重桜や黄桜などを楽しませていただいた。
毎年の大阪の春の楽しみである。
まだ八重桜は残っているが、これで盛春は終わり、いよいよ初夏へ向かう。

IMGP0046_2016042212512629d.jpg

夕方に見て歩いたので花影が濃い。

IMGP0047_20160422125156b57.jpg

IMGP0048_20160422125158ff4.jpg
橋と一緒に。

様々な種類の桜があるが、見惚れてばかりいたので名前がよくわかっていない。

IMGP0049_201604221251594c2.jpg

IMGP0050_201604221252014e5.jpg

IMGP0051_2016042212520200f.jpg

IMGP0052_201604221252308b7.jpg

IMGP0053_20160422125232842.jpg

IMGP0054_2016042212523381e.jpg

IMGP0055_20160422125235b86.jpg

IMGP0056_20160422125236e00.jpg

IMGP0057_20160422125423f53.jpg

IMGP0058_2016042212542446f.jpg

IMGP0059_20160422125426260.jpg

IMGP0060_2016042212542704c.jpg

IMGP0061_201604221254298b2.jpg

IMGP0062_20160422125519a4a.jpg

IMGP0063_201604221255203b8.jpg

IMGP0064_20160422125522b79.jpg

IMGP0065_201604221255236bc.jpg

IMGP0066_20160422125525967.jpg

IMGP0072_20160422125655bec.jpg

IMGP0073_201604221256572d5.jpg

IMGP0074_20160422125659915.jpg

IMGP0075_201604221257004d5.jpg

IMGP0076_20160422125701cc0.jpg

IMGP0072_20160422125725d26.jpg

IMGP0073_20160422125726cf2.jpg

IMGP0074_20160422125727f7f.jpg

IMGP0075_20160422125729137.jpg

IMGP0076_20160422125730d59.jpg

見上げて歩いて首が固まるが、キモチいい。

宮西達也ワンダーランド

高島屋を巡回中の「宮西達也ワンダーランド」展を見た。
なんばで4/4終了、京都では4/27-5/9の予定。

絵は見知っていたが内容を見たのは今回が初めて。
こんなときやはり展覧会と言うものはありがたい。
前記事の「ピクサー」も前々記事の「ゴーリー」も展覧会があったからこそ知ったのだ。
そうでなければ知らないままだった可能性がある。

高島屋のチラシ。なかなか凝っている。
イメージ (51)

実はこの下は折り返されてこんな感じ。
イメージ (52)

初期の作品から現在まで。
最初に大ヒットシリーズの恐竜ものが出てきた。
こいつな。
イメージ (47)

ティラノザウルスが嫌われ者だとは知らなんだわー。
そのティラノザウルスを主人公とした連作…というても同じ奴が主人公ではないの。
ただ、嫌われ者のティラノザウルスが他の恐竜の子どもを食うつもりで育てるうちに父性愛が生まれて…という設定のもとで彼らの物語が進む。
そしてそこには弱肉強食による戦いもあり、天変地異もあり、ほかにもいろんなトラブルがある。
ティラノザウルスは悲しい最期を遂げることが続く。でもそれで彼に守られた他のちびっ子恐竜が助かる。
嫌われ者で孤独だった奴が最後は満足して眼を閉じる。
せつない物語が多い。ポップな絵でそうしたせつない話が続く。
父性愛の強い物語が多いのは作者が男性だからかも、と思ったりもした。
重松清同様に。

ウルトラマンのシリーズもそう。ここのウルトラマンは家庭のパパ。
子育てにちょっと悩んだり、仕事で疲れたり、なんだか空回りしたり。
でもやっぱりウルトラマンだから頑張る。
可愛いウルトラマン。

イメージ (53)

初期の作品は細い目の線で可愛らしさが目立ったが、ティラノザウルスが世に出てからは技法も変わったようで、そこからずっとたくましくて明るい絵になり、それがいい。

かぶとむしの渡世人のシリーズには笑ってしまった。
いいなー、そういうの。
名前がイカしている。「かぶと三十郎」ですわ。彼の死後には四十郎も出てきたりする。
そう、ここでも明るい面白い話ではなく、実はちょっとせつない物語が展開するのだ。

初期の作品の「にゃーご」がなかなかいい。
イメージ (48)
何をやらかすかわからないような猫、いいなあ。

難波でみたのはせわしない時間帯だったので、今度の京都ではじっくり見ようと思っている。
会場内ではなかなか楽しい工夫もされていて、遊ぶコーナーもあったりする。

絵本原画展はやっぱりいい。

ピクサー展

ピクサー・アニメーション・スタジオが設立30周年を迎えるそうだ。
それで東京都現代美術館で展覧会が開催されている。
イメージ (38)

わたしが行ったのは日曜の朝で東京駅からのバスだったが、開館数分前についた時には既に大行列だった。
ありがたいことにチケットはあるのでそちらに並ぶことはなかったものの、入場制限をしていたので大体20分くらいはその場にいたと思う。

行列にいながら場内の見えるところに目を向けると何かの動く様子があった。
アニメーションという言葉の意味を改めて思い起こしながらそれを見るうちに行列が動きだし、わたしは中へ入った。

ピクサーはCGアニメーション製作で名を成したので、ここでは何を見せるのだろう、技術的なことかな、と思いながら進んでゆくと、意外な展示が開かれていた。

イメージ (40)
1.イントロダクション
初期作品のアートワーク。
なお、用語に関して写し間違いがあるかもしれないので、もし見つけた方はツイッターで教えていただくと助かります。

まさかと思ったのが手描きの原画やビートボード。とてもいい。
そうか、最初から最後まで完全にCGというわけではなく、アイデアを出すときはやはり手描きから始めるのだ。
当たり前のことかもしれないが、そのことに気付いただけでも嬉しかった。

カラースクリプトとは色の台本だという。
そのカラースクリプトが作品の世界を構成する。
色んな建物、室内、庭の柵などの背景画がいい。

ボローニャの絵本原画展でも近年はフルCG作品などが多くなっていて、ちょっと面白くないなと思っていたが、実際に動きのあるものの場合、CGだからこその面白さはある。
だが、その完成する前段階で「肉筆」が入るのはやはりキモチ的に楽しい。

多くの作品が紹介されている。
わたしが実際に観たものはないのだが、それでも見てゆくとそそられる。

2.ストーリー
一つ一つに丁寧な紹介がある。それらを読み、原画を見てゆくと、どうしてピクサーが人気があるのかだんだんわかってきた。
そして同時に自分が何故見に行かないのかもわかった。
感動的な物語に出会うことを、今のわたしは避けたがっているのだ。
だがそれでもこうして展覧会で胸を熱くしている。
映画館に行って、うけた感動を誰かと共有したいと思うのに、今のわたしはそれがかなわない。
それが淋しくてこんなことになっているのかもしれない。

イメージ (41)

3.キャラクター
造形師による3Dフィギュアもありよく出来ていることに感心してぐるぐる見て回る。
殆ど知らないキャラ達だが、製作過程の仕事を見てゆくうちに親しみがわいている。
「ああ、このキャラがあの話の」と区別がついてくると、その時点で嬉しい気持ちになる。
だからもっと見たくなる。

映像コーナーにちょっと入る。
おもちゃたちと巨大な(!)赤ん坊の攻防戦が面白かった。
赤ん坊の凶悪な力を恐れ怯え、ソファの下に隠れるおもちゃたち。しかし赤ん坊を楽しませるために存在するおもちゃたち。
アイデンティティ、使命感、そして…
まさかのラストには笑ってしまった。いや「まさか」ではないか。
予想はしていたが、それ以上の面白さがあったというべきか。
ああ、面白かった。

イメージ (39)
「トイ・ストーリー」のコーナーで「やっぱり見ておくべきだった」と反省した。
だがこうして展覧会で遅ればせながらも彼らの仲間入り、ちょっとばかり出来たような気がした。
そう思わせてくれるような展示と作品なのだ。

「カールじいさん」は実は見に行こうかと思っている間にタイミングを逃した一本だった。
わたしはそうなるとすねてしまうので、ほかのも見ないぞと思ったりするのだ。
これはいかん。資料を見るうちにやっぱり今度は見に行こう、好みの作品ならば、と思い始めた。

それにしても完成へ向かう道すがらに誕生する様々な美しいタブローやスケッチ、それらに随分と惹かれた。
特に「モンスターズ・インク」などのシリーズの背景画、あれはもう本当にわたし好み。
絵本で欲しいくらいだ、背景画ばかり集めたものを。

そして素晴らしいテクノロジー。
そちらにも改めて感銘をうけた。
この方面の進化はこの先も続くだろうが、今はここが一番なのか。
すごいなあ…

ゾートロープがあった。
イメージ (42)
とても楽しい。10種だったかキャラたちが自在に動く。
何度も何度も見続けた。
眼の錯覚の楽しさ。いいものをみた。

何にも知らないわたしのようなものでもこれだけ楽しめたのだからファンの人たちは本当にワクワクすると思う。
展覧会としてもとてもよかった。

出たらまたまた大行列だった。
この日は府中へ行くので他は見ずに去った。
いつかピクサー作品を映画館で見に行こうと思っている。

「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展を見に行った。

伊丹市立美術館に「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展を見に行った。
実はわたし、ゴーリーなるひとを全く知らない。
イメージ (43) イメージ (46)

チラシが二種あり、それを見てそそられはしたものの「…不安と不穏さが漂っていて、坂田靖子と諸星大二郎のお仲間のようなヒトだなあ」と思うくらいだった。伊藤潤二とはまた違うらしい、とか。
それで場所が伊丹市と近いし、ここは大体面白い展覧会をやるので「まぁ行こか」程度だったのが、ツイッターでいつもお世話になっている@poroさんがブログ「ゆる江戸」に感想を挙げられているのを読んで、「これは行かねば!」とココロガワリしたのであった。
そのブログがこちら。「浮世絵とエドワード・ゴーリーの秘密の関係?」
感想が面白いから行くぞ!という好例ですな。

日曜に行きました。暑い。後で知ったら27度まで上がってたらしい。
阪急伊丹駅から徒歩で向かうのに日陰を選んで歩いたが暑い暑い。
あーつーいーと思いながら美術館につくとこの大きな看板。

途端に温度が下がったなあ。そう、なんとなくひんやり。

展示室、大勢のお客さんでにぎわっていた。
賑わうと言ってもやかましいわけではない。
大勢の、しーんと静かなお客さんが、皆さん目を見開いて、もっぱらモノクロの細密なペン画を、非常に熱心に凝視しているのだ。
これは凄い光景だった。
マナーで静かにしているのではなく、声を出すのを忘れて見入っているのだ。
それで蠕動運動をするように行列をしながら粛々と進みつつ、目と心は作品に捕まっている。
わたしもその蠕動運動する行列に入り込むべきか、それとも観客の状態を含めて全体を見る立場をとるか、ちょっと考えた。
が、客観性を持たないものにそんなことが出来るか、と例によって中へグイグイと入り込んでいった。
そして極めて主観的な感想を懐く。

長い前置きで申し訳ない。
いきなり作品がええとかペン遣いがとか人間の不安さがとか、そぉいうことを書けるほどゴーリーを知らないのですよ。
いつの時代の人なのかと思ったら近年まで存命だったのか。
イメージ (45)
チケットはあれ。ロングの毛皮に変な靴のおじさん。どうやらゴーリー本人らしい。チラシの右下。
これを展示室ごとに掲示するのだが、なんとなく「ゴーリーの威を借りる」気分になったな。

1.最初の部屋。
右から回るべきか左から回るべきか。
指示がなく、人に合わせられるわけでもないので左から見始めた。

ゴーリーグッズが並んでいる。
カラクリ絵本とかピープショーもある。
ピープショーと言えば日本には@吉田稔美さんがいる。日本を代表するピープショー作家である。
ゴーリーのピープショーはなかなかホラー系で、わたしとしては楽しい。
アメリカの作家にはホラーとSFとファンタジーとを求めてしまう傾向がわたしにはあって、これは欲しいなと思った。
ただ、リストにはその作品名が見いだせない。

ゴーリーはあえて古語を使うという。米語ではなく英語の古語なのかとかそんなことを思いながら文を見る。翻訳語も蒼古な響きを持つ。配列の妙、というものをも感じる。

初期の作品から既に不穏さがにじむ。
1953年の「絃のないハーブ またはイアブラス氏小説を書く。」もどこかしらジャリジャリしたものを感じる。

ゴーリーの使うペン先なども展示されていて、それらが動いてこうした線を生み出すのかと思いつつ、感じるはずのない黒インキの匂いが鼻先をかすった気がした。

文字や数字にそれに関連する言葉を連想させる絵を描くのは各国にある。
日本だと芹沢銈介から安野光雅までが特にいいのを拵えた。
ゴーリーはアルファベットに絵をつけたが、やはり不穏さが横溢している。
そもそもタイトルからして不穏である。
「死の菱形:アルファベット」ううむううむ、よくもこんなにも…

絵本が現れた。特によく知られている「うろんな客」である。
わたしは完全に初見。
古語を使うことで不思議な感覚がある。
ご丁寧に現代語訳もついているので、いよいよ胡乱さが際立ってくる。
よくある、一家に突然闖入する不審者と、かれとなじむ一家というパターンに入る話なのだが、しかしこれはそんな融和するタイプなどではなかった。
日本では古来より「まれびと」を尊ぶ習性があるから、不審者が彼らに酷いことさえしなければ、大抵は受け入れる。
ドラえもん、Q太郎、ラムちゃんをはじめ、多くの不審者が入り込み、やがて家族や友人となる日本の風景。
しかしゴーリーの世界ではその不審者はあくまでも不審者のままなのである。
「17年前に来て今もいる」、という意味の言葉があることで、この一家は彼となじむことなく、「うろんな客」として接触?しているのである。
日本ではほぼこうはならない結末がそこにあった。

予想できない展開と結末、それらを見せる物語が目の前に広がっていた。
普通ならそうした物語に触れることでワクワクするのだが、ゴーリーは読者・観客のそうした気持ちを素知らぬ顔でスルーする。
初心者のわたしなどは特に入れ込みかけては肩透かしをされて、たたらを踏む羽目になる。
ゴーリーはおそらくそれをちらっと見はしても、知らん顔ですたすたと歩き去って行きそうである。

「具体例のある教訓」1958 この原題は「Object Lesson」だった。活字のような手書きのタイポがいい。しかし展開はやはり不穏である。

この時代にアメリカではバスター・キートンが再評価されていた。
キートンは「偉大なる無表情」と呼ばれていたが、わたしはどことなくゴーリーの作品とキートンの無表情なまま繰り出されるギャグにどこか共通点があるような気がしてならない。
「古き良きアメリカ」だと思われていた時代にこんな不穏さを溢れ返させていたゴーリー、すごいセンスの持ち主なのだ。

1961年の絵本「不幸な子供」は悲惨な物語だった。
「小公女」的な展開であるにも関わらず、救いのない話でラストの無惨さはまさに目を覆わんばかり。
明治日本の「悲惨小説」の一篇のようなものだった。
そして実際にどこかで起きていた事件だったろう。
そんなことを思いながら物語を追い、絵をみつめた。
どうにかしてやれなかったろうか、いや、どうにもならないからこうなって、そしてあの最期を迎えることになるのだ…
悲惨さに胸が痛む。

古い映画「散りゆく花」も最後の最後まで悲惨な物語だった。リリアン・ギッシュのせつないまなざしが蘇ってくる。
物語の展開は全く似ていないが、どことなくそのことを想った。

「ウィローデイルのトロッコ:またはブラック・ドールの帰還」はそのリリアン・ギッシュに捧げられていた。
彼女の出た「イントレランス」「国民の創成」からヒントを得たと解説にある。
すると、先ほどわたしが勝手に抱いた感想もあながち的外れではないのかもしれない。

西洋では子供への教訓譚としての悲惨な物語があるようで、規律を守らない子ども・悪いことをする子供にはそれ相応の罰が当たるような展開がある。
映画にもなった「チョコレート工場のひみつ」でも悪い子供はお仕置きを受けていたし、あれはドイツだったか「もじゃもじゃペーター」や、火遊びする女児が止める猫を無視した挙句に全身火だるまになる話もあった。死んだ女児のそばで猫が大泣きするのを見たことがある。
ゴーリーもそうした教訓譚を身に着けていたか、容赦なく子供らに死を齎している。

「ギャシュリークラムのちびっ子たち」1963 これらがチラシの階段で飛んでる子供やクマに後をつけられている子供らの物語になる。
言葉遊びをしつつ悲惨な状況に子供を追いやっている。
「Aはエイミー、階段落ちた」「Bはベイジル、くまにやられた」「Uはウーナ、下水に落下」「Nはネヴィル、のぞみもうせて」…
Nの原文は次。”N is Nevil, who died of ennui”
ちょっとときめいた。

わたしが気に入ったのは「ウエスト・ウイング」1963 言葉はないままで外に出ることはなく、一切が室内で進行する物語。お化け屋敷のようにしか見えないのが面白い。
浮かぶシーツ、足だけがのぞく誰か、窓の外から除く白い影、ひび割れた床…
この不安さが薄くホラー風味でもあるようで、とても面白い。

ところでゴーリーはNY Cityバレエ団の熱烈なファンで、振付師のバランシンに熱狂していたようだ。それで彼が亡くなるまでNYに住まい、通い詰めていたという。
その気持ちはとてもよくわかる。
バランシンはバレエ・リュスの関係者の一人であり、その妻の一人にマリア・トールチーフがいた。山岸凉子「黒鳥-ブラックスワン」はマリアから見たバランシンの物語でもある。

それでゴーリーはバレエ団のための仕事も多く残している。
こちらはいつもの不安さ・不穏さよりも静かなユーモアが目立っている。

ゴーリーはオペラの仕事もした。
「青いアスピック」1968 バレエダンサーを殺害するストーカーの男の話である。
1920-1930年代ファッションがとてもいい。

ほかにもゴシックロマン風なミステリー物の作品もある。「もう一つの彫像」1968 これはジェーン・オースティンにインスパイアされたそうだ。
森をさまよう女が前に手を突き出しているあたりなど、とても惹かれる。

二つ目の部屋
ここでもぐるぐる回る。

1970年代から晩年の作品が並ぶ。
あっけらかんとしたブラックユーモアとでもいうのか、絶句して、やっぱり笑ってしまうしかない展開の話が続く。
笑うのは面白いからではなく、追い詰められてどうにもならなくなって笑ってしまう、あの状況の笑いである。ゴーリーは読者をそんなところへ突き飛ばす。

「オズビック鳥」はラストシーンに様々な解釈が成り立ちそうだと思う。ゴーリーは読者に考える余地を与える作家なのだ。
絵を見ながら好きな解釈をするのがいい、と知る。

不条理な物語も多い。
「錯乱のいとこたち:あるいはなんでもいい」1971 これはその時代性も影響したのか、随分と陰惨な展開を見せる。三人のいとこが殺し合い、揚句に全滅。

「華々しき鼻血」なんじゃこのタイトルは。…不条理というかシュールと言うか。

「音叉」1990 これも陰惨な話ではあるが、どこか納得のゆく話でもある。
家族に愛されなかった少年の入水自殺と海底での出会い。そして家族全滅への道程。

「おぞましい二人」1977 これは実録もの。誘拐殺人を繰り返すカップルの話。

1989年の「ドッグイヤー・ライド・ポストカード」は不条理な悲劇…とはいうもののある種のブラックユーモアに満ちている。
刈りこまれた植木がその形の生物の特性を顕して、人間を襲っている。
ペン画だからこその緊迫感がある。

最後の展示室
案外と明るい気持ちになる。

バレエの仕事がいろいろ紹介されている。
「ミカド」の衣装設計などは真面目に描いている(だろう)からこそ、笑い出しそうになる。
舞台劇「ドラキュラ」はスタイリッシュでかっこいい。

そしてバレエ団のグッズ。Tシャツがたくさんある。デザインセンスがとてもいい。
ほしいものがいくつかあった。

ゴーリーはティム・バートンにも影響を与えたそうだ。アニメーション「指輪物語」の頃の話。
わたしはあの映画は見ていないが、音楽だけは録音して今も保管している。
見ていないのに納得できる話。

ゴーリーは猫好きな人だったそうで、彼の描く猫はのんびりとしていて、話しかけたくなる雰囲気のやつらばかり。
これはいい肖像画だと思う。
イメージ (44)

とても魅力的な作品を世に残した作家だったことを、その死後に初めて知った。
勿体ないことをした。もっと早く知っていれば同時代を生きていたことを喜べたのに。
だが、こうして知った以上はもう忘れない。
今後は「ゴーリー?好きよ」と答えることにしよう。

伊丹市立美術館では5/15まで。後は各地で巡回するそうだ。

あちらこちらで見かけた建物 ・京都

街中で見かけたが、場所の特定はなしで。

IMGP0170_20160406015741c09.jpg

IMGP0168_201604060157262ad.jpg

IMGP0167_20160406015724cba.jpg

IMGP0165_2016040621282222a.jpg

びっくり顔のドアである。
IMGP0166_2016040621273332b.jpg
ツイッターで先行してあげたらなかなか評判がよかった。
わたしもこれを見て「ぉおおおっ」だった。

おお、仁丹。
IMGP0169_2016040601574096f.jpg

今度からこういう感じの小さい記事も挙げてゆこう。

永樂歴代と17代目永樂善五郎 日本の美 京のみやび

高島屋を巡回している永樂家のやきものをみた。
「永樂歴代と17代目永樂善五郎 日本の美 京のみやび」展である。
イメージ (33)

最初に当代善五郎のやきものを見るが、モダンすぎてわたしにはわからない。
わからなくてもいいのだが、わからなさすぎて逃げてしまった。
しかし逃げた先には大抵自分好みの作品が現れるものである。

11代目の保全がとにかく好きだ。
それは尾形乾山、樂家だと三代目の道入、幕末の道八、頴川、木米ら作家性の強い人々のやきものが好きだと常々公言しているわたしのなかでは当然の話だった。
というより、何かやきものがあったとして、そのたくさん並ぶうちに好ましいと思うものが見えてフラフラ近寄ると、必ず上記の人々の手によるものだという事実がある。
誰某が好き!という以上に、好きなものは誰某の拵えたものだった!=だから誰某が好き!というシンプルな設定が生き続けることになる。

というわけで保全を堪能する。
小さくて愛らしい香合がずらりと並ぶ。並べ方がまたうまくて、いよいよ可愛らしさがアップする。兜などもみえる。

茶碗もいい。
大好きな日の出鶴丸茶碗がある。
普段のわたしから思えば何故に?と思われるような選択かもしれないが、この茶碗は最初に見たときからずっと好き。
img819.jpg

こんなにも多くの保全の作品を見るのは実に久しぶり。
松濤と茶道資料館でほぼ同時期に「めでたい春の茶道具」を眺めて以来かも知れない。

交趾竜建水 すごくいい色が出ている。地は納戸色というよりピーコックブルーに近い青で、そこに赤みの濃い金色のような光り方をする龍が踊っている。顔は当然ながらファンキー。

絵もある。
白蔵主の後姿をさらりと描いているが、狐というより狸のような体形で、白狐ならぬ白狸である。

賞翫したいものが多い。
ぐい飲みではなく「酒飲み」。小さな杯がどれもこれも愛らしい。
御本立鶴酒飲、鴬宿梅酒飲などなどキュンとなるものに目がゆく。
菊置上香合もいい。これが例の記念で造られたもの。

12代目の和全の香合にも愛らしいものがあった。
有馬筆香合 有馬筆とは何かというと豆人形が筆の頭から飛び出る仕掛けのもの。
むろん飛び出すことはないやきものだが、ちょこんと蓋の上に人形がいる。サイドには椿の絵もある小さな香合。

和全は布目のやきものを開発した。
三井記念美術館にもあるのでご存知の方も多いだろう。

色絵三重箱 蓋に黄椿。

保全、和全は共に三井家から愛顧されていた。
保全の作品を世に出そうキャンペーンをしたのは三井家だったことを思うと、その関係の深さがしのばれる。

イメージ (34)

代を重ねる永樂家。
そもそも永樂家となった理由などもパネル説明されている。
前掲の菊置上香合はその記念。

14代得全もいい。
オランダ写しの鉢などは日本でもこんな色が出せたのかと思うような、本場さながらの薄いオレンジ色を見せていた。

御本立雲鶴茶碗もいいし、内外に牡丹の花を隙間なく埋めた茶碗も濃厚な妖艶さがある。
時代性もあって派手で華やか。

さてその得全が亡くなると奥さんの妙全が跡を継ぎ、幕末から昭和初期まで頑張って生き抜いた。愛らしい作品が多く、特別好みではないが、やはりいいものはいい。

16代即全はまた愛らしいものが多い一方、ちょっとキラキラしすぎな作品が集められていた。いい意味での「あ・かるい」作品がたくさんあり、言えば気負わずそのやきものに向き合えるような親しみがある。

当代の近年の作が並ぶ。
これが実にいい。若い頃のものより、近年の充実した作品群にはわくわくした。
干支のシリーズが可愛くてならない。水指なのでやや大きめで、それらがもう可愛くて可愛くて。寅は筒形で顔と前足だけちょっと出張っているが、全身の黄色と黒のシマシマがもう本当に噛んだろかと思うほどに愛らしい。
ウサギもいいし、背負い籠の働くお猿もいい。いずれも表千家のお正月のためのもの。

香合もいい。干支の香合は水指とはまた趣が違うもののやはり鍾愛のヒトシナばかり。
表千家の方々、さぞや可愛がってはることでしょうなあ。

また、千家十職の横つながりで一閑貼りの蓋などもあり、こうしたコラボを見るのも楽しくてならない。
以前にみんぱくでみた「みんぱくx千家十職」展の楽しかったことを思い出す。

ああ、いいものをみた。

京都の次は大阪なんばの高島屋に巡回。もう一度見に行くのもいいなと思っている。

北陸へ社内旅行

先週久しぶりに社内旅行があり、永平寺―恐竜・化石発掘体験―山代温泉泊まりで、東尋坊―気比の松原での地引網体験というコースを楽しんだ。
わたしは以前にもこのブログで「社内旅行への追想」なるやたら長ったらしい回想文を挙げているが、今回のツアーも過去に負けず劣らずの内容になった。

多賀のICでもらったスタバのメロンラッテ。
1460259891373.jpg


永平寺には行ったことがないので楽しみだった。
とても厳しい修行をする禅寺で、というようなことは聞いていたが、お客さんの方もだらけていてはいかん、という話も併せて聞いていた。
ところが案外というか時代の流れというか、ウェルカムなお寺になっている。
まぁその前に先にお昼ご飯の話を書く。

門前からやや下がったところの「井上」で精進料理を食べた。
これがかなり美味しくて、わたしなどはホクホク。
精進料理 慕古(もこ)1,620円だと思う。(後で調べた)
・精進天ぷら(三種) ・八寸(生麩ちまき、まつたけ、金柑)・ゆば万寿 ・煮物 ・永平寺そば ・ごまどうふ ・禅みそ ・とろろ汁 ・山うど ・季節の炊込み御飯 
1460259893196.jpg
(この後色々でた)

生麩がとても美味しかったし、ゆば万寿がめちゃくちゃ好み。ごまどうふには味噌をつけて食べたがどれもこれもよかったなあ。
尤もどこにでも困った奴はいて、ええトシして「俺の食べるもんがないー」と吠えたオヤジもいて、偏食は勝手だが、ヒトが今から食べようという時に何を騒ぐねん、と全員が冷たく無視する。
店の人にゆば万寿や生麩のお造りがいかに美味しかったかを告げる。
自分がヒトにしてもろてヨカッタことをヒトさんに告げることで相手を喜ばせるのは、やはり有意義だと思う。

さて永平寺へ。
1460259893874.jpg

1460259894960.jpg

ちょっと素敵。1460259895368.jpg

昔からの建物は奥にあるようで、とりあえず境内の苔むした庭や林立する杉を見たり、ちょっと「をを」な仏像を見てから奥へ奥へと向かう。
スリッパで歩かなあかんが、滑りがよすぎて危険。

新規の建物と明治に修復した建物などがいい具合に続く。あえて案内図も見ず、拝観順というのに従ってみて回る。というわけで、自分がどこにいるのか把握できなくなった。
それはそれで面白いのだが、こうしたところに自分の方向音痴なのを実感する。
だから自分がどこを写しているのかを認識していない。

いい回廊や階段にうっとり。
こういうのはやはり和風建築で楽しみたい。

大広間は今出来のものだが、これも見事な天井画と欄間が彩っている。
山元春挙ら錚々たる日本画家の花鳥画である。
暗くて申し訳ないが。
1460259896223.jpg

1460259896732.jpg

1460259897506.jpg

1460259898453.jpg

こちらは作品と画家名の一覧表。










欄間もすっきりしたいい模様のもの。多少の軽みがあることで新しさを感じる。
1460259899240.jpg

1460259900759.jpg

1460259901230.jpg

1460259901879.jpg

1460259902916.jpg

建物そのものはまた別途に。

修行僧は途中2人ばかり見かけた。食事を運ぼうとしていた。
邪魔をしてはいけないので目礼もなしで退る。
監視カメラがあるのか、観光客は誰一人としてなんら注意を受けず、好き勝手に撮影し、歓声を挙げたりしている。

所々で会社の人に遭うが、基本的に連れ立つことはせず、全て通りすがりの遭遇になる。
不思議な面白さがあるが、しかしそれも社長に遭って終わり。
出口へ向かう。
だが出口間際で宝物室を見つけ、そちらへ一人向う。
頂相図や仏像などがあるが、禅寺というものはやはり修行あってのものだと改めて思う。


27歳の男子社員に29歳の男子社員が曹洞宗と禅寺と道元禅師の話をしているのが聴こえた。
よく知っているなあと感心した。正直な話、27歳の社員のように物知らずの方が多いと思っていたので、29歳の物知りさに感心した。
ちょっと彼を見直した。

やはり永平寺はいい。
わたしは永平寺と言えば山本鈴美香「エースをねらえ!」の桂大悟コーチが死にゆく親友・宗方仁との約束を守るために、自分を鍛え・律する場として三年間永平寺に籠り修業をする、という話を思いだす。修行僧として厳しい日々を送り、やがて下界へ降りて、宗方コーチを亡くして呆然となる主人公・岡ひろみを世に引き戻し、更に鍛え上げるのだ。

次は福井の誇る恐竜博物館…と思いきや、その手前の化石発掘場に連れて行かれ、1時間にわたってゴーグルをかけて鏨とトンカチを持ってガンガンゴンゴンやった。
「化石の記憶」はたがみよしひさの傑作だった。
それでもこんなのをみつけた。人面のようなものが見える。
1460259930808.jpg
ちょっとばかりミステリアス。

恐竜アイランドらしくマンホールも恐竜。
1460259929373.jpg

1460259930336.jpg

桜もまだまだ元気だった。
1460259928699.jpg

旅館は山代温泉のさる有名な旅館。
これが温泉は素晴らしいしお部屋もいいのだが、ご飯が大してよくなかったな…
1460259933661.jpg

宴会で当たった景品。「キーどこいった??」と言う時に役立つらしい。
・・・ピッタリ!!1460259934971.jpg
ほっといてくれ。

朝風呂を楽しんでから8時出発。
えーと…東尋坊に行きました。
1460259942063.jpg

1460259938125.jpg

1460259954625.jpg

サスペンスドラマでおなじみなので、何度も行った気になっていたが、高校の時以来だった。
やっぱりいいですな。
花もよく咲いていた。




それから気比大社をこえて気比の松原に。
地引網。がんばったがしんどかったなー。鯛がとれたが、わたしの持ってきたのは可愛い防水袋で、箱型の大きいのを持ってきてた二人に負けた…
いや、ええねんけどね。

やっぱり惜しいなw

最後に食べに行ったお店は駅弁で有名なお店。
1460259958155.jpg

あいにく駅弁は駅でしか販売してなかった。
残念。

というわけで早い目の帰還となりました。
楽しかったわ。
まぁ色々思う人もあるけれど、わたしは社内旅行は好きです。

別子銅山への旅

ドラマ「科捜研の女」スペシャル版をみた。
六華苑が舞台のドラマだというので楽しみに見ていた。
あのロケの一部を目の当たりにしたからよけい嬉しい。
それでドラマが進むと今度は別子銅山が現れた。
別子銅山には2002年の春に行っている。
当時はフィルム撮影したものだ。
未公開なのでちょっとばかり挙げる。

イメージ (24)
別子銅山への道で出会った素晴らしい椿。

イメージ (25)

イメージ (26)

続いて記念館。
イメージ (27)

イメージ (28)

イメージ (29)
歌を染め抜いた手ぬぐいや暖簾もあればいいのに。

こちらは廣瀬宰平邸
イメージ (30)

イメージ (31)

イメージ (32)

またいつか行きたいな…

永平寺をながめる

明治に修復したというので、そのあたりはある意味近代建築でもある。

こんな回廊が好きだ。
1460259909841.jpg

1460259910330.jpg


1460259911281.jpg

1460259911816.jpg

1460259913043.jpg

1460259913907.jpg

1460259914978.jpg

ときめくなあ。

1460259915937.jpg

1460259916978.jpg

階段で発見。
1460259917885.jpg

1460259918349.jpg

そこから外を見る。
1460259919022.jpg

1460259919541.jpg

1460259920042.jpg

1460259921729.jpg

1460259920595.jpg

毘沙門亀甲
1460259922270.jpg

1460259922846.jpg

1460259923903.jpg

1460259924843.jpg

1460259925380.jpg


1460259925866.jpg

可愛い。

和の粋を味わわせてもらいました。

クラブコスメチックス文化資料室「素肌の美を増す化粧品」展 

春高楼のは花の宴で「荒城の月」、春功労のは春になにやら頑張ったヒト。
そっちではなく展覧会のお話。
春恒例というと府中市美術館「春の江戸絵画祭」と大和文華館の三春の滝桜に近世風俗画展、東博の「博物館でお花見」…などがすぐに思い浮かぶところでしょう。
でもこちらも「春恒例の」展覧会なのです。
クラブコスメチックス文化資料室の企画展。
これは小さな企画展とはいえ中身の濃い濃い展覧会。
今回は「素肌の美を増す化粧品」展というタイトルで副題が「中山太陽堂にみる商品戦略」。

IMGP0042_2016041312523217d.jpg

中山太陽堂(クラブコスメチックスの前身)は良質な宣伝を世に送り続けた。
化粧品だけでなく歯磨き粉なども製造してきたが、それらを販売するために魅力的な宣伝広告を作成した。
とはいえ「うちのは素晴らしい」というアピールだけではなく、「どう使えばよいか・このようにするとよい」という一種の啓蒙も行ってきた。
そのあたりが創業者・中山太一の賢いところで、それが魅力となって明治大正昭和の広告史に中山太陽堂の仕事がキラキラと輝き続ける理由にもなった。

IMGP0072_201604131711137bd.jpg

今回は許可を得て展示室の様子を撮影させていただきました。

例によって大してうまくもない写真なので本当の魅力はあんまり伝わりそうにないけれど、この記事を見て「本物はどうなんだろう」とお出かけしてくれはると、ああよかった…と思うわけですよ。

文化資料室の様子。
IMGP0067_2016041317110705b.jpg


製品パッケージ、外観。
IMGP0043_20160413125234e15.jpg

現在よりちょっと昔の方が、装飾に対して憧れを懐いていたと思う。
北欧製のシンプルさもいいけれど、レトロな愛らしさが横溢したデザインにときめく。

IMGP0044_201604131252358d5.jpg

可愛いなあ。
IMGP0045_20160413125237b53.jpg

中山太陽堂の年表が貼ってた。初めて見たような気もする。
IMGP0046_201604131252381f9.jpg
時代の流れを踏まえて展示品を見ると、見えないものも見えてくる。

IMGP0051_2016041312525673f.jpg
モニターで会社の歴史とかクラブ白粉、クラブ洗い粉についての情報をみる。

椅子に座って一休み。
IMGP0050_20160413125254e5b.jpg

IMGP0052_20160413171007bc0.jpg

洗い粉の容器はこのように使います、という手順説明。
かっこいい。香水入れかウィスキー入れを思い出したよ。
IMGP0055_2016041317101106e.jpg

実はこの洗い粉は明治の昔から平成の今に至るまで、少しずつ変わりながらも販売されてきた。
工場で生産されているが、なんと袋に詰めるのは手作業なのだ。
手作業で行うその理由こそが、明治から平成に至るまでこの製品が販売され続けてきた理由でもある。
とても丁寧な洗顔のできる洗い粉なのだった。

明治の新聞広告。
IMGP0056_20160413171013475.jpg

IMGP0057_20160413171027a6f.jpg

昔の新聞は面白いのでついついじっくり読んでしまう。
雑誌ももちろんそう。
これらの雑誌にクラブの宣伝が掲載されていた。
IMGP0069_20160413171110ea2.jpg IMGP0059_2016041317103004f.jpg

昔のセットもの
IMGP0058_20160413171029691.jpg
可愛いパッケージのもので構成されていて、揃えた人は楽しかったろうねえ。いいなあ。

会社の写真あれこれ。
こういうのがまた本当に面白くて。
IMGP0060_20160413171031f69.jpg

IMGP0061_2016041317103390a.jpg

働く女子社員の皆さん
IMGP0062_2016041317104730c.jpg

かつての本社社屋。いい建物。
IMGP0064_2016041317105012e.jpg

レトロな運送トラック
IMGP0065_20160413171052aaa.jpg

資料室の一隅ではショッピングコーナーもあって、当時のパッケージを再現したクリームなどもある。
わたしはホルモンクリームにハマッてて、3つある種類の缶を集めましたよ♪
IMGP0066_201604131710538ce.jpg
洗い粉も当時の再現パッケージ。可愛い。

わたしもこの広告に従って洗い粉を使ってみましょ。
IMGP0073_201604131711307e5.jpg

場所は地下鉄中央線阿波座駅のすぐそば。千日前線だとちょっと歩くかな。
日祝休みで、5月末まで開館中。

次の企画展も楽しみ~~

塙保己一史料館

昨秋から今年にかけて二度ばかり近づいたのがこちらの建物。
秋に見たときの写真。

『山種美術館と國學院の間にある塙保己一史料館。昭和2年


平日のみ開館。


中を見る。


裏へ行く。




次は平日にいきます。』

で、とうとう中に入った時の写真である。
階段がとにかく可愛い。

IMGP0342_201604151032030b5.jpg

IMGP0343_20160415103205856.jpg

IMGP0344_20160415103206e98.jpg

IMGP0345_20160415103207177.jpg

IMGP0346_201604151032090cf.jpg

IMGP0347_20160415103355c74.jpg

塙保己一が心血を注いだ群書類従の原版保管庫。その上の丸いのは後出来の空気穴。
IMGP0348_20160415103356b45.jpg

桜の板が原板だった。それが一番強いそうです。
ありがたいことにこちらも好きなようにご覧になって、撮ってくださいねと言われた。
今度はじっくり拝見したい。

外観。
IMGP0349_20160415103358962.jpg

IMGP0350_2016041510335934e.jpg

IMGP0351_201604151034013d2.jpg

IMGP0352_201604151043395c6.jpg

IMGP0353_20160415104341c70.jpg

IMGP0354_201604151043429d5.jpg

ところで塙保己一と言えばまずわたしは井上ひさし「藪原検校」の芝居を思い出す。
悪逆無頼の主人公に対し、学問一途で世に出て、なお学問の高みを目指す塙保己一。
相反する二人ではあるが、共有する思いを懐いている、という設定がとてもよかった。

さてわたしはこの後に山種美術館へ向かったのだが、そのとき教えてもらった道がよかった。
いつもは一旦広尾高校前まで下りて、そこから曲がっていたのだが、そうではなく國學院の学友会館と広尾中学の間の細道を通り、突き当りを右折すれば、たいへん気楽につけた。
これはいい道だと思った。
どうもありがとうございます。

ファミリア本店、2000年夏。

まさか、というか考えたこともなかったが、神戸のファミリア本店が壊され、跡地に高層マンションと言う計画があるという。
この建物は明治の銀行建築で本当に素晴らしい建物なのに。
阪神大震災も乗り越えたのに。

最近はヴォーリズの名作・大丸心斎橋店が失われ、京都の梨木神社境内にはマンションが建てられ、東京でも女子医大一号館の解体工事が始まった。
梨木の場合は神社が成り立たなくなる経済状況のための苦い決断だというが、どちらにしても衝撃的な話である。

評論家の山田五郎さんが再開発について苦言を呈していると聴いた。
新しいビルでは家賃も上がり若い人が入れなくなるが、古くても周囲の環境がよければ人が集まる、という趣旨の話だそうだ。
「再開発はただ新しい建物を建てればよいわけじゃない。」
将にその通り。
そこのところを勘違いしている経済人があまりに多いことに、絶望している。

とりあえず自分の持っているファミリアの写真を探してみた。
2000年の夏にフィルム写真で残したものが出てきたので、ここに挙げる。

外観
イメージ (16)

イメージ (20)

内部
イメージ (17)

イメージ (21)

細部
イメージ (19)

巨大な金庫。妙に可愛い。
イメージ (18)

ほかにオルガンなどもあった。
あれから16年、まさかこんな日が来てしまうとは…
誠に無念です。
とはいえ、ファミリアがわるいわけではない。
そのあたりがせつない。

ファンタスティック 江戸絵画の夢と空想 前期

府中市美術館、春の恒例江戸絵画祭、今年は「ファンタスティック 江戸絵画の夢と空想」展。前後期完全入れ替えだから二度ばかり行かねばならんわけです。
前期は4/10で終了。後期は12日から開始。
というわけでその隙間の日に前期の感想を挙げるつもりだったが間に合わず、時間が延びてしまった。
ま、完全に自分の記憶と記録のための感想文だから、それでもいいか。

いつも新鮮な驚きのラインナップである。
学芸員さんらスタッフの皆さんに先にお礼を申しあげよう。
よくぞこれだけの絵を集め、そしてこうした絵があることを教えてくれて、ありがとうございます。
享受するばかりで申し訳ないですが、本当にいつも楽しみにしております。
というわけで例によって楽しく拝見いたしましたがな。

松村景文 月・山桜小禽・山茶花鴛鴦図 敦賀市立博物館  三幅対で満月を中に右に山桜、左に山茶花。少し季節の推移がある。初春から春爛漫へ。
柔らかみのある左右の花。薄紅の雪持ち山茶花も山桜も、どちらも温厚な良さがある。

東東洋 蘆間吹笛図 仙台市博物館  小さい亭で釣り糸を垂れたままの少年。しかし獲物はなかなか取れぬようで少年は笛を吹き始めている。三つも籠があるがそれを満たすことはあるのだろうか。そんなことを思うのも楽しい。

岡本秋暉 波間月痕図 摘水軒記念文化振興財団(府中市美術館寄託)  指頭画だそうでなるほどそれも納得がゆくような水に浮かぶ月。

円山応挙 雪中月図   花びらのような雪が降る。月はいよいよ煌めく。きれいな空。写生を第一にする応挙であっても、この絵の美しさは幻想的なものなのだ。

柴田是真 呉剛伐桂図   罪を購わねばならない。この男は桂(=月桂樹)の木を切り倒さねばならないのだが、しかしとんでもないトラップがあった。罪障消滅を願うて、懲役として働いているのだが、実はこの木は切られても切られても死なない木だったのだ。
月で働くこの男の衣服が月の風に揺れている。
ちょっと一息ついているところ。ギリシャ神話のシジフォスを思い出す。

円山応挙 元旦図   山の端から昇る日に向かい、じっ と立つ裃姿の男。
日本人にとって初日の出というものがどんなに尊いものかがしみじみと伝わってくる。

森狙仙 猿図  ほわっとした毛並みのサルが蔓草の生える岩のあたりにいる。薄い日もあがる。
サルとても何かしら物思いに耽る日もあるのだ。狙仙の狙の字はサルの意味だというのを知ってから、狙仙のサルを見ると、狙仙のサルたちへの愛情の深さを強く感じるようになった。

ファンタスティックという言葉を実感するには、わたしの場合だともう少し現実から離れたものでなければならない。

高嵩渓 宝樽船図   無人の宝船が帆を張り、大海を行く。船には「松泉」の菰樽が五段積みとも東アジア共通のお宝が足の踏み場もないほど満載。
日の出、そして舞う鶴。
これが「ファンタスティック」な情景だ。
うむ、間違いない。
 
亜欧堂田善 品川月夜図 須賀川市立博物館   絵の枠内がそのまま座敷になっている。開け放たれた座敷、遊女が一人海を見る。品川の遊郭のにぎわいも消え果てた時間。一人佇む女。
「鐘の岬」がどこかから聞こえてきそうな情景である。
こうした作品に会えるからこそ、府中市美術館の春の祭りになにがあっても参加したくなるのだ。
イメージ (12)

イメージ (13)

松本保居 四条川原夕涼之図 府中市美術館   こちらの版画は位置から考えると四条から下がって五条の手前くらいか、そこの二階から四条河原のにぎわいをみる。虹まで出て東山三十六峰にかかる。
正直な話、こんなのを見ると「早よ夏になって、どこぞの二階か床でごはん食べたいワ」と言う気になる。

山口素絢 四条河原夕涼図屛風  こちらはカラフルな夕涼みにぎわい図で、まぁ実に多彩な情景が広がっている。楽しいて仕方ない。
化け物顔の人魚の見世物、猿芝居、麦湯、西瓜の屋台、夏のことやから腕まくりして歩く人も多い。力士もいるし、暑いので身だしなみの崩れた女もいて、まことににぎやか。
木屋町あたりはシルエットで表現されている。楽しいそぞろ歩き、わたしもしぃたい。

観桜・紅葉に鹿図屛風   「鳴く鹿の紅葉かきわけ大出現」では俳句にも和歌にもならないが、ファンキーな顔をした鹿たちがおるのでした。
一方、花見で盛り上がるご一同、なんと男しかいない。一人カムロみたいなのがいるが、あれだけか、女は。
京博に寄託されている「賀茂競馬図屏風」をホーフツとさせてくれますなw

東東洋 鳥居図 東北歴史博物館   上賀茂神社の片岡御子神社の鳥居が描かれている。川の流れがあり、杜鵑が飛ぶ。
杉と松がシルエットに近い。
なにかしら宗教的畏怖感と言うものを少しばかり感じる。

立原杏所 袋田瀑布図   これがあの滝か、と絵を見て思うわけです。なんしか知らないし所の滝ですからなあ。
気分は観光客。

伊達綱宗 波に燕図 仙台市博物館   横長の画面に波とその上を飛ぶツバメたちの姿がリズミカルに描かれている。
綱宗といえばわたしなどは「高尾殺し」の話を思い出すが、21歳で隠居させられた後にこうして芸術三昧の暮らしが来たことを思うと、謀略説に傾きもする。

司馬江漢・鏑木梅渓 草花群鳥虫図   二枚共に花は開き、水中生物も元気に泳ぎ、鳥類も虫類も活きることに一所懸命なのが伝わる。濃すぎはしないが鮮やかな配色の絵。

小泉斐 弁財天三星図   弁天さんが赤ん坊を抱っこしているのを寿星、福星、縁星の三人がそれぞれあやしている。
こうもり、かめを手にしているが、坊やはコウモリに惹かれたようである。

星は続く。
菊田伊洲 魁星図 仙台市博物館   怪異な魁星が両膝を豹の毛皮にかじらせている。かぶりつく二頭の豹の毛皮。

森一鳳 星図   薄い夜空に星座が上っている。中国の星座。

原鵬雲 気球図 徳島市立徳島城博物館  ぷあーと昇る気球。三人ほどがくつろいでいる。その下では黒船が停船中。実景だったそうだ。こういうのをみると昭和初期のツェッペリン号の来日を思い出す。

松本保居 唐船入津 菩薩上陸 府中市美術館   行列する一行。しかし妙に時間が止まっているように見える。シュールな光景である。

松本保居 祇園社神輿あらいねりもの 府中市美術館  これもまた妙な空気感がある。にぎやかな1シーンなのに人々のざわめきは遠い。

蹄斎北馬 竜口対客・上野下馬・桔梗下馬図   物凄いモブ、モブ、モブ・シーンー!!これは老中面会待ちの人々らしい。
こういうのを見ると一ノ関圭「鼻紙写楽」の中の一編を思い出す。老中田沼意次とそっくりな武士が老中の代わりに陳情を聴くという話。

池田孤邨 石清水八幡神・八幡太郎義家・新羅三郎義光図   それぞれのエピソードを見守る八幡神。

高嵩谷 呉織漢織図   ご近所池田に伝わる物語である。刺繍をする、機織りに精を出す、天へ向かって弓を向ける稽古をする。

英一蝶 かぐや姫図  成人した姫が竹からゆらーっと・・・

鳥居清長 行司を務める金太郎 墨田区・回向院   お相撲を取るのは小鬼たち。なかなか面白い顔の小鬼たちである。

へんな神様ばっかりが続く。
滝和亭 関羽読書図 白澤庵
小泉斐 竹林七賢図
酒井抱一ほか 七福神図
小泉斐 七福神図
原在照 菅神影向図 敦賀市立博物館
中には凶悪犯にしか見えない神様もいる。

原在中 飛竜図   鯉の身体に龍のアタマと羽が出現している。まずいな、これでどちらにもなれなかったらアウトですな。

歌川国芳 地獄図   にぎやかでいいが、地獄図は弟子筋の暁斎の方がいいな。

堀田正民 骸骨図   にんまりと笑う骸骨である。なにやらナマナマシイ。

河鍋暁斎・董玉 地獄図   笑ってしまった。美人に抱き着かれる閻魔さん。浄玻璃の鏡に映る顔がすごーい。

歌川国芳 百人一首之内 大納言経信   青んぶくれのオバケが出てきて詩を吟ずる。

歌川国芳 道外化もの百物がたり   この絵はここで前に出てきたなあ。大好きな一枚。おばけまみれ。

次は国貞のシリーズものでとても好きなもの。
「俺たちの国芳 わたしの国貞」にもあればよかったのになあ。
鮮やかでドラマチックでとても好きな絵。豊国揮毫奇術競
イメージ (14)

イメージ (15)
後期に出る人もいるがまあいいや。

柳橋水車図屛風 徳島県指定文化財 徳島市立徳島城博物館   この絵は先般見たばかり。いい絵でした。
イメージ (61)

狩野永岳 唐人物図屛風   高士が何かを見上げる図。家の前の松の幹によって。少年、心配中。

岡本秋暉 鹿渡河図 摘水軒記念文化振興財団(府中市美術館寄託)  鹿の渡河図は結構多いが、この鹿は賢そうな顔立ちでかっこいい。

青服を着た中国婦人図 浜松市美術館  ガラス絵である。浜松はガラス絵をたくさん持っているというから、今度の府中市のガラス絵展もそこのコレクションが多く来そうで楽しみ。
清朝の美人が優しく微笑む図。

司馬江漢 三囲雪景図   笠の二人が道に佇む。鳥居も雪がつもる。これではホームレスの清玄も三囲神社にはいられない。
桜姫も到底来てはくれまい。遠くの田んぼには鷺か何かがいる。シーンとしている。
皆川博子「花闇」のラストシーンを思い出すような情景だった。

墨江武禅 月下山水図 府中市美術館  この人は前に大阪歴博での展覧会で随分たくさん見た。「唐画もん 武禅に閬苑、若冲も」 この山のありようなどは将にファンタスティックだと思う。

狩野探幽 八尾狐図   手足の太い狐さんには8つのしっぽがある。9つだと妖狐だが8つだと縁起がいいらしい。
去年か家光の描いた絵がみつかったとか言うてたな。

巨野泉祐 月中之竜図 桑名市・照源寺   本当に月の中に影がうごめく・・・缶バッヂとかにしたらかっこええような。
月蝕の中に龍が潜む…

河鍋暁斎 蛙の大名行列図   さすが名うてのカエル好き。肉筆のカエルの大名行列。
16041202.jpg
可愛いなあ。

与謝蕪村 虎図 摘水軒記念文化振興財団(府中市美術館寄託)  いやもぉほんまに可愛い。
16041201.jpg
そういえば蕪村の雅号に「謝寅」というのもあったな。
謝る虎、というわけでもないけれど。

竜虎図押絵貼屛風   ちょっと朝鮮風な感じもある。豹のような子供を連れた虎。少し上にカササギもいる。鵲と虎のモチーフは朝鮮ぽいよね。吉祥文でも特に好まれる・そうでもないというのあるやろし。

最後はやっぱり蕭白の変な仙人図屏風。当然ながら変な仙人ばっかり。

全体としてところどころに「ファンタスティック!!」というのを感じた、それでいいと思う。
何も全部が全部でなくていいもの。
それにしても本当に面白い絵を集めて来やはるなあ。
充実の府中市美術館。

またGWに後期を見に行きます♪

培広庵コレクション 華麗なる美人画

4/10で終了した培広庵コレクション展の感想を挙げたい。

久しぶりに培広庵コレクションを見た。
京都、浦和で見て、今回は滋賀の佐川美術館で見た。
近代美人画を集めたコレクションはいつ見ても楽しい。
イメージ (9)

1.東京の画壇 近代化の中心

安倍野 山川秀峰 狐の化けた葛の葉が秋の野をゆく。杖を突いて行く旅。その足元を狐が守るようにゆく。
葛の葉の着物の柄は柏。柏は神農や山神のケープとしても使われる。
即ち人の世よりも自然・野生・神秘の方に近い証拠でもある。
意外なくらい大きな絵だが、せつない想いが全体ににじんでいる。
最後まで共にいられるわけではないことを知っているのだ。だがせめて・・・
その女の心情が絵の端々ににじむ。
イメージ (11)


…と、ここまで書いてかつてうらわ美術館で見たときの感想を引っ張ってこようと調べて、2006年の感想だったことに気付いて驚いた。・・・重みのない十年である。
また、思文閣でもここのコレクションを展示しているのを見たことがあるので、その時の感想を見た。

どちらも当時の感想を再読すると、各作品について現在と基本的に同じことを書いていた。
進歩がないとみるべきかブレない姿勢と言うべきか。
そこで前回、今回と共通した作品については、もうこれ以上同じことを書くのはやめることにした。
挙げるのは前回には出ていなかった作品のことにした。

イメージ (10)

堂本印象「研遊帖」の世界
これは別室を全面使っての展示だった。
十二か月の月次美人画である。時代装を考証して制作されたようである。

1.松林の中、鼓を持つ藤原時代の美人。
2.市女笠の女人が白梅を愛でる。足利時代。
3.山桜を楽しむ花見宴。毛氈に座して微笑む椿柄の着物の桃山時代の美人。
4.手ぬぐいをかぶり、藤を担ぐ文禄時代の女人。
5.橋に坐して花菖蒲を眺める慶長美人。
6.蛍狩りを楽しむ寛政美人。
7.秋草の野に立つ元禄美人。
8.月下、床几で笛を吹く享保美人。
9.白菊を見る柘榴模様の着物の享保美人。
10.紅葉を持つ文化期のやや年長の婦人。
11.たき火をする文化期の娘。
12.雪の日に傘を差して行く文政美人。

今回特には図録を新規作成もなかったようで、これらはその場で見た記憶の中で何度も反芻するしかない。

珍しい金沢の美人画もあり、とても満足した展覧会だった。行きづらいところだが、出かけてよかった。
やはり培広庵コレクションは魅力的だ。

あとは樂吉左衛門のアフリカをイメージした新作茶碗や佐藤忠良の彫刻群、平山郁夫の絵を楽しんで美術館を後にした。




旧三河邸 その3

その3.
ちょっとホラーな撮り方にしてまいました。
IMGP0104_20160407161939729.jpg IMGP0106_20160407161942f37.jpg

IMGP0107_201604071619445be.jpg

IMGP0105_2016040716194116f.jpg

IMGP0108_20160407161945015.jpg

IMGP0109_20160407162001ec1.jpg

IMGP0110_20160407162003e55.jpg

IMGP0111_20160407162004b5e.jpg

IMGP0112_20160407162006450.jpg

IMGP0113_20160407162007985.jpg

IMGP0114_20160407162245683.jpg

IMGP0115_2016040716224663c.jpg IMGP0116_201604071622475c9.jpg

IMGP0117_201604071622494e3.jpg IMGP0118_2016040716225080b.jpg

IMGP0119_20160407162306034.jpg IMGP0120_201604071623083d9.jpg
窓の外には線路。

IMGP0121_20160407162309475.jpg

IMGP0122_20160407162311201.jpg

再びカッパドキア。
IMGP0123_20160407162313fc0.jpg

IMGP0124_201604071624407a0.jpg

IMGP0125_20160407162441f17.jpg

IMGP0126_201604071624435f7.jpg

IMGP0127_20160407162444476.jpg

IMGP0128_20160407162446bf9.jpg

IMGP0129_2016040716250016d.jpg

IMGP0130_2016040716250197e.jpg

IMGP0131_20160407162503b11.jpg

IMGP0132_20160407162504165.jpg

IMGP0133_20160407162506ce2.jpg
邸宅の絵もある。

IMGP0134_20160407162849c5e.jpg

IMGP0135_20160407162851ec8.jpg

IMGP0136_201604071628524d4.jpg

IMGP0137_201604071628547f8.jpg

IMGP0138_20160407162855bb6.jpg

IMGP0139_20160407162923094.jpg

お風呂場へ。
IMGP0140_201604071629246c4.jpg
素敵なタイル画。

IMGP0141_20160407162926317.jpg

IMGP0142_2016040716292789d.jpg

IMGP0143_2016040716292939e.jpg

IMGP0144_201604071631586f6.jpg IMGP0146_20160407163201046.jpg

IMGP0145_20160407163200087.jpg

IMGP0155_201604071635026fa.jpg

タイルをじっくり。
IMGP0148_201604071632031b8.jpg

IMGP0149_20160407163205b51.jpg

IMGP0150_20160407163231f24.jpg

ガラス絵が可愛い。
IMGP0151_20160407163232e9a.jpg IMGP0152_20160407163233312.jpg

IMGP0153_20160407163235a7a.jpg IMGP0154_20160407163236868.jpg


続く。

旧三河邸 その4

続き。
いいものを見た。
ようやく外観も出てきます。

IMGP0156_20160407163945757.jpg

IMGP0158_2016040716394795f.jpg

IMGP0159_2016040716394858d.jpg

IMGP0160_20160407163950eb2.jpg

IMGP0161_20160407164009d11.jpg IMGP0163_2016040716401244d.jpg

IMGP0162_20160407164011a31.jpg

IMGP0164_201604071640140a1.jpg

IMGP0165_20160407164015641.jpg

IMGP0166_20160407164313e8e.jpg

IMGP0167_20160407164314d6b.jpg

IMGP0168_20160407164316c5c.jpg

IMGP0169_201604071643173b1.jpg

IMGP0170_20160407164319cb0.jpg

IMGP0171_20160407164341d87.jpg

IMGP0172_20160407164343885.jpg

外観とお庭を中心に。

IMGP0173_201604071643457d9.jpg

IMGP0174_20160407164346034.jpg

IMGP0175_20160407164348441.jpg

IMGP0176_20160407171152df2.jpg

IMGP0178_20160407171155acf.jpg

IMGP0179_20160407171156da8.jpg

IMGP0181_20160407171250603.jpg

IMGP0182_20160407171252afd.jpg

どうぶつ園。
IMGP0177_20160407171154d89.jpg

IMGP0180_20160407171158fcf.jpg

IMGP0183_20160407171253208.jpg

IMGP0184_20160407171255fe7.jpg

IMGP0185_20160407171256348.jpg

IMGP0186_20160407171510a14.jpg

IMGP0187_201604071715111e9.jpg

IMGP0188_20160407171513448.jpg

IMGP0189_201604071715144ac.jpg

IMGP0190_20160407171516fe8.jpg

IMGP0191_20160407171536775.jpg

最後にまたちょっと入ります。

インテリアとか家具とか。

IMGP0192_20160407171538ee6.jpg

IMGP0193_20160407171539108.jpg

IMGP0194_20160407171541b0f.jpg

IMGP0195_201604071715429b3.jpg

勝手口の石畳
IMGP0196_20160407171800828.jpg

IMGP0197_20160407171802123.jpg

IMGP0198_201604071718020e7.jpg

IMGP0199_20160407171804b1e.jpg

IMGP0201_20160407171806da4.jpg

金庫も発見IMGP0202_2016040717183394b.jpg


IMGP0204_201604071718347c5.jpg

IMGP0205_2016040717183660a.jpg

IMGP0206_201604071718383c4.jpg

IMGP0207_201604071718395d3.jpg

徳島県健康保険医。緑青吹いてるのもいいなあ。
IMGP0208_201604071718573d1.jpg

IMGP0209_20160407171859663.jpg

IMGP0210_20160407171900d0f.jpg

IMGP0211_20160407171902fa4.jpg

徳島市役所の担当の方に見送られて退出。長々とありがとうございました。
IMGP0212_20160407171903b8e.jpg

IMGP0213_20160407171919907.jpg

IMGP0214_201604071719210e4.jpg

IMGP0215_201604071719232f4.jpg

IMGP0216_20160407171924de1.jpg

IMGP0217_2016040717192657b.jpg

IMGP0218_201604071719402b3.jpg

本当に愛らしい旧三河邸。
今度は綺麗になってから再訪したいね。

旧三河邸 その1

過日、大雨の日に徳島市の旧三河邸に出向いた。
特別に見学をさせていただけることになり、そのお仲間に加えてもらって、いそいそとバスで神戸から徳島へ向かった。
登録文化財の旧三島邸。医院。
徳島駅からも歩けるので雨の中黙々と…現地集合なので一人で喋りながら歩いていたらコワイひとですわなw

向かいの道路を歩いていると橋の手前辺りからちらりと見えてきた。
IMGP0010_20160407154004334.jpg

IMGP0009_20160407154002864.jpg

IMGP0008_20160407154001d12.jpg

対岸にはこんなのもある。
IMGP0011_20160407154257703.jpg

到着。本当なら外観から挙げていきたいところだけど、今回かなりの写真を挙げるのでもう順不同ということで。
一応一階から。

IMGP0012_20160407154258e9c.jpg

IMGP0013_201604071543000e4.jpg

IMGP0014_20160407154302f94.jpg

IMGP0015_201604071543031e9.jpg

IMGP0016_20160407154317f31.jpg

IMGP0017_20160407154319045.jpg

IMGP0018_20160407154320917.jpg

IMGP0019_20160407154322378.jpg

IMGP0020_20160407154323fb3.jpg

IMGP0021_20160407154515120.jpg

IMGP0022_2016040715451613c.jpg

IMGP0023_20160407154517543.jpg

ちょっと暗いので見づらいが堪忍してください。

IMGP0024_20160407154519078.jpg

IMGP0025_2016040715452071b.jpg

IMGP0026_20160407154538bbc.jpg

IMGP0027_201604071545409d2.jpg

IMGP0028_201604071545417f4.jpg

IMGP0029_20160407154543ea2.jpg

IMGP0030_2016040715454465d.jpg

IMGP0031_20160407154846ae2.jpg

IMGP0032_201604071548473b4.jpg

IMGP0034_20160407154849d45.jpg

IMGP0035_20160407154850969.jpg

IMGP0036_2016040715485207e.jpg

IMGP0037_20160407154912cd8.jpg

IMGP0039_201604071549142f9.jpg

ハンマースホイ風である。
IMGP0040_20160407154915ea5.jpg

IMGP0041_20160407154917660.jpg

IMGP0042_20160407154918532.jpg

IMGP0043_201604071555030bd.jpg

IMGP0044_20160407155504f0b.jpg

IMGP0045_201604071555061b9.jpg

IMGP0046_2016040715550836b.jpg

IMGP0047_20160407155509a2e.jpg

IMGP0048_20160407155534fc5.jpg

IMGP0049_20160407155536452.jpg

IMGP0050_20160407155537bc5.jpg

IMGP0051_20160407155539cb0.jpg

IMGP0052_20160407155540e16.jpg






最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア