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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

2017.11月の記録

20171103 天理図書館 古典の至宝 中期 天理参考館
20171103 正倉院展 奈良国立博物館
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20171103 柳沢淇園 ―文雅の士・新奇の画家― 大和文華館
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20171103 国宝 京都国立博物館
20171104 ひねもす蕪村 逸翁美術館
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20171104 長沢芦雪 愛知県美術館
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20171104 リカちゃん50周年 梅田阪急
20171111 中国陶磁器 ―壽福の造形 明時代を中心に― 白鶴美術館
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20171111 ペルシアの絨毯 白鶴美術館
20171111 ユニマットコレクション 近代絵画と珠玉のラリック展  小磯良平記念美術館
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20171116 天理図書館 古典の至宝 後期 天理参考館
20171116 阿修羅 天平乾漆群像展 寺社
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20171116 奈良女子大記念館・佐保会館 建築探訪
20171116 北斎 ―富士を超えて― ハルカス
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20171118 なにわ風情を満喫しませう ―大坂四条派の系譜ー 大商大商業史博物館
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20171118 岡本神草の時代 /「岡本神草の時代」展に寄せて 京都国立近代美術館
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20171118 ファインダー越しのアジア:報道、旅行記、小説 京都国立近代美術館
20171118 国宝 京都国立博物館
20171119 道成寺と日高川 和歌山県立博物館
20171119 石垣栄太郎と国吉康雄 和歌山近代美術館
20171119 南画 和歌山近代美術館
20171123 光彩の巧み ―瑠璃・玻璃・七宝― 五島美術館
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20171123 あこがれの明清絵画 日本が愛した中国絵画の名品たち 静嘉堂
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20171123 菊川英山 浮世絵太田記念美術館
20171123 近代香粧品なぞらえ博覧会 伊勢半紅ミュージアム
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20171123 三沢厚彦 アニマルハウス:謎の館 松濤美術館
20171124 澁澤龍彦 ドラコニアの地平へ 世田谷文学館
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20171124 SF・新展開 世田谷文学館
20171124 キンダーブック90年 印刷博物館
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20171124 北野恒富 前期 /近代美女競べ 千葉市美術館
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20171125 菊池容斎と門下の美術 容斎・松本楓湖・渡邊省亭・鈴木華邨 斎田記念館
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20171125 江嶋縁起 遊行寺宝物館
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20171125 平山郁夫 シルクロードコレクション 横浜そごう
20171125 フランス宮廷の磁器 セーブル、創造の300年 サントリー美術館
20171125 フランス人間国宝 東京国立博物館
20171126 和モダンの世界 近代の輸出工芸 金子皓彦コレクション たばこと塩の博物館
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20171126 ジャン・ピエール・メルヴィル 暗黒映画の美 フィルムセンター
20171126 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち 汐留ミュージアム
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20171126 書の流儀 出光美術館
20171126 パリ・グラフィック ロートレックとアートになった版画・ポスター 三菱一号館
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20171126 フィルムセンター所蔵のポスター30選 ギャラリー
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あこがれの明清絵画 日本が愛した中国絵画の名品たち

五島美術館の次に静嘉堂文庫へ向かった。
いい明清絵画が集まっている。
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大体このチラシを見て「行くぞ!」となった人も多いと思う。
沈南蘋のお猫様である。
行って現物の前に立つと、その可愛さ・優美さにこっちが「にゃあ」となる。
また、それを臨書・模写した谷文晁派の絵が、微妙に和猫になっているのもご愛嬌。
いい絵だ。
全体はこのリーフレットにも使われている。クリックすると拡大する。
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ところで打ち出せない漢字が少なくない。出たとしても文字化けしそうでもある。
なのでここにリストへのリンクを貼る。pdfだから気を付けてほしい。
こちら

同じ絵が二点並ぶ。
一は元の絵、一は探幽による模本である。
全くそっくりではない。わざとなのか技術の問題なのかはわたしではわからない。
張翬 山水図  垂直に伸びる山、これは中国にしかないのだろうか、とよく思う。そこに微妙な空気が漂う。
探幽の模本は更に空気の流れが大きい感じがある。

・明清の花鳥画
李日華 牡丹図巻  墨絵で牡丹の花の色まで。そう、墨の濃淡が花の色を想像させる。
「墨には五色の色がある」という言葉がよぎる。

呉令・邵弥 椿・梅図扇面  合作。わたしは椿も梅も好きなのでこういうのは本当に楽しい。金箋に描いたそうでキラキラしている。白梅と白椿。どちらもいい。そういえばこの紙は「金潜紙」と同じような種類の存在かな。

徐霖 菊花野兎図  見返り兎の図。菊花を見てるのが可愛いが、エサだと思うのかも。「しろいうさぎとくろいうさぎ」だったか「ピーターラビット」だったか、しろつめくさを食べて幸せでしたとかいう描写があったはずだ。
蒲の穂綿にくるまるのもいれば、共同生活の欺瞞から逃れようとするのもいる。ウサギもなかなか大変なのだ。

余崧 百花図巻 カラフルでなかなか綺麗。こういうのはほっとする。
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名前のわからない画家たちの絵もある。
虎図 太めのタレ目のトラ。妙に可愛い喃。
花鳥図 白梅、紅椿のところへ小鳥たちが。

思えば「花鳥画」は東アジアで重要な地位を占めるが、西洋絵画の場合、そこまでの地位は与えられなかった。
だが、古代ローマのポンペイ遺跡の壁画などを見ると、そこのフレスコ画が実は花鳥画だったりする。
ややこしい理屈より楽しむべきものとして、花鳥画を愛でるという習いはなかったのだろうか中世の人々は。
・・・ないわな、理由はいくつかあるけど。

堆朱や青磁刻花の様々な花鳥をみる。
景徳鎮の青磁釉裏紅魚介文盤などは楽しくて仕方ない。
カニを中心にエビや赤魚、わかめまで。

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・明清の道釈人物・山水画
丁雲鵬・盛茂燁 五百羅漢図 1594頃  ロバに乗ったりナンダカンダなのはいつものことながら、この二人の描く羅漢たちは顔もすっきりしている。
あんまりばっちくないのがいい。

趙左 雪景山水図  山がカクカクして凍っているかのよう。この山の構造がなんとなくスゴイ。

李士達 秋景山水図  山上の小さな家、可愛いが、暮らしにくいよなあ。理想とは現実を無視するものである、という感覚かな。
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この李士達の絵を模写したものもある。
驟雨行客図 原本は1619、模写は高久靄厓で1835年。

藍瑛 秋景山水図 1638
そしてその写しの谷文晁の絵も並ぶ。間違い探しゲームでもしたくなってくる。
空気感が違う、とか言うのも答えになるのかな。

張瑞図 秋景山水図 この絵に至っては柳沢淇園と池大雅の模写がある。
日本の文人画家がどういった絵を手本にしていたかがこうしたところから見えてくる。
先般、大和文華館で柳沢淇園展があった。
当時の感想はこちら

来年には京博で大がかりな池大雅展もある。
方向性をまた確認したい。

・文人の楽しみと明清の書跡
文房具の名品が並ぶ。そして煎茶道具。
文人のたしなみ。
中島敦「山月記」を思い起こす。
役人でいるのが嫌で、詩人として名を挙げたくても叶わず、出世を諦めて山中生活(隠居)して文人暮らしをするには、李徴には俗の関わりが多すぎた。
身勝手さと過剰な自意識とを拗らせた挙句にまさかの虎に変身。
ここに描かれた文人たちは、虎になる不幸を免れただけにすぎないのかもしれない。

絹や絖に絶句や律詩を書くことのできる状況。明の繁栄は面白い。
庭園文化も明代が最高位に達したと思う。

芥子園画伝があった。
いいなあ、どのページを見ても「いいなあ」としか思えない。

姉妹硯と目された二つの硯が並ぶ。
実は産地も違うようだがそれでも「姉妹」になった。
遊び心が横溢する。

やはり文化の頂点に達して、繁栄も最盛期、明日から下り坂という辺りの時代の文物は何を見ても面白い。
唐、宋、明。
日本では院政期、安土桃山、幕末。
みんなばかばかしい位の豪奢さに満ち満ちている。

12/17まで。



光彩の巧み ―瑠璃・玻璃・七宝―

先日、五島美術館と静嘉堂文庫とを廻り、明代の絵画と工芸品の佳いのを堪能した。
五島美術館のタイトルは「光彩の巧み ―瑠璃・玻璃・七宝―」
静嘉堂文庫のタイトルは「あこがれの明清絵画 日本が愛した中国絵画の名品たち」
ここに後は泉屋博古館分館が加わるべきだが、今回はこの二つを見た。
まず五島美術館から。
タイトルに「瑠璃・玻璃・七宝」とあるが、中心は七宝焼だった。
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チラシには龍の絵の壺が見えるが、サイズはわからない。
得てして自分の予想を超えるものだ。

ロビーに巨大な壺がある。


…予想以上のサイズだった。

古代の工芸品を愉しむ。

金銀玻璃象嵌大壺 永青文庫  古代の輝きをそのまま保持することは出来ないが、それでも「残んの香」とでも言うべき風情がある。
古代の貴重品と言うだけでない、優美さというものを見出す。

多彩玻璃珠 永青文庫  妙に親しみやすそうな外観で、なんだろうと思っていたが、納得した。妙におばけっぽいのだ。それが可愛い。

玻璃握豚 五島美術館  死者の手に持たせる胴長の豚型の握りもの。石灰のような色だった。これを見ていたカプが、「なんでーなんだろう」と騒ぐので説明してもいいかと思ったが、やめた。後に「遠州好」の解説文に引っ掛かって揃って「ググろう」と言いだしたので、さすがに止めて説明した。

帯鉤 白鶴美術館  見たことがあると思ったら白鶴のだ。まだ撮影可能の頃に白鶴で撮ったことがあり、どう使うのかを当時教わった。

嵌玉一角獣形鎮子 泉屋博古館  これも魔除けになる。言うたらブサカワだが、それが力の源なのかもしれない。

第二部―東洋七宝の萌芽

花文七宝帯金具 白鶴美術館  つくづく可愛い。よい構成。こういうのが本当に好きだ。
簡素なメモをつけながら、下手な絵もちょっと添えた。そうしたくなるくらいこの花文が可愛い。

花文入亀甲形座金具 牽牛子塚古墳出土 明日香村教育委員会  高松塚古墳より上位の人の墓所らしい。それについてはこちら。
そしてこちらの花文がまた可愛くて可愛くて。
ところどころ欠落しているのも逆に魅力になるくらい。

黄金瑠璃鈿背十二稜鏡模造 田中輝和 宮内庁正倉院事務所  技術力の高い人によりこうした素晴らしい模造品が作られるのはいいが、現代の日本は技術保持者を軽視し過ぎる傾向を、なんとか是正しなくてはならない。
とても綺麗で明るいものが出来ていた。三彩風にも見えるがやきものではない。

第三部―茶の湯と七宝
中世になった。まずはここから。
君台観左右帳記 大東急記念文庫  室町時代の美の教科書。

明代の釣り舟型の花入れが並ぶ。
雲文七宝舟形釣花入 泉屋博古館分館
雲文七宝舟形釣花入
花文七宝舟形釣花入 静嘉堂文庫美術館
青海波文七宝舟形釣花入 九代中川淨益 建仁寺堆雲軒
外観を綺麗に七宝焼が侵略している。隙間はない。中の火屋の孔はそれぞれ工夫が凝らされていて、可愛いものが多い。それは日本の茶人好みのものなのか元からなのかは知らない。

荒磯文七宝天目台 永青文庫  鯉が顔を出す。改めてこれが実は「登竜門」なのだということを思いだす。別に空気が欲しくて顔を出したわけではないのだよ、魚も。

海馬文七宝水指 静嘉堂文庫美術館  この海馬はギリシャから来たのかもしれないが、見事に東アジアのそれに代わっている。海馬の顔つきが藤城清治か井上洋介が描いたようなファンキーなものなのも楽しい。
そしてこの海馬文はなかなか人気だったらしい。
ほかにもわりとたくさん見た。明から清代の流行の一つだったのか。

玉取獅子唐草孔雀文七宝水 指滋賀・彦根城博物館  この文様も来たか。
多様化するかと思ったが、絵柄・文様はあまりヴァリエーションを広げなかった。

七宝皆具  茶道具をすべてそれで揃えた。これはこれですごいな。この為に拵えたのか・それとも茶人の感性で取り揃えたのか。

トルコブルーを地の色にして隙間なく展開する明の七宝焼。
この偏執的な文様を見ると、さすがに疲れてきた。

五七桐文七宝釘隠付風炉先屏風 細見美術館  日本製。なんとなくホッとする。つまり他の素材と一緒になることでその圧迫感が減った気がするのだ。

鶴蓮華文七宝面盆 檀王法林寺  「だん王」さんのところのか。あそこには他にも素晴らしいお宝があるが、その前を歩きながらも中へ入ったこともないなあ。
と、そんなことを思いながら盆を眺める関西人。

安藤七宝店の良品がいくつもある。
明治の仕事はどこか不思議な感性を見せる。

唐花文七宝蓋阿古陀形鉄銚子 サントリー美術館  可愛い阿古陀形の銚子を彩る七宝。

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第四部―琺瑯の香気

孔雀を表現するのに七宝というのはとてもいい方法だ。
立てた羽根を緑で濃やかに表現するのもあれば、後ろへ流れる裳裾のように表現するものもある。いずれもとても魅力的。

第五部―身にまとう耀き

刀鐔の素晴らしいのをいくつも見る。安土桃山から続く平田派の素晴らしい技巧。
「平田七宝」と呼ばれるそうだ。加賀大聖寺で活躍する弟子もいて、彼らの作品がこのように伝世するのはよかった。

花雲形文七宝鐔 伝平田道仁
宝尽文七宝鐔 伝平田道仁 名古屋市博物館
宝尽文七宝鐔 平田彦四郎 東京国立博物館
雪華文七宝鐔 平田春寛 東京国立博物館
雪華文は特に好ましく思った。

七宝十字架 大阪市立美術館  ・・・妄想が次々と生まれだすのが止められない一点。

第六部―机上の巧み

小さくて愛らしいものが色々。文房具は七宝物がけっこう多い。
菊文七宝水滴 東京国立博物館
七宝丸形水滴 東京国立博物館
波兎文七宝水滴 サントリー美術館
愛でたいよ。

小さい印籠の中にさらに小さい宇宙がある。
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林原で手に入れた絵ハガキがあってよかった。

第七部―調度の光彩
実は好みで言うと、やっぱり七宝焼は江戸時代の和物が好きだ。
明治の二人ナミカワも好きだが。
引手や釘隠し、あれらに七宝焼が使われているのがとても好きなのだ。

名古屋城本丸御殿襖 名古屋城  立派なもの。そうそう、近年になり襖などの修復も終わり、虎の絵なども見たが、引手や釘隠しを見るのもとても楽しみだった。小さくとも葵マークが入っているのもいかにもだ。

細見美術館のコレクションの優品が並ぶ。
わたしが本当に引手や釘隠しが好きになったのは、この細見コレクションのおかげだと思う。
それが昂じて、まだ中山手にあった頃の竹中大工道具館に終了間際に駆け込んで、いろんな引手の映像を見たのも懐かしい。

鳥兜文七宝引手、水仙文七宝引手、流水蛇籠文七宝釘隠、九七桐蛇籠文七宝釘隠手焙、夕顔文七宝釘隠、梅枝文七宝釘隠・・・
これらは実物を見る前にチラシで見て、本当にときめいたなあ。
そして切り抜きをしたりしてね。懐かしい昔話です。
これがそれ。
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加工品もある。
流水蛇籠文七宝釘隠手焙 火屋をそれにしたり、鈍翁などは五七桐文七宝釘隠を香合にしたり。
こういうところにセンスというものが現れるのだろうね。
櫛松文七宝釘隠香合  可愛いなあ。
雪笹文七宝釘隠衝立 こんな風にも使えるのはいいなあ。

濃いものを堪能したよ。
わたしは中学の最初の二年間を七宝焼づくりに打ち込んでいた。
有線七宝と銀箔・金箔を使ったり、型の上に色を置いたり。透明釉薬が好きだが、不透明釉薬もよかった。
全う出来なかったのは学校側の責任だが、それだけに今も七宝焼のいいのを見ると胸が疼くような何かがある。
またどこかで自分の好みの七宝焼を見てみたい。
12/3まで。

道成寺と日高川 ―道成寺縁起と流域の宗教文化―

和歌山県立博物館はときめきをくれる博物館だ。
正直な話、北摂から行くのが億劫なのだが、しかしここの展覧会を見ると「ああ、遠くても・ムリをしてもやっぱり来た甲斐があった」と満足するので、やめられない。
隣接の近代美術館もそうだし、南海の駅近くの市立博物館もいい。
この三か所を回るのはとても楽しい。
とはいえ、今回はJRで行ったので、市立博物館に行けなくなった。
申し訳ない。

ここへは「蘆雪溌溂」展以来になるのか、思えば年に一度秋にしか訪ねていないので、大きなことは言えない。
言えないが、いい展覧会のことは声を大にして言いたい。
「道成寺と日高川 ―道成寺縁起と流域の宗教文化―」
たいへん興味深い内容だった。
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だが、例によって例の如く、終了間際に行ったので、感想は終了後になってしまった。

序章 宝暦12年、鐘巻銅鐸出現 ―鐘の重なり―
最初に谷文晁の熊野奇勝図帖を出し、どのような場所なのかをこれで想像させる。
熊野の本宮をロングで捉えた図会、それがとても興味深い。

鐘巻銅鐸(道成寺銅鐸) 地文は渦巻き文。外観がどうも「サザエさん」を思い出させる。
頭頂部にぐりぐりが並びサイドにもグリグリが並ぶのだが、これが「鐘巻」ではなく、地名が「鐘巻」。渦巻き・蕨の親族。
そしてこの出土の来歴についての口上書もつく。宝暦12年(1762)、銅鐸の似せ絵もある。
みつけた源蔵さんはてっきり古寺の水煙かと思い、道成寺に収めたそうな。

1章 観音霊場道成寺 ―道成寺縁起の縦糸―
・道成寺創建―「吾朝の始出現」千手観音―
箱谷遺跡三号墳出土遺物  なにやら魅力的なものがずらり。
琥珀の棗玉、菅玉、勾玉、切子玉、直刀、高坏、埴輪に鏃も。

日本霊異記 下巻 現代の再現物で道成寺についての記事のページが開く。
そんな時代からの道成寺。

丸や平の軒瓦の装飾もいい。奈良時代のブーム。

千手観音立像が佇む。それは本物で、それを囲むようにパネルの仏像たちが壁面にいる。
ふと見れば部材が。ばらばらの部材。・・・なかなか凄い眺め。手首だけとか合掌する手のみなど。
楠と檜はこの時代特に多かったのだろうか。
植物相、その地の特性など知らないことばかりなので、色々と想像が拡がる。

・道成寺の仏像―古代・中世の法灯を伝える―
千手観音が道成寺にたくさんある理由を知らないけれど、救いを求める人のために差し出される手は多いほど良いのは確かだ。
それからゆくと、特定個人ではなく庶民を救うための仏がここに多い、と思えばいいのだろうか。
いや、道場だから…
知らないことばかりでアタマがぐるぐる。

千手千眼陀羅尼経 平安時代  綺麗な色遣い。「果実豊饒ニシテ人民歓喜」うむ、納得。
望みを叶えてくださいのお経。

先般、香雪美術館で神仏の躰のバラバラ部位を集めたものを見たが、ここでも同じようなものをみる。
天部の頭部、着衣の断片、蓮弁などなど・・・
物理的なバラバラを見るだけでなく、バラバラになってもなお神仏の威力は衰えないということを知るのだ。

二頭のゾウが仲良く寄り添う六牙象、武神のような大黒天像もある。鎧から下の天部立像もいい。

・日高川流域の仏像
平安の仏たち。素朴な信仰心と教義についてちょっと思う。

2章 日高川流域の熊野信仰―道成寺縁起の横糸―
・熊野信仰と日高地方
読むべき資料がたくさん並ぶ。説明もいい。
所々にものすごくそそられる記述がある。
地名だけかと思っていた「〇〇王子」、熊野権現の御子神だったのか。
わたしなどはそんなことも知らないのでとても面白かった。
中でも「切目王子」の伝説が中世の闇を感じさせてくれる。
熊野権現に命じられ、守護する僧を殺したが、その罪を問われ、片足を斬り落とされて山へ追放になる。
そこで「荒ぶる神」として猛威を振るうのだが、黄な粉の誓いを課せられてからは、顔に黄な粉をつけた人を襲うことが出来なくなる。
切目王子は杖を突いた姿で描かれる。
仏の弟子を殺した罪科、不具になる神の末裔、たいへん面白い。
しかも殺人教唆をした熊野権現は何らかの咎を受けたのかどうか。
実行犯のみの処罰というのは、処罰が惨いほどにその影にいる者への牽制にもなる。
ドキドキするなあ・・・
「麁乱神」ソランジン。こんな「麁」なんて字は普段目にしない。
「鏖」もそうだが「鹿」の字の変化が恐怖を運ぶのが面白くてならない。
こうしてどんどん別な方向へ脱線し、こちらの妄想も大きくなる。

・愛徳山熊野権現信仰と日高川
資料を自分なりにマジメに読むうち、膝がガクッとなってしまったことは内緒ですが。

剥落磨滅は著しいが、獅子・狛犬が可愛い。
中世の鼓もまだ残っている。

3章 道成寺縁起への道
パネルと現物と資料が並ぶ。
本朝法華験記、今昔物語、中右記、元亨釈書、箕面寺秘密縁起。
地元なので箕面寺に反応すると、麁川の鬼女の登場する話が紹介されていた。
これ「あらかわの桃」のあらかわなのか。
桃は美味しくいただくが、あらかわがどこにあるのも知らない。
いや、あらかわ=日高川らしい。川が荒れた流れを見せたからの言葉か。
知識が足りないから
そして役行者は和歌山でも箕面でも活躍する。
わたしの中では「新八犬伝」での活躍がいちばん目覚ましい。

・道成寺をめぐる創建譚-本堂建立、そして能-
金春流の謡本や黒川能の謡本から「道成寺」を想う。
やはり古典芸能を思い浮かべるとき、特に能の場合は道成寺や鉄輪のヴィジュアルが真っ先に浮かぶ。
先般、山本能楽堂の内部にお邪魔させていただいた折、楽屋の上に、はりぼての鐘が釣ってあるのを見て、非常に嬉しくなった。
「ああ、これがあれか」
鐘の実感が伝わったのだ。
そうそう、「獄門島」も道成寺の鐘がトリックに使われた。
戦時の金属供出でお寺の鐘が出て行ったのが、復員の知らせと共に島へ帰る。
その知らせは福音にならず、惨劇の調べを奏でる。

そういえば金春家の末裔の金春智子さんから伺ったか、お父上はお家に伝わる代々の流派の大切なものを寄贈なさったとか。
人類の貴重な財産を公共のものになさったことを心から尊敬する。

お面もいくたりか。じぃっと見ていると、自分の心の中から声がするような気がする。

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4章 道成寺縁起の全貌-織りなされる物語-
そういえば琉球舞踊「執心鐘入」は道成寺を基にした作品だが、ここでの男は女のすきを見て鐘から逃れ、身を保つのだ。
鐘はやはり助けてはくれない。

道成寺縁起 室町時代 道成寺  秋である。無縁で無辜なヒトは餅を食べたりしている。そこの女がなかなかきれい。
そして追いかけてきた女がついに激怒し「己は!」となった直後から火を噴きだした。
こうなるともう誰も手に負えない。

日高川草紙 江戸時代 和歌山県博  助けてくれと駆け込んできた若僧。その場に稚児も二人いる。
鐘に隠した直後に鬼にも蛇にもなった女が来て、みんな動顛する。土佐派の綺麗な絵も怖さが大きくなる。

賢覚草紙 室町時代 根津美術館  原本はどれか知らないが、わたしが以前に見た国立公文書館のと和歌山県博のとも似ているように思う。
ただしどちらも「賢学」である。
和歌山県博の絵巻はこちら
公文書館で見たものはこちら
京博にもあるが、絵の細かいところはちょっと思い出せない。
ただ、どちらも蛇になった花姫は顔だけ女の形を残し、鐘を砕き割って賢学を掴まえるや、共に川に沈んでゆくのだ。
憤ったままではなく、無理心中を強いる女。
どちらがいやだろうか・・・


5章 近世道成寺と道成寺縁起
・道成寺創建縁起の再構築
・②創建縁起系の道成寺縁起

藤原不比等に関わる伝承は案外と多いな。しかも海女との関連で。
ここでは娘の宮子を生んだのはこの地の海女であり、宮子には髪がないという状況になっている。
宮子は後に文武帝に入内し首皇子(後の聖武帝)を生むが、その頃から心が思わしくなくなるが、髪を持たずに生まれたという伝承とそのことを結び付けて考えるべきなのかどうなのか・・・

道成寺宮子姫伝記 塩路鶴堂筆 2巻  文政4年(1821)
清姫鐘巻伝記 塩路鶴堂筆 2巻  文政4年(1821)
どちらも以前にチラ見しているが、綺麗な絵である。
じっくりと眺めたい。


終章 縁起と人を紡ぐ―道成寺縁起の絵解き-
絵解きが好きなので嬉しくなる。
道成寺のは未見だが、見た人によると非常に巧いそうな。
いつかぜひとも見に行かねばならない。

やはり絵解きの巧いというのがキモで、それ見たさ・聴きたさに人が集まり、人から人へここのお寺の話が拡がっていったのもあるだろう。

面白い展覧会だった。
また良い展覧会の時になんとか訪ねたいと思う。

見終えたとき、少し時間を過ぎていたが、二階で学芸員の大河内さんが講演されているのを少しばかり聴きに行った。
時間の都合で長居できないので、そこから少し離れたところで聴いていたが、とてもいいお声で話も面白く、いつかまたじっくりとお聴きしたいと思った。

2017.11月の東京ハイカイ録

11月の東京ハイカイは23日から26日の四日間。
その前日に淀屋橋から少し歩いた先にある神農祭に行って、いい機嫌でうろうろ。
それから翌早朝に出てるから4日間休まずマジメに遊んだことになるか。
展覧会の細かい感想はまたそれぞれ別項に。
四日間の足跡をたどる。

新幹線を品川で降りて大井町から上野毛へと向かう。
五島美術館で明代の七宝焼を中心にしたものをみる。
やっぱり七宝焼というものは偉大だ。
古代から連綿と続く装飾の宝。

静嘉堂で明清絵画を見る。続けて明の文物を見るのは楽しいな。
沈南蘋の猫の絵を谷文晁の一門が模写したのがあって、それが可愛い。
臨書した筈なのに目元が日本風なのがなかなか。

太田浮世絵記念館では菊川英山。このヒトの絵をまとめてこれだけ見れるのは本当にありがたい。何しろこんな企画、初めて。
わたしは英山の絵は70年代の少女マンガのキャラとも共通するものがあると思っている。

続いて表参道の伊勢半紅ミュージアム。幕末明治から大正の化粧品の流行やその当時の化粧品の容器など。こういう展覧会は大好きなので楽しかった。
大阪ではクラブコスメさんが資料館を開いていい企画展を見せてくれるが、今回の展覧会はメーカーの垣根を越えた総合展示。
最後には江戸時代のコスメの再現品があり、わたしは牡丹色の頬紅を少し使ってみた。

そこから松濤へ。三沢厚彦 ナゾのアニマルハウス。
ホワイトタイガーのみ撮影可能だが、ツイッターで見ているとみんな実に色んな角度・表情を捉えており、全く別物に見えるのが面白かった。
因みにわたしが撮ったのはこれ。



機嫌よく見終えてから池袋へ。
実に20年ぶりにある場所へ向かう。
・・・予想以上にいい買い物が出来てホクホク。諦めてたものも手に入りホクホク。
荷重だが、機嫌よく宿へ向かう。
初日はここまで。

2日目。平日の金曜。ラッシュに混ざらないように京王線へ。芦花公園。世田谷文学館で澁澤龍彦展とSF・再始動展。
こういう展覧会は時間がかかる。ドキドキの3時間ちょいでした。
フーフーフー・・・ブーフーウーではないよ。
どちらもいい展示でしたわ。

さてわたくしは次に印刷博物館へ。江戸川橋からなら橋沿いに8分か。見えてるものな。
キンダ―ブック90年展。こういうのがまた好きだから時間がいくらあっても足りない。
「ねこさま」がすごく面白かったわ。

いいキモチで市ヶ谷から本八幡、京阪八幡から千葉中央へ。すっかり真っ暗。
千葉市美術館へ北野恒富展の前期を見に行く。
ハルカスでも見たが千葉でも大いに楽しむ。
ここの怖いところは所蔵品もそれに合わせて凄いラインナップを組んでくるところ。
こらーっこんな内容の濃いものを二つも味わわせてくれるなー、後遺症が大きいわい。

この日は本当に濃い濃いものばかり見ましたわ。
2日目終わり。

土曜になりました。久しぶりすぎていつ以来かわからんが代田へ。駅がめちゃくちゃ変わっていてびっくりしたなあ。どこですかここ。
南口の改札から空を見ると白い富士山が見えた。エエ天気やな。



まだ未完成だが、完成すればここももっと大きくなるのかな。茶っ葉屋さんのところを通り、環七へ。てくてくてく・・・巨大な斎田記念館へ。
久しぶりに来たよ。そして鈴木華邨のわんこなどをみました。
2010年、2012年以来かも。

ここから町田へ向かったが、それが大失敗で、展示が終わってたことに気付いたのは芹が谷公園の入り口についてから。うわあ。
だから小田急乗り降りのわたしは町田でわざわざランチしに行ったようなもんです。
次は藤沢。こちらも久しぶりの遊行寺。二年ぶり。つまり遊行寺の宝物殿は2年ごとにわたし好みの展覧会をするわけです。今回は江の島縁起絵巻。ダイナミックで面白かったわ―
銀杏も綺麗。



「遊行寺とおぐり」展 感想

道を戻り、今度はJRで横浜へ。そごうなりよ。
平山郁夫シルクロード博物館の文物を見るが、これが本当に素晴らしくて。
毀誉褒貶は人の世の習いだからあれとしても、やっぱり美の信徒として保護活動に懸命になったのは素晴らしいことだし、失われたものへの哀惜と憤りをあらわにするのもいい。
オリエンタルから東アジアを俯瞰したような心持になる。

サントリー美術館へ行くのにわたしが選んだルートは京急乗り継ぎの大門乗換六本木。
スマホのおススメは東横線で中目黒乗り換え六本木。
・・・乗り継ぎのタイミングもあるのか、京急からの方が1分早く着いたし、大江戸線だから日比谷線よりミッドタウンに近いよ。
というわけで来ましたサントリー美術館のセーブル展。
ロココに始まり現代へ到るセーブル窯。
階段室のところはアールヌーヴォー、アールデコ時代のがあり、草間彌生のどう見ても「ワレワレハ宇宙人ダ」な造形品まで撮影可能。ロイ・フラーの映像もあり、嬉しいわ。

まだ夜の時間はある。
東博へ向かう。

フランス人間国宝展。やっぱりオープニングの華麗なる曜変天目ずらりの空間が最高。
ああ、綺麗なものを見た。
傘も羽根も扇もみんないい。ガラスの動物レリーフも素晴らしい。
本館の室町時代の大和絵も浮世絵も楽しく拝見しましてあっという間に21時。早よ帰らな職員さんに迷惑かかるがな。

というところで三日目終わり。
まだまだ不足気味だな。

葛根湯は風邪の引き始めだけでなく肩こりの緩和にも効くのですが、アホなわたくしはですね、水が冷たいので沸きたてのお茶で中和しようと同時に飲んでむせましてな。
ゲホゲホしてそれから喉が炎症起こしたようです。あかんのう。

東京駅のいつものロッカーにキャリー放り込んでから行動。
まずは本所浅草橋へ。たばこと塩の博物館で明治の頃の輸出産業の華やかな工芸品を愉しむ。素晴らしい寄木細工、色鮮やかな青貝細工、愛らしい麦藁細工などなど、いいものばかり堪能。
あああ、エエモンを見たわ。

フィルムセンターではジャン・ポール・メルヴィル監督特集。カッコ良すぎてシビレまくる。やっぱりフィルム・ノワールが好きだ。
しかし「恐るべき子供たちもこのヒトだったか。
「仁義」「サムライ」「リスボン特急」・・・うう、かっこいい。

新橋に出て遅めのランチ。マグロのタルタルフライがおいしいのだけど、柔らかものばかりでちょっとばかりイラッとくる。多少固いものもほしいな。

汐留ではルオーとカンディンスキー。わたしはわりとカンディンスキーの初期作品が好きなの。だいぶ前に「青騎士」展が三菱であったとき、よかったわ。
今回も不透明な絵の具が齎すよさをみる。

出光美術館へのルートはそりゃJRもあるけど、わたしは浅草線で東銀座から日比谷線というルートにした。ここからなら銀座線よりかは早い。というわけで出光へ。
「書の流儀」展、意外なことに若めのサラリーマンのグループが熱心に見てたな。

そこから徒歩で三菱。
ロートレックとポスターな。ここも撮影可能コーナーがあり、シャ・ノワールの猫さんがおったわ。
ときめくね。

地下を歩いて丸ノ内行幸地下ギャラリーへ。フィルムセンターのポスターを見に歩く。
みそのコレクションの戦前日本のやフランス映画、ソ連映画のが30点ばかり。好きやわ。

丁度いい時間になってタイムアウト。新幹線へ。
四日間いたけど、まだまだ足りない。もっと欲しいな。
いるとどんどん欲が起こる。
今回も大充実の東京ハイカイでした。

枳殻邸の記憶 その2

続き。

何しろ長年憧れていたお庭・渉成園ですから、ふらふらと歩き回り、同じところぐるぐる回って・・・
まあ楽しかったわ。

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今回はこの一般公開があったので来たのだけど、次もまた来ようと思ったね。

池の方へ。
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夏だから緑だったが、今はさぞや赤くなっていることだろう。

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こういう鞘橋というのかな、好きよ。

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・・・なにやら人面岩らしきものが。

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これの目印に設置したのかな。

またまた良い建物へ。臨池亭
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ひずみガラスが素敵だ。
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それにしても本当にいい建物が多いなあ。
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よかったなあ・・・

さらばさらば。また行きます。
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枳殻邸の記憶 その1

長い間、入るのがちょっと難しかった枳殻邸も、近年は入りやすくなったようで、わたしも初めて出向いた。
これはまだ暑い頃の思い出となる。

で、中に入るまでにぐーるぐる・・・入り口がわからなくて困ったよ。
まあ詳しくは公式サイトの地図を。

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ここをぐーるぐーる。
前々からバス停で「ここがかあ」と思いつつ、入ることを諦めてたら、あらら通年入園!でびっくりしたもんなあ。

さてようやく入りまして、素敵な塀をみましたわ。
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実はこういうのを見ると和菓子の「吹き寄せ」を思い出すのよ。

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どの建物を見ても「いいなあ」ばかり。

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あの二階へ向かう。
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あちらこちら眺める。
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特に好みはこれかな。
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なんとなく物言いたげな感じが好き。

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さて中はこんな感じ。
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あちらこちらへ参ろう。
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窓や長い縁とか好きで。
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印月池のほとり。
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お気に入りの建物へ。
とはいえ上がれません。
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傍花閣というそうな。

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細部もとても好ましく思いましたわ。そこからの眺めも含め。
続く。

いく野の道の遠ければ・・・生野銀山界隈を歩く

というわけで生野銀山周辺の街歩きをしましたわ。
初めて来たので情報が獲れてないわたくし。

銀山でにぎわったからか、洋風の名残りが。
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旧生野警察署
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個人邸宅も素敵だ・・・
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案外いろいろあるものです。
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波に宝珠IMGP0037_20171121162217be9.jpg

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マンホールも可愛い。
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川の周囲もいい。
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トロッコの名残り
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いい佇まい。
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この後は銀山で働いていた人々の社宅やそこにある志村喬記念館へ。

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再現が為されていたり、資料展示があったり。
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さすがにこれはびっくりした。
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いい感じだったな。

京都へ着きましたわ。
夕暮れが綺麗な日でした。
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生野銀山へ行った話

過日、生野銀山へ出向き、初めて坑道を歩いたのでした。
まだ夏の名残りも濃くて暑い暑い日なのにさすが坑道はひんやりもひんやり。
その日のわたくしはですね、まだ怪我が治りきらず、杖をついて歩きましたよ。
なのでいつも以上にカメラワークがわるい。
まぁ記憶と記録の為ということで。

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ええお天気でした。

この緑の中に坑道が・・・
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あ、早速人形登場。
ここはあれです、スゴイのですよ。
また後ほど。

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滝がちょろちょろ。

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さあいよいよ
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お仲間さんでとぼとぼ歩くわけですが、滑らんようにがんばりましたわ。
というわけで先に人形たちのご紹介。
公式です。




歌はこちら。


中へ
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働くのは誰?
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けっこう道も滑るし寒い。
杖をついていてよかった。

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気分としては「洞窟の女王」だったんだけどw

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地下坑道はまだまだ続く・・・
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とりあえず脱出後は資料館で資料を見る。
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また来たいわ。
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銀山ボーイズのますますの繁盛を祈ります。

イケフェス大阪2017 原田産業 

今年も原田産業さんの建物を拝見した。
いつも本当に有難いことです。

雨なのでまず内部から。
階段周辺をしつこく。
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見上げる。
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タイル好きだ・・・
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窓も好きだ・・・
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二階へ
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インテリアも素敵だ
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みどころの多い建物なので、何度も何度でも眺め、撮影してしまう。

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階下へ。
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やはりここの階段が本当に好きだ。
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ドアのこんな細部もいい。
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外観
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いつも本当にありがとうございます。

こちらはご近所の農林会館さん。
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国宝展 第四期 も素晴らしいぞの巻

京博で開催中の国宝展もいよいよ26日を以てグランドフィナーレを迎える。
いやもう本当に凄い内容だったなあ。
2014年の東博「日本国宝」展で見たものも確かにたくさん出ていたが、今回はなんというか、京博の本気度の高さと言うか、そういうのを目の当たりにした感じがする。
わたしなんぞもその熱に灼かれてジリジリしながらついに四期通ったものなあ。

感想もこの通り三期それぞれ挙げております。
その1  その2  その3

さて今回もわたくしの好き勝手な感想を挙げつつ、「国宝」を存続・保護され続けてきた環境・人々に尊敬と感謝の念をささげよう。

11/18の夜間開館に出向いたので入館にはそんな行列はないけれど、行列調整の枠組みが残されていて、無人のその枠内を歩かないと入園もままならない。苛立ちはあるけれど、日中はここに全ての人が押し込まれていたことを考えるとやっぱりすごいな。
このぐるぐる回らないと目的地に到達しない状況は水木しげる「河童の三平」を思い出させるが、その説明はここでは措く。

仏画では西大寺の十二天のうち帝釈天が来た。この白象がわりと好きだ、特に目つきが。

孔雀明王の綺麗なのもある。東博の。
イメージ (474)
孔雀の顔つきが「バビル二世」のロプロスに似てるな…

3期に続き曼殊院の黄不動図もある。丁度先日NHKの歴史ヒストリア(ヒストリア・レイスと書きそうになる)でこの絵が採り上げられていたが、それを踏まえて不動のおなかを改めて見る。

法華経 久能寺経 提婆達多品第十二・ 普賢菩薩勧発品第二十八  やっぱり見返しも文字もその列も何もかもが綺麗な。
どちらも本当に綺麗。これは前に東博の「和様の書」展で方便品第二を見ている

扇面法華経冊子 ページ替えがあって、店先などが描かれている絵や人々のイキイキした様子を描いたものがみえた。
隣にいたご高齢の母子がこの構造を不思議がられていたので説明すると、喜んでくれはりまして、まあ何とか。

平家納経 分別功徳品第十七  これも本当に綺麗で見ていて楽しい。

肖像画に行くと、やっぱり源頼朝像は人気で、みんな集まっていた。
色んな感想が聴けてなかなか面白い。
わたしは展覧会で無関係な話をするのは嫌だが、感想や疑問や感嘆の声を挙げるのを聞くのは決して厭ではない。
とはいえ、「聴かせ」する奴は厭だが。

蘭渓道隆像 自賛 建長寺  思わず「たまにお世話になります」と言いそうになった。書でもなんでもあちこちでこのヒトのに会うし。しっかりしたお顔。字面も好きなの。

聚光院の瀟湘八景図襖 狩野松栄  なんというか、この襖で閉じられた部屋の内側にいたと仮定すると、どういうわけか「果心居士の幻術」にかかったような気になってくる。八雲も司馬サンも書いたあの稀代の幻術師。
彼は自分の描いた絵の中に飛び込んで舟をこいでどこかへ消えてしまうのだ。

さて冖に設置された屏風を見よう。
前回は左手にあった応挙の雪松図が右手に変わり、中央には光琳の燕子花図屏風、左手には蕪村の夜色楼台図。
留の位置には三期同様「志野茶碗 銘 卯花墻」がある。
いい眺めやのう。

宮女図(伝桓野王図) 元  ああ、この男装の女官に会いたかったよ。嬉しいわ。
爪を見ているというか、爪を触る仕草がちょっとあれだけど、好きな横顔。
見たいものに逢える喜びは大きい。

東洋陶磁美術館の誉れの一つ・油滴天目、今回は列なしなので360度ぐるりと眺めると、照明の妙もあり、初めて気づくことがいくつも。
見込みに星雲がある。そして緑とも青とも言い難い複雑に綺麗な光を纏わせていた。
東洋陶磁美術館では知らなかった表情を見せている。
こういうのを見ると、元の場で見るのがなんとなく口惜しいような気もする。
ベターもいいが、ベストの位置で見たい、そう思うのだ。

四天王寺の懸守の展示の方法もいい。ガラスケースの中空に浮かぶような設えが為されていて、これはとても魅力的だ。
初音の調度、琉球の螺鈿、これ以上ないほど手の込んだ高級な装いを見せる。
「国宝展」だからこその展示。同一時間・空間で出会える幸せ。

後鳥羽天皇宸翰御手印置文が水無瀬神宮から来ている。
とても肉厚で大きな掌を朱で押印。
この上皇さんは盗賊を摑まえるときにわざわざ出向いて自ら指揮を執ったそうだが、そのときの指揮棒が払子でも笏でもなく、櫂だったそうで、その剛力ぶりに盗賊がおののいて、自ら捕まったという。
王様が誰よりも力持ち、というのは外国にもある。
ザクセン選帝侯の一人アウグスト二世だったか、彼は「強力王」と称えられた。
後鳥羽院の隠岐の島での和歌を想う。
「我こそは新島守よ隠岐の海の荒き波風心して吹け」
アタマの中には木原敏江「夢の碑」での後鳥羽院の姿が浮かんでいる。


ところで今回の図録の物理的な厚み・内容の厚みは本当にキョウキとしか言いようがない。
狂気・凶器・侠気・驚喜、どの字もみんなあてはまる。
今後ここまでの物量・レベルの高さでの国宝展は可能なのかどうか。
本当に見に行けてよかった。
11/26まで。

なにわ風情を満喫しませう -大坂四条派の系譜-

大阪商業大学商業史博物館はいい展覧会をする。
しかし宣伝がなかなか入らなくて、ついついスルーしてしまうことがある。
反省と悔しさとが入り混じる。
今回の「なにわ風情を満喫しませう -大坂四条派の系譜-」展も後期になってから知った。泣ける。
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西山芳園・完瑛父子の絵をみる。
今ではほとんど知られなくなった絵師だが、たまに展覧会で見るとたいへん良い絵が多い。

完瑛 涼船図 文久元年  幕末の色々ややこしくなってきた時代にこんなに優雅な良い絵を描いている。
舟の中の様子もいい。
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完瑛 炭竃図  雪が積もっていて、この窯にも覆いかぶさる。その中でも煙が細く高く伸びる。何を焼いているのだろう。

芳園 石壁山水  赤壁なのかどうか、石の壁のようなのを見つつ小舟がゆく夕べ。

芳園 秋江漁舟図  だいぶ肉付きの良くなった月の下、二人の子供が舟に乗って団扇でパタパタと火を熾したりしている。

完瑛 養蚕人物図  中国での個人の様子。熱湯につけながら糸取をしている。

芳園 糸桜鴉図  花がはっきりと描かれた糸桜と、そこに佇む賢そうな鴉と。カラスがいつから憎まれ者になったかは知らないが、この幕末から明治辺りはよく描かれもした。

芳園 帰漁捕鱈図  なんでそんな土の上で鱈を拾うねん、というツッコミは別として、子が鱈を嬉しそうに抑え込むのはいい感じ。
・・・「バベルの塔」展のタラ夫くんやないよなあ・・・

完瑛 松茸山  昔はうちの近所(北摂)などでもあったんですよ・・・松の根元に小さいのがある。

完瑛 稲城双鳩図  おお、稲城の火のような感じに稲を乗っけてる。その下に二羽のハト。

芳園 七夕硯洗之図  武士の子が小さい刀を差しながら盥で絵を懸命に洗っている。

芳園 急火焼図  火事かと思ったらさにあらず。急須でした。しかもメダイヨンのようなのを模様にして、そこに人物画入り。

芳園 竹石図  細竹と石。地味ではあるが、こういうのが飾るのによい。

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シリーズものをみる。
完瑛 貼混雛屏風  金地色紙に様々な絵が一扇に月二枚ずつ。
竹月に柳水、若松に蛤、スミレに瓢、タイにエビ、大根に朝日、杜鵑に田舎の家・・・
12点とも可愛いなあ。サイズは大4点と小8点。

完瑛 大坂名所十二景  幕末の大坂である。
四天王寺東門、天満の天満宮、桜ノ宮、二軒茶屋、御堂穴門で黒玉のスイカ売り、錦城の大手門と月、道頓堀のにぎわいを裏から、料亭・増井浮瀬(ますいうかむせ)、堀川備前陣屋、住吉っさんの雪景。

静かな情緒がある。
明治になってからも同じのを拵えたが、ここには様子のほとんど変わらない大阪城の大手門、上町台地にあった増井浮瀬(大阪随一の料亭だったそう)が出ている。

完瑛 雅趣短冊十二月   懸想文売りらしき男、稲荷に紅梅、「天勾践ヲ空シウ・・・」と桜に記す児島孝徳、雨模様の中を飛ぶほととぎす、滝とお堂、盆踊り、月に草野、菊を持ってどこかへ、紅葉の頃・・・

改めて眺めると、円山派は生命体の描写に秀で、四条派は風景に情緒が活きる。
そんな風に思えた。

今はこうして知る人ぞ知る状況になりはしたが、かつての大坂の実力ある絵師たちの絵を見るのはとても楽しかった。

11/25まで。

天理図書館 古典の至宝 後期

天理参考館特別展「天理図書館 古典の至宝」展の第三期に参りました。
通期券は200円ほど安いのだけど、完全に行けるかどうかわからなかったので、まぁええかで来たけれど、それでも安価でこんなスゴイのを見てもいいのかと。
さすが天理図書館としか言いようがないね。
感想も1と2それぞれ挙げてます。
その1
その2

日本書紀神代巻 乾元本・下 1303 卜部兼夏筆  「天稚彦」の話辺りが出ていた。  
ここらのを読むと安彦良和「神武」を思い出すのよね。アジシキタカヒコネノカミと似ていて云々なのだけど、安彦作品では憤りに理屈を入れてた。
死者に似てると言われての憤りではない理由を。
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古語拾遺 暦仁本 1328 寛英筆  「畜産療病」という一語が見えたよ。色んなことを記した辞書でもあるし。

面白いのは次。
石清水八幡宮権別当田中宗清願文案 1223 定家筆  定家の字だから読みづらいけど、これがかなり面白い。別当になりたい・させてと言う願文の下書きで、中に「あるまじきまひなひに及ぶ」とある。まひなひ=まいない=賄賂。
読んでて「おっ!」と思ったよ。
まあ一つでも位が上がれば・・・
「縁にふれてあるまじきまひなひに及ぶ 神意をあふくともから むしろ・・・
濫望をとどめて」

三宝類字集 高山寺本 鎌倉初期写  女偏の字を集めました。今ではないような字もあった。読み仮名もある。音訓漢和辞書。

作文大躰 観智院本 鎌倉中期写  作文のノウハウ本。うむ、今でもあるよな。わたしなんぞは大方これでゆくと落第や。

今回の源氏物語は「御法」「若菜上」「朝顔」。

奈良絵本を見る。
去年の奈良絵本展、良かったなあ。
当時の感想はこちら

大方は出ていたのだが、三期共に前回出なかったのを見たいがために来たのですよ・。・

いはやものがたり 室町末期写  継母に殺されかける対屋姫。舟から溺死されそうなのを憐れんだ夫婦が岩屋にかくまう。
絵は屋形舟が明石に向かう所。
後に二位の中将に見出され妻に迎えられる。
素朴な絵柄だが大きく描いていていい。
立ち話する海人夫婦の会話も書き込まれ、姫が中将の下僕の背に負われる様子が描かれる。

熊野の本地 室町末期写  ついに王と妃と王子と僧が天竺を見捨てて、多数の猿をお供に日本へ飛び立つシーン。これは去年も出ていた。
いい絵だなあ。
あともう一枚は王と妃の愛の日々。ただし他に女官たちもいる。宮廷の華やかさと無惨さとが同居する一枚。
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鼠の草子絵巻 室町末期写  姫が去った後の嘆き。このシーンは去年見なかった。姫はたくさんの贈り物を捨てて逃げた。琵琶、着物、什器、遊び道具などなど。いずれも権守が良いものを集めて贈り、姫もそれを喜んでいたが。
なので権守の追憶が止まらず、彼は両袖を目に押し当てて泣くしかない。

鼠の草子絵巻別本 室町末期写  こちらはまた別物で、出ていたのは婚礼の支度シーン。ネズミたちはそれぞれ異なる髷を結うていて、中には江戸初期に禁止された茶筅髷のネズミもいる。こういうのを見ると平田弘史の「茶筅髷禁止令」を思い出すのだ。
鉈豆煙管をくゆらせるものもいる。
胸乳を露わにしながら伸びをする雌鼠もいる。
料理・材料運び・掃除全て滞りなく。権守はサウナで蒸される。
なかなかみんな可愛らしい。

まんぢうのさうし 室町末期写  今回はこれが目的の一つ。「まんぢう」とは何か。
室町末期だと丁度中国から饅頭のレシピが伝わったはず。
具材を詰めた中華まんみたいなのも、甘いのも同時に来たようで・・・
というようなことを思い、「まんぢう怖い」は江戸のシャレだわな、ではこの饅頭は一体・・・
とそこまで妄想が進んだ地点で現物を見れば、「多田満仲」のことだったのだ。
ああ、さうかさうか。
ただまんちゅう・・・いえ、ただのまんちゅうですがな。
要するに息子の美女御前(美女丸という名の話もある)が仏道修行をさぼるので殺してやる、ということになり、家来が自分の出来の良い息子・幸寿丸に身代わりをさせるという話。
それぞれが悔いて、みんなそれを契機に立派になると言うが、一殺多生どころか、困った話である。
上下関係・親子関係の不条理、更にはコミュ障と今なら診断されるかも。

あま物語 江戸初期写  これは去年も好きになった一冊。夜の海を見つめるせつない海女の心。海女でありながら入水自殺を遂げる、なかなか難しいと思うがそれでも決行する。

舟のゐとく 江戸初期写  これも記憶がないので見たいと思ったが要するに「舟の威徳」くらいの意味らしく、舟の効用について書かれたものだった。
ありがたき舟というキモチが登場人物たちに具わっている。

やひやうゑねずみ 寛永頃写  弥兵衛鼠。なかなか智慧のある白鼠で、よく働き、ヒトに福を招ぶ。恩義を受けた人間も弥兵衛鼠を大事にする。

・俳諧関連
夢想の俳諧 1683.8.8 西鶴自筆  「鳴るハはかなき泪にて」云々。

世継翁画賛1679 西鶴自画賛  「吉書也 天下の世継物語」ああ、この「吉書」キッショと発音 は今も老齢の大阪人が使う言葉の一つ。

そして大イベントも成功した西鶴はそのことを記した手紙を出している。

鹿島紀行 1687 芭蕉自筆  月見したのをネタに。桃青、ソラ(曾良)ら門下の名がある。

月雪とのさばりけらし年の暮れ 芭蕉自筆・杉風画  火鉢前でくつろぐ芭蕉が描かれている。

あかあかと日はつれなくも秋の風 芭蕉自画賛  夕日と萩とがある。丸い夕日の外線。

萩鹿図 芭蕉画  躍動感ある鹿ップル。

蕪村も一つ。夜半亭句集から。
永き日を云はでくるゝや壬生念仏
時季外れだが、壬生念仏のガンデンデンという鉦の音色が聴こえてくるようだ。

遠いけれど行った甲斐ある展覧会、というものでした。
11/27まで。

北斎 ―富士を超えて―

今、大阪で一番集客しているのはあべのハルカス美術館の「北斎 ―富士を超えて―」展だと思う。
京都だと間違いなく国宝展。
国宝展は既に三度行き、いずれの御時・・・いや、いずれも大満員の中でがんばって見たのだが、この北斎展はまたたまらなく混んでいた。
18時に着いて、これなら少しはマシかなと思ったら「整理券です、あなたの入館は19時からです」という待機状態に突入することになった。
オイオイオイオイ、待て待て。
まあ考えたらデパートなんだから美術館の夜間開館よりもずっと夜は混むわな。
いっそ諦めようかと思ったが、この日はウィング棟で「近鉄あべの店80周年記念 大鉄百貨店からハルカスへ」展があったし、夕食も済ませることも叶うしで、待つことにした。

19時に着いたが実際に入館できたのは15分後になるか。
ようやく入ったが、本当に凄い人出で、200点余りあるうち、本気で間近で見れたのはごくわずかだった。
だからそのことだけを記す。
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季節ものの連作のような作品群がある。
ライデン国立民博が所蔵する文政7―9年の連作物。
・節季の商家  猫が寝てる。算盤ぱちぱち。
・花見  必ずお出かけ。
・端午の節句  物干し台は江戸時代からの産物らしい。そこに立てている。
・初夏の浜辺  巨大な碇が放り出されていて、子供らがそれによじ登ったり寝転んだり。
・行楽図  丁稚小僧二人が棒に通した風呂敷包を運ぶ。なかなか可愛い。提重という感じのではない。

大川楼上図  これはまた好ましい。浴衣姿の女二人と客の男一人がきげんよく遊んでいる。よい灯りもともる。
中華風な円卓にはごちそうが並ぶが、チリレンゲまであるのには嬉しくなった。

大絵馬の曽我兄弟がいる。富士の巻狩り図で、五郎らしき男が潜む。
北斎は読み本もいい。櫛カタログがあって、そのモデルがかなり綺麗に描かれていた。

富嶽三十六景や諸国滝巡り、諸国名橋などのシリーズもいい色のものが並んでいたが、それらはみんな大英博物館の所蔵だった。

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天保年間の花鳥図シリーズもいい。
これらは1990年の「花博」でも見たように思う。
ずらりと並ぶ花鳥。トリも珍しい種類のものやよく見かけるものまで多種多様、花は今に至るまで咲いているものが選ばれていた。
東博で見ることがあるものもあるし、持っている画集にあるものもある。
だがこうして一括展示されているのを見る楽しみは尊い。

若衆図 1840  床几に座る美青年。桜柄の着物が綺麗。色々と妄想が膨らんでゆく…

端午の節句図 1844  花菖蒲を熨斗にさして兜に。こういうのもいいな。

北斎にも武者絵はあるが、やはりこの分野は国芳がかっさらった。
松田修「刺青・性・死」に面白いことが記されていた。
北斎の孫は不肖のもので晩年の北斎を悩ませていたが、火消・がゑんの者になった。これは背中に刺青を入れないといけない職業なのだが、その当時かれらの間では国芳の武者絵が流行していた。
この若いものも国芳風の刺青を入れたのではないか、そうだとすれば北斎の苦みは僧倍のものだったろう…という内容だった。
わたしもその説をとりたい。

水滸伝の花和尚魯智深の肉筆画がある。「花和尚」というのは全身に刺青があるからだが、北斎はそうは描かず、全身をほてらせたように赤く描くにとどまった。雀らが激しく逃げていくのだが、それよりなにより魯智深に目がゆく。

堀川夜討図 これは縦長画面で色の対比が巧い。赤衣の義経、黒姿のの静、白の僧衣姿の弁慶。

老人図  こ、これは!!!というくらい怖いじじい図。「ドント・ブリーズ」の恐怖の老人と同じヤバイ匂いしか感じないぞ…

カレンダーがあった。一人獅子舞の男がなかなか素敵だったな。

小布施から出てきたものもある。
ああ、これはなかなか。
わたしも22.3の頃に行ったな。
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自分の好きなものについてでしか言葉に出来なかった。
展覧会も11/19でついに終わった。

凄い内容のものが揃っていた展覧会。
多くの人々が楽しんでいたこともとてもよかった。
またいつかこのように内容の濃いものがみたい。

ミライザ大阪城 旧・陸軍第四師団司令部 その2

屋上から。
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側面のタイル
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3階へ
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階段が好きだ。
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玄関回り
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外観をみる。
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これからも多くの人々に愛されますように。

ミライザ大阪城 旧・陸軍第四師団司令部 その1

長らく冬眠状態だった旧・陸軍第四師団司令部がミライザ大阪城として新しくオープンした。
わたしにとってここは前身の大阪市立博物館で、よく通った。
今調べると閉館してから16年も経っていたようだ。
そうだよなあ、大阪歴史博物館も開館16年だもんなあ。
熊谷直実ではないが「16年は夢じゃ夢じゃ」ですがな。
そしてその大阪市立博物館時代の内部写真はこちら

今回はMIRAIZA OSAKA―JOとしてオープンしたばかりの施設を見学+撮影し倒した。
1階の物販はあまり見なかったが、2階3階のレストランフロアはとてもシックでスタイリッシュで、しかもややクラシックな南洋風というイメージがあって、素敵だった。
行ったその日は大雨でとりあえず中へ逃げ込んだので、先にそこから行く。

内部あれこれ
照明と階段など
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かつての照明と同じものをそのまま使ったのか、新規に作成したのかは知らないが、とても凝っていて素敵だ。
中には太閤の千成瓢箪をイメージした装飾のものもある。

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ステンドグラスがこうして生きているのも嬉しい。

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次は屋上へ出る。

ひねもす蕪村

逸翁美術館は今「開館60周年記念 ひねもす蕪村」展を開催している。
もともとここは蕪村のいいのを多く所蔵しているので、とても楽しみにしていた。
それに前日に天理参考館で蕪村のいいのを見たので、ますます楽しみになっている。
で、蕪村を見た後は名古屋に芦雪を見に行ったから、この日は18世紀京都画壇dayになるかと思ったら、最後にリカちゃん人形展を見に阪急に行くところがいかにもわたし。

先般「若冲と蕪村」展が開催されたが、そこで改めて蕪村の飄々とした良さに心地よさを感じたなあ。
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蕪村は絵と俳句とを同時に作品にした。絵の心を句にし、句の味わいを絵にした。だからどの作品にも抒情が活きる。

蕪村は芭蕉をとても尊敬していたそうで、それだから「奥の細道」を何本か絵巻にしていたし、肖像画を描くときもわざわざ道服に頭巾と言う姿にして想いを示した。
芭蕉の行った先を歩くという「聖地巡礼」もし、ファンとして嬉しい日々を過ごしたようだ。
それらが作品となって、後世のわたしたちは大いに楽しめることになる。

淡白な面白味を味わったが、これはやはりそのまま芭蕉を楽しんだのではなく、元禄の芭蕉の後の時代にいた蕪村のフィルターであっさりした味わいに変わったものをわたしたちが愉しんだというべきだろう。
芭蕉の句にたまに感じる脂っぽさが巧い具合にさらりとしたものになって、蕪村風味になる。

とはいえ蕪村の絵が全て淡々としたものではない。
中国を舞台にした絵などを見るとそのことがわかる。

晩秋遊鹿図屏風  月下で三頭の鹿がそれぞれ好きに立っている。その鹿の胴回りなどを見ていると確かな肉付きがあって、触ると存外重たそうだと思わせてくれる。そこがいい。

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闇夜漁舟図  親子で漁をする。舟には小さな篝火があり、そして程近い自宅には母親がつける灯りが闇に広がる。広く遠くまで広がる明かり。
こちらの心にも光が拡がる。

後赤壁図、帰去来辞図、濯足万里流図 これら故事に基づいた絵もいい。
一種の物語絵として人々が活きている。

和歌浦に遊んだ蕪村はその印象を絵にしている。私淑する米芾の技法を使って奇岩などを描く。
そしてそのことをこのように記す。
「紀州和歌浦奇岩磊磈尽如香木有紋理甚可弄翫本邦■如米海岳…」

蕪村の書簡もある。
上田秋成との交友もあれば、大好きな鳥貝が高値だということを記したものもある。タケノコの粕漬けを貰った礼状もある。
生活者としての蕪村の姿が垣間見えて楽しい。

俳句短冊もいい。そこに小さな絵が入るのがとても愛しい。

やっぱり蕪村が好きだと思った。
なんとなく気持ちよくなる展覧会だった。
12/17まで。

白鶴美術館の中国陶磁器 ―壽福の造形 明時代を中心に―

白鶴美術館の今年の秋季展は明代の中国陶磁を中心にしたものだった。
新館はペルシアの絨毯特集。
東灘アートマンスに参加すると割引。

駅からここまで割とあるのでいつも何かしら考えながら歩くことにしている。
そして白鶴美術館は自分にとっては定点観測地の一つなので、何の展覧会であっても必ず行くので、たどり着くまでどんな内容かすら知らないことが少なくない。
御影に残る近代建築の粋を極めた邸宅を所々遠くから眺めもって行くうちに妄想も固まり、美術館にも到着。
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明代は赤絵が多い。
華やかな都市文化の時代で、外敵に滅ぼされるまで享楽の限りを尽くし、雅の粋を極めて、文化も頂点に達した。
唐も北宋も同じような道をたどったが、明の終焉後は清が長く政権を取り、高度な文化を形成した。
明では生まれなかった繊細な線描のやきものが生まれたのも清だった。
清では懐古趣味も流行し、殷周代の青銅器をモチーフにしたやきものも生まれている。

後世のわたしたちもその楽しみを貪ろう。

金襴手八仙人図壺  地模様がみっしり系。菱文・七宝繋文など。隙間なく赤い線を描く。張りつめられた文様のその下の白地に萌える。
八仙は中国の仙人で、壺の胸辺りをぐるりと巻いている。その下には獅子・麒麟・龍・白馬がぐるり。
めでたい図葉である。

瓢型の瓶が大小三つ同じガラスケースに収められている。二つは金襴手、一つは五彩。
五彩のそれは松竹梅文様が描かれ、全体は紅と青で表現され、梅原龍三郎が好みそうだと思った。そんな大胆でおおらかな良さがある。

金襴手瓔珞文大鉢  縁周りは染付の松竹梅で見込みも染付の松。これはあれだ、本当に日本好みなので、もしかすると発注した分なのか?

五彩魚藻文壺  春季に続き出陳。前々回にはこんなことを書いている。
「国芳風に言えば「うおのせかい」。水中にオレンジ色の鯉が八匹スイスイ。MOAに兄弟がいる。出光にもいた気がする。オレンジは黄色で最初に焼成してから赤を塗って再度焼成して色を出す。やっぱりこれくらいの手間暇をかけないといかん。」
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ツレは出光、ギメ、MOA、東京富士、福岡市美にいる。ギメとMOAには蓋あり。蓋にも魚。
うぉっぎょっとする、ウォ・アイ・ニー・・・などと心の中で叫んでいる。
因みにこの柄の親戚的立ち位置のものは染付だと東洋陶磁にいる。

五彩の尊形の瓶と壺も三つ一緒。
いずれも龍文獅子耳。ブサカワでいい。万暦五彩は竜と雉などが描かれていた。

五彩武人図壺 これは好きなもので、春季にも出ていた。色々と詳しく書いたのがこちら


螺鈿楼閣人物文盒子 元  寄せ集めの楼閣というか、離れというか、あちこちに建物があり、そこでは人々がそれぞれ好きなことをしている。
中で母子らしきものがいて、木偶で遊んだり。
平和な様子がそこかしこ。

絵を見る。絵は日本のもの。
魚籃観音図 伝・狩野雅樂之助 室町時代  細い木を見返る裸足の美人。ケープの美人。
仙女のように歩く。
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探幽の絵も二点。
富士三景のうちから白い富士、養老の滝図もある。

酒天童子画巻  ここでは住吉っさん詣でから熊野参りまでが描かれていた。

福禄寿双鹿図  沈南蘋  福禄寿の声が聴こえたか振り向く牡鹿とその様子を見つめる牝鹿。
南蘋らしいクドサがあって、そこがまた面白い。牝鹿の目の形は四角の上辺が少し重みに負けたようになっていて、出入り橋の「きんつば屋」のきんつばを横から見たようになっていた。

蓬莱山図 森寛斎  山中で福禄寿なのか白鹿と侍童をつれた老人がふらふら逍遥中。

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緑の勾玉5つ、饕餮文の鼎や尊、壺などなど古代のものが集まっていた。
玉璧も綺麗な形を保っていた。

青磁日月耳花生 元―明  これは左右の耳がそれぞれ日月らしい。そしてその球体の下には運気ならぬ雲気がぐるぐる…

玉壺春形の青磁の瓶も二つ。何年前だったか、ギッター・コレクションのだったかいい形のを見るうちに涙が勝手に流れたことがあったなあ…

白石蓮台 北斉  おお、前回もお気に入りになった獅子像と神人らが交互にずらり8体8弁のだわ。
これはもう本当に大好き。三次元は獅子で二次元は神人と獅子と。メダイヨンもある。いい台やなあ。

紅葉の時期も迎え、ますます素敵になった白鶴美術館。
来春は別な時代の中国陶磁特集らしい。
12/10まで


続いてこちらは新館のペルシア絨毯。
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パラダイスの語源はペルシア語の「閉ざされた庭園」と言う言葉が蘇る。
全体にそれを思い出させるような花畑が拡がっていた。
花鳥の楽園。
しかしどんなパラダイスにも蛇はいる。

王の宮廷と外出先での様子を描いた絨毯が出ていた。好きな一枚。
犯罪者は首をつられ、犬も木に縛られている。
牝狼に籠絡された犬が羊を狼に食わせていたのだ。
それを知った飼い主は犬を折檻。

動物闘争文のもある。
これらも厳しい環境で生きる人々の嗜好、思考が見えてくるように思う。

いいものをたくさん眺めて楽しかった…

神戸開港150年・開館25周年記念 ユニマットコレクション フランス近代絵画と珠玉のラリック展 ―やすらぎの美を求めて―

小磯良平記念美術館で12日までこの展覧会が開催されていた。
「神戸開港150年・開館25周年記念 ユニマットコレクション
フランス近代絵画と珠玉のラリック展 ―やすらぎの美を求めて―」
冠と副題付の長い名前の展覧会だが、2009年に閉館した青山ユニマット美術館のコレクションを愉しむよい展覧会だった。

その青山ユニマット美術館終焉の頃に出かけたときの感想を挙げている。
「さよなら青山ユニマット美術館」
あれ以来の再会となる作品もいくつかここにあった。

丁度今は秋恒例の「東灘アートマンス」の時期で、白鶴美術館で用紙にスタンプを押してもらった時点から参加開始となり、割引見学となった。




バルビゾン派からスタートする。

コロー ノートルダム近くの城壁跡 1854  ここでは誰かが風景をスケッチする様子が絵がれている。森の中、城壁と言っても何か建造物があるというより、そこにいるというか、やはり目に残るのは森の風景なのだ。
コローはそれを描く。コローに描かれているのは同じ画家のデュテュウというヒト。

コロー 農家の娘たち 1845-55  向かって左に座す少女と右に大きな錘を持つ若い女がいる。姉妹なのかそうでないのかはわからない。この仕事は二人ですることが多い。
どこか遠くを見る少女と錘を視る若い女。
二人の視線が合うことはない。
なんとなくこの二人の関係性を妄想する。
眠り姫は魔女の呪いで錘を指に刺すと百年の眠りにつかなくてはならない。
魔女は眠り姫をそのように導かねばならない。罠にかけるという形でありながらも魔女は姫を守る存在なのかもしれない。この百年の眠りは姫の破瓜期に相当するからだ。
そのことを少女は想像しているのかもしれない・・・

コロー ジュイコットの想い出 1865-1870  ダンケルクの東の村。大きな十字網を担いで帰る人。ダンケルクが戦場になるのは後の話。

ナルシス・ド・ラ・ペーニャ 森の空き地  遠近感が活きていて、ずーっと向うの赤い帽子または衣装の人が目に残る。
いつかこの画家の展覧会が見たいと常に思っている。
それも出来れば人物が中心の絵を集めたものを。

トロワイヤン 牧羊犬と羊  黒犬が左に位置し、そこから白羊6頭と茶黒いのが1頭。
きりっとした犬。
実はこの直前に白鶴美術館別館で「ペルシアの絨毯」展にいたが、そこでは雌狼に籠絡されて羊をこっそり毎日一頭ずつ差し出しているのがバレた犬が、木に縛られている図柄の絨毯を見た。
えらい違いである。
右端の羊だけこちら向きで、何やら犬の様子をうかがっている。

デュプレ 沼地の牛  ああ、解説にある通り確かにロマン主義風な趣がある。幻想的な印象も強く、意外とロマンティックなよさがあふれている。

テオドール・ルソー フォンテーヌブローの森 1855-1858  灰色の空の下、暗い森が。

ルソー 夕暮れ  森の中、その上に広がる空は一筆一筆色を置いている。それが夕暮れとなっている。

ミレー 洗濯物を干す女 1854-1856  ある一家の様子が描かれている。妻は洗濯物を干し、幼い長男は第四子の幼児を抱っこ。そしてその背景には将棋の駒のような形の先端が三角形の小さな石碑がずらりと。墓のようにも見えがなにかはわからない。

ドービニー 浜辺の牛 1874  ノルマンディーの海岸べりである。そこで牛たちが草を食む食む食む・・・ここの海岸は塩分が濃い。だから牛たちも加工されると、塩分濃度の濃いハムになったりする。
海はやや遠く、小さくヨットが見えている。

アンリ・ジョセフ・アルビニー 川のほとり 1904  紅葉する2本の大木。その下に母子。木々の向こうに夕焼けが広がりつつある。美しい光景。

イポリット・カミーユ・デルピー ヨンヌ近くの岸辺  空を一筆一筆ずつ塗る。重くはない筆致。一定方向に筆をおく。それが空気になる。浮かんで消える雲も同じくその筆で生まれる。
とても魅力的な空だった。

サミュエル・ラヴィエイユ 花咲く木のある風景 1873  空色に映えるピンクの木花。牛もいる。こうした配色を見るとゴッホの絵を思い出す。そしてこの細い木が真ん中にあるのを見ると真山青果「荒川の佐吉」が江戸を出て旅の人になる最後の場を想う。

レオン・ジュベール 城壁都市の眺め  夕暮れの始まり頃。まだ日が差し込んでいる。対岸の白い町が光る。
中欧なのだが、白い町と書いて、頭の中で西脇順三郎の詩が蘇る。

・アカデミスムから印象派へ
セバスティアン・ブルドン スザンヌと長老たち  爺どもめがスザンヌに・・・一人はまたあくどいことにマントを広げてこの情景を覆おうとする。すぐそばに通りかかる女たちにも見えない。そして傍らの噴水が面白い。
クピドかまたはいたずら小僧が白鳥にまたがり、その首を持ち上げると、白鳥は長い首を伸ばして口から水を吐きだし続ける、なにやらとんでもない像である。

ブーシェ 勝利のクピド  2人のちびがいる。これは天井画のためのものなので顔の向きが真向ではない。

ダヴィッド ベリサリウスと子供 1780年頃  歴史画の大家ダヴィッドによる絵。元将軍のベリサリウスは王に憎まれ両目をつぶされ、物乞いにまでおちぶれる。しかしこの老盲人は決して卑しさを見せぬまま、幼い息子と共に物乞いをしている。
思えば王はそうやって苦しめたつもりだが、「あの」将軍の零落というものは外からはどう見えていたことか。
傍らのわが子はなかなかの美少年だった。

ドラクロワ フォンテーヌブローのクリスティーヌ 1844年頃  デュマの芝居かららしい。寝室で公爵に暗殺指令を出す女がドラマティックに描かれている。
ちょっと調べると1828年の韻文ドラマだとある。ただしwikiには1830年とあり、わたしそこまでは調べきれなかった。
「ナントの勅令破棄」の件というような説明も見たが、どうかは知らない。
「ナントの勅令破棄」というとクロソフスキーの小説があった・・・
ああ、勉強しなくては。

コロー 愛の秘密 1855-1856  緑の中でママ・ヴィナースにくっつくクピド。

ナルシス・ド・ラ・ペーニャ クピドから矢を取り上げるヴィーナス 1855  所構わず恋の矢で人を射ったらあきません、と叱る。

ミレー 犬を抱いた少女 1844-45  久しぶりの再会。
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小さくても女の子はおしゃまだ・・・

ミレー 眠れるニンフとサテュロス 1846-47  森の中こちらに背を向ける女。サテュロスがどこにいるのかはわからない。

クールベ 雪の断崖 1870  四角い断崖がいくつも連なっている。その間に海が見える。
エトルタらしい。そうなのか・・・

ここから裸婦が続く。
みんなとても綺麗である。

ジャン・ジャック・エンネル 横たわる裸婦  緑の布の上に横たわる裸婦。森の中、こちらを見ている。画家を通り抜けて観客を見ている。

エンネル マグダラのマリア  森の中。岩を背に凭れる半裸のマリア。エメラルド色の布を下半身に巻きつけて身を起こしている。その傍らには香油を入れていたらしき壺が。
彼女の眼は閉じつつも、どこかを見ている。

エマニュアル・ミシェル・ベンネル 森の中の裸婦  二人の美少女がいる。一人は立姿を見せ、もう一人は座る。どちらもブルネットのニンフでヘアなし。腰の括れもない。少女のように見える。
この画家は裸婦画の大家だそうで、以前にやはり見ている気がするが、どこでかが思い出せない。

アンリ・ファンタン・ラトゥール オンディーヌ 1880年頃  岩場にいる。こちらに顔ははっきり見えない。艶めかしい水の精。

レオン・リシェ 婦人の肖像  くっきり二重瞼の女。黒目も大きく、エキゾチックな風情もある。決して妖艶ではないが魅力的な女。

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ドガ 四人の踊り子たち  意外なことに表情がはっきりしている。みんなイマイチ乗っていないし、タイミングも合わないらしい。

ルノワール 母子像 アリーヌとピエール 1886  オレンジの帽子や上着、真珠色の周囲、黄金の染まる木の葉、とても和む。
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やさしい時間がここにある。

エコール・ド・パリの画家たち
ボンボワ 醸造所の見える風景 1930  大きな池がある。柳が道を少しばかり隔てる。睡蓮はまだ咲いていない。

ドンゲン 婦人の肖像  綺麗で派手な女。パールが首を絞めつけている。髪をかなり強く上げている。社交界で微笑む。

ドラン 肩脱ぎの女 1928-29  ああ、いかにもその時代。胸が一つ露わになっている。すてきだ。

藤田嗣治が数点ある。
ユキ、マドレーヌらの横たわる姿、他にも二人の裸婦の様子、バラなど…裸婦たちはいずれも肉の裂け目を少しばかりのぞかせている。
グランブランの時代の絵ばかりが集まる。いいコレクション。

猫 1939  黒雉vs茶虎のケンカである。どちらも応援したい。

ラリックの作品がずらりと並ぶ。皆とても綺麗。
海をイメージした香水瓶には渦巻が刻まれていたり、昔話を思わせるような「シレーヌとカエル」の凝ったつくり、ガラスに閉じ込められたような苺たち。

立像のダフネは朝香宮邸のカリアチードが顔を挙げるのとは逆にややうつむいている。大きな貝殻の髪留めが素敵だ。
十人のバッカスの巫女たちの舞う様子、八人の祈る天使たち、これらも造形がとても優美。

陶然としながらガラス作品を見て回る。

最後は常設を見たが、特別展に合わせての作品チョイスになっていたようにも思う。
踊り子たち、裸婦たち…

絵もガラスも共に魅力的だった。

 


イケフェス大阪2017 その5 山本能楽堂

内本町に近い徳井町にある山本能楽堂に今年も見学に出た。
この能楽堂の歴史や建物についてはサイトに詳しい。

前回の訪問は夜間で、今回はお昼。風情が違っていて、楽しかった。

内部から。
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お能は実際にみることはニガテだが、能楽堂を拝見したり、装束や面を眺めたり、謡曲を読んだりするのはたいへん好きだ。
だが、実際に楽しむことが出来ない。
わたしは歌舞伎と文楽の世話物は好きだが、時代物も踊りもニガテで、やはり高尚なものがしんどいのかもしれない。

裏へ回ろう。
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見上げると「道成寺」の鐘があった!!!
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イヤー、これは嬉しかった。
ドキドキしたなあ。

下足箱が可愛い。新しくしてもこうしたものを古い形で行くのが素敵だ。
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二階へ上がると、文楽の人形やモロモロ。
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富岡鉄斎だ。

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さすがですなあ。
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欄間をみよう。
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能人形など
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文楽人形
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狭いが素敵な階段
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またお願いします。

#69 正倉院展

今年も秋のお楽しみ正倉院展に行て参じました。
いやもぉほんと、学生時代からずっと通っている。
毎年毎年楽しみに出かけるし、ツイッターでも非公式の正倉院宝物さんをフォローしてます。
今年のメインヴィジュアルは日本製のロウケツ染の羊木臈纈屛風。
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これは十年ぶりの出陳。ええのう。
前から可愛いなと思っていたが、偶然読んだある本で、この絵柄について書かれたものがあった。
岡田恵美子「ペルシアの神話 光と闇のたたかい」
そこにはこのような一文がある。
「白ホームらしい霊木を右手に、中央には大きく角を丸めた羊を描き、木の根元には大蛙の足を表す形、そして二匹のカル魚らしきものも。羊は春分からの羊座を意味する。これはペルシアの天地創造そのもの」
その言葉を踏まえながら作品を見ると、面白さが一層深くなる。

このお仲間がいた。
熊鷹臈纈屛風  あんまり記憶になかったが、やはり十年前に出ていたらしい。
しかし羊のインパクトが強いのと、手前の鷹がとてもなじみ深いせいでか、ついつい影が薄くなったらしい。
で、今ちょっと調べると十年前の感想にその画像を挙げていた。
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蝋蜜の塊りを集めたものがごろごろ。
こういうのを見ると薬とかそういうのでなく、熊のおやつか何かにみえる。
なんでもありの正倉院なのだ。

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伎楽面がいくつか。わたしは行道のあれもニガテ。これも…
表情が誇張されているのは面白いのだがね。
アジアでの仮面劇の隆盛についてちょっと考える。

箜篌の残決と明治の模造品とがある。
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槽の部分が結構膨らんでいた。
箜篌と言えばうちのブログで以前にいくつか紹介している。
古楽器の絵葉書からの追想
天平美人の演奏図、明治の調査の古写真…

竹でなく玉製の尺八にはびっくりした。音色はどんなのだろう。
そういえばフルートは口元が黄金のものが音色が柔らかくなるという話だった。
横溝正史「悪魔が来たりて笛を吹く」はだから「黄金のフルート」が登場する。

綺麗な緑のガラスがあった。カットガラスで文様が入っている。
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うさぎは認識できなかった。

犀角坏 、玳瑁杖、金銀の何か…様々な素材の工芸品。
元は遥かな国から来たものが日本で再現されたりもする。
天平人がそれをどのように歓迎をしたのかを想う。

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碧地金銀絵箱  今回このように中も見えた。
可愛いな。マスキングテープを数種貼りつけたような内装。
外装も可愛かったが、中はさらに可愛い。
いいものを見た。

役人の始末書もあった。
弁償しますというようなことが書いてあるが、そんなんどないしてするねんと一人でツッコミを入れてしまったよ。
近年そういう面白い文書が出てくるのが楽しい。

11/13まで。
今年もよかったなあ…

イケフェス大阪2017 その4 長瀬産業

長瀬産業は四ツ橋筋の新町にある。
そしてわたしは時間配分を誤ったせいで、江戸堀1丁目から7分で集合時間に間に合うように走ったのだった。
つきました…
するとお仲間さんがおられて、久闊を叙したのでありました。

長瀬産業の内部を案内していただきました。
外観や一階はこれまで撮っていたけれど奥に入ったのは今回が初めて。

まずは上階へ
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中に入れたからこその眺め。


見下ろすと雨に濡れたタイルが。
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ここからの眺め
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お社がある。


こちらは屋上緑化計画
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階段を下りる。
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ステンドグラスのある事務所。表からと裏からと。
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ベランダに出る。細部の装飾が好きだ。

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別な階段へ。
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うねるうねる。

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いい大理石。

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元のロビーへ。
岡山の林原のいい仕事がここに展示されている。
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素敵だ…


ありがとうございました。

外観も少々。
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ステンドグラスが見えたね。

ああ、今度は以前に撮った外観の特集もしよう。

国宝展 第三期 

国宝展、第三期に参りましたよ。
あまりの人出で、階段で上り下りしましたわ。

・仏画
両界曼荼羅図 東寺  おお、来たね。こういう9世紀のものが綺麗に残っているのを見ると、なにか法力というものがあるのかもしれない、と思ってしまう。

十二天もある。
西大寺からは閻魔天と火天、京博は火天・水天・風天。こちらは数年前にここでいい展覧会があった時以来かな。
「国宝 十二天像と密教法会の世界/成立八百年記念 方丈記」
当時の感想はこちら

曼殊院の黄不動図もある。三井寺の秘仏画の模本。きちんと黄色い。梔子色のような黄色。
これを見ていると、若い男性同士が描かれた不動の膚と筋肉の在り方を話し合い始めた。
なかなか興味深い内容だった。


・絵巻物
源氏物語絵巻 柏木 徳川美術館からご来駕。赤ちゃん抱っこの光君。
当たり前だがやっぱり皆さん熱心に覗き込む。
思えば平安時代で大体今日の恋愛小説・大衆小説の大まかなラインは全部確定されているのだよなあ。

扇面法華経冊子 四天王寺  これは本当に好きなのだが、今回2点あり、どちらもその素晴らしい鮮やかさにときめいた。
いちばん有名な、距離が近い男女が机に倚ってるあの絵が来ていた。
机の上には梶の葉がある。女は肘をつきながら男を優しく楽しくみつめる。
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ちなみにこの画像は四天王寺宝物館のチケット半券。

もう一枚は十人ばかりの幼子たち。これがもう可愛くて可愛くて。
よく観察した人が描いているようで、二の腕のプクプク感がたまらない。
一人は裸だが、それも当時の様子を見るようで面白い。
後世の四天王寺とゆかりの深い生田花朝女が描いた、と言っても不思議でない感じのまろやかさがいい。

平家納経・法師功徳品 厳島神社  綺麗な拵えでやっぱりいいなあ。随分前に奈良博で厳島神社展が開催されたときも、院政期の絵画展でも、江戸博で平清盛展が開催されたときも、東博の大神社展のときも、何か一巻が必ず出ていた。
いつみても本当に素晴らしい。
あまりに綺麗なので、田中親美の模造品かと思うくらいだった。

信貴山縁起絵巻「延喜加持」の巻 おお、剣の護法童子よ、久しぶり。
これは去年の信貴山縁起絵巻展で詳しく感想を書いたので、こちらへ。

童子、どうも「♪シャーオリンーシャオリンー」と歌いながら転法輪を蹴って来てるように見えるんだがな。
そして到着後は転法輪に乗る
可愛いわあ。
実は前回もリー・リンチェイ(現ジェット・リー)主演の「少林寺」のテーマが脳内再生されたのだが、今回も全く同じだった。

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これね。

粉河寺縁起絵巻の後半部分も長く開かれていた。これは嬉しいね。姫が少年を探す旅に出るところから「発見」まで。

随身庭騎絵巻 大倉集古館  おお、久しぶり。じっくり眺めると新しい発見が。馬がやっぱりカッコいいな。
実はこの絵を見るといつも小笠原流のご宗家の方が流鏑馬なさる姿を思い出すのですよ…素敵だったなあ。

伝平重盛像・伝源頼朝像・伝藤原光能像 神護寺  この絵を見ると五味文彦さんの著書「院政期社会の研究」を思い出す。
それを踏まえた丸谷才一のエッセーもまた。
どうやら元はこの絵の飾られ方はフジョシ心を鷲掴みする状況だったらしい。
「日本一の大天狗」を中心にこの人々を配したとかどうのこうの…きゃっっ♪
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ところでこの絵は教科書で見知ったわけだが、本物を見たのは1985年の天皇在位60年記念展でのことだった。
予想外に大きい絵だったので驚いた。
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瓢鯰図 如拙  諺を絵にしているのはわかるのだが、なんというか、表現がよすぎるせいでか全くユーモアを感じられない。
というよりこの絵から面白味を見出すことがわたしには出来ない。
瓢箪を持っている男と言い、その背景と言い、なにか逃げ場のない森の底の底にいるような感じがして、むしろ怖くなるのだ。
これは最初に見たときから全く変わらない感想でもある。
だからもう多分このままだと思う。

周茂叔愛蓮図 狩野正信  木々が青々とし、光が静かに差し込む。しかし池の蓮はまだ咲いていない。
気温が高くなる前の午前だろうか。気持ちよさそうな風を感じる。

花鳥図襖 狩野永徳 聚光院  梅に鳥に根上りの木に川、菫も鴨も…色々な生物が生きている。

近世絵画コーナーのよく設えられた空間へ。冖の字型に屏風がある。
等伯「松林図屏風」が間近すぎて静けさが失われにぎやかになっている。
こうなるとどこか理想の地ではなくなり、観光地のようになる。
それはそれでいい。

次に久蔵「桜図壁貼付」が続く。智積院の宝。素晴らしくこんもりした桜。
他にコブシの白い花、枝垂れのその緑もよく、蒲公英や菫の咲く地もいい。

そして応挙「雪松図屏風」がくる。三井の新年を飾る名品。
どういうわけか日本橋の三井記念美術館で見ていても、かつて沼袋だったか、三井文庫で見ていた時のことが思いだされる。

これら松林図と雪松図が向かい合う設えは素敵だ。
そしてここの留位置に「志野茶碗 銘 卯花墻」がある。
すごい空間だった。こんな競演が叶うのが「国宝」展なのだ。
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好きな絵はまだまだ続く。
今度は中国絵画
秋野牧牛図 伝閻次平 泉屋博古館  ああ、好きな絵。牛たちがのんびりと過ごす様子。牧童も寝てるし牛たちも機嫌よくそれぞれ好きなことをする。のんびりしていてとても和む。

鶉図 伝李安忠 根津美術館  ふっくらウズラがゆったり。 
林檎花図 伝趙昌 畠山記念館  薄い白紅の花が咲いている。
この二枚が並ぶのがなんだかうれしい。

観音猿鶴図 牧谿 大徳寺 モッケーズ・モンキーズがいる。
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やきものでは東洋陶磁美術館から可愛い油滴天目が来ていたが、これは縄を張って順列を作っていた。
中之島で静かな中でためつすがめつするのもいいが、こうして多くのお客さんに凝視されるのをみるのも面白い。

大井戸茶碗 銘 喜左衛門  これも来ていた。嬉しいね。この茶碗を見ると溝口健二のエピソードを必ず思い出す。

四天王の懸守がいくつも来ていたが、見せ方が巧くてうなる。これはいいなあ。
松喰い鶴などの金具が可愛い。

熊野大社、阿須賀神社の古神宝が並ぶ。大神社展、春日大社展などを思いだす。やはり神社に奉納された古代から中世の宝は見るだけで尊さを感じる。

綺麗な手箱などが集まる。
宝相華蒔絵経箱 延暦寺、梅蒔絵手箱 三島大社、籬菊螺鈿蒔絵硯箱 鶴岡八幡宮 サントリー美術館での「神の玉手箱」展で素晴らしい箱をたくさん見たが、キラキラしたものが心に広がるようだ。
キラキラしたものは光の素粒子かもしれず、それがゆっくりと堆積してゆくのを感じる。

琉球の尚家の素晴らしい螺鈿を見た。大ぶりな文様で遠くからでもピカピカ光り、キラキラ輝いていた。
あああ、これは凄く綺麗。素晴らしい…!

金印 本当に小さいな。これも最前列で見るのは至難の業の大行列。
2cmくらいだったかな。イメージ (447)

ポルトガル国印度副王信書 1588 妙法院  これはあれかな「京の非公開寺院」の特別公開にたまに出るあれだろうか。
そんな気がして来た。そしてポルトガルの割にローマ建国のロームルスとレムスらの絵があった。

今期も素晴らしかった。
11/12まで。

最後の四期は11/14から。





柳沢淇園 ―文雅の士・新奇の画家―

大和文華館で特別展「柳沢淇園 ―文雅の士・新奇の画家―」展をみた。
見たというてもまさかの出遅れで前期を見損ねてしまった。
なんということだ、わたしはここの友の会会員なのに。
そうそう、ちょっと宣伝しておくと、大和文華館の友の会の会員になるには一年で2000円。
このご時世で2000円、年間それで何度でもなんでも見れるというツワモノな会員制度なんですよ。
はっきり言うと入った方がええと思います。大和文華館を定点観測なさる方はな。いや、そうやなくても入った方が楽しい。いい読み物を送ってもらえます。

と、宣伝と懺悔もしたところで感想を挙げる。

ところでこの柳沢淇園は誰か。サイトから引用する。
「日本の文人画の先駆者と称される柳沢淇園は、元禄十六年(1703)、柳沢吉保の筆頭家老である柳沢(曾禰)保挌の次男として江戸に生まれました。淇園は、吉保のもとに集った学者や黄檗僧などと交流を持ち、最先端の文化を吸収しつつ成長しました。殊に絵画に優れ、長崎派の画家英元章(吉田秀雪)に師事して「唐絵」を学びました。享保九年(1724)、主家の転封に伴い大和国郡山に移り住み、同十二年には藩主の吉里(吉保の子)より里の一字を賜り、里恭と改名します。「不行跡」のため処分を受けるという挫折も経験しますが、同十五年に家督を継ぎます。四十代に公務が充実するようになると、作品制作も活発化し、宝暦八年(1758)に没するまで絵画に真摯に向き合いました。
淇園の絵画は、濃彩で精緻に描く人物図や花果図が主であり、文人画で主流となる柔らかな筆墨を用いた「南宗様式」とは異なります。しかし、高い身分に生まれて教養を積み、為政に関わりつつ絵画表現を模索する生き方は、理想とされる伝統的知識人に最も近いと言えます。」


かれの展覧会は50年ぶりらしい。
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貴公子で絵を描くと言えば彼より60年後に生まれた酒井抱一がいちばんに思い浮かぶが、抱一が浮世絵から琳派へ向かったのとは違い、淇園は唐絵を背骨にしている。
濃い色彩もそこからのもの。

・淇園の境遇-主家と生家-
最初にかれの背景の資料が展示される。

・淇園の関心 ―黄檗美術と古画―
二つの達磨図がある。
達磨図 逸然性融・隠元隆琦賛 神戸市博  白衣姿で静かに真向からこちらを見る。青の腹巻?が鮮やか。こんな穏やかな様子の達磨はあまり知らない。
達磨図 蘭渓若芝 東博  こちらは赤衣で目もギョロリ安定の達磨。

達磨で白衣は雪舟の絵を想う。赤でギョロリがなじみ深いが、白衣で静かだと映画「達磨はなぜ東へ行ったのか」が蘇る。

関羽図粉本 伝・渡辺鶴洲 1806 神戸市博  関羽単品ではなく必ず誰かがいるのがモデルらしい。

十六羅漢図(第二尊者) 鎌倉時代 唐招提寺  眠る坊やが可愛い。

芥子園画伝もあり、淇園の関心の方向性が見えてくる。

・淇園の人物図
同一テーマの別バージョンというものが多い。

羅漢図 1738―1740 恵林寺  「心頭滅却すれば」から200年後にはこうした絵を所蔵できるほどに隆盛しているのだなあ。
青髭の羅漢が目ざましい。

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三点の関羽図がある。粉本を基本にしているが、四頭身である。精緻な筆致で描く。
関羽は死後に財神に祀られ、日本でも「三国志」が知られているため許容しやすいキャラだったのだ。

寒山拾得図  正面向きと→向きとの顔を重ねることでトリック効果が生まれる。
他人で出来た双子のような存在。

三点の可愛い少年が現れる。睡童子図。
机に凭れる、更に幼い、お団子頭でなくみずら、などと微妙な違いがある。
机の上にあるのも少しずつ違う。チラシの少年版には貫入の綺麗な青磁の瓶もあるが、中には小卓にすぽっの子もいる。
みんなとても愛らしい。

渡唐天神図  ピンクの梅を持つ。

布袋も三点、袋の中に納まっていたり、色々。ご機嫌である。
大黒は二点でこちらも福徳円満。



慈雲尊者長尾山禅定図 慈雲賛 1758 長栄寺  ああ、あの慈雲尊者。41歳座禅中。
今でも田蓑橋の辺りに石碑がある。

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・淇園の花果図・花鳥図
たいへん濃い。

果物籠図 頴川美  この絵についてはこのブログで数度採り上げている。頴川美術館でおなじみの濃い濃い絵。柘榴の表現がなんだか凄い。小さい頴川美術館の展示室の中で見る時よりも、この絵は周囲と仲良くしているように思えた。
他にお仲間がいるからだろうか。

蘭花果実図 茶色い小瓶に細い蘭がいけられている。傍らの緑の鉢には青物な果物が収まる。
配色自体はニガテだが唐絵を学んだことを思うと、本当に真っ直ぐその道を来たのだという実感が生まれる。

二枚の雪中梅花小禽図がある。
MIHOさんのは黄色い鳥(もしかすると高麗鶯というものか)が白梅のそばにいる。
もう一枚には白梅と「シマヒヨドリ」という珍しい鳥がいる。
雪と梅と小鳥と言うのは大和絵・浮世絵・近代日本画によく見受けられる取り合わせだが、唐絵風味のそれも悪くはない。


・淇園の墨戯、墨蹟、書簡

彩竹図 岡田美  白地に墨書きというのが多い中、一点のみ紺地に描かれたものもある。これ。

指墨竹図  昨日の蘆雪展でもそうだが、筆でなく指でもこれほど描けるというのは本当に凄い技能だと思う。

淇園は絵だけでなく書もいい。
少し細い目の字で、丁寧に書く。やはりそのあたりに育ちの良さがうかがわれる。
が、他方雄渾な字もある。聯書などはそう。「迎剣佩」の文字がいい。

面白いのは手紙。工夫して読み間違いを失くそうとしているが、やり方を知らない人にはパズルにも見える。
斜めに線を入れて分けて記す。
わざわざこういうのを考案するのがいい。

他に著作がいくつか紹介されていた。日記もある。江戸中期の高級武士で芸術家の愉しみ・嗜み、そうしたものを少しばかり思う。


・淇園周辺の新たな潮流-南蘋風と文人画-

海棠黄鳥図 鶴亭筆・柳沢淇園賛 長崎歴史文化博物館  青い奇岩と黄色い鳥と薄紅の花と。ああ、これはいいな。神戸市博でみた「我が名は鶴亭」展の良さが蘇る。
当時の感想はこちら

花籠図 鶴亭  薔薇や水仙が入る花籠。籠自体もいい籠。

墨梅図 祇園南海  細部がきりりとしていてよろしい。

池大雅の絵に賛を付けたものもある。

時代の一部を切り取って目の当たりにしたような気分が湧いている。
こうした展覧会を見ることが出来て本当に良かった。
11/12まで。


長沢芦雪 京のエンターテイナー その2

昨日の続き。
しょっぱなから可愛いのの紹介。

童子・雀・猫図 三幅 紙本墨画淡彩 天明6年(1786)  雀は三羽(こうなるとついつい「悪魔の手毬唄」を歌いたくなるぞ)、童子の手には可愛い子ネズミ、そしてそれをギラギラした眼で見る猫。凶暴そうなのが可愛い。ややでか耳の斑さん。芭蕉がある。

月竹童子図屏風 二曲一隻 紙本淡彩 天明6-7年(1786-87)  「童子」であっても少年というのでなく寺院などで働くおっちゃん。髭の剃り跡が青黒い。横向きの姿で長渕剛に似ている。満月をみる。

絵替り図屏風 六曲一隻 紙本墨画 天明6年(1786) 禅宗の人々の突飛な行動を描いた一枚絵を貼り付け。例のエビとかアサリ?とかひらって食べてる和尚に、渡し守していて「これぞ」を見つけた途端に入水するのとか(しかも水面から手首だけ出てるのが水木しげる的)、トントでおしり温めてるのとか。なんかもうよくわからんわ。

群猿図屏風 六曲一双 紙本墨画 天明7年(1787) 草堂寺  今回この右の岩場を抽象表現と見立てるのも面白かった。白猿が向うを見ていて、左は毛づくろいするのとか色々。
去年の「溌溂」にも出ていたが、和歌山は本当に芦雪のいい絵が多いな。

寒山拾得図 一幅 紙本墨画 天明7年(1787) 高山寺 めっちゃでっかい顔のアップ。
薄墨で距離感がおかしいくらいの近さ。
これをみて思い出すのがクラウス・キンスキーと画面の関係性。
特異な風貌(わたしには時折たまらなく美貌に見える)が特異な立ち位置から不意に画面に入り込む技術、あれ。
つまり「フィッツカラルド」でいきなり鐘楼に出現するあのシーン。
「この教会は封鎖する」ガンガンガンガンと鐘を鳴らし「オッペラハウッ」と叫ぶあのシーンを知る人には、分かってもらえると思う。

朝顔に蛙図襖 六面 紙本墨画 天明7年(1787) 高山寺  きゅるるるるる・・・と伸びる茎。とうとう京都銀行のコマーシャルのように「長――――――く」伸びて笹に巻きつく。
それを見るともなく見る蛙たち。

第3章 芦雪の気質と奇質
確かにつけたくなるタイトルだ。

師弟の鹿図を見る。
円山応挙 双鹿図屏風 二曲一隻 紙本金地着色 天明3年(1783) 京都国立博物館
双鹿図 一幅 紙本着色金泥 寛政4年(1792)以降 京都国立博物館
鹿ップルを描くが、応挙のはどこか洋風にも見える。
カップルの立ち位置も師弟は違う。弟子の方がやっぱりヒトくさいツラツキで描いている。
オスのドヤ顔がよくわかる。

酔虎図 一幅 紙本墨画淡彩 天明7年(1787)以降 無量寺・串本応挙芦雪館  まあ立派な背中。しかしどう酔っているのかわからない。そもそも虎で酔うといえば大虎=ヨッパライ、酔虎伝という店もあるな、大寅はかまぼこ屋・・・

さてわんこランド。
狗児図 一幅 絹本着色 寛政前期(1789-93)  寝てる奴のツラツキがまた面白い。解説では「オジサンぽい」とあるが、笑ってしまった。きゅっきゅっと両目が吊って寝ている。
起きてる奴はこれまた寝てる奴を観察中の様だし。

円山応挙 狗之子図 一幅 紙本着色 安永年間(1772-81) 一般財団法人高津古文化会館  このわんこたちのキュートさにはいつもいつも胸を締め付けられる。可愛い喃。

薔薇蝶狗子図 一幅 絹本着色 寛政後期(1794-99)頃 愛知県美術館(木村定三コレクション)  もうほんと、可愛い。五匹のわんこがそれぞれ機嫌よくそこにいる。
可愛くてならない。
噛んだろかと思うレベルの可愛らしさ。

一笑図 双幅 紙本墨画淡彩 寛政中期 同志社大学文化情報学部  童子とわんこたちの相性の良さってすごいよな。でも中には「捕まえんといてやぁ」なわんこもいる。
そうそう、このわんこは2015年の松涛美術館「いぬ・犬・イヌ」展にも出ていた。
当時の感想はこちら。

ここの師弟のわんこ絵と虎絵だけの展覧会が見たいわ。
出来ると思うね、絶対。
因みに応挙先生は猫は飼うてたが、犬はお隣のをモデルにしていたそう。
そこらが猫大好き国芳とはまたちょっと違う。
白とハチワレ麿眉のコンビで漫才もやれそう。

瀑布登鯉図 一幅 紙本墨画 天明7年(1787)以降  びっりしたのは小さい鯉が八匹もいたこと。幹部候補生の篩い落とし試験の最中みたい。

母子犬図 一幅 紙本着色 天明年間(1781-89) すみだ北斎美術館   斑の麿眉ママがお乳あげてる。なごやか。しかしコロコロの可愛いのも成犬になるとこうなるのだなあ・・・

降雪狗児図 一幅 紙本着色 天明年間(1781-89)逸翁美術館  好きな絵。これまでこのブログで4回ばかり紹介している。
画像も使い廻し。img559.jpg


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なめくじ図 一幅 紙本着色 寛政後期(1794-99)頃  一筆書きというのもすごい。やっぱり遊び心がないと出来ないよね。
これで思い出すのが佐藤さとる「コロボックルの昔の話」に出てきたなめくじ。
その背中に乗ったコロボックルが小石に「ふくじゅむげん」福寿無限と書かせる、という話があった。

蛙の相撲図 一幅 紙本墨画 寛政前~中期  重量級のトノサマガエルががっぷり四つ相撲している。行司は小さいアマガエル。みんな緊迫感ある。若冲、暁斎とも違う迫力のカエル。むしろ国芳のガマに似ているかも

「みやこのエンターテイナー」の面目躍如な仕事が二つ。

汝陽看麹車図(じょようかんきくしゃ・ず)一幅 紙本墨画(指頭画) 天明後期(1786-88)  これは杜甫「飲中八仙歌」の一部を絵にしたもの。
わたしが覚えているのは冒頭の「知章騎馬似乘船」だが、それから次々と彼ら飲み仲間の酔っぱらう様子を描いてゆく詩。
いいなあ。どこかにペーソスもある。
お座敷芸としてこの絵はまことによろしい。

牧童吹笛図 一幅 紙本墨画(指頭画) 寛政前~中期 久昌院  指だけでこれだけ描けるからやっぱり画力の高さに改めて感銘をうけるね。
芦雪は牧童図を他にも描いているが、十牛図云々を越えて、純粋にいい感じに見える。

円山応挙 元旦図 一幅 紙本着色  これを最初に見たのは去年の府中市美術館春の恒例・江戸絵画まつり「ファンタスティック 江戸絵画の夢と空想」展の前期で。
当時の感想はこちら
裃姿で初日の出を眺める男の後ろ姿、妙に良かったなあ。

第4章 充実と円熟:寛政前・中期
唐美人図 一幅 紙本着色 寛政前期(1789-93)頃  机に向かう美人は菅道昇という詩人。東博には彼女の書簡も所蔵されている。
色っぽい美人。ふわふわの髪がいい。墨竹図がある。艶めかしい美人はこの人の十八番ですな。同門の源琦の唐美人は清楚だが、こちらは妖艶。

唐子睡眠図 一幅 絹本着色 寛政前~中期 宮内庁三の丸尚蔵館   久しぶりに見た。ぽんぽん冷えないように腹掛けをした子供。リアルな一枚。いとしさがある。

蹲虎図 一幅 紙本墨画淡彩 寛政6年(1794)  これまた面白い虎で、う゛わ゛―っと膨らんでいる。

象背戯童図 一幅 紙本墨画淡彩 寛政前~中期  巧い構成力。ああ、そうなんだと気づかせられるとニヤリとなる。

富士越鶴図 一幅 絹本墨画淡彩 寛政6年(1794) これも構図がいい。円錐を巻くように来る。

蓬莱山図 一幅 絹本着色(薄彩色) 寛政6年(1794) 浜辺の三角になったところを中央に、飛んでくる鶴や動かぬ松を配する。異郷でありながらどこかの名勝地にも見える。
ファンスティック江戸絵画

曾道怡との合作 花鳥蟲獣図巻 一巻 絹本着色 寛政7年(1795) 千葉市美術館   わんこのところは巻かれてしまったが、スズメらがいる。やっぱり可愛い。鸚鵡、文鳥、黄蝶、梅に藤も咲く。

芦雪・呉春 二枚折貼交屏風 二曲一隻 紙本墨画淡彩ほか これは持ってた人のセンスがいい。二人のいい絵をぺたぺた。こういうの楽しいなあ。

第5章 画境の深化:寛政後期
大原女図 一幅 絹本着色 寛政後期(1794-99)頃 静岡県立美術館  これも好きな女。
艶めかしすぎる。img549.jpg

巌上母猿図 一幀 紙本金地着色 寛政後期(1794-99)頃  眼を見開いて座っているだけの母猿。父を含ませてやるべき子供の姿は、ない。
この展覧会で唯一と言っていいくらいのせつない絵。

幽魂の図 一幅 絹本墨画淡彩 寛政後期(1794-99)頃 奈良県立美術館  幽霊になっても怖さ半分色っぽさ半分。これはやっぱり吉川観方のコレクションのかな。
奈良県美には蕭白「狂女」もいるが、こちらには狂気はない。

さてお月様の登場。
芦雪は月光を描くのがとてもいい。
月下雙兎図 一幅 紙本墨画 LING SHENG PTE. LTD(Singapore)  可愛いウサギのカップル。紙の素地をそのまま使った。
師匠のウサギも可愛かったが、弟子のウサギも可愛い。

竹林蝙蝠図 一幅 紙本墨画 寛政前〜中期  満月。
竹に月図 一幅 絹本墨画 寛政年間(1789-99)  長――――い竹と月。
月下水辺藪 一幅 絹本淡彩  いくつもの月が連なる。
朧月図 一幅 絹本墨画 寛政6年(1794)  ああ、こんな色の月ある。
雨中釣燈籠図 一幅 紙本墨画 寛政年間(1789-99)ぼぉぉぉもやぁぁぁ
月夜山水図 一幅 絹本墨画 寛政後期(1794-99)頃 公益財団法人頴川美術館  これも本当にいい絵なんだが、どういうわけか単品で画像を挙げようとすると解析度が悪くなる。
以前の頴川のチラシ

橋杭弘法堂図 一幅 紙本墨画淡彩 寛政後期(1794-99)頃  橋杭岩は今も和歌山の景勝地。
弘法堂か。ここの橋杭岩も弘法と天邪鬼の駆け引きでつくられたという伝説がある。

群牛図 一幅 絹本墨画 寛政後期(1794-99)頃  描くのに技法を変えて仔牛だけモアモアッとさせてるのがいい。
関係ないが荒川弘さんの「百姓貴族」によると、酪農家は牛の出生の時に足首を見るだけで雌雄がわかるそうだ。
この仔牛の性別はわたしにも芦雪にもわからない…

瀧に鶴亀図屏風 六曲一双 紙本墨画淡彩 寛政後期(1794-99)頃  カメラ目線のカメらもいる。

赤壁図屏風 六曲一双 紙本墨画淡彩 寛政後期(1794-99)頃  蘇軾らの赤壁ツアー。エンヤコラと小舟を漕いで赤壁へ到着。怪獣風な狛犬もいればなんかもう意味不なものもいる。
しゅっぱーつ…

久しぶりな三点で締めくくり。
白象黒牛図屏風 六曲一双 紙本墨画 寛政後期(1794-99)頃 エツコ&ジョー・プライスコレクション  おお久しぶり。
山姥図 額一面 絹本着色 寛政9年(1797)頃 嚴島神社  赤い金ちゃんが可愛い。銀より金。
方寸五百羅漢図 一幅 紙本墨画淡彩 寛政10年(1798)  MIHOさんで見て以来か。

ああ、名古屋までがんばって出かけた甲斐がありましたわ。
芦雪、本当にいいなあ。

愛知県美術館はこの後しばらくしてから全面的に工事だそうだ。
そのときにはまたすごいような展覧会があるだろう。
いいタイミングで出かけたなあ…

長沢芦雪 京のエンターテイナー 展 その1

愛知県美術館で長沢芦雪展を見た。
副題は「京のエンターテイナー」である。
京はむろん「みやこ」と読む。
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これまで見てきた立派な蘆雪または芦雪展のなかでもこの展覧会は無量寺の襖絵の再現が為されているのがとても良かった。
去年の和歌山県博の「蘆雪溌剌」展では草堂寺のが再現されていた。
こういう見せ方は臨場感があるからいい。

これまで見てきた蘆雪展の感想を挙げる。
十年ほど前の奈良県美「応挙と蘆雪」
感想その1

その.2

MIHOさんの「長沢芦雪 奇は新なり」  感想

去年の和歌山県博「蘆雪溌溂」 感想

そして今年のこの展覧会。
皆とてもよかった。その感想をこうしてこの場で挙げることが出来るのも嬉しい。
尚11/5まで展示の作品を見に行くことが目的だったので、既に展示が終わったものも含めての感想になる。

第1章 氷中の魚:応挙門下に龍の片鱗を現す

長沢芦鳳 長沢芦雪像 一幅 絹本着色・描表装 天保年間(1830-44)頃 千葉市美術館  道服を着た芦雪先生。二等辺三角形の眉に黒い切れ長の眼のオジサンである。
ここへ来る前に逸翁美術館で蕪村展を見たが、そこで蕪村は敬愛する芭蕉の肖像に道服を着せていた。それは蕪村によるリスペクトの表れだった。
つまりこの絵を描いた弟子は芦雪に道服を着せることで、彼への敬愛とリスペクトを示している。

若い頃の絵が並ぶ。
蛇図 一幅 紙本墨画淡彩 安永年間(1772-81)  ナマナマしい蛇が幹に巻きついている。写生重視からの絵ではなく、どこか物語性を感じるような構図ではある。

関羽図 一幅 紙本墨画淡彩 天明元年(1781)以前  ゆったりした様子だが、まだまだ修行中。

若竹に蛙図 一幅 紙本墨画淡彩 安永後期~天明初期頃か  後姿のカエルというのが面白い。

東山名所図屏風 六曲一隻 紙本銀雲淡彩 安永7年(1778) ごくご近所の様子を描く。円山家で描いたらしい。銀の雲はまだ酸化していないのか・修復されて銀に見えるのかはわからない。上部に清水寺が浮かび、人々の行き交う賑やかな四条通が開く。
左下には八坂神社。あまり広い距離を描いたわけではない。

師匠の作品と対比する。
円山応挙 牡丹孔雀図 一幅 絹本着色 安永3年(1774) 嵯峨嵐山日本美術研究所
牡丹孔雀図 一幅 絹本着色 天明前期(1781-85)頃 下御霊神社
こちらはよく似ていると思う。構図ではなく絵そのものが。

円山応挙 楚蓮香図 一幅 絹本着色 寛政6年(1794)
楚蓮香図 一幅 絹本着色 天明6年(1786)以前
この辺りから違いが出てくる。
応挙の美人は←向き・芦雪は→向き。蝶々が勝手に寄ってくるのが応挙、蝶々に指を出すのが芦雪。清楚なのが師匠・妖艶なのが弟子。
比較するのは面白い。

虎図 一幅 紙本着色 「芦雪」署名 オオタファインアーツ  「蘆雪」ではなく。この虎は醤油を塗って香ばしく焼いた表面が割れた、そんな文様だった。噛んだろか、こいつ。

花鳥図 一幅 絹本着色 天明前期(1781-85)頃  全体に色が濃い目。白躑躅に雀の一家5羽が寄る、子供らの尾羽はまだ白っぽい。薔薇にはシジュウカラ、岩にはキンケイ。
解説によるとこの頃からキンケイがいるようになったそうだ。
派手な鳥なので異国風な趣が興味を引いたのだろうか。

躑躅群雀図 一幅 絹本着色 天明年間(1781-89)  赤い躑躅が前面にあり、8羽がうろうろ。ふくよかで愛らしい。スミレも生えている。可愛らしい光景が広がる。
スズメの可愛らしさにヤラレるのですよ。

さていよいよ和歌山へ派遣されての仕事も出てくるが、その同時代の作品が現れる。

牡丹雀図 一幅 絹本着色 天明6年(1786)以前 無量寺・串本応挙芦雪館  岩に牡丹という取り合わせは中国風でもあるが、そこに大小の雀を配すると、たちまち日本になる。

七福神図 一幅 紙本淡彩 天明6年(1786)以前  楽しい図。宝船というより小舟に一同が居合わせて、それぞれ海釣りのいい一日を過ごしている様子。得意そうに釣り糸を垂れ、白い鯛を釣るエビスを始め、みんながみんないい休日を過ごしている、そんな感じがある。タコも海から顔を出す。
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布袋・雀・犬図 三幅 紙本墨画淡彩 天明6年(1786)以前 無量寺・串本応挙芦雪館  これはまたもうみんな可愛い。布袋は木偶人形をあやつり、犬たちは二匹のハチワレと白。なんかもう可愛すぎるじゃないか。

岩上猿・唐子遊図屏風 六曲一双 紙本墨画淡彩 天明6年(1786)以前  可愛いなあ。そうとしか言いようがないな。
何度見てもやっぱり同じ感想が出てしまいそう・

牛図 一幅 紙本着色 天明6年(1786)以前 または寛政前期 有限会社 鐡齋堂  この牛の眼の愛くるしさ。コッテ牛なのに画面からはみ出そうなのに目が可愛くて、ついつい背景のことを忘れてしまう。

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第2章 大海を得た魚:南紀で筆を揮う

ここで愛知県美お得意の再現展示がきた。
龍図襖 六面 紙本墨画 天明6年(1786) 無量寺・串本応挙芦雪館
虎図襖 六面 紙本墨画 天明6年(1786) 無量寺・串本応挙芦雪館
薔薇に鶏・猫図襖 八面 紙本着色 天明6年(1786) 無量寺・串本応挙芦雪館
唐子遊図襖 八面 紙本墨画淡彩 天明6年(1786) 無量寺・串本応挙芦雪館
本当に素晴らしい。
猫の行動がまたリアルで。虎はもう本当に可愛さ先行してキュン死しそうになるし。
唐子遊びも9割楽しそうなのだが、左端の襖絵は白くなっていった子供らが笑いながらどこかへ消えてゆく姿なのだった。
それをみると様々な妄想が浮かんでくる。子供らは一体どこへ消えて行ったのだろうか。

楊柳観音図 一幅 紙本墨画 天明6年(1786) 無量寺・串本応挙芦雪館  意外な位の美人。

関羽図 一幅 紙本墨画 天明6年(1786) (宗法)徳泉寺  面白いのはゆったりした関羽の傍らに従う従者の表情。吊りあがった眉に吊りあがった眼。いいなあ、おもろいわ。

一旦ここまで。続く。

天理図書館 古典の至宝 中期

天理図書館所蔵の貴重書展示の中期をみた。
前回同様バスのお世話になる。助かりますわ。

前期の感想はこちら

・古典籍
播磨国風土記 三条西家本 平安末期写  ここにある本が「唯一の祖本」だという。
中学の頃に現代語訳されたものをいくつか読んだ筈だがあまり思い出せない。
改めてこの風土記という存在がその地の地誌であるだけでなく伝承、地名由来について、人々の暮らしぶりなどを知ることができるものだということを思う。
解説に「上申書」とあって、そういうことを考えていなかったことにも気づく。
「白犬」が出たとかそんな記述が少しばかり読めた。
白犬は上古の頃からなにかしら予祝を示す存在のような気がする。

古語拾遺 嘉禄元年(1225) 卜部兼直 元は807年に平城帝に命じられ斎部広成が記したもの。現存最古の本。カナのルビが入る。

明月記 今期は嘉禄3年(1227)8、9月の項。66歳。当時の定家は「小右記」が好きで著者・藤原実資と対面する夢まで見ている。
きよげなる人が長押(ナゲシ)に座り、とある。
・・・貴人とか神人が家屋に出現すると何故か長押に座すということがある。
これは一体何なんだろう。いつも不思議で仕方ない。
だってどう考えてもあの位置に座るのは無理でしょう…

類聚名義抄 観智院本 鎌倉末期写  今回は「力」の使われた字を集めている。勅・肋・加などなど。

世俗諺文 観智院本 鎌倉初期写  諺の出典禄。藤原頼通のために作られたそう。とはいえどんな諺なのか見ていてもよくわからない。

池田本 源氏物語 鎌倉末期写  今期は「須磨」「明石」あたり。
正方形に近い本で、読み継がれてきたのだろうなあ。

・奈良絵本
八幡大菩薩御縁起 貞享四年(1531)写  神功皇后の子・応神天皇の出生譚。素朴な筆致で描かれている。竹の笹の所に赤ん坊が座り光を放つ。

じやうるり 室町末期  素朴な絵だが金を大胆に使ったり。浄瑠璃姫と御曹司の恋の始まり。室内で琴を弾く姫と外で笛を吹く御曹司。合奏から恋が始まる。

花鳥風月物語 室町末期写  伝・飛鳥井雅俊、土佐光信  巫女の姉妹のサークリットがキラキラきれい。

小伏見物語 慶長頃写  中将と小伏見とその子が仲良く暮らすのを中将の父が無理やり引き裂き、中将は別な姫に婿入りさせられる。小伏見は死んでしまい、その知らせを聞いた中将も世を捨てる。
出ているシーンは中将が琵琶や笛を演奏する様子。

ひだか川 江戸初期写  「賢学草紙」の方。パネルで発端、清水の出会い、逃亡、大蛇に変身までが出てい。
本物は次の2シーン。
龍のような大蛇が鐘に巻きつく、割砕けた鐘から賢学を取り出し全身を爪で掴みあげて共に日高川へ。
男の恐怖に満ちた顔が素朴な筆致の分、迫力がある。

宝月童子 江戸初期写  今回はこれが見たくて来たのだ。絵は相当うまい。狩野派ぽい感じもあるような。
満月長者はようやく生まれたわが子・宝月童子の病弱なのを治そうと旅をする。北天竺へ来たとき、その財宝を狙う大王に騙されて草を食べさせられ、馬になり、そのまま繋がれる。
童子は父を求めて旅に出て大王を倒し、父を人に戻す。
描かれているのは大王の邸宅から裏庭の辺りで馬に変身してしまった長者の姿。まだ二足歩行の姿だが、既に衣服の下は全身が馬になっている。蹄も見える。
ヒトが馬になる話、と言うのは案外多い。
中国には「三娘子」の話があるし、これを翻案した旅人馬は日本でも流布している。
鏡花も「高野聖」でそのような話を描いている。
「西遊記」では白龍の変身が馬だったか。
これはあれか「意馬心猿」という言葉からのものだろうか…
エリアーデは馬と宇宙を同一視していたが、馬と言う存在は…

常盤の尼 寛文頃写  リアルで面白すぎた。晩年を迎え極楽往生を願う常盤の尼だが、まだまだ現世に欲望いっぱいである。
柿、栗、うどん、まんじゅう、羊羹、ひやむぎ、松茸…食べたいものが延々と繰り出される。更には子らへの不平不満も。
こういうナマナマシサは面白い。

虫妹背物語 享保2年(1717)写  去年も見たが顔をきちんと虫にして描き分けているのがいい。蝉の若さまと玉虫姫の祝言、胡蝶の舞、邪魔な蜂介が台所にやってきたり…

・連歌俳諧
「神の梅」発句画賛 西鶴自画賛  鳥居と梅が描かれている。天満の天神さんで。楽しいのが伝わる。
1678年には300句をみんなでという大イベントも開いている。

「鉢たたき」発句画賛 芭蕉賛 一蝶絵  瓢を叩く鉢たたきが月下で見返り。
句は「長嘯の墓もめぐるか鉢たたき」これは秀吉の甥の歌人の木下長嘯子のことと思う。
調べるとこんな句があるそうな。
「鉢叩き暁方の一声は冬の夜さへも鳴く郭公」
先人へのオマージュと言うか先例があるからこその「世界」ですな。

「みのむしの」発句画賛 芭蕉賛 一蝶絵  太い一本の木とぶら下がるミノムシと。付立の幹の大きさ。うまいな。

「朝顔に」発句画賛 芭蕉賛 一蝶絵  「われはめし食ふおとこかな」か。「つるべとられて」ではないわけだ。
竹の花入れに朝顔一輪。

11/6まで。
これを見た翌日に池田で蕪村展をみたが、いいタイミングだった。

こちらは既に終了した龍谷大学の展覧会。タイミングを逃したが、いいものをたくさん見た。
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いい図録もいただいたし。

仏教系の読み物、奈良絵本、草紙、ちりめん本、三国志、紅楼夢、金瓶梅、ウイグル語のイソップと言うなんだか凄いものもあった。
ブロンテ姉妹の「嵐が丘」「ジェーン・エア」が並ぶのも壮観。
わたしは「ジェーン・エア」は大好きだが、原本より偕成社からの少女向けに書き改めた三人称の方が好きだ。

天理大学も龍谷大学も素晴らしい蔵書をこうして見せてくれたのはありがたい。
いつか「読む」ことが出来たらなお嬉しいなあ…



  

イケフェス大阪2017 その3 江戸堀界隈を行く

肥後橋界隈をふらふら。
ここもどうなるのかなあ…
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心配は尽きない。

まだ時間が来てなくて開いてなかったので外観だけ。
日本基督教団大阪教会
ヴォーリズのステキな煉瓦の拵え。
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また今度中へ。

イケフェス大阪2017 その2 住友ビルディング

普段は戦前の近代洋風建築ばかりだが、イケフェスのおかげで50年くらい前の建物にも目が向くようになった。
今回は住友ビルディング。
個人的には関わりのあるところなのだが、一見学者として楽しませていただく。

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大阪市の規制の厳しい頃に、特別の配慮をもって建てられた建物。

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エレベーターホール
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機能性の高い空間にこうした飾り物があると和やかになる。
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特別食堂へ入らせていただき、外をみる。
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中之島のステキな眺め
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手前の市役所も左奥の大阪高裁もかつては見事な近代建築だったのだ。

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昨日挙げた住友銀行本店もこのように良く見えた。


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天井はちょっと低い感じもある。わたしが背が高いからか。

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さる室内の照明

大理石もきれいだ。イタリア製か。
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シンプルだが機能性の高い室内。
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音声を吸収する天井。学校の音楽室を思い出す。

開閉可能。
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ここからの眺め。
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あのドームはあれか、京セラドームか?

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対面のフェスティバルタワー。

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ご近所の大同生命。

いい窓でした。
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外観をもう少し。
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やっぱり中之島と住友は深く結びついている。
今後もこの素晴らしい建物が生き続けるためにも、住友の盛業を願う。

イケフェス大阪2017 その1 三井住友銀行と大同生命ビル

見たものから順に挙げてゆく。

三井住友銀行。外壁。
ライオン。
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かなりの高位置に設置されてるので、本当には水は出ないが、火伏の獅子ということで存在意義は高い。

住友ビルから見た外観やぐるっと回った情景。
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この塔屋はここに来ないと知らないままだったなあ。
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見下ろすライオン
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オモロイ顔がそっと隠れていた。


大同生命。
床模様いろいろ。
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「テルマエ・ロマエ」で床模様の記述があり、それ以来ちょっとばかり感慨深く床を見ている。

ヴォーリズの柱。
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宇宙人の眼がいっぱい…


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曾ての建物の模型
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装飾はいいなあ。
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こちらは現在の建物の模型。
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また来年までサラバ。
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