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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

おん祭と春日信仰

おん祭と春日信仰の美術
実のところ、このあたりに詳しくはない。だから祭にあわせた展覧会で学ばせてもらえるのは、ありがたい。
神様の謂れ・来歴などについてはここで詳しく述べないが、若宮を奉り、その霊威にすがったことから始まるのを思えば、かつての日本人の心象がどのような在りようだったか、しみじみとわかるような気がする。
おん祭は若宮信仰であり、春日信仰とはまた異なるようで(発願の根が違うようだ)しかしながら、離れることのない関係がある。
奈良の歳末を彩る一大神事。(次は山焼き、そして三月のお水取り・・・と予定が立ってくるなぁ)
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このチラシにも惹かれた。
上の鹿は鹿座仏舎利。ちゃんと御神鹿らしい様相を呈している。江戸時代の奈良には木造彩色の見事な作品を造る匠が多かったようで、こんな展覧会もあったが、こちらもそうした匠によって造られたのだと思う。慶安五年というから由比正雪の頃か。
その下の絵は春日権現験記絵で、ちゃんと藤が描かれている。綺麗な絵。こちらは文化四年。解説を読むと、仏事の最中に巫女さんの音曲などが耳障りになり、自分が出世したら神楽を禁止するぞと心に決めた坊さんの話らしい。けっこうナマナマしいな。
しかし思えば仏教伝来で地元の神様方は衰退して本地垂迹説になり、神仏混淆で長らく雌伏していたが、明治維新の神仏分離・廃仏毀釈でコロッと状況が変わったのだ。
・・・クリスマスが盛んになり正月が廃れるのもそれなのか。

春日赤童子像 室町の作で、杖を立てそこに手を置きあごを乗せている。なにやら物思う風情の赤い少年で、なかなか可愛い。
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諸尊図像(文殊菩薩騎獅像納入品のうち) 一番下の絵で、これらが若宮の本地。左から一本地・釈迦、三本地・地蔵、若宮・文殊、四本地・十一面観音、二本地・薬師如来。
騎乗文殊で獅子がニャーッなのだ。

右となりが春日鹿曼荼羅 鹿嶋から来た神鹿。ちょっと目が寄っている。
これが三次元化すると、細見美術館の金工になる。

おん祭には当然ながら舞楽がつくので、楽器も多く展示されていた。これでも実用なのかと思うほど雅な細工を施された鼓、笛などのほかに、装束もいくつか。
資料も主に鎌倉・室町のものが多く、当時の状況がなんとなく伝わってくる。
「春日若宮おん祭は、奈良の歳末を飾る一大祭事として、人々に親しまれています。この祭は春日大社の摂社(せっしゃ)・若宮神社の祭礼で、長年本社の大祭・春日祭とは別に大和国一国を挙げて盛大に行われてきました。」
解説文になるほど納得しながら、会場を離れた。
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一方、特集展示として小野忠正コレクションとして縄文文化の品々が並んでいた。
青森在住の故・小野氏の戦前からの蒐集品。去年奈良博に入ったようだが、これが凄い。
関西人なので縄文より弥生文化に親しいので、こんなに多くの縄文文化の遺品を眺めるのは、なにやら怖いようである。土偶、鏃、ミニチュア土器はまだしも、石棺まであるのには、道を避けたくなった。縄文人と弥生人との違いについて色々な説もあるようだが、やはりこうして眺めると二つの文化には巨大な断絶があるように思う。
決して折り合わないものがそこにある。

他に当麻曼荼羅、縁起、一遍聖絵(第四巻)などが展示されていた。当麻曼荼羅縁起は絵解きに使えそうな感じだった。衣裳風俗は平安朝で、奈良時代風には描かれていない。
『死者の書』を思い出しながら縁起を眺めた。
また一遍聖絵は、留守の間に妻が勝手に出家したのに憤った夫もやがて、一遍の手で剃髪される情景を描いていたが、一遍の魅力に惹かれた・力に打たれた、と言うより「寄る辺のなさ」から出家したような夫に見えた。
実際のところ、そうなのかもしれない・・・。
十二天図では月天が異様に美しく、倶利迦羅龍剣二童子像では左のコンガラ童子が岡本かの子そっくりだったのに笑ってしまった。
奈良博の常設展はなかなか味わい深いものが多く出ていた。
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コメント
こんにちは~(^^)
今の寒~い時期に、奈良をひっそりと訪れるのも風情があっていいですね。
この展覧会は大和文華館で開催されているのですか?
これを見たら、おん祭がいかに地域の人たちに大事に受け継がれてきたかというのがすごくわかりますね。
鹿座仏舎利、かわいい~♪
細見美術館の鹿さんの像も、私大好きなのです。(^^)
やはり昔から、奈良と鹿さんは切っても切れない関係ですね。
文華館は展示品がすごく多いイメージがあるので、またじっくり時間をかけて訪れたいな~と思います。
2007/12/24(月) 10:41 | URL | tanuki #s.Y3apRk[ 編集]
tanukiさん こんばんは
いやいやすみません、こっちは奈良博の展覧会なんです。
大和文華館は明日以降に記事を挙げますが、あちらもやっぱり信仰系の展覧会でした。
クリスマスの頃に何故か仏教や神道系の展覧会。

>やはり昔から、奈良と鹿さんは切っても切れない関係ですね。
鹿嶋から奈良へ鹿が来て以来ですもんね。
だから昔は鹿より人権の方が軽かったようです。
2007/12/24(月) 23:02 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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