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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

日本の仏教美術

大和文華館でイブの日まで開催されていた「日本の仏教美術 祈りの形象」展を見た。
いまや仏像ヲタもいてはるくらいだから、仏教美術の展覧会も人気上々だが、少し前までクリスマス頃に仏教系の美術品などを見ていると、思い切り引かれたものだ。
むかし、岡野玲子『ファンシーダンス』にもそんなシーンがあって、今もそのことをすぐに思い出すから、やっぱりインパクトがあるのだな。


展覧会は5つのテーマに分かれている。

*ほとけのすがた
釈迦如来塼仏 夏見廃寺出土 奈良時代前半 
塼仏は大小に関わらずハクセンコウに見える。和菓子のハクセンコウ。型押しのミニタイルを壁に掛けていたのはこの時代頃までで、次第に壁画に取って代わられた。

阿弥陀如来摺仏 浄瑠璃寺阿弥陀如来像納入品 平安時代
仏像の中から現れた木版画には仏様がずら?っ これはやっぱり昭和初期に塊ごとに切り離して各所蔵家に収められたそうだ。

千手観音二十八部衆摺仏 三十三間堂観音像納入品 鎌倉時代
これもまた上記と同じ。こちらは大きな絵で劇画風な観音像に見えた。ちょっとかっこいいように思う。

羅漢図もあったが、これは根津美術館所蔵品と同じシリーズのものだそうだ。

*娑婆世界
mir448.jpg

この画像は展示目録の表紙絵。下二つは京博の病草紙で、前後期に分けて特別展示。
わたしが見たのは左のほう。どちらも「・・・おいおい」ネタなので書かないが、それにしても患者を眺める女の意識や視線がコワイわい。わたしなら見ないし見たくないなぁ。
しかし前々から思っていたが、鍼療治の男、某ヨコヅナに似てるな・・・

奈良博では一遍聖絵を見たが、ここでは別系統の遊行上人縁起絵断簡が出ていた。
柳の横で躍っている教団の人々。
猿之助丈の『オグリ』ラストシーンではその踊念仏?ボーズ・ダンス?で皆の心が浮き立ち一つになっていた。わたしは群舞が好きなので、目の前でこんなズダダダダッと踊られたら後からついていってしまうかもしれない・・・

平治物語絵巻断簡 六波羅合戦 見返る少年が印象的な図だが、彼が金王丸と言う名でその後身の物語を知ってからは、一層馴染み深く思えている。

童子の絵が続く。
善財童子絵巻断簡 53人の先達を訪ねて廻る童子の旅もいよいよ終焉を迎えつつある、52番目の賢者との出会い。弥勒菩薩とその眷属。門の上に浮かぶ姿が綺麗だった。

法然上人絵伝 山中を行く一行。おんぶされているみづら髪の法然上人。最近少年姿の絵を良く見かける。そのほうが見ていても楽しい。

十五鬼神図巻 鎌倉時代 高山寺蔵だったそうだ。嬰児を苦しめるモノたちとその症例。モノノケは動物の姿をしている。干支の動物の並びと似てもいる。赤ん坊たちは泣いたり暴れたり疳の虫を起こしたり。女の人の膝に泣きすがる子供もいる。しかし彼女が母かどうかはわからない。

*現実と理想のあわいに
木造女神像 平安中期 この時代には女神像が多く作られているが、この像の虫食い穴はまるで皮膚のように見える。手首から先が欠落しているが、それが気にならない。
特に美しいという感じはないが、静かに眺めていたいような木造だった。

笠置曼荼羅図 鎌倉mir033-3.jpg

何度も見ているし、実際の場へも出かけているが、この絵を見るたび仏の国に来たような気がする。だからタイトル通り、現実と理想の間に入り込んだことになるのだ。笠置には後醍醐天皇の行在所もあるが、山を越えて柳生街道へ行くのも楽しい。東海自然歩道。しかしこの絵のようにはっきりと仏像が刻まれているのではなく、歩みだしたかして、既に光背を山壁に残すだけだった。

日吉曼荼羅図 鎌倉 十の宮があり、全てに狛犬がいる。日吉の神使いは猿だが、さすがに猿のコマイヌ(=ガード)はない。羊は見たことがあるが。

子守明神像 南北朝 神仏画でも女神図会はなかなか味わいがある。畠山所蔵の清滝権現もそうだが、ここにも巨大な女神と小さな女の姿が描かれている。
巨大な女神は赤ん坊を抱いている。彼女は「ザクロは血の味、赤い味」の鬼子母神だったが、改心して子供の守り神になった。

*華麗なる仏国土
このタイトルにときめいた。「仏の畑の落穂」は小泉八雲の作品集タイトル、「美麗 院政期の絵画」は展覧会、「アイヌ・モシリ?わが国土」・・・そんな連想が湧いてゆく。
集められているのは写経切・装飾経切・経巻切、一字蓮台法華経、一字一佛瓦経などの装飾された経巻などなど。他に仏具も多い。
いちばん気に入ったのは銅版地螺鈿花鳥文説相箱。これは文鳥のような鳥が箱のあちこちを飛ぶ図柄で、綺麗で可愛い箱だった。平安時代の美意識、女房文学が盛んだった時代の遺物。とても可愛くて、欲しくなった。

それにしてもさすがに良い展示品の数々だった。大和文華館はやはり名品を多く持つ。
なお、前回の仏教美術系の展覧会はこちら
次回は正月明けから。学園前から花園ラグビー場へ行く、と言うコースもかないそうなのが1/5だった。
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