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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

蕪村と呉春 雅俗山荘での最後の展覧会

逸翁美術館が移転するのはわかっていたが、やはりこの雅俗山荘から離れるのは淋しい。
空間そのものが所蔵品の位を高めていたように思う。
新しい美術館は池田文庫の隣に建ち、この山荘は逸翁記念館になるそうだが。
その雅俗山荘での最後の展覧会は『蕪村と呉春』。前期終了間際に出かけた。

池田は古い地で、渡来人が織物も伝えてくれたりしている。
呉春はその池田を愛し、そこに8年ほど住んで制作に励んだ。

hpにはこうある。
与謝蕪村は、南宗画法を消化して、独自の様式を創造し、池大雅と並んで、日本南画の大成者と成りました。また、軽妙洒脱な俳画の世界を完成させ、自らも天下一と自負するほどでした。蕪村は俳人でもあり、その句は画人として名を成しただけに、極めて絵画的でした。
 呉春(松村月溪)は、蕪村に俳諧と絵画を共に師事し、師風をよく取り入れた南画や俳画を多く描きました。師の死後、池田から京都に住まいを移し、円山応挙の画風も加味して、詩情豊かな画風「四条派」を創り上げました。


池田には今も清酒「呉春」の酒蔵がある。呑んだことがないのでよくわからないが、酒蔵がある風景は、それだけで気持ちいい。

玄関を行き、すぐのケースに師弟の牛若丸と弁慶がいた。
 牛若丸画賛  与謝蕪村 と呉春と。
丸顔と言うより大福のような牛若丸は師弟共通しているが、弁慶は微妙に違う。
七つ道具を負うているのは同じ。なんとなく楽しい。こうした俳画の良さは最近になって味わえるようになってきた。軽妙洒脱さが実にいい。
蕪村の方には素敵な句がついていた。
雪月花 つゐに三世の ちぎりかな
主従というよりも・・・ああ、すてきだ・・・

濯足万里流図 与謝蕪村  昨夏の展覧会にも出ていたが、オジサンが足を水に浸している。まぁあんまりうれしくない。特にこのオジサンの睫毛がビミョ?なのだよ・・・

ホールに移る。
五老酔帰図 与謝蕪村  これは二年前に新発見のやや大きい幅で、画面いっぱいに酔老と支える侍童らがいる。髪の毛の墨黒と花の桃色とが眼を惹く。

寒山拾得図 双幅 呉春  グロさは薄く、風狂の二人の楽しそうな様相が描かれている。目元が優しかった。やはり呉春の絵にえぐいものはない。

句の短冊もいくつかあり、絵だけでなく書の楽しみもそこにあった。江戸時代とは実に風流だとしみじみ実感する。
呑んで句をひねって絵も描いて。ああ、あこがれるなぁ・・・

十二カ月行事句画賛巻 松村月溪(呉春)  節季候から初午稲荷に始まり、雑多な人々の姿が活写されている。唐津くんちに出そうな大きい鯛が何匹も並び、まことにめでたい。
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奥の細道画巻 与謝蕪村  新館展示で上下とも開かれていた。手が違うのに初めて気づいた。蕪村だけでなく違う人も文章を写したのか。
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白梅図屏風 呉春  呉春の中でいちばん好きな作品。縹色の背景に白梅が咲いている。
満開ではなく蕾に近いような。可憐な愛らしさに満ちている。これは2/6からの後期展示には出ないので、見ておいてよかった。
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新館に踏み込んだとき、真正面に見える壁展示ケースに鎮座ましましている。
白梅に惹き付けられて真っ直ぐそちらへ歩いたが、本当に季の美そのものだった。
2/6から3/2まで後期展示。それが終わればこの空間での展覧会は終わる。
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俳画だけでなく、絵俳書と摺物を観る機会が少し前にあった。
昨日挙げた宮武外骨展は伊丹市立美術館だが、併設の柿衛文庫では『初春のよろこび』として俳人の短冊や摺物を展覧していた。

江戸時代には初春の言祝ぎをする万歳があちこちに現れた。
蕪村  万歳や 春はじめての みやこ人
素檗  万歳や されば是はの 春の友
こちらはネズミの万歳と才蔵。
子年らしい選択。なんとなくこういうのが楽しい。寛政四年(1792)。
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月渓(呉春)の京名所双六もあった。これはかなり流行したそうで、模写や刷り物が伝存しているそうだ。

池田も伊丹も共に古くからの町で、共に酒蔵を抱えてもいる。
地元にこうした町があることが、なんとなくわたしには嬉しいのだった。
こちらの展覧会は2/17まで。

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コメント
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2008/02/01(金) 00:37 | | #[ 編集]
――さん こんばんは
「奥の細道」の書体の違いのご教示、ありがとうございました。
なるほど~~です。
今のように機械による書体ですと、途中で飽きると言うことはありませんが、確かに直筆では遊び心を加えた方が楽しいですね。
わたしの行った日は風がなくて、ハタメク旗を見ることはありませんでした。

銀花、好きな季刊誌です。
2008/02/01(金) 23:48 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
司馬遼太郎の「天明の絵師」を思い出しました。
呉春は応挙に出会って、画風を変えたようなことが
書かれてあったと思いますが、この白梅図屏風あたりが
さしずめそうなのかなぁと思いました。
呉春のお酒のこともこの話で知りました。
大吟醸呉春なんて銘柄、飲んでみたいです。
2008/02/02(土) 02:55 | URL | 一村雨 #-[ 編集]
一村雨さん こんばんは
>白梅図屏風あたりが
・・・そうかもしれませんね~なんだかナットク。
一村雨さんはお茶もお酒も楽しく飲めそうですね♪わたしはどちらもダメなのでうらやましいです。でも日本酒だけはちょっちょっと舐める・・・
呉春を扱うお店はやっぱり老舗が多いです。
量が少ないようですけど。
2008/02/02(土) 21:06 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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