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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ヴォーリズの建物

滋賀県立近代美術館ではウィリアム・メレル・ヴォーリズ展を開催している。
ヴォーリズの建物でベスト3をあげるなら、順不同で
大丸心斎橋店
大丸ヴィラ(中道軒)
神戸女学院
これらが私のベスト3。
米国から来て、近江八幡で人々の心を掴み、一柳米来留になった人。
日本を愛し日本で土になった人のうち、小泉八雲と一柳米来留は格別だと思う。
mir575.jpg

チラシの図は大丸心斎橋のエレベーターの表示原画。
わたしは色んな百貨店のうち、大丸心斎橋店がいちばん好きだ。
同じものを買うなら、必ずここで買おうとしている。
なにしろ名品中の名品たる建物を大事に使い続けるその精神が、とても嬉しいのだ。
だからできる限り足を運び、カードのポイントを貯め続けている(笑)。

お膝元の滋賀県での展覧会を皮切りに全国巡回し、東京へは来年だと言うが、滋賀県に行く予定があるので、まとめて出かけた。でも来年の東京展にも行くだろう、わたし。
ヴォーリズ建築事務所が開設して今年が丁度百年ということなので、こうした素敵な展覧会が開かれている。平日に出かけたのだが、なかなか繁盛していた。
お客の大半は年配のご婦人方で、これが皆さんなかなかよい意見を聞かせてくださる。
つまりリアルタイムにヴォーリズの建物やメンソレータムを使ってきた方々なのだ。
四十年ほど前に亡くなったヴォーリズ。
しかし決して過去の人ではないのだ。
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チラシ裏面の通り五つのセクションに分かれての展示には、現存・非現存の建物の写真や図面が展示されている。
全国に亙ってヴォーリズ事務所の建物が生まれている。
活きているものも無くなったものも多い。
関西圏のヴォーリズの現存する建物のうち、非公開の個人邸宅は別として、あとはほぼ全て訪ねている。

1はやはり近江八幡。以前でかけたとき、ヴォーリズ記念病院内のサナトリウムにも入らせてもらったが、空気の通るよい病院施設だった。今は使っていないから、朽ちるのが少し怖い。ガリラヤ丸の写真も見る。やっぱり伝道師だな?。

2の写真は関西学院の象徴たるチャペル。ここは一個の建物だけでなく、関西学院全般としての造営を任されていて、それがすばらしい調和を生んでいる。
もうハリボテ式しか残されていないが、東洋英和女子の写真もあった。
そのドアなど。mir575-1.jpg

九州の西南学院も保存が良いそうなので、いつか行きたいと思っている。

3は大丸。随所に見所の多い、すばらしい建物。子供の頃からたいへん好きな場所。
アールデコの粋、いくら褒めてもまだ足りない。何もかもがすばらしい。
それから山の上ホテル。いつか宿泊したいと思っているが、なかなか日が合わない。
とても良い環境だと言うことは、池波正太郎の随筆にも書かれている。

4の軽井沢の別荘は会場に再現されていた。家具は本物を持ち込んでいる。軽井沢彫りという綺麗な木彫を施された椅子や机。櫻、百合などの可憐な花々がそのモティーフに選ばれている。
再現だから本物ではないにしても、その空間の居心地の良さは伝わってくる。
とても素敵だった。

5では住宅建築を紹介していた。ナショナルトラストの管理下にある旧駒井邸などが有名なところだが、あの建物に入ると感じるのは、日本人が住まうに気楽な建物だと言うことなのだ。違和感のなさがすごい。そこが物足りなさに感じる人もいるかもしれぬが、居心地の良さと言うことは、家に対して無意識であることではなかろうか。
住まぬ身からすれば、そんなことを考える。

こちらは先般九州で手に入れたチラシ。
静岡の旧マッケンジー邸。mir577.jpg

無論ヴォーリズ設計。どこからどう見ても本当にヴォーリズの味がする。

図録はヴォーリズ研究の第一人者・山形政昭先生監修のが出ている。
重たいのと、これからまだ先があるので、帰宅後購入することにしている。
と、ここまでは展覧会。私にはこの先がある。

美術館は瀬田、そこから安土に出た。
安土には信長のお城の再現もあるけどそちらには行かず、沙沙貴神社近くの伊庭慎吉邸に向かった。
佐々木源氏ゆかりの。IMGP3757.jpg


住友の理事・伊庭貞剛の四男・慎吉のための邸宅が、今では安土町郷土資料館になっている。
木々が大きく育っているので、全容を撮るのは私にはムリだ。
IMGP3744.jpg 横からの一枚。ハーフティンバーが見える。
ここの主人慎吉氏はフランスに美術の勉強に留学したこともあって、邸宅内の襖絵・杉戸絵は全て友人らの手によるらしい。
ただし一旦手放されているので、破損もひどかったようだ。それを修復している。
和室の作りがすばらしい。
こちらからみれば「菜の花や 月は東に日は西に」
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その裏は秋の野を描いている。IMGP3692.jpg


和の様式も実に繊細。クリックしてください。
IMGP3678.jpg IMGP3680.jpg IMGP3676.jpg IMGP3733.jpg IMGP3738.jpg


一方洋間も本当にいい。暖炉の下のタイルなど可愛い色調でまとめられている。
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庭へのアプローチには石が使われている。
家を裏から見る。ブルーシートはなぞだが、基本的にスレート葺。
IMGP3751.jpg

居心地の良さを実感する邸宅。
ああ、遠い安土まで来てよかった・・・
最後に杉戸の引き手。この意匠にはうなった。
IMGP3732.jpg

最初から最後まで、滋賀県の良さを実感する一日だった。
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コメント
神戸女学院の建造物、美しいですね。
七恵さんの守備範囲の広さに敬服します。

わたしなどは、目の前のことだけです。


これからも、「眼からうろこ」の記事をお願いいたします。
2008/03/18(火) 21:50 | URL | yuyu-museum #-[ 編集]
yuyu-museumさん こんばんは
神戸女学院の図書館は、本当に素敵です。
イスラーム風な柔らかさがあります。
そして回廊のスパニッシュな佇まいには、ときめきますね。
岡田山全域がヴォーリズによって造形された、と実感します。
2008/03/18(火) 22:50 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
安土城址近辺は、いつもどこかへ行くときに通り過ぎてばかりで、なかなか立ち寄る機会がありません。(恥)
素敵な資料館があるのですね!!
遊行さんの解説を聞きながら見物したかったです~。
県外にお住まいの遊行さんに色々教えていただいて恐縮です(笑)
こちらも、いつか絶対見に行きます♪(^^ゞ
2008/03/19(水) 11:29 | URL | tanuki #s.Y3apRk[ 編集]
tanukiさん こんばんは
お城が復元されている、と聞きはしてもそちらへ足の向かないわたしです~~
この辺りはtanuki号で走れますね。
駅前の和菓子屋さんに惹かれましたが、電車が来たので諦めました。残念。

この建物はジミですがいい感じです。
和洋折衷ではなく、和洋混淆。面白い建物でした。

この日は一日滋賀にいて滋賀三昧しました。
平日なので学生で混み合う電車に乗ったり。
彼らの会話がなんだか面白かったです。
2008/03/19(水) 22:57 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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