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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

乾山の芸術と光琳

京都文化博物館で『乾山の芸術と光琳』を見た。
既に出光美術館で好評を博した展覧会の巡回。
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丁度去年の今の時期、「近世都の工芸」展があり、そこでも雁金屋兄弟の諸作を楽しんだ。
今回は兄弟と親戚筋の楽家のそれも含めての展覧会。
いちいち細かいことを考えるのはやめ、系統だって眺めるのもやめて、好きなものだけ見て回ることにした。

遊楽図屏風  見たことがあるはずで、昨夏たばこと塩の『風俗画と肉筆浮世絵展』で見たもの。そうそう、これは小西家文書にも下絵が残されていたのだ。

黒茶麻地菊棕櫚模様帷子  これは京博自慢の帷子で、しばしば年間予定チラシを飾ったり、貸し出されたりしている逸品。わたしも好き。
こういう柄の着物が楽しくて仕方ない。思えば小紋とは対局にあるような派手華美さだ。

小西家文書も色々展示されているが、勘当喰らった長男にもちゃんと父親は遺産を残してやり、次男光琳、三男乾山には仲良く分けることを期待しての分配をしている。
合理的で納得のゆく考え。やはり商売人はきっちりそうしたことを身につけねばならない。
(しかし光琳はすぐに使い果たしている・・・)

光悦 赤樂兎文香合  この兎は可愛い。出光所蔵だが、絵はがきに記憶がない。しかし草っ原の兎がちょんと前足を揃えているのは、それだけで可愛いものだ。

宗入 三彩鉄線文皿  乾山より一歳下の従弟。緑地の薄い・濃いがあり景色となっている。

仁清 色絵金銀菱重碗  鈍翁旧蔵品、MOA所蔵。正直こういう柄の構成は好みではないので(少しウンスンカルタを思い出す)、名品だと言われてもやはりあんまり欲しくはない。
しかし自分の古美術を観る眼を養うためには、嗜好と志向は別物なのを理解し、よくよく眺めなければならない。
その一方で、成形品または中途品の割れ物が大量出土していて、それら欠片にこそ美を感じもする。欠け物にこそ、仁清の本当のよさが隠されているような気もする。

乾山 色絵石垣文角皿mir604.jpg

これは以前から京博で見ている。好きな皿。カラフルな配色で楽しい。実際に使うのはムツカシイが、明るい気分になる。
しかしこれはまだよいが、細見の
銹絵牡丹唐草文角向付  こちらはやや柄がうるさく思える。

乾山 色絵定家詠十二ヶ月和歌花鳥図角皿  これが多くのシリーズが出ていて、それぞれ味わいがあり、面白く眺めた。縁の図柄は花火に藤つなぎ、またはカッティングつなぎなどで、それも可愛い。
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乾山 色絵能絵皿  前田家所蔵→安田靭彦→出光。八つ橋柄のものに惹かれた。

乾山 色絵卯花杜鵑文香合 十二ヶ月四月  初夏から夏の景色。なんとなくときめくものを感じる。

乾山 色絵源氏物語文香合  チラシの作品。変形とは言えそんなに大きなものではないのに、こんなにたくさんの絵を載せている。巧いものだと思う。源氏物語を愛したお大家の誰かが大事に守ってきたのだ。そのことにも感銘がある。

乾山 色絵紅葉文香合mir606.jpg

MOAの名品選図録で見たものの本物。やはり本物のよさは深い。

嵯峨本 光悦謡本  三冊ほど展示されているが、表紙の装幀の繊細な美に目が開かれる。
薄青色に蝶や梅などが・・・『景清』だけはわかったが、後の二冊は何かはわからない。

だらだら書いても仕方ない。しかし初見は案外少ない。再会が多い。嬉しいことだ。
これは関西の一得かもしれない。たとえ所蔵先が出光やMOAであろうと、関西ではしばしば独自企画として、乾山の展覧会が開かれるのだ。
美術館以外にもデパート展覧会で。

MIHOさんの百合形向付、牡丹文なども再会組、逢えるだけで嬉しい。
MOAと逸翁の持つ竜田川文の変形皿も大好きだ。
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どうもこう書いてくると、つくづく乾山ファンだと実感がある。
光琳はどうした、と言えば
秋好中宮図  これくらいしか意識に残っていないのだ。それも人物より屏風に眼がいった。
群青地に緑の・・・

しかし兄弟合作は好きなものが多い。
兄の絵付けに弟の焼成。いいなぁ、それ。柄が好みくなくとも、楽しいものだ。
しかも兄は自分を寒山に見立て、弟を拾得に見立てているらしい。

最後のゴーナーには透彫反鉢が並んでいた。
ああ、もぉ、こういうのが見たくてここへ来ているのだ、わたし。
好きなものばかりがある。
出光誉れの紅葉文壷、あいおい損保所蔵の椿たち。
椿にいたっては、いつも見るのはこの向付なのだが、角皿に近い兄弟分があるのは知らなかった。
可愛いなぁ、本当に。mir605.jpg

ところでこちらはそれを手本にしたと思しき12代 樂弘入 赤樂椿文向付。
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これは八幡松花堂庭園・美術館で4/11から開催の『名工の竹と椿の意匠展』に展示される。

最後にふと気づいたのだが、逸翁美術館、湯木美術館、畠山記念館らの乾山の名品が出ていなかった。
ちょっと残念な気がした。
それにしてもいいものに囲まれて、楽しい展覧会だった。
ところで来月か、藤山直美と中村梅雀とで光琳夫婦を演じるそうだ。
ちょっとびっくりしたが、二人とも芸達者なのと、こういうニーズもあるんだな、ということで芝居も繁盛すればいい、と思った。
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コメント
この展覧会、出光で見て水曜講演会も聴講したのに
何一つレポを書いてない…最近、そんなことばかりで凹だなぁ

椿の向う付け、これをみると目玉焼き!と思ってしまう私(笑)
2008/04/01(火) 12:17 | URL | 山桜 #-[ 編集]
山桜さん こんばんは
>椿の向う付け、これをみると目玉焼き!と思ってしまう私(笑)
わたしも、わたしも(笑)。

もぉー、欲しくて欲しくて・・・
本当に好ましい器たちです。
2008/04/01(火) 21:56 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
こんばんは。
乾山のデザインが相当素晴らしいって事が
今さらながら思い知らされた出光の展覧会だったことを、思い出しました。
なにしろ愛らしく、そのくせ、カッコいいのです。
ちょっと前に、MOAで展覧されたこの企画展、
みたかった~~~★
2008/04/01(火) 22:54 | URL | あべまつ #-[ 編集]
あべまつさん こんばんは
なんか会場により少しずつオマケもあったようです。
知ってる作品も初見のそれも、こうして一堂に会すると、いよいよ光りますね~
それにしてもどの美術館でもお宝・猫かわいがりの逸品は、やっぱり乾山なんですね~
2008/04/01(火) 23:51 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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