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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

松浦屏風と桃山・江戸の人物表現

大和文華館では4/4から5/18まで『松浦屏風と桃山・江戸の人物表現 ―女性像を中心に―』展が開催されている。わたしの会員期限は4/6までなので、その日に出かけた。
こうやって眺めると、ほぼ見たことのある作品で占められている。
しかし「またか」と思うのではなく「再会できたね」という気持ちがあふれる。
歌舞伎も古美術も同じだ。
また見たいから行くのだ。

まずは男性像から並んでいる。
寒山図 俵屋宗達筆  横向きで高笑いする寒山だが、どう見てもアフロ頭なのだった。
船上武人図 座間味庸昌(殷元良)筆  これは琉球の絵師の手による『三国志』の趙雲と阿斗の図。元は双幅だったようで、対には孫夫人図があったようだ。
普通の肖像画より、物語性のあるものの方がわたしなどにはやはり面白い。

さて女性像。
婦人像  辻が花に身を包み、静かに端座する上流婦人。剥落による画布の皺などが彼女を狷介に見せている。優雅なのだが、どうにもひやりとするものをいつも感じてしまう。

婦女弾琴図 信□筆  これは絵師の名前が半分しか伝わらぬが、洋画の影響を受けて描いたもの。だからお琴ではなくギターの先祖・ヴィエラ・ダ・マノという楽器を弾く図なのだ。・・・思い出したが、中世の歌曲「ウィラ・ウィラ」はこれかリュート、どちらで弾かれていたのだったか。

美人図 宮川長春  笹柄の着物を着てふくよかな美人の立ち姿。いいなぁ。宮川の美人はどれもこれもいい。シンプルなのだが、本当に美しい。

少女愛猫図 石川孟高筆
ミス・トリンマー像 C.リード画 J.ワトソン版刻 イギリス製
この二枚については以前詳しく書いたのでこちらへどうぞ

風俗図から
阿国歌舞伎草紙と松浦屏風を楽しんだ。
毎年春の時期にはこれらの風俗画の美人たちが必ずお目見えする。
像などはこちらに挙げているので、ご覧ください。

今日は趣向を変えて、詞書の写しを書く。( )はわたしの書き込み。
「いかに阿国に申候 これハはやふるくさきうたにて候ほどに、めずらしき歌舞伎をちと見申そう 今のほとハ上るり(浄瑠璃)ときと言ふうたをうたひ申候さらば、うたひてきかせ申さんと、つつみの拍子打ち揃へてうし(調子)をこそうかかひ(伺い)けれ
わかこひは月にむら雲 花に風とよ
ほそみちのこまかけて思ふそくるしき
山をこえさとをへだてて人をも身を
もしのはれ申さん なかなかに
こうた(小唄)は夜なかのくちすさみとよ 
あかつきかたに思ひこがれてふく尺八は
君にいつもそふてう別れてのちハ
又あふしきとよ春さめのうちしをれてたるを見るにつけても
此春はかりにとよの・・・」

名所図から
竹生島祭礼図  わんさわんさと小島に船が寄り付いている。なかなか賑やかだが、現実はこうはいくまい。人の多さに兎も姿を消している。

京奈名所図扇面冊子  60枚のうち4枚が出ていた。賀茂くらいしかわからない。

風景画から
七里ガ浜図 司馬江漢  変な洋画なので見ていて面白い。極端なことを言えば、どう見てもあの世の風景なのだった。

江ノ島図 小田野直武  引き潮で道が開いている。そのときでないと島には渡れない。


物語から
元は益田本だった宗達の伊勢物語の芥川図が出ていた。
これはかなり好きな絵で、この色紙もいつか全て眺めたいと念願している。

曽我物語図屏風  巻狩りの絵。捕まった鹿やイノシシがなかなか可哀相。幕内の中では美少年が二人ばかりいた。それに対しオジサンたちはリアルな描かれようだ。

今回数もあまり多くはないが、じっくり見て回るには丁度な感覚だと思う。
大方は見て廻ったと思いながらも、それでも知らないものが何点かあったのだから。
ア・カルイ気持ちで絵画を眺め、庭園散策をも楽しむのが、この美術館の春の喜びなのだった。
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コメント
昨年の今頃
こんばんは。昨年の今頃、大和文華館や松伯美術館に行ったことを思い出しました。その時のブログの抜粋↓

>大阪に4日間滞在することになった。日中、美術散歩に抜け出す時間は見つけられそう。そこでネットから大阪周辺の美術館情報を探索した。遊行七恵さんのブログで「大和文華館」で松浦屏風が出ていることを知って、これに決め、そのことを書き込んだ。大阪に着いて、ホテルから遊行七恵さんのレスポンスを見てみると、松伯美術館のお勧めもあった。調べると、近鉄奈良線の「学園前」から両方の美術館に行けることが分かった。<

あらためてありがとうございました。
2008/04/17(木) 20:04 | URL | とら #8WYMted2[ 編集]
とらさん こんばんは
一年って本当に早いですねぇ。
覚えてますよ、あのときは嬉しかったです。
なんだか昨日の続きのような感じの、去年です。
来年もこんな調子のような・・・。
またこちらにおいでなら、何か素敵な情報でもお伝えしたいと思います♪
2008/04/17(木) 21:26 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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