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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

梅逸と竹洞の交友

甲東園の頴川美術館は、変わり目ごとに行くべきなのだが、時々間に合わなくなる。
今回最終日の4/10に駆け込んだ。
実はこの日、わたしのルートはメチャクチャだった。(いつもか)
阪神間をご存知の方にしか、わからないルートなのだが・・・
御影(香雪美術館)―甲東園(頴川美術館)―池田(逸翁美術館)―三宮(大丸元町店)―北摂へ帰還。
一日チケットをよく活用したと思う。逸翁に二時集合と言う制約があるから、このルートになったのだが。
『中京の画人 竹洞・梅逸の交友』てっきり京都の中京かと思えば、名古屋の中京のことだった。
その少し前に名古屋に行ったことも機縁となったのか、なんとなく慕わしくもある。
mir625.jpg

二人は共に幕末の人で、煎茶に親しみ、頼山陽、浦上春琴、貫名海屋、初代清風与平らと交友があったようだ。

山本梅逸の絵は昨秋ここで見ている。今回も同じものが出ていた。

松竹梅図 やはり竹を揺らす風の音が聞こえてくるような気がする。
mir420-1.jpg


陶家遺愛図 賛を山陽が書いている。少し長いがなかなか名文なので写す。
ちなみに陶とは陶淵明のこと。(わたしは中国の詩人では陶淵明がいちばん好きだ)
植援殷勲扶菊苗 
無如秋雨打柔條
隨扶隨倒花狼藉
不似先生愧折腰
(意:陶先生は権威に屈するヲ愧じたが、先生の愛した菊は秋雨に腰折り、乱れ咲く)

柳桃黄鳥図 チラシ左側の春らしい愛らしい絵。色合いがキュートだ。
こうした色の合わせ方を見ると、好きだった漢詩を思い出す。
漢詩には色を想起させる言葉が多く、それがとても素敵だった。

中村竹洞はチラシ右側の作者。
重山雲樹図 以前はこうした山水画に全く関心がなかったが、最近はなかなかいいものだと思うようになった。上のほうの山には滝が見える。どことなく社寺境内図を勝手に想う。

清光淡月兎図 桂花ごしに月を眺める兎の横顔。長い耳はピンと張り、兎とは言えなかなか精悍な感じがする。月に帰る日を想っているのか、月に映る同胞を眺めるのか。

商山四皓 秦の圧制から逃れた四人の賢人の姿。白髪白眉の老人たちは、「東園公」、「綺里季」、「角里先生」、「夏黄公」で、彼らは欄柯(囲碁)を楽しんでいる。

笠置山舟行図 これは山陽の笠置山懐古詩と対を成す絵で、後醍醐天皇と楠正成の故事を基にしている。中国の『赤壁』に対抗できる故事と詩のような感じがある。

煎茶セットがあった。煎茶普及会と言うのか、楽しそうな会をしている。
小さくてとても愛らしい。実用品なのにまるでドールハウスのお茶碗のようである。
他に文房具に綺麗なものを見た。
白玉龍刻硯屏 本当に綺麗な玉器。清朝の美意識が心地よい。

あと珍しいと言うか、初見と言うか、「え゛゛っ」なものを見た。
五瑞画煎茶碗 道八と景文の協働品。そんなこともあるのか・・・びっくりした。
まだまだわたしの世界は狭いなぁ・・・。

桐輪花式茶托 茶托よりむしろ引き手にしたいような味わいがあった。

駆け足で眺めたが、なかなか楽しめる展覧会だった。
やはり古美術はいい、としみじみ思う。次の展覧会には早めに出かけなければならない・・・


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