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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

聖徳太子とゆかりの名宝展

天王寺まで、『聖徳太子ゆかりの名宝展』を見に行った。
初日に出かけたのは偶然、別に敬虔な善女でもないし。
名宝を見る、と言うくらいの気持ちしかない。
関西はやはり寺社が活きているので、ご老人はありがたいお気持ちで出かけられるのだが。
さてそのバチアタリな意識も視線も跳ね返されたのが、今回の内容だった。
素晴らしい。
mir636.jpg もう一枚のチラシも挙げよう。
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まぁ今まで色んな宗教的偉人伝の図像など見てきたけど、やっぱり聖徳太子は凄いな。
わたしはモロに『日出処の天子』で育った世代だから、ちょっと「きゃっきゃっ♪」な気分で出かけたのだが、うーん、感動したなー。
なんしか河内三太子の所蔵がすばらしい。
(わたしは知らないが、それらのお寺は高名らしい)
ところで今回の展覧会はそのうちの一つ、叡福寺の聖徳太子絵伝の修理完成を記念してのことだそうだ。

1 聖徳太子絵伝 南北朝時代(14 〜15世紀) 大阪・叡福寺
これが本当に良くて。大体わたしは絵解きも絵巻も好きだから、大きい画面に異時同時図を観るのが大好きなので、嬉しかった。
主催者サイトにそれらの画像がある。いつまで見れるかわからないが、とりあえず。
ここにはなかなかタメになることも書かれていて、勉強になった。

大体太子の生涯については、平安時代におおよその伝記のラインが定まったようで、それに沿っての物語絵であり、構図なのだった。図像学と言うのはつくづく面白いものだ。
わたしは太子の生涯と言うのは、実のところ『日出処の天子』と『馬屋古女王』でしか知らないのだった。へんなことを、と思われるかもしれないが、厩戸王子のその後を知れば、物語への自分の愛情がブレてしまうように感じたのだ。中学生のマジメで偏った愛情。他の歴史ものにはそんなことはなかったのだが、このことに関しては今もそんな気がする。が、無論それだけではない。
あるとき、昔のお札のモデルになった聖徳太子像を見ていて、全身が総毛だって以来、ダメになったのだ。時々こんなことがある。だからわたしは無理をしない。
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ここに描かれているのはその肖像画ではなく、物語に描かれた驚異的な偉人の姿。
厩前での誕生、日羅に救世観音と呼ばれること、物部氏との戦い、27歳のとき甲斐の国から謙譲された黒駒、それに乗り富士を登る話、勝鬘経講賛、片岡での不思議な出会い、鹿と犬の悪縁、黒駒の悩み(馬でも悩むのだ)、人魚献上、そして逝去、殉死する黒駒、薨後22年後の上宮王家の滅亡と昇天。
・・・・・・たいへん面白いものだった。
掛け軸を眺めて面白く思うのだから、これが中世の世に絵解きされたその場にいれば、わたしはきっと感動して涙ぐんだに違いない。なにしろ『刈萱道心』の絵解きを聞いて、泣いたのが26のときなのだ。

3 聖徳太子絵伝絹本着色室町・天文24 年(1555) 兵庫・斑鳩寺
播磨には奈良と同じ地名が集まる地域があり、古代の関わりを思えば、たいへん興味深いのだが、この斑鳩寺もそう。ここの掛け軸の中廻しは柘榴の柄だった。

他にも『聖徳太子絵伝』は江戸時代の 奈良・法隆寺、鎌倉時代の四天王寺、長谷川永信筆の寛文4 年(1664) 大阪・大聖勝軍寺などがあり、まことに壮観と言うしかない。
これらがあんまり良くて、また見に行く気になっているのだ。
そして他のと違い、個性的なのが次。

8 聖徳太子絵伝 室町時代(15世紀) 奈良・談山神社
これは先に正統派の絵伝を見た後の展示、と言うのがよかった。
細々しいことは言わないが、かなり物語としては波乱万丈にしすぎで、その点が面白いのだった。

そしてこんなのもある。
13一遍聖絵 巻第八  法眼円伊筆 正安元年(1299) 神奈川・清浄光寺
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一遍さんは色黒に描かれているから、多くの坊さんの中でもすぐにわかる。その彼らが磯長の陵の前で拝んでいる。優れた先達を敬う姿が描かれている。

17四天王寺縁起 後醍醐天皇宸翰 建武2 年(1335) 大阪・四天王寺
これは掌に朱をたっぷり含ませたものを塗りつけて、押印したもの。
四天王寺の宝物殿で時々見かけるモノスゴイもの。

18 太子未来記伝義 伝楠木正成筆 正慶2 年(1333) 大阪・四天王寺
こちらは実物を見るのは初めて。何かといえば未来の預言書、讖書(しんしょ)・・・たしかこれを元ネタにして何かの物語があったように思うが、ちょっと思い出せない。

26 上太子叡福寺境内惣絵図 元禄元年(1688) 大阪・叡福寺
社寺境内図はなぜこんなに面白いのだろう。数種あったが、いずれもじっくり眺めた。
意識的に見始めたのは佐倉の歴博で企画展を見てからだから、あれはわたしの中では重要な展覧会になった。
しかし廟内図とか御陵内の絵とかそんなのはあんまり見たくないのだった・・・(ここに色々あるが)
他にも亀山法皇院宣や豊臣秀吉朱印状などもあり、史料として面白いものも多かった。

聖徳太子童形像・二童子 美少年たち。絵も像もどちらも愛らしい。
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だいたい孝養像も幼児像も、ひどく愛らしく凛々しいのだった。
木彫であと意識に残るのは、四天王像。なかなか見応えがある。
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108 草花文小袖裂(慶長裂) 桃山時代(17世紀) 大阪・叡福寺
こうした綺麗なものは寄進されたのだ。やはりこの時代の小袖は素敵だ。

他にもまだまだ見処が多いので、これはやっぱり最終日までにまた行かねばならないと思っている。
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コメント
こんばんは~(^^)
うわ~♪これはかなりありがたい気持ちになれる展覧会ですね!
聖徳太子は、物語性のある人物ですよね~。
私も「日出処の天子」とても興味があったのですが、うちの母がヘンにマンガに厳しい人間だったので、読まずじまいです。
国風文化が出てくる前の日本ってすごくエキゾチックで、日本がまだ日本になる前の段階・・・という背景を楽しんで鑑賞できそうですね。
童子の仏像、すごくキュートで(笑)私も好きです。

★話が全然変わって恐縮ですが、昨日の阪神の試合は感動モノでしたね。
新井さまにあらためて惚れ直しました(笑)
今日は残念な結果でしたが、気持ちを切り替えてまた次回がんばってほしいですね。
2008/05/01(木) 23:14 | URL | tanuki #s.Y3apRk[ 編集]
tanukiさん こんばんは
>日本がまだ日本になる前の段階・・・という背景を楽しんで鑑賞できそうですね。
そうなんです、そのとおり。それにしてもなかなか感銘を受けましたよ。

童子像は本当に可愛くて(笑)。
つれて帰りそうです。こらこら。

昨日の新井せんせーホントにかっこよかったです。今日のトラは寝てましたが、昨日のコーフンのせいかも、と好意的に解釈しております~~←甘い。

次はドラゴンズ、それから某金満貧打線チームと闘うそうです。
気合入ります。
2008/05/01(木) 23:31 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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