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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

都市漂流者の視線

都市漂流者の視線
わたしの見た都市の姿、というべきか。

まず、『水都を描く 歴史都市大阪の記憶』嶋津和運氏の水彩画スケッチを見に行った。
基本的に都市風景画が好きなので、喜んで出かける。
大阪住まいのミュージアムの中にある大阪くらしの今昔館というのが正式名称らしいが、わたしは勝手に暮らしのミュージアムとか住まいのミュージアムと呼んでいる。どうもいまだに本当の名がよくわからない。
ここの常設はミニチュアジオラマや実物大の町中の模型が置かれた体験型ミュージアムで、大阪歴史博物館と共通する部分もある。
言えば向うは江戸東京博物館で、こちらは深川江戸資料館みたいな感じ。
それでどちらが好きかと言われたら、わたしはどちらも後者なんですね。
部分部分絶大に好きな箇所はあるけれど。

さてここでの小さく可愛い展覧会。
大阪市内に残る歴史的景観、つまり近代化遺産(橋など土木系)、料亭などの和風建築、近代建築が水彩画で描かれている。
既に取り壊された建物の在りし日の姿などは、ノスタルジィと共に歴史的資料であることをも併せて感じさせる。
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自分が知ってる場所の絵などはやっぱり興味が湧く。
淀屋橋界隈の絵を見ると、「よし来週はこの跡地を行こう」という気になる。
西区はあんまり知らないので、今度は友人と行こうとか考える。
そういう気持ちが湧き出すから、こうした都市風景画は楽しいのだ。
それに元々近代建築が好きなので、外観を描いた絵を見ては「この中はこうなっているのだ」と自分の記憶を再現したりする楽しみがある。
これは都市漂流者の愉楽なのだった。

このチラシに掲載の上の二枚は今日と大差のない姿をしている。
淀屋橋の橋上から北へ向かって日銀を眺めると、確かにこう見えるし、真ん中の造幣局の桜も概ねこんな感じ。
違うのが下の松竹座。この松竹座は在りし日の姿。今はこの正面外観だけ残され、現行の建物に使用されている。大阪で歌舞伎を見るならこの劇場。以前は中座だった。
松竹座の歴史について、INAXが「サヨナラ松竹座」という素敵な展覧会をその当時開いてくれた。
松竹歌劇団などの実演もあったが、映画館に変わり、改装前までは長く使われていた。
わたしはキタの子なので、メジャーな映画を見るのはキタだったから、松竹座には行く機会がなかった。芸術系の映画はここでは上映されなかった。
しかしながら一度だけ入ったことがある。友人たちと東映マンガ祭(松竹なのに・・・)に来たのだ。
もう大昔、『キャプテン翼』の頃。懐かしくて泣けてくる・・・。
当時はまだそんなに建物に関心がなかったが、それでもロマンティックな内装やな、と感心したことは確かだった。

淡々と描かれた絵からは様々な記憶が呼び覚まされるものだ。
しかし一ヶ所に留まることなく、漂流は続く。

月初配布の沿線情報誌の最新号をとると、そこには竣工当時(’33)の大阪ガスビルの写真とやはり竣工当時(’15)の金鳥本社ビルの古写真があった。
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嬉しい。嬉しくて仕方ない。切り抜いて近代建築ファイルに納める予定。
時間を遡ることは現実には不可能だが、こうした資料を手に入れることで、心の中での訪問が可能になる。

また、真夏に開催される奈良博『西国三十三ヶ所 観音霊場の祈りと美』展には、中山寺の参詣曼荼羅図が出るらしい。
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これがまた面白い。元々社寺境内図が好きなのだが、現代の中山寺を知る身には、これもまたたいへん興味深いものだ。(近代建築も社寺境内図も近世風俗画も、私には全て同じ次元なのだ)

ところで阪急宝塚線の終点・宝塚の手前には三つの社寺がある。
清荒神(竈の神様、参詣の道はとても賑やかで楽しい)
中山寺(三十三ヶ所の一つと言うだけでなく、安産のお寺)
売布神社・・・これをめふじんじゃ、と読めるのはこの地名を知る人だけではなかろうか。
わたしは清荒神にはよく連れて行ってもらい、自分でも行くし、中山寺の梅を見たりもするが、生まれてから一度もメフで下車したことがない。
今は駅前に映画館も出来ていたりするが、降りる必要に欠けている。
うーむうーむ。祭神も知らない。
調べたらわかることだが、それはあくまでも机上の知識に過ぎなくなる。
やはり土地と言うのは歩いてナンボなのである。
路上観察に早道はない。

最後に『大大阪のパノラマ地図』。mir689.jpg

阪大総合博物館で7/5まで。久しぶりに行かなくては。

こうして都市漂流はまだまだ続くのであった・・・
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