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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

トルコ舞踊団を楽しむ

大阪のグランキューブで公演があった。なかなか激しい踊りだった。

08060901.jpg  クリックしてください。

むかし、トルコの船が沈没したのを串本の人々が救助してから、日本とトルコが仲良しさんになったそうで、今回トルコの大統領がお参りに来られるのにあわせて、舞踊団の公演が開催されたのだった。
東京では既に6/4盛況のうちに終わり、大阪では6/7グランキューブで開催された。
「写真はノーフラッシュで」という放送が入ったのには、びっくりした。
え゛っ撮ってもOKなの?
既に東京でご覧になった方々のブログを読んで、半信半疑だったが、こうして案内放送が入るとますますびっくりした。
写真はわたしの手によるものではなく、隣席の部長の撮ったもの。
わたしは会社関係の席にいた。右隣には友人。
友人は、トルコ人と結婚している高橋由佳里さんというマンガ家のファンで、公演に誘うと喜んでくれたので、わたしも嬉しい。
実のところ、わたしはあまり踊りを見ない。群舞は好きだが演目によるので、あまり見に行かない。
’92年末にジョルジュ=ドンが亡くなって以来、本当に殆ど見なくなった。
お水取りにまつわる群舞『達陀』くらいしか近年は見ていない。
そんな私でも随分楽しめた。

民族舞踊と創作舞踊との境目もはっきりとはわからなかったが、力強い踊りが続き、見応えがあった。何しろ大人数なのでそれだけでも迫力がある。

男女混ざり合い、背の高さで1、2、1、2、と並びながら手をつないで踊る姿は、まるで瓔珞文つなぎのように見えた。それがひどく美しい。
散らばり・つながり、つながり・散らばる・・・そしてまたつながったかと思うと、それが楕円の動きを見せながら拡がってゆく。
照明の力が、虚と実との邂逅を生み出すのも目の当たりにした。
カーテンの向うで繰り広げられるマイムは、ペトルーシュカの動きのようでもあり、しかしそれは紛れもなくアラブの舞いなのである。
愛し合う動きも虚と実の競演であり、やがてはかなく霧散する。
その後には激しい鼓動に満ちた群が押し寄せる。
繰り返される円舞と離散と集合と。
照明の残影が流線型の糸を引く。幾筋もの糸に絡め捕られてゆくのは観客だった。

拍手する暇も与えぬほど、次々と舞が変わり、舞の上に舞が重なり合うように見えた。
斜めの連続跳躍は昆劇を思わせた。
その跳躍がまるで結界のように、中の人々を呪縛し、そこから向うへはみ出すことが出来なくなる。
抑制されたままその中で感情が高ぶってくる。やがて爆発。
枷の外れた人々の爆発的な踊り。
ボレロのような唐突にして圧倒的な終焉ではなく、しかし予定調和を目指しているわけでもない。
カタストロフィーのなさに、少しだけ苛立ちが生まれた。
だが、それは瑕ではなかった。それもまた一つの途なのだと知らされる。

“IT’s Me”
いくつかのヤマの後に、この言葉を使った踊りが始まった。
不思議に耳に入り込まない英語。会話ではなく、単語の羅列のような英語の音のつながりが会場に広がる。
踊りと音楽とは同じ力を持つものなのだ、と言う思想がこちらにも伝わってくる。
思えば冒頭からしばしば打楽器が活き続けていた。
打楽器の音と踊りとの融合を見るうちに、ついに私が見ることの叶わなかった「サムルノリ」を想起させられた。

第二部が終り、アンコールも果てたと言うのに、まだまだ期待してしまう力が舞台上にはあった。
熱気がまだ残っている。
しかしそれを冷やすこともないまま、公演は終わった。

いい気分のまま家路へ向かったが、帰宅した途端、起きていられなくなっていた。
見るのに意外なほどエネルギーを使っていたのだ。
しかしながら、今度また見る機会があれば、また行きたいと思う。

舞踊団はシャーマン・グループ。サイトはこちら
突然音楽が流れるのでご注意を。
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コメント
阿修羅のごとく
トルコは西洋と東洋が融合する、行ってみたい国リストの上位にランクインしている国です。
昔、NHKのドラマであの印象的なトルコの軍隊音楽を耳にして、後に踊るように行進しながら演奏する様子を見ました。
素晴らしい公演をご覧になってよかったですね。
インドやイスラムなどの音楽のコンサートに出掛ける時、がら空きだったらどうしよう、といつも思いますけど、たいていの場合、会場には同好の士の熱気であふれていて嬉しくなります。
2008/06/09(月) 23:33 | URL | 紫 #-[ 編集]
めまぐるしかったですね~
先日はブログにて、失礼しました。
すごい盛り上がりましたよね、私はダンサーのスタミナに感心しました。後半ぐるぐる回りっぱなしの男性がいましたでしょ、全然フラつかないのが驚異的。
ああいう複合ダンスはトルコならでは、でしょうか。最近オルハン・パムクの小説を読んでいて、とても興味深い文化だと思ってます。
2008/06/09(月) 23:40 | URL | ogawama #-[ 編集]
ボスポラス海峡クルーズがしたいです
☆紫さん こんばんは
>阿修羅のごとく
向田さんのドラマでしたね。
あのトルコ軍楽隊メロディとドラマとはダブルパンチものでした。

インド音楽もイスラーム音楽もガムランも、全て西洋音楽から遠く離れていて、全く共有するところがないのが、たいへん興味深いです。
千里の民博には世界各国の音楽を聴くコーナーがあり、そこに行く都度、アジアとモスリムの文化の深度というものを実感します。


☆ogawamaさん こんばんは
わたしもあのスタミナに感心しました。
コンヤのメヴラーナ教団ゆかりのぐるぐる回転のダンスを取り入れてる、というのはわかりましたが、あれは本当にノーテン爆撃のような踊りですよね、すごいです。
ちゃんと右手と左手の掌がそれぞれ逆向きなのにも感心しました。
やはり東西文明の交差点ならではの複合性なのでしょうか。

鯖サンドを食べる文化そのものに惹かれます。
2008/06/10(火) 00:23 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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