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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

『少女マンガパワー』展をみた

京都国際マンガミュージアムで『少女マンガパワー展』を見た。
出展作家は23名。原画と原画‘の展示。(原画ダッシュというのは原画の精密な複製。修正の痕なども残る分。限りなく原画に近い存在)
以下、敬称略でまことに自分勝手な感想などを書いてゆく。
(展示順の感想文です)
例によって長々かいてます・・・・・
手塚治虫  『リボンの騎士』が出ていた。わたしは宝塚の手塚記念館で見たので、「こんにちは」な気分。友人は「あっそうか!ここから始まりか!」と感心していた。
わたしの持ってるコミックスは全集版。もう既に30年が過ぎた蔵書。今読んでも面白いが、わたしはアニメの『リボン』も好きなのよ。

わたなべまさこ  とても好きです、子供の頃から変わらず。今も続く『金瓶梅』の原画と昔の『聖ロザリンド』が出ていた。最近は色んなレディスコミックに過去作品が掲載されていて、それがやっぱり面白い。特に怪談や人間の心の怖い話などは本当に面白いし、絵もとても綺麗。
わたなべ作品で最愛の『聖ロザリンド』は本当に何度読んでも胸に迫るものがある。前半部分の設定などは昔のアメリカ映画『悪い種』から発想を得たと思われるが、ロザリンドの心のありよう・幼い彼女の犯罪を追う人々の想い・そしてあの厳かなラストシーン・・・これらを思うと、わたなべまさこ渾身の名作だと言える。
先生、いつまでもお元気で作品をお描きください。

松本零士  わたしの叔父のうち下は少年マンガのみだが、上は少女マンガもよく読んでいて、彼の切り取っていた作品がわたしの手元にあった。今は消えてしまい、そのことを思うと心苦しい。その作品は松本あきら(零士)の『銀のきのこ』だった。
‘70年代は松本零士のSF作品を読んで育った。だからその当時、あきら名義の少女マンガにはちょっとびっくりもしたが、そこにも後年のSF作品に通じるものがあり、また愛らしい猫がいた。見ていてちょっと泣いた。

石ノ森章太郎  正直言うとわたしは石森章太郎ファンだが、石ノ森ファンではない。つまり石森名義の頃のファン。ここには『龍神沼』が展示されていた。とても綺麗だった。
目元に独特の魅力がある。名作と名高い作品だったが、わたしはこれを見るのは初めてだった。・・・わたしは石森作品は『さんだらぼっち』や『イナズマン』などの青年誌と少年誌などの方が好きなのだ。ここには出ていないがほかに少女マンガと言えば『さるとびエッちゃん』があるが、アニメの方が有名。

ちばてつや  ついこの前、ビッグコミックで『赤い虫』という新作を発表されていた。
少女マンガを描いていた頃のご自分の危機的状況とそこからの脱出。言ってみれば死と再生。たいへん興味深い内容だった。
ここに展示されているのは’50―’60年代作品だが、私が読んだのは’70年代だった。健全で端正な物語だと今更ながら思うのだが。
だからこそ、今「ちばてつやの少女マンガ」を見て、色んな感慨にふけった。
男性が少女マンガを描くのはそんなにもストレスがたまるのか・・・

水野英子  最近は近代史に登場した人物を描く作品が多く、近年では最後のオーストリア皇女エリザヴェートを描いた名作がある。
展示では『ファイヤー!』の表紙絵があり、アロンとファイヤー・ウルフを久しぶりに見れたのが嬉しい。わたしは’89年頃に婦人公論社からの一冊本を買った。
水野英子を初めて知ったのは’75年だった。『花とゆめ』で『ローヌジュレエの庭』が掲載されたのを読んだ。今でも面白く思うのだが、当時もやはり面白かった。数年前、弥生美術館で『わたなべまさこ・水野英子・牧美也子』三人展を見たが、そのとき水野『赤い絵』に久しぶりに再会した。たいへん面白かったのに単行本化されていない幻の名作。美術館を通じお尋ねすると、あの作品は北島洋子さんとの共作のため単行本化しにくい状況だと言うこと。
予定がないと言うのはたいへん残念だったが、わたしのようなファンがいることをたいへん喜んでくれたそうだ。


牧美也子  前述の展覧会で初めてこの人の少女マンガを見たが、少女小説の挿絵の大家・藤井千秋の描く少女と同じ清潔さと、真っ直ぐさとを感じた。
しかしわたしが好きな牧美也子作品はやっぱり『悪女聖書』なのだ。業子、ガンバレ!と誌面に向かって秘かに応援した人も多いはず・・・。

里中満智子  『なかよし』で活躍されていた頃の作品の殆どは、あまり好みではなかった。ところが友人が里中ファンで、熱が昂じて今で言うレディコミ作品『私生活』を買った。わたしは小学生の身分で、そのオムニバス作品に惹かれた。会場でその本があったので読んだが、やっぱり面白かった。持統天皇を主人公にしたシリーズが有名だが、実はわたしが一番好きなのはモーニングで連載した『愛生子』だった。リアルな戦後大阪人。何回読んでも面白くて仕方ない。・・・少女マンガでは『6月4日月曜日』がナマナマしく記憶にあり、いまだに6/4が近づくと、なんとなくきゃっきゃっとなる・・・

一条ゆかり  『りぼん』で活躍していた頃の作品はなにもかも好きだった。『デザイナー』『砂の城』といったシリアスな悲劇作品のほかにも、色々面白いものがあった。最近は嗜好が離れすぎたので、読まない。それにしても悲惨な話に惹かれたなー・・・

池田理代子  実は『ベルばら』をリアルタイムには知らない世代なので、本当に読んだのは’79年だった。先頃『ベルばら』展があり、それに出かけて胸を熱くしたが、わたしがリアルタイムに読み耽ったのは『オルフェウスの窓』ロシア革命篇だったのだ。
特にキャラの一人に熱中し、いまだに絵を見ただけで息が止まりそうになる。
『女帝エカテリーナ』ではポチョムキン公に死にそうなほど焦がれた。今も好き。

美内すずえ  珍しいことに『アマテラス』の原画が出ていた。『ガラスの仮面』のフィギュアもある。去年『ガラスの仮面』展を見たが、やっぱり面白いとつくづく思う。
でも実はわたし、『みどりの炎』『魔女メディア』『黒百合の系図』などのホラーものが好きで、中篇の『はるかなる風と光』に今でも感動しているのだった。

竹宮恵子  『風と木の詩』『地球へ』の原画は出るだろうと予測していたが、『変奏曲』が出ていたのには嬉しくて仕方なかった。この未完の大作『変奏曲』が、わたしは竹宮作品では一番好きなのだ。続編の再開を切に願っているが・・・

山岸涼子  『日出処の天子』をリアルタイムに読めたのは、やっぱり幸福だと思う。この人のカラー原画からは、日本画の美を感じる。美内すずえとはまた異なる系統のホラー作品にも好きなものが多い。怨念も怖いが、狂気がいちばん怖いことを教えてくれた。
連載中の『テレプシコーラ』もとても楽しみだが、軽い気持ちでは読めないのだった。

萩尾望都  『ポーの一族』の原画が嬉しかった。この人のSF作品の全てと、’70?’80年代の作品の全てを愛している。特に短編に素晴らしいものが多いと思う。
『半神』の原寸大コピーが置かれていて、改めて読むと、やはり胸が痛くなる。
しかし『残酷な神が支配する』以降は全く読む気がなくなってしまった・・・
もう、二度と戻れないのだろうか。

陸奥A子  『りぼん』活躍時は、ニガテだった。わたしは田渕由美子に夢中だったから。
しかし今、『YOU』誌で発表される作品の何もかもが、いい。日常、心模様、時間・・・全てを肯定的に捉えて、ゆっくり歩く彼女たちの姿に、憧れと共感とを覚える。
大人になってから好きになった作家。

くらもちふさこ 岩舘真理子
実は二人とも読んだことがないので、絵を見た、と言うだけになる。友人は二人のファンだと言うので、色々話をきく。読む時期を逸してしまったひとたち・・・

佐藤史生  『ワン・ゼロ』の原画が出ていた。嬉しい。わたしはSFが好きで、佐藤ワールドに随分ハマリ、同じSFファンの友人らとよく話し合ったものだった。
ところでこの日同行の友人はSFがニガテで、読んだことがないと言う。このコーナーでは色々面白いことを感じた。

吉田秋生  『BANANA FISH』の原画を見たが、連載中に絵柄も随分変わったことを、改めて思い出す。初期は大友克洋の影響が大きいように思う。
・・・わたし、アッシュも英ちゃんもどーでもよくて、月龍やブランカのファンなの。 
作品では『吉祥天女』『河よりも長くゆるやかに』がベストだと秘かに思っている。

岡野玲子  『陰陽師』のカラー原画は以前にも見ているが、やはり綺麗だと思う。しかし途中から宇宙的規模に広がりすぎて、読んでいても理解できなくなってきた。
『ファンシーダンス』はいまだに読んでは笑ってしまうのだが。
 
CLAMP  正直に言うと、『キャプテン翼』の同人活動していた時期の作品だけが好きで、後は何にも関心がないのでした。

今市子  『百鬼夜行抄』のカラー原画を見ると、静謐さを感じる。この人のカラー原稿にも日本画の美を感じる。どちらかというと、BL関係の作品の方が好き・・・

よしながふみ  モーニングで連載中の『きのう何食べた?』や『ジェラールとジャック』などは好きだが、『大奥』『西洋骨董洋菓子店』は読まない。同人誌も、あるジャンルで好きなカプリングではなかったので、読まなかったことを思い出す。
でもこのひとのおかずのレシピはすてきだ、と常々思っている。


わたしが連載マンガを読み出したのは'73年だったように思う。
それから35年すぎたが、今日もやっぱりマンガを読んでから帰宅した。
原画のことだけに絞って書くつもりが、方向がずれてしまった。
この展覧会は挙げた23人に限られての展示だったから、他に見たい作家さんの作品がないのが残念だった。でも・・・やっぱり見れてよかった。
嬉しい展覧会だった。
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コメント
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2008/08/01(金) 10:09 | | #[ 編集]
すごいラインナップですね。知らない作家がいないですよ。
そういえば、母が子どもの頃に『りぼんの騎士』のすごろくを持ってたと言っていました。ものを大事にしない方なので、当然、現存していませんが、それで遊んでいたというのが羨ましいです。私はアニメでしか知らなくて、大人になってから原作を読んだので、絵の美しさに驚きました。
以前、赤塚不二夫さんの原画展を見に行った時も少女マンガの原画は綺麗でした。どの作家さんも少女マンガを描く時は「美しく」「丁寧に」をモットーにしていたんでしょうね。
2008/08/01(金) 19:20 | URL | えび #-[ 編集]
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2008/08/01(金) 21:58 | | #[ 編集]
面白そうな展覧会ですね。
僕も『リボンの騎士』は、大好きです。『火の鳥』よりも面白いと言って、良く顰蹙を買います。(笑)
CLAMPが、『キャプテン翼』の同人活動をしていたとは知りませんでした。
遊行七恵さんは、本当にいろいろなことをご存じですね!
2008/08/01(金) 22:02 | URL | lapis #e8.b9ePc[ 編集]
☆――さん こんばんは
新潟で先にご覧なった展覧会の巡回ですね。
因みに『餓鬼』はてつやの作。『キャプテン』『プレイボール』があきお。
下関の三人展は青池・文月今日子・水野です~
青池先生のHPに三人のトーク会の模様が掲載されてますよ。


☆えびさん こんばんは
お母様が持ってらした双六、今なら本当にお宝ですね、残念。
男の心・女の心の選択も双六の中で選べたりして。
アニメとマンガとでは、ヘケートの望むものが逆なのも面白かったです。
赤塚・少女マンガ・・・ひみつのアッコちゃんを思い出します。


☆――さん こんばんは
おー!お元気そうで何よりです。
またお邪魔させてもらいますよ~


☆lapisさん こんばんは
lapisさんも『リボン』お好きですか、嬉しいですね。
秘密の暴露とかドキドキが多くて面白い作品です。
キャプ翼の同人が華やかなりし頃からfujyoshiなわたしです・・・
同人上がりの作家さんの大抵は、やっぱり昔の方が面白かったです。
2008/08/01(金) 23:27 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
赤塚さんが「これでいいのだ~!」っと天に昇っていかれましたね…
アッコちゃんやバカボンのママみたいな美人の天使たちに囲まれてるかしら。

リボンの騎士は、コミックでは何通りかのストーリーがあるので混乱しますね。
それだけ手塚先生の愛着があったのでしょう。 私はフランツに恋していて、
へケートをちょっと応援していました。 やはり悪の心が…ね(笑)

松本零士さんの夫人が牧美也子さん、猫のミー君の目などに夫人の名残がありますね~
2008/08/03(日) 17:01 | URL | 山桜 #-[ 編集]
☆山桜さん こんばんは
赤塚さん、最後の担当医がなんと!チビ太そっくりの先生だったそうで、随分喜ばれたそうです。
ご冥福を祈ります。

リボンの別バージョンも読みましたが、本当に色々ありましたね~
わたしもフランツ好きでした。でも手塚キャラではロックが好き。
やっぱり悪の心が・・・(笑)。
松本キャラの痩身の美女たち、牧さんその人に似ているようにも思います。
2008/08/03(日) 22:58 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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