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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

『少女たちのイコン』を眺める

挿絵と抒情画専門の美術館・弥生美術館では夏の展示として『少女たちのイコン』展が開かれている。
わたしは昭和末の少女だったから、この展示に集められた美しい絵たちとは、リアルタイムに出会えていない。なにしろ大正から戦前までの、短くもときめくような時代の産物なのだ。
しかしこの弥生美術館の会員になって以来、こうした素晴らしいコレクションと身近になれて、幸せを感じている。

『少女たちのイコン』 イコンとは正教会での聖人像のことである。憧れと崇拝とときめきの対象としての、美しい抒情画が選びぬかれていた。

須藤重「名月」mir308-3.jpg
室町から桃山時代にかけて頃の風俗で描かれた美しいふたり。
もう一枚、昭和初期風俗の「名月」は庭の草花を眺める少女が描かれていた。

加藤まさを「月夜の少女」
まさをの少女を見ると、いつもどことなくせつなくなる。彼女が幸せそうに笑っていても、なんとなく淋しさを感じる。
それはもしかすると、彼の作詞した『月の沙漠』のせいかもしれないし、少女小説『消え行く虹』のイメージが強いからかもしれない。

mir308-2.jpg須藤重「月の女神」
銀の煌きに溺れてしまいそうになる。彼女の手からこぼれる銀花がわたしに届く日を、ずっと待っている。

蕗谷虹児「蓮池」img186.jpg
早朝の喜びがここにはある。うっとりするようなよい香があたりに満ちて来るようだ。

img185.jpg加藤まさを「水着の夏子」
彼女の名前が「夏子」なのか、夏を体現する娘としての「夏子」なのかは、知らない。
「太郎を眠らせ太郎の屋根に雪降り積む 次郎を眠らせ次郎の屋根に雪降り積む」
こんな綺麗な作品がある。太郎も次郎も固有の子供ではないのだ。

他にも実に多くの「少女たちのイコン」が飾られていた。
懐かしいもの・馴染みあるもの・初めて出会うもの・・・
どれもこれもが心に残る美しい作品たちだった。

併設する夢二美術館では童画が集められていた。
そこにはわたしの愛する「パラダイス双六」があり、複製品が床に置かれ、遊ぶことを許された。
img610.jpg
楽しく遊んでから、いい気持ちのまま美術館を後にした。

展覧会は九月末まで続いている。
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コメント
現代では絶滅したと言っても過言ではない(苦笑)涼やかな、しとやかな乙女の数々を見ることができて、この暑苦しい夏の中の一瞬の清涼剤となりそうですね♪
蕗谷虹児の絵は大好きなので嬉しいです(^^)
この少女の着物の柄がかなりツボです。
2008/08/19(火) 09:15 | URL | tanuki #s.Y3apRk[ 編集]
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2008/08/19(火) 20:07 | | #[ 編集]
☆tanukiさん こんばんは
虹児の描く着物って可愛いですし、個性的ですよね。
薄紫の地がtanukiさん好みという感じですね。

先日来、ガラス製の簪などを見て、江戸時代の女の人たちの涼やかなオシャレさに感心するばかりです。
「これよりこっちの方がtanukiさんに似合いそうやわ」とか、そんなことを想像しながら見物するのも楽しかったですよ。


☆――さん こんばんは
わかりました~
2008/08/19(火) 22:09 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
なぜか弥生美術館・竹久夢二美術館のチケットが入りましてね、藝大美術館の狩野芳崖と一緒に観てこようかと思案中。
乙女は僕のイメージとは全然合いませんがたまにはいろんなの観るのもよかろうかと。
ここは本とか画集を買うのには何となく似合いませんね、ポストカードとかのほうがいい。
来月の「美術の窓」はいよいよ猫特集とか。
美術家も愛好家も猫好きおおいですからねー。
2008/08/20(水) 22:03 | URL | oki #-[ 編集]
☆okiさん こんばんは
弥生美術館はokiさんからすれば理屈も何もないところ、かもしれませんが、純粋に楽しめる美術館ですので機嫌よくごらんください。
2008/08/20(水) 23:37 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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