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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

松谷みよ子の仕事展

夏休みも終わりに近づいてきたが、夏休みらしい良い展覧会に幾つもめぐり合うことが出来た。
童話や絵本の展覧会である。
京都では松谷みよ子の童話展を見て、うらわでは『ぐりとぐら』を見た。

松谷みよ子の展覧会は二年前に姫路でも見たが、今回は8/17まで京都の思文閣美術館で開催されていた。
姫路では『モモちゃん』シリーズがメインだったが、今回は松谷の全仕事?過去から現在、そして未来まで、を集めようとしていた。

松谷みよ子はよく知られているように、坪内譲治の弟子であり、創作童話だけでなく民話採集も続け、そこから物語を生み出していった。
たとえばそれは『龍の子たろう』であり、『椿の乙女』である。
民話採集は過去にとどまらず、現在も続いた。
江戸時代以前から戦前までの伝承だけでなく、戦争に関するものなど、現代の民話を集めていったのだ。
彼女はいつもとてもアクティブだった。

『まちんと』『死の国からのバトン』これらはすぐれた作品だが、正直言うとわたしには怖くて読めない作品でもある。
何故か。それはつきつけられた主題の重さに耐えられないからだ。
戦争はいかん・核兵器は永久に放棄しなくてはならん、と口先で言うだけでなく、その被害者の苦しみの重さと、加害者の罪深さまでも背負わねばならなくなる・・・
魂にまで刻印を打たれる作品なのだった。
わたしは逃げるしかない。

逃げたわたしはやはり民話の世界と『モモちゃん』シリーズに入り込む。
このどちらにも苦しみがあるのを知りながらも、それでも豊かに優しい世界に入りたいと願う。

展覧会には松谷みよ子の直筆原稿などがあったが、読みやすい文字だった。
それ一つをとっても好感が増す。
写真も何枚も見た。
劇団の同志たちとの写真の中に、白土三平の姿があることにびっくりした。
マンガ描くだけでなく、人形劇にも参加していたのか。
・・・こんな風に色んな発見があった。

今、二年前に書いた記事を読み直した。
今回の展覧会で感じたことは既に二年前に書き尽くしていた。
何年経とうと好きなものは好きだと実感する。
もう終わっているが、本当に心に残る展覧会だった。
松谷みよ子への尊敬心は消えることがないことを、知った。
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コメント
松谷さんの名前はなじみ深いですが、恥ずかしながら私は子供の頃、全くと言っていいほど本を読まない子供だったので、松谷さんの本と言えば「お月さんももいろ」ぐらいしか読んでいないかも・・・(汗)
でも、あの本の挿絵と物語の内容の哀しさがすごくマッチしていて、いつまでも忘れられない本になってます。もう一度読み返したいな~と思います。
京都で開催されていたのですね。全く知らなかったので惜しいことをしました・・・いつかぜひ見てみたいです。
2008/08/29(金) 13:20 | URL | tanuki #s.Y3apRk[ 編集]
☆tanukiさん こんばんは
本を読まない子供、と仰いますが、その分だけ印象に残る作品はいつまでも心の中で愛されているわけですよね。
それもとても素敵なことだと思います。

わたしは本ばかり読んでいたので、現実と妄想と本の世界とが混ざりすぎ、区別できずに長らく困っていました。
2008/08/29(金) 23:50 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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