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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

絹谷幸二 情熱の色・歓喜のまなざし

前々から絹谷幸二の展覧会が見たかったが、いざ見てみると、その勢いに押し流されてしまった。
なんばの高島屋で開催されている展覧会。
mir883.jpg
奈良出身の現役洋画家で、東京藝大の先生。
冬季の長野オリンピックでポスターなどを制作していたから、見た人も多いと思う。
それだけでなく、ごく最近では東京メトロ副都心線の開通を記念した、陶板壁画の「きらきら渋谷」があるらしい。
これはきっちり見てないので、今度折りがあれば見なくてはならない。
わたしが最初に見たのは、世田谷文学館のロビーにある阪神淡路大震災へのレクイエムたる陶板壁画「愛するもの達へ・希望」だった。
明るい、突き抜けるような青を背景の基調に、様々な色彩の乱舞がある。健康そうな肌色の人々の口からは絶えず音楽が流れ続けている。
‘97に初めて行ったとき、不思議な明るさがあるなと思ったものだ。

イタリアに留学してフレスコ画を学び、ご本人は「アフレスコ」画を拵えていると仰る。
同世代で同じくイタリアの美に惹かれた有元利夫が静謐な作風なのに対して、絹谷の作品はざわめきがある。
それは騒々しいのではなく、賑やかな音の集積を意識的に画面に封じ込めた、という感じ。
だから彼の描く人物たちからは絶えず音楽や掛け声が溢れ続ける。
言葉の零れる絵。
呼吸のように言葉がこぼれつづける。
mir884.jpg
新作の日本の祭シリーズを見ると、祭に入り込んでいる人々から実際「わぁわぁ」「はっ」などの音声がこぼれている。
書き込まれた文字もまた絵画として活きている。
画賛とは全く発想の異なる文字、文字と言うより音声の絵画化、それが正しい。

風神雷神が天空に姿を現している。ありありと顕れるのではなく、透けるように空に立つ。
力強い立姿。金剛力士のような強さがそこにある。そしてその彼らが視ているのは砂に埋もれて倒れる人と、投げ出されたTVから流れるどうにもならない現在の世界の姿なのだった。

チラシ左に『大和国原』という絵がある。これは奈良万葉文化館のための作品。
日本がまだ若く、神話との縁もまだ切れていなかった時代を描いたような気がする。

明るいいい心持で眺めて廻った。
akarui ii kimochi でも akarui――――――― kimochiでもいい、絹谷幸二の仕事だった。

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コメント
こんばんは

絹谷さんの絵、ほんとに色いっぱい、音いっぱいの感じですが、好きな画家です。

好きな方がいらっしゃると嬉しい!です。
2008/10/17(金) 18:27 | URL | すぴか #-[ 編集]
☆すぴかさん こんにちは
現代で活躍する洋画家の中でも特に絹谷さんは好きな人です。
凄い色彩感覚だといつも感心します。

神曲を描いてもあの明るい青が生きているだろう、と思います。
2008/10/20(月) 09:00 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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