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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ジョットとその遺産展

西洋絵画の父「ジョットとその遺産展」?ジョットからルネサンス初めまでのフィレンツェ絵画?
ジョットを見に行こうと思えば、アッシジの聖フランチェスコ教会に行かねばならない・・・そう信じていた。
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損保ジャパンで展覧会と言うので、ドキドキしながらでかけた。
事前学習することはやめた。何が来るかわからないままでかけている。
既に行かれた皆さん方の記事は、後のお楽しみだ。
朝一番に入館したが、随分繁盛している。
「日本でほとんど見ることのできないジョットの作品4点を招来し、あわせて代表的な聖堂壁画を写真パネルで展示します。また、フィレンツェの諸機関からほぼ全点日本初公開となる後継者たちの祭壇画など30点も集めました。時代は庶民の信仰とペスト禍の不安が火をつけた聖母崇拝の高揚期。フランスの華麗な宮廷写本や隣町シエナの情感あふれるゴシック絵画にも影響を受けながら、次第に美しい聖母を作り上げていく初々しいルネサンスの夜明けのフィレンツェ絵画をお楽しみ下さい。」
パネル展示があった。アッシジの教会の壁画。本物ではないが、あのジョット・ブルーがここにある。本物はこんなに間近には見れないので、これでOK。
大塚国際美術館には陶板の再現品があるが、あれもすばらしい。何しろ実物大でリアリズム志向。
聖フランチェスコ教会に行ったときに起こった不可思議な現象は、必ず思い出す記憶だが、ここでは書かない。

第二のキリストと謳われ尊崇された聖フランチェスコの事蹟をたどるジョットの作品は、とても丁寧で物語絵として眺めると、なかなか面白い。
それらの次には、パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂の壁画パネル。
ふと思ったけれど、ヨアキムとアンナのもとへはやっぱり天使が来ているわけだが、これは日本の「申し子」システムとは真逆ですな。
さてキリストの生涯。ユタがくちづけるシーンは以前から知っていたが、これを見ると『ジーザス・クライスト・スーパースター』を思い出すわたしです。
(それも映画か、鹿賀ジーザスと滝田ユダなのでした)

いよいよ実物作品。
ジョットの実物が4点ある。
『聖母子』 マリアと乳幼児キリストの肖像。生まれた時から賢そうなイエス。むしろブッダ的風貌だと思った。背後の天使二人の髪はツイストロール風に見える。(チラシ)
どうもこの時代の泰西名画の知識が薄いので、あんまりいい感想も出てこない。←罰当たり。

同年のもう一枚の『聖母子』はむしろ母と子の情愛を感じるような構図だった。切断されているが。
ママの頬、左手の人差し指を握る坊やの手。

『嘆きの聖母』 洪水の被害に遭い修復されたそうだが、そのために下書き線が見えるらしい。しかしそれが却ってナマナマしさを、齎している。もう若くないお母さんの悲嘆。聖なる人を殺された悲しみより、わが子を殺された母親の悲嘆がそこにある。
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『殉教助祭聖人』 教会の窓ガラスで光を受けて輝きを床に延ばすのだろうか。確か国によってステンドグラスの技法は異なるそうだが、ちょっとその違いを忘れてしまった。

ところで数年前のBIB(ブラティスラバ絵本原画展)かボローニャ絵本原画展か、どちらで見たのか今ちょっと思い出せないが、そこでジョットを描いた絵本を見た。
これはなかなか素敵な絵本で、ジョットの青を再現しているのもすばらしかった。
ジョットという名の少年―羊がかなえてくれた夢ジョットという名の少年―羊がかなえてくれた夢
(2000/11)
パオロ グアルニエーリビンバ ランドマン



殆ど手品みたいな作品があった。ジョットと工房の作品。
『ピエタ』 台の中にキリスト。・・・下半身はどこへ消えた?ちょっと不思議な構造。しかし信仰心がある限りこういうのを不思議に思わないのだろうなー・・・え?

『四人の天使を伴う聖母子』 これは剥落しているがいい感じだった。ママに擦り寄る幼子。ママの手がリアルに子供を抱き上げている。ちょっと不可思議な微笑を浮かべて。

プッチョ・ディ・シモーネ『聖クリストフォルス』 巨大な人。川越をしてくれた人。幼子イエスを肩に乗せて渡河した人。ちょっとシュールな感じに見えた。
以前から思っていたが、ルネサンス以前の絵にはなんとなくシュールなものを漂わせている作品が多いように思う。奇蹟その他を描くと、必然的に空間がそのようになるのかもしれない。

ベルナルド・ダッディ『磔刑図』 これはちょっと恐い絵だった。キリストの吹き出す血を受け皿に受ける天使(まるで纐纈城のようだ)、赤と茶色の他に薄い緑色の服はまるでそれ自体が死体のようでもある。

聖ドンニーノのエピソードを描いた作品が並んでいたのでジクジク眺めたが、狂犬病や、刎ね落とされた自分の首を持って何キロも歩く聖人には参った。絵がどうのと言われても答えようがないが、そのエピソードを描いたものとして見れば、これはやはり面白い連作だと思った。

チェンニ・ディ・フランチェスコ『聖母子』 ・・・見たことのある聖母子だと思った。この絵は知らないが、描かれている母と子とを別なところで見た気がする。・・・わかった。子供は谷崎潤一郎、母親は篠井英介によく似ているのだった。

ビッチ・ディ・ロレンツォ『降誕図』 牛も馬も牧人もみんな大喜びの図。みんな喜んで合掌。しかし一人だけ義父ヨセフのみ手を交差して俯いている。・・・色々考えてしまうな?


マゾリーノ・ダ・パニカーレ『聖イヴォと少女達』 左半分に少女たちが固まっている。剥落しているがはっきり見える色彩と構図。ところがこの絵を見て真っ先に思い浮かべたのは、ポニョの妹たち金魚の大群。なんとなくあれに似ている・・・

どうもここらあたりの時代のマジメなレクチャーを受けていないので、勝手な妄想ばかり浮かんできて、ちょっと申し訳ないような感じがある。
でも自分でもけっこう楽しめたのでそれでよしとしよう。
それにしてもわたしは宗教画を見てもろくな感想が浮かばないなー。なんとなく不思議。←単なる不謹慎・不道徳・無教養なだけ。
展覧会は11/9まで開催中。
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コメント
こんばんは
やっと今夜はまとめて遊行さんのをみています。「ジョットとその遺産展」良かったですね。私はもっぱら聖母子像ばかり、ながめてましたが、他にもいろいろありましたね、すこしずつ思い出しています、ありがとうございました。
2008/10/31(金) 22:05 | URL | すぴか #-[ 編集]
こんな昔の絵がよく残ったと思いました。
昔の宗教画は僕は勉強不足でコメントできないけどー。
岡本太郎なら蘊蓄かたれます、笑。
今、渋谷駅で明日の神話の設置工事進められてますね、遊行さんが今度こられたとき実物目にできるでしょう。
三鷹市山本有三記念館は「ピクチャレスクの家ー近代住宅史から見た山本有三邸」って食指動きませんか?
2008/10/31(金) 22:36 | URL | oki #-[ 編集]
☆すぴかさん こんばんは
お疲れ様です~~。
聖母子は威厳あふれるものより、ママとボクみたいなのをついつい探してしまいます。
中世の西洋絵画にも最近は段々関心が湧いてきていますが、まだまだ未開の地です。
損保はいいものを持ってきてくれますね。


☆okiさん こんばんは
わたしも宗教画は勉強不足です。佛哲もわからない。基本的に遊楽の人ですから(笑)。
タローちゃんの絵も安息地が出来てよかったです。
山本有三邸は以前にかなり撮影したので、まぁ今回は静観し、見たくなればいきなり・・・になるかもしれません。
2008/10/31(金) 23:25 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
私、実はキリスト教系の高校に通ってたので、宗教画は飽きるほど観ました。やっぱり、宗教画といえば、ルネッサンスといわんばかりに、やたらとミケランジェロとかレオナルドばかり見てきたので、マッチョなルネッサンス絵画に嫌気がさして、ジョット好きになったことがあります。
学校に通っていただけなので、卒業したら、すっかりキリスト教関係の文化からご無沙汰していたので、久々に損保でジョットを観て、懐かしかったです。
ジョット好きだった時は、遊行さんと同じで、アッシジの聖フランチェスコ教会に行かねばならないと思っていました。当時は「大人になったら、イタリアへ行って、ジョットを観るんだ!」と燃えていたのに・・・今だに行けず(涙)
2008/11/01(土) 09:33 | URL | えび #-[ 編集]
☆えびさん こんばんは
ミケさんレオくんもよろしいですが、純粋に信仰心の面から考えたら、時代的にはその前代の芸術の方が、「より信教的なんちゃうの~」と勝手なことを呟くわたしです。

イタリアツアーよかったです。むふふ。
ジョットジョット♪と機嫌よく向ったのですが、聖フランチェスコ教会が、そのご当人の遺体の上に建てられている、と知ったときから、畏怖の念に打たれてまいました。
挙句こんなキョーフ体験が・・・
http://yugyofromhere.blog8.fc2.com/blog-entry-573.html
2008/11/01(土) 21:22 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
行ったのですね、イタリア。羨ましいです。聖フランチェスコ教会の写真、いいじゃないですか、キョーフだなんてぇ。かえってお得な感じさえしますよ~!
2008/11/02(日) 21:11 | URL | えび #-[ 編集]
☆えびさん こんばんは
その聖フランチェスコ教会の周辺には、当然ながらお土産屋さん沢山ありましたが、まるで銀行のノベルティグッズぽい聖フランチェスコ人形貯金箱が売られてました。鳩つきで。
それとここのお手洗いは素晴らしくキレーで超近代的でした。う~~む。
2008/11/02(日) 22:33 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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