美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。

館蔵品の光彩・後期展

先日の日曜美術館でも紹介された、西宮甲東園の頴川美術館の『館蔵名品の光彩』後期展に出かけた。前期展は初日に出かけた。感想はこちら
関西学院の通学路の、判りやすい場所にある。

ここは小さい静かな空間で、点数も少ない分、じっくりと対峙できる。古美術専門の美術館は小さいくらいの空間の方がいい。(尤も屏風展では困るだろうが)

平安から鎌倉期にかけての作で、唯一の阿弥陀曼荼羅がある。
わたしは仏画に詳しくないので説明を読んで感心するばかりだが、阿弥陀の曼荼羅図は他に作例がないそうだ。
円相の仏たちの間に間に蓮の花が咲いている。
これは二年半ぶりの再会

続いて牧谿の羅漢図。これは全体に薄い墨絵で、二人の羅漢と童子らしき者がいるが、経年のせいか元からなのか、薄すぎてよくわからない。

蓮図 式部 知らない絵師。室町の水墨画。大きな蓮葉を見下ろす嘴の鋭い小禽。鳥も花も種類がわからないので、何の鳥を描いているかは知らないが、いい感じの嘴。

春秋花鳥図 土佐光起 TVにも放映された屏風。右隻の春図では燕が飛び交う。柳に燕は浮世絵になると、粋な絵になるが、こうした大和絵だとまさに春風駘蕩そのものになる。
桜は山桜で葉が赤い。その赤い葉は花の後から描いたか、色の重なりが面白い。
桜の根元には小さい躑躅かサツキかが咲いている。熊笹と仲良し。
こうした木花はとても愛らしい。
左隻の秋図の笹は少ししなびている。こちらは楓の紅葉した木に綺麗な色合いの小禽たちが遊ぶ。松に楓の並びが金地に映えてとても綺麗。
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布袋・獅子・猫図 狩野探幽 三幅対でそれぞれに描かれている。
紅牡丹に麝香猫が眠り、白牡丹を背景に青い唐獅子。その花が獅子の髪飾りに見える。

業平東下り図 尾形光琳 先日まで東博で『大琳派展』が大盛況だったが、まだまだこうして光琳の名品がある。対幅で、右に業平御一行、左に灰色の富士山。
千年紀でこんなことを言うのもなんだが、わたしは光君より昔男の方が面白いのだった。
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寛文美人図 手に牡丹を持つ美人の立姿。元禄までのこうした風俗画には、なんとなくおっとりした空気がある。ときどき有元利夫の絵を見る内に、チェンバロなどの古楽器の音色が聴こえて来ることがあるが、この絵にもそうした音色が聴こえて来るような感じがある。彼女は向かって右を見ている。

その右には英一蝶の大原女図がある。
優雅な人の視線の先には働く母娘がいる。白い手ぬぐいを頭にかけているのがたぶん、母親。もう柴を頭に載せている。赤い手ぬぐいの娘は今から載せるところ。それを見る母親。

栗図 雲谷等益 平板な絵だが、ヘンに力強い。線も細いがどーんと栗とイガが来る。葉は青々。賛がある。詩かな。
錦里園中栗 猶勝月宮枝

鴨図 俵屋宗達 出たーというか、キターッという感じの宗達の鴨。飛び立とうとする一羽の鴨。宗達は鴨が好きだったのだろうか。鴨の宗達、常世の長鳴鳥は若冲。
それで思い出した。先般、えらいものをみた。炭屋さんか柊屋さんかどちらかの床の間に若冲の軸が掛かっているのだが、それが首を300度回転させてこっち見るトリだったのだ。
たのむ、こっち見んといてくれ。眼が合うのを想像するだけでわたしは逃げるで。

雁に枯蓮図 谷文晁 薄墨で描かれているので、それだけで寂しいようなところがある。こちらの鳥は着水寸前。ワイルドギースの性質を思い出した。

叺叺鳥 尾形乾山 一見したところお皿の見込みに描かれたように思うだろうが、そうではなく軸装された絵。ただし構図的にはやはり陶芸の絵風。静かな横顔の鳥。ところどころの羽や胸に白い色が見える。
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雨中桜五匹猿図 森狙仙 これは切手にもなった絵で、猿がもこもこ集まって遊ぶ図。雨でももこもこ集まると、寒くないかも?猿の絵が、丸顔の中華猿からニホンザルの絵に変わったのは、やっぱりこの「サルの」ソセンからかもしれない。

鯉鮒図 円山応挙 水中にうごめく大物。波の動きがわかるのは、尾びれの描写。写生主義の応挙は水に顔を入れて観察したのだろうか。

色々いいものを堪能した。12/7まで。次は春までお休み。
コメント
道中ご無事を祈りつつ
お世話になっております 今週末は東京行とのことで 良い御旅行となりますように
当方は逆行 本年最後の日帰り上洛に絡め 折角なので穎川さんに足のばしてみます
土佐さんの屏風に 寛文美人図あたり 楽しみにしてます
それでは ご自愛ご健筆を

おせっかい:式部さんて・・・この方ですか(逸伝画家?)
http://www.geocities.jp/qsshc/cpaint/nihon17.html
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/jart/mokuji/2sbtt002.html
2008/12/03(水) 20:13 | URL | TADDY K. #1xXJNkSU[ 編集]
☆TADDY K.さん こんばんは
入れ違いですね。こっちは秋の名残の美が満ち満ちてますよ。

式部の件、ありがとうございます。
なんとなくそれっぽいような気がします。
ちょっと不思議な感覚がありました。
どうぞご覧になってください。

そうそう、甲東園には関学があり、そこでは今蔵書票の展覧会がありますよ。
2008/12/03(水) 22:06 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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