美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。

聖徳太子伝の世界

今年はどういうわけか聖徳太子関係の展覧会も多い。
源氏物語千年紀の陰に隠れているが、もしかして何かあるのか。
・・・とりあえず行ける展覧会には行ってみる。
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京都の大谷大学博物館では『聖徳太子伝の世界』が開催されている。
春ごろには大阪市立美術館で『ゆかりの名宝展』が開催されていた。
こちらは聖徳太子絵伝の名品を河内三寺から集めていたが、たいへん興味深いものだった。
お客さんも善男善女が多かった。
叡福寺、勝軍寺などの寺宝のほか、四天王寺からも多くの名宝が来たが、丁度今、東博ミュージアムシアターで法隆寺に伝わっていた絵伝の上映会がある。
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大谷大学は東本願寺系の大学なので、親鸞聖人直筆の聖徳太子和賛などもある。
他に法隆寺金堂の仏像たちの光背に刻まれた文字の拓本など。
記紀や日本霊異記のほか、読み本系の伝記もある。
古代から人気が高かったことがよくわかる。
またそれら後世の模本や巻物も展示されていた。
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日本霊異記は国宝の興福寺本で、10世紀のもの。太子が片岡の飢者と遭うシーンなどが書かれているそうだが、当然ながらわたしでは読みこなせない。それにしても千年以上前の書は気の毒なくらい汚れていた。

京博本の日本書紀は国宝で、文字の並びを見るとやたらと「嫉妬」の字が並ぶ。わたしは古事記は好きで武田祐吉の注釈つきのを愛しているが、日本書紀はずっと以前に読んだきりなので、細かいところが思い出せない。

『釈日本紀』巻十がある。(日本書紀の注釈書)
字を拾っておく。
「八尋ノ白智鳥翔 棺中只葬衣裳」
遺体はなくなったようである。ヤマトタケル同様天翔ていったのか。尸解仙と化したのか。

先行本とその注釈書、それらが同時に並んでいるのも面白い展示だと思った。
『聖徳太子伝暦』と『太子伝聞林』、『首書標註聖徳太子伝暦』などなど。

軸物も来ていた。絵伝。今回は四天王寺や六角堂のものがある。
六角堂の絵伝には、他の絵伝には見られない「六角堂」の絵がある。(そやからこそ、ここの所蔵なんでしょうが)考えれば、現在の池坊さんは聖徳太子が立花したことから始まった流派だったのではないか。むろんお寺の創建も太子だが。
そしてこれは珍しくも横長の掛け軸だった。

四天王寺の絵伝では蛍光オレンジ色の狩衣を着た人物が太子らしく、アチコチに出没している。弟の来目王子を新羅へ派遣、勝鬘経講賛、木の下に座るほかいびとのような女を妻に迎える(膳手夫人)、黒駒懊悩、片岡での出会い、犬と鹿の前世の悪縁・・・・・・

他に狩野山楽が板戸に描いた絵伝もあったが、汚れすぎて剥落もひどかった。

チラシになった絵は叡福寺に伝わる、物部戦のときの肖像。桃山時代の作。
他に図書館入り口では讖書(シンショ=未来記、予言書)が展示されていた。実物を見るのは初めて。楠正成が読んだとかそんな伝承があるが、大抵は偽書であるらしい。
讖書と言えばすぐに思い出すのは諸星大二郎『諸怪志異』でのエピソード。
どちらにしろ予言書と言うのはあんまり世に出回らない方がいいでしょう・・・

わたしとしてはなかなか面白い内容だったが、観客は他に二人ばかり。研究者らしきオジサンだけだった。学生は・・・まぁ見ませんわな。
わたしはただのヤジウマ・・・。
11/29まで。場所は京都市営地下鉄・北大路駅前すぐ。



コメント
思い出した思い出した。
あのノストラダムスの五島勉が、聖徳太子の
未来記をとりあげて「世紀末の予言書」だとする本を書いていたのを。
この人にかかるとダニエル書からなにからみん
な予言書になってしまう!
トンデモ本の世界!
そんなことより、遊行さんレオナールフジタの
チケットとか、埼玉県立近代の現代建築のチケットとか、もう行かれたのは存じてますが、
再訪問されるなら丸紅コレクションとか用意
できます。
聖徳太子また思い出した、仏教経典をどうにか
したんですよね?
2008/11/21(金) 23:47 | URL | oki #-[ 編集]
☆okiさん こんばんは
okiさんも実に色んな本をご存知ですね。
わたしはその本も著者も知りません。
フジタ、嬉しいです。

物部が神道を立てていて、蘇我氏とその血統を享けた太子とが、新興の仏教を擁護したことからの戦争ですが、どちらにしろ権力闘争ですからねえ。
ただ古代仏教界の三大スーパースターと言えばやはり、聖徳太子、行基菩薩、空海ですね。みんなありえないような事績を残してます。
2008/11/22(土) 22:19 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
あと来年の話になりますが、目黒雅叙園
平山郁夫展at百段階段、なんてチケットも
あります。
遊行さん、雅叙園懐かしいでしょ。
2008/11/22(土) 22:21 | URL | oki #-[ 編集]
☆okiさん こんばんは
雅叙園はわたしにとって「竜宮城」でしたよ、ほんとに。
百段階段もすばらしかった・・・
わたしの日本画観賞修行は、山種と雅叙園でしたからね。行きたいものです。
2008/11/23(日) 23:13 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
遊行七恵さん、こんばんは
この展覧会の開催中、記念講演として“井波別院瑞泉寺伝会の絵解き”が行われましたが、その様子がYouTubeの大谷大学のチャンネルで公開されています。
今さらですが、紹介記事を書きました。
こちらにTBさせていただこうとしたのですが、上手く行かなかったので、URL欄に入れさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。
それにしても観客が数人で学生がいないというのは、仕方はないとは思いますが、寂しいですね。(苦笑)
2009/01/26(月) 23:50 | URL | lapis #e8.b9ePc[ 編集]
☆lapisさん こんにちは
おかげで楽しませていただきました。
わたしはけっこう大谷大が好きなので、興味深く拝見しました。
絵解きも好きです。
絵解き、のぞきからくり、オバケ屋敷、と好きなものは殆どが前世紀の遺物なんですが、楽しくて仕方ないです。
きょうらの学生は、自分ちの知的財産に無関心なんでしょうね。
勿体無いからこそ、一般公開に進むわけでしょうね。
2009/01/27(火) 12:36 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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