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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

『カリガリ博士』を楽しむ

ちょうど90年前の20世紀初頭のドイツで『カリガリ博士』という大傑作映画が誕生した。
中学くらいの頃から見たいと思っていたが、曲がりなりにも映像で見ることが出来たのは、20余年前の春だった。VTRを借りて50分ほどの映像を眺めた。
ひどくハマッた。
元々ドイツ製のものは何でもかんでも好きなので、ますます惹かれた。
これはその時代のドイツ表現主義の傑作であると同時に、第一次大戦後のドイツ経済破綻と世相の暗さとを感じさせる作品で、ラストシーンも当局の干渉を避けるために狂人の妄想と言う態にしたが、本当は違うらしい。
しかし政治的な意味合いを知らずとも、十分に楽しめる作品である。
同時代の鑑賞者の大半も随分ハマッた人が多かったとみえ、今に残る評論やイラストがいくつもある。
たとえば映画監督・溝口健二はそのドイツ表現主義という様式に深く影響され、1923年には『血と霊』という作品を撮った。(フィルムは失われているが、いくつかスティールが残っている)
竹久夢二は絵が描けるので、概要をイラストとして残し、折口信夫も相当好きだったことが伺える。
そのカリガリ博士がyoutubeに音楽つきで51分間丸侭挙げられているのをみつけた。
(原本は無声映画)
たいへん驚いた。わたしはDVDソフトを買うか買わずかでとても逡巡していたのに。
とにかくここ最近、黙ってジィッと映像を見続けるということが苦痛になっていたので、今この文章を書きながら同時に映像を見ている。
二つの事柄を同時進行しながらでないと、イライラするので、こうしてyoutubeに挙がってくれたことが嬉しくてならない。
ご覧になる方はこちらへどうぞ。


わたしは『カリガリ博士』、『巨人ゴーレム』、『ノスフェラトゥ』といった大昔のホラー映画が大好きなのだ。
ただしドラキュラ伯爵は今も活躍中のクリストファー・リー氏のがあまりに怖すぎて、長い間トラウマになっていた。(もう一昔前のルゴシのは見ていない)
今なら見れるような気もする。
なにしろ今ではクリストファー・リーは『STARWARS』のドゥークー伯爵だったり、チョコラティエのウィリー・ウォンカさんの父上だったりするのだから。

それはさておいて、元のカリガリ博士に話を戻すと、他にもこの物語に影響を受けた作品が今もいくつかある。
中井英夫はカリガリ博士の傀儡たるツェザーレをモデルにした『セザールの悪夢』を書いた。
挿絵は建石修志で、幻想的な雰囲気の濃い、作品とマッチした絵を描いている。
マンガ家・中島一恵は『ツェザーレ』で、物語を背景にした共同幻想を描いている。
どちらもひどく好きな作品だ。

見終わった今、やっぱり好きだと感じている。
今度は『ノスフェラトゥ』を見よう。あれは上映会の最中、「キャッ」と声をあげてしまったことがある。(ヘルツォークのリメイクではなくオリジナル版の方)
今度はたぶん・・・大丈夫だと信じて。

1/21?1/25不在のため、記事は全て予約投稿です。お返事などは全て後日になります。申し訳ありません。
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コメント
おおっ、これは字幕が英語で、オーケストラによる音楽付きなのですね。
やたらと盛り上がる音楽、いいなー。
次の週末にでもじっくり見ます。わーい、わーい。
オリジナルのドイツ語字幕は
その使われている活字からして表現主義していて、
雰囲気たっぷりで、それはそれで良いんですけどねー。
2009/01/26(月) 00:20 | URL | 菊花 #sw/O2jfA[ 編集]
☆菊花さん こんにちは
ドイツ語字幕の、あれも見ましたが、不思議なことに勝手に音楽を感じたりしてました。
なんでかなぁ?幻聴なんですけどね。
>やたらと盛り上がる音楽
『巨人ゴーレム』にはどっかのロックバンドが音つけてる版がありました。かっこよかった・・・
むかしむかし『メトロポリス』はクィーンが音つけてましたね。

こういう雰囲気の映画をもっと観たいですよ
2009/01/26(月) 12:41 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
遅ればせながら・・・・・
ワタクシ、こちらで「ノスフェラトゥ」は何度かテレビでみました。
(地元ドイツの放送がはいる強みですね、、ワタクシはスイス在ですが)
やはりラストシーンが好きですね。
シーツの上に伸びていく鉤爪の影と雄鶏のシーン。
「カリガリ博士」は何故かやりません。
気がつかないだけなのかな。残念ながら未見です。

そ、ハマープロのリー・ドラキュラは良かった(遠い目)
何せ最近は昼間も外にでるんですから、吸血鬼。
もう「怪奇と幻想」が大好きなワタクシは怒の一文字です。
2009/02/04(水) 00:05 | URL | OZ #-[ 編集]
☆OZさん こんにちは
>「ノスフェラトゥ」は何度かテレビでみました
ううう、うらやましい。
ルツェルンと言えば僧院なども素敵な佇まいですよね。
その古都で怪奇映画をTVで観る・・・かっこいいです。
棺桶かついで走る主従が怖かったです。
>シーツの上に伸びていく鉤爪の影
見どころの多い映画です。
「カリガリ」はやはり政治的意図が強すぎるとかR15なのかなあ。
>リー・ドラキュラは良かった(遠い目)
トラウマになるほど怖かったのですが、今となっては「なにもかもすべてが懐かしい」
好きですよ~
2009/02/04(水) 10:07 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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