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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

京都御所ゆかりの至宝 蘇る宮廷文化の美 2

絵画の見事さもさることながら、むしろ工芸品の技の深さに感銘を受けることが多い。

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住吉蒔絵机 1基 桃山時代 16世紀 京都・仁和寺
日月蒔絵硯箱 1合 桃山時代 16世紀 京都・仁和寺
どちらも本当に見事な出来栄え。住吉は太鼓橋、松、社の三つが揃っていればそれで住吉だと言う約束なので、定まっている分だけ、技能がはっきり見えたりする。太鼓橋の反り具合の見事さ、本当によかった。
図では蓋表に日、裏に月というのが見えるが、展示では裏の月は見えなかった。日は金、月は銀という決まりも思えば優美なものだ。そして日月は太閤を、中の竜は後陽成天皇を示しているのだった。

桐竹鏡 1面 桃山時代 天正二十年(1592)
こちらは面白いことに真ん中の持ち手というか摘まみ部分が亀になっていて、可愛く出来ている。思えばよくあるようなだが、案外ない意匠だった。

さて少し時代が下がり、後水尾天皇が現れる。家光の妹・東福門院と結婚した帝。
妻はその時代のファッションリーダー、夫はカルチャーの担い手。
今ならイケてるカップルなのだが、政治的状況から色々複雑な思惑があったでしょうね。

後水尾天皇宸翰覚書 1巻 江戸時代 承応三年(1654) 京都国立博物館
これは自分が拵えた修学院に行きたいということを大老酒井に訴えた手紙。せつせつと書かれている。随分長文でもある。1/10?2/1まで展示。

寛永年間はこれまであんまり興味がなかったが、近年ようやくそちらにも目が行くようになったので、今回の展覧会は本当にありがたい。

池坊専好立花図 附寛永六年紫宸殿立花御会席割指図 1帖・1巻 江戸時代 京都・頂法寺 /立花図屏風 6曲1双 江戸時代 17世紀 東京国立博物館 右隻:1/10?2/1
言えば座席指定図。これは後に出てくる聖賢図の間での席。それと池坊専好のいた時代だと言うことを、はっきりと知らされるような、立花図が18枚。一本中心の花を決めて、周囲に他の緑花を集める。そのスタイルが貫かれている。

修学院離宮中御茶屋客殿 釘隠
 (1)七宝花車形釘隠 (2)七宝笹竹形釘隠 2枚 江戸時代 延宝五年(1677) 宮内庁京都事務所
これが実に可愛くて可愛くて。釘隠し、引き手への偏愛は、後水尾天皇の時代で頂点に来たのではないか、と思った。
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金梨地鳩紋蒔絵糸巻太刀 (中身)太刀 銘幡枝八幡宮藤原国広造 1口 拵:江戸時代 17世紀/中身:桃山時代 慶長四年(1599) 京都・幡枝八幡宮
鳩のマークが可愛い。片身に五羽。鳩はここの神紋。そういえば鎌倉の鶴岡八幡宮も鳩か。・・・もしかして、八幡は鳩がゆかりの動物なのだろうか。

葵紋蒔絵中棗 1合 江戸時代 17世紀 京都・川端道喜
文琳茶入 1口 中国・明時代 14世紀 京都・川端道喜
どちらも粽屋さんの川端道喜のお店に伝わっている。東福門院がここの四代目を可愛がり、多くの下賜品があるそうな。

後西天皇像 1幅 江戸時代 17世紀 京都・泉涌寺
後水尾天皇の息子で、御所に伝わる多くの文化財のコピーを作らせた帝。焼失の危険を考えてのことらしいが、おかげで多くの文化財が完全に消失しなくてすんだそうだ。
この肖像画は表情や肌艶などがちょっとリアルな感じがした。

青磁鳳凰耳花生 銘万声 1口 中国・南宋時代 13世紀 和泉市久保惣記念美術館
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これは以前から見知った国宝で、口のところに一ヶ所だけ茶色い飛びが見える。
素晴らしい名品、今も久保惣のサイトで目玉として現れる。(2/8まで)
青磁鳳凰耳花生 銘千声 1口 中国・南宋時代 13世紀 陽明文庫
どらちも後西天皇の命名。家光―東福門院―後西天皇―近衛家煕という流れ。
家煕の侍医・山科道安はこの花生を「至極ナリ」と書き残している。
この対の花生けは砧青磁の究極の美と言うてもいいように思う。

扇散蒔絵櫛箱 1合 江戸時代 17-18世紀 京都・下御霊神社
これは本当に可愛くて可愛くて仕方ない。こんもりした形に、大きめの扇図が所狭しと描かれている。こんもりしているから、いよいよ可愛い。

2章 桂宮家と桂離宮(3室)
うっかりしていた。桂離宮にも行ったのに。
ここは月の名所なので、それに関わる造形も多い。

青磁楼閣人物文杓立 1口 中国・明時代 15-16世紀 宮内庁京都事務所
これは面白い造形で、こんなのは他に見たことがない。杓立の筒胴のまんなかに楼閣を現出させている。まるで蜃気楼のようだ。

桂離宮 引手・釘隠
 (1)四稜花形七宝花文引手
 (2)木瓜形七宝四弁花文引手
 (3)折松葉形引手
 (4)花手桶形引手
 (5)月字形引手
 (6)水仙形釘隠 6組9枚 江戸時代
(1) (2)寛永十八年(1641)頃(3)?(6)寛文三年(1663)頃 宮内庁京都事務所
どれもこれも可愛くて仕方ない。やや大振り。時々こうしたものを他のミュージアムで見かけることがある。それで誘惑されてしまうのだった。
cam042-2.jpg 月の字が見事に活きている。

源氏物語図屏風 狩野探幽筆 6曲1双 江戸時代 寛永十九年(1642) 宮内庁三の丸尚蔵館 右隻:1/10-2/1
紅葉賀などが見える。光君の華々しい前半生のシーンばかりが選ばれている。
左隻:2/3-2/22 ということだが、こちらには彼の後半生の苦さが選ばれているのかもしれない。

明日が完結編になるか?
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