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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

京都御所ゆかりの至宝 蘇る宮廷文化の美 3

今でこそ皇室は神道と言うことだが、かつては仏教徒だった。魅力的な仏画がいくつかあった。

3章 宮廷と仏教
風天・水天像 十二天像のうち 2幅 平安時代 大治二年(1127) 京都国立博物館 水天:1/10?2/1/風天:2/3?2/22
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前々から見たことがあるはずだが、改めてこの場で見ると、なんとも優美なお顔だと思う。美麗な仏画。本当に綺麗。

孔雀明王像 1幅 鎌倉時代 13世紀 京都・智積院 1/10-2/1
手足が赤みを帯びている。それは全部が朱色に染まったというのではなく、白い手足が悴むか何かで赤くなった、そんな雰囲気。そしてきりっとした顔をこちらに向けている。
一方明王を載せている孔雀はきょとんと丸い目をむいていて、それが可愛い。

高倉天皇宸翰消息 1幅 平安時代 治承二年(1178) 京都・仁和寺 1/10-2/1
この書かれた年代が問題。これは天皇が、兄の仁和寺の守確法親王に向けて、「無事男児が授かりました」と言う内容なのだ。つまり徳子が安徳帝を生んだことを書いている。
その安徳帝の外祖父に当たる平清盛の出生の秘密を記した資料も展示されている。

舎利相承記 1巻 鎌倉時代 文永元年(1264) 滋賀・胡宮神社
これは中国・育王寺などから仏舎利2000粒を贈られ、それを相承した来歴を記す書きもので、系図でもある。
白河院が寵愛の祇園女御とその妹にも譲り、それが清盛に伝わるようだが、白河院と女御の妹との間に線が引かれ、そこに清盛が子として記されている。懐妊という意味らしき文字が記されていた。(懐は女篇)
これが清盛が院のご落胤だと言う証拠の資料だという話である。

普賢菩薩騎象像 1躯 平安?鎌倉時代 12世紀 京都・妙法院
ゾウは黒くなって白象ではなく黒象に見える。細身の佛。後白河院が自らの墓所の安置佛に選んだという伝がある。閉じた瞼や顔立ちが石川さゆり風に見えた。

旧御所黒戸所用仏具 一具のうち
 (1)大壇 (2)厨子入舎利宝塔 (3)菊灯台 3種6基 江戸時代 19世紀 京都・水薬師寺
大壇には獅子が飾られていて、くりくりして愛らしい。蓮弁も綺麗。菊の雪洞。灯台と言うより雪洞の大きいもの風。

唐幡 (1)御簾に菊花文様唐幡 (2)海浦春景文様唐幡 2旒 江戸時代 19世紀 奈良・中宮寺
菊花はオレンジ地、海景は紫地で、見事な刺繍が施されている。
中宮寺には学生時代以来一度も再訪していない。今年は是非出かけよう。

4章 宮廷の装束
ずらずら並んでいる。立派なものばかりだが、あんまり関心がわかず、一通りしか見ていない。しかし一枚だけたいへん興味深いものがあった。

礼服 東山天皇御料 1具 江戸時代 17世紀 御物 1/10?2/1
最礼服ということだが、刺繍された動物たちの可愛らしさに惹かれた。
虎、猿、四足の竜、かれらが規律正しく行進している。
そんな図柄の刺繍が可愛くて、威儀もなにも飛んで、可愛い動物アップリケのついたスモックに見えて仕方ないのだった。

冕冠 孝明天皇御料 1頭 江戸時代 19世紀 御物 1/10?2/1
これはベンカンと読むらしい。礼服と共に用いる冠。玉や水晶や金のきらめきで綴られた冠。一世一代の冠だそうだ。

5章 御所の工芸
普通釜と言えば千家十職の大西家を思い出すが、これは千家の茶の湯用の釜ではなく、御所御用達の釜だからか、飯田助左衛門の手によるものが集められている。
八景図八角釜、銅唐草文水指、銅七宝繋文建水、銅流水文蓋置、銅唐草文杓立
全て17-18世紀に拵えられたもの。

6章 紫宸殿の荘厳?賢聖障子絵?
これは京博の中でも中央室と呼ばれる特別な空間に設置されていた。
永徳展ではここに上杉本洛中洛外図が、STAR WARS展では実物大のポッドが展示されていた。
そこに実物とまた別な縮図とがある。賢聖とは中国の賢い忠臣のこと。
左右から肖像が並ぶだが、真ん中に獅子VS狛犬が鎮座している。
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表情がとぼけている。cam044-1.jpg
賢聖障子絵 狩野孝信筆 20面 桃山時代 慶長十九年(1614) 京都・仁和寺
こちらは名前はなく、一枚の襖に二人ずつ描かれた人々が、ずらずらと並んでいる。
探幽筆賢聖障子絵縮図 小方守房筆 1枚 江戸時代 17?18世紀 福岡県立美術館
探幽の縮図帳はこれまでにも多く見てきたし、どうもこの分も記憶にある。
蕭何、張良といった前漢の功臣に始まり、菅仲、諸葛亮、太公望、それに魏徴、李勣ら唐初の功臣、書家の虞世南、蘇武、楊雄、董仲舒、叔孫通まで。けっこう時代もなにも適当な並べ方をしているな。尤も誰もこの時代の人々を、異国の者たるニホンジンは見てへんのだった。

7章 御所をかざった障壁画
京都御所の障壁画展で見たかと思ったが、そうではない。

牡丹麝香猫図襖 伝狩野永徳筆 4面 天正十四年(1586) 京都・南禅寺 1/10?2/1
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半券にも使われたが、にゃあっとしてとても可愛い。
右ののファミリーも左の親子もそれぞれ個性的で、いい感じ。
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枇杷雉子図襖 伝狩野永徳筆 4面 桃山時代 天正十四年(1586) 京都・南禅寺 1/10?2/1
丸い枇杷がよく生っている。足元には白百合が咲く。
群鶴図襖 伝狩野永徳筆 4面 桃山時代 天正十四年(1586) 京都・南禅寺 1/10?2/1
亀も泳いでいる。鶴のカップルはオスの首が黒く、小振りなメスは全て白く描かれている。

牡丹図襖 狩野孝信筆 4面 桃山時代 慶長十八年(1613) 京都・仁和寺
大きな牡丹がいっぱい咲き乱れている。 金型雲が大きく描かれている。珍しい。
唐人物図屏風 狩野孝信筆 2曲1隻 桃山時代 慶長十八年(1613) 京都・仁和寺
孔雀とオジさんたち。蒙古スタイルの少年もいる。
どうもアジアでは孔雀はオジさんと一緒のスタイルらしい。西欧ではオリエントな美女が一緒にいるものだ。

住吉社頭図襖・壁貼付 狩野派 5面 江戸時代 元和六年(1620) 京都国立博物館
これは普段は新館二階の特別室にしつらえられている襖絵。歳末・旦の頃を描いている。
物売り、胸からかけた箱で見せる人形芝居などもいて、人々で賑わう情景。

浜松図襖 狩野派 3面 江戸時代 元和六年(1620) 京都・青蓮院
松と貝殻が溢れかえるように描かれている。てっきり剥落かと思いきや、それが貝殻だった。思えば寺社には殆ど行かないので、どんな襖絵があるかもよく知らないのだ。

長谷寺春景図襖 狩野敦信筆 4面 江戸時代 延宝五年(1677) 宮内庁京都事務所
牡丹の長谷寺だが、ここでは満開の桜に埋もれる情景が描かれている。舞台から桜を眺める人々。この引き手は尾長で、くるんと丸く巻いている。

厳島図襖 狩野洞春筆 3面 江戸時代 宝永六年(1709) 京都・光明寺
昨秋、厳島にやっと出かけたので、この絵を見ると嬉しくて仕方ない。船で行き交う人々。また行きたくなってきた。特に何がどうということもないのだが・・・。

8章 御所の障屏画
こちらは 見たことがあるものが多かった。
荒海障子 土佐光清筆 2面 江戸時代 安政二年(1855) 宮内庁京都事務所
浮世絵師・国芳えがくところの「手長・足長」がいる様子が、土佐派の絵でここにある。
山海経は妖怪本として人気があったのだろうか。

清涼殿 名所図襖 安政二年(1855)
このシリーズが来ていた。前後期交代で出ている。すべて土佐派の手による。
辰市図襖 土佐光清筆 2面 江戸時代 宮内庁京都事務所 1/10?2/1
奈良県添上郡に立った市の様子。正月明けか、ぶりぶりを持つ子もいた。
宮城野図襖 土佐光文筆 2面 江戸時代 宮内庁京都事務所 1/10?2/1
銘菓「萩の月」の本場だけに萩が咲き乱れている。

琴棋書画図屏風 山本素軒筆 6曲1双 江戸時代 17-18世紀 宮内庁京都事務所
若き日の光琳の師匠。のんびりした時間の流れる絵。中には眠る子もいる。
金ぴか絵を多く見てきたが、これで終りになる。
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2/3からは後期が始まるので、それもちょっと楽しみにしている。
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