美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

大観と武山/樺島勝一

「大観と武山」展を見に、野間記念館に行った。
無論これがメインではあるが、併設展「誌上の光彩」シリーズの「樺島勝一」を見るのも目的だ。
先に大観と武山から。
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木村武山も大観らの後について五浦で制作に励んだ同志なのだが、大観、春草、観山らに比べると知名度が低い。作品もあまり表に出ない。
有名どころでは、茨城県立美術館所蔵の「熊野」と「阿房劫火」がある。

野間の所蔵品には他ではなかなか見られない画家の作品も多いので、嬉しい。

武山 慈母観音  チラシ右。狩野芳崖の「悲母観音」と共通するところが多い。
この絵に限らず、武山の色調はわりに明るく澄んでいる。
その点で、百年前の作品に見えないときがある。修復した後の絵に見えるのだ。

大観 夜梅  日中の梅より夜の梅の方が魅力が深い。以前から好きな絵だが、改めて対峙すると、梅の香が漂ってきそうである。

春雨、月明  この辺りの作品は小杉放菴との付き合いがあったからこその作品だと感じる。穏やかな和やかさを感じて、好きな二枚。

大観 千代田城  この角度での「千代田城」はそれこそ勝海舟が江戸城明け渡しのあと、振り向いたときに眼に映るそれ、のように思える。
描かれたのは1926年。江戸城明け渡しからたった60年後なのだ。

武山 神武天皇  神武天皇東征伝説。彼の持つ長い棒?の先にはヤタガラスではなく、何か猛禽がいる。去年五月以来の再会。
こちらは彩色も静かで薄い。

武山 鴻門の樊噲  「項羽と劉邦」のエピソードでも特に面白いものの一つ。
この絵は濃い目の彩色で、ドキドキする雰囲気がある。絹本着色だが、これは雑誌「キング」のための口絵なのだ。だから色もやや濃く描いている。
商業芸術には、やはりそそるものがないとアカンのだ。
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誌上の光彩シリーズは今回、樺島勝一を選んでいる。
昨秋には弥生美術館で回顧展もあった。
あのときはわりに「正チャン」もあったが、今回はスーパーリアリズム作品のみ。
それは正チャンは朝日新聞で連載、講談社系ではリアリズム作品を描いていたから。
「敵中横断三百里」「浮かぶ飛行艇」「吼える密林」「太平洋魔城」などが各10点以上出ていた。実に嬉しくて仕方ない。

そして本郷義昭の活躍する「大東の鉄人」と「亜細亜の曙」があった!
挿絵原画を前にして、心の中で「きゃ??本郷さん??黄子満??」と叫びましたね。
惜しむらくは「日東の剣侠児」がないこと。
「亜細亜の曙」についてはこちらになかなか興味深いサイトがあった。
原画をフジョシ的マナザシで凝視する。
「亜細亜の曙」では印度の王子ルイカールが可愛いのと、身体検査させられる本郷さんの鍛え上げられた肉体にドキドキなのだった。
そのシーンの山中峯太郎の文もいい。
「後ろに立っている小水兵が裸になった本郷を見上げると、「ホーッ」驚いて口を尖らせた」
うーん、すてきすてき。
複葉機が飛び交う空など、見るだけでわくわくするシーンが多い。
戦争はイヤだが、戦前のこうした冒険小説は理屈抜きに大好きなのだ。

かなり楽しんで眺めて廻った。まったくいつ来ても野間はいい。5/17まで。


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コメント
樺島勝一
私は、昨日、出かけてきました。
しだれ桜が見事でした。
樺島勝一、遊行さんだったら、ワォーと叫ぶなと
思いながら見ていましたら、案の定。
2009/03/30(月) 05:34 | URL | 一村雨 #-[ 編集]
No title
樺島勝一の展示が、雑誌のページを開いて原画と比較できるように置かれていたので、シッカリと楽しめました。
当時の雑誌の紙質がもう少し良ければ・・・というのはヨクバリ過ぎですね。
2009/03/30(月) 08:29 | URL | とら #8WYMted2[ 編集]
☆一村雨さん こんにちは
枝垂桜も楽しめるとは、羨ましい限りです。
(関西はまだそんなに咲いてません)
樺島は楽しめました。凄いですよね。
やっぱりドキドキは必須です♪


☆とらさん こんにちは
昔の少年向け冒険小説は、どうしてあんなにわくわくするんでしょう。
あの絵が独学だと言うことも凄いです。
ああ、わたしはやっぱりこの世界が好きやなぁ、と実感です。
弥生から野間・永青は我が道です~
2009/03/30(月) 12:36 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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