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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

「春に笑む」「花のかんばせ」「茶の湯の世界」

関西の古美術系美術館では、現在ある企画が始まっている。
それは国立民族学博物館(みんぱく)の特別展「千家十職xみんぱく」と連携してのことで、「茶の湯の世界」という関連企画である。
参加ミュージアムは26ある。共通チラシの裏には26の参加施設の資料と優待券などが書かれている。
3/12から6/2の期間に、この優待券が嬉しい働きをしてくれる。(中には6/30期限もある)
なお展覧会自体は「茶の湯の世界」を標榜しつつ、入れ替わることもある。
わたしは26のうち、14館廻ろうと予定している。
既に見てきた展覧会についていくつか書く。

「春に笑む」茶道資料館。(すでに終了)
裏千家のこの資料館にはいつもいつもお世話になっている。いいものを見せてもらえて、一度たりとも不満を感じたことはない。
立礼式でお茶までいただけるのだから、本当にありがたいところだ。
この日は「鼓月」の長命寺風桜餅だった。

清水春雨図 森一鳳 「儲かる一方」と呼ばれ人気のあった幕末から明治初の大坂の絵師。
淡彩で、人のいない清水の舞台と白々と咲く桜とを描いている。なんとも言えず静かで心が和ぐ風景がそこにある。

桃香合 宗旦好み・飛来一閑  黒い桃。桃の実物は丸いもので、洋画でも日本画でも描くときは丸く描かれるものだが、工芸品になると、不思議にどこかを尖らせたり細くさせたりする。丸くない桃なのだが、それでもやっぱり工芸品だと「桃」だと納得する。
一閑張りで黒いものだが、それでもやっぱり「桃」だった。

赤樂都鳥香合 樂了入  ちょっと見たら都鳥サブレのような形に見えた。(そんなお菓子あるのかないのかは知らないが) こういうのがまた可愛くて嬉しいのだ。

花鳥画賛 松村景文  芙蓉に似た花に小禽が休む。可愛いけれど、どうも賛がよくない。全文を理解したわけではないが、なんとなく暗いことを書いている。絵の可愛さと反するものだが、どちらが主なのかによって、解釈も異なるかもしれない。

百千鳥蒔絵平棗 圓能斎  セスナ機のような千鳥の連隊。可愛い。こういうグラフィックもいいと思う。明治から大正の作家だけに、どことなくモダン。

螺鈿梅花盆  これはいつの時代のどこの国のものか説明がないが、なんとなく明朝のものに思える。夜の梅。下弦の月は二日月。白梅の匂いが漂うような美しさがある。

茶道資料館・樂美術館・北村美術館・白沙村荘は以前から四館連携で地図を発行している。
それぞれの館から次の館へ行く道のりの濃やかな説明のおかげで、いつも助けられている。
そういうわけで、次は樂美術館。

「花のかんばせ」樂美術館。(既に終了)
リストがないのが惜しい。樂歴代の作家の「花」を描いた茶碗などを集めている。
春らしい、いい企画。

弘入 椿文蓋物  乾山写しのもので、本歌は「あいおい損保」の所蔵などで見た。色を違えてあるので別バージョンのものに見え、それはそれで可愛いし、やっぱり使ってみたくなる。

道入 黒樂「早梅」  ノンコウらしい良さを感じる逸品。薄さのために口べりが波打っている。それすらが愛しい。

覚入 赤樂「華」  昭和45年の勅題に因んでの作陶。高台が花形に刳られている。こういうところのオシャレさが素敵だ。

二階に上がる階段の際に花が生けられていた。無論のこと、樂のいいのに活けられている。
わたしは花の名前に弱いので、花を見ていたご年配の女の方に尋ねると、「サンシュユ」ということだった。実物の花と名前とが合致しないが、咄嗟に「茱茰」という字が浮かんだ。
「こんな字でしたか」と書いてみせると、褒められた。ちょっと嬉しい。
とは言え、字を知らなくても花本体を知っている方がいいのかもしれない。
黄色い愛らしい花だった。

京都で見た二つの「茶の湯の世界」だった。
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コメント
No title
「山茱萸」と漢字で書いてあると、「サンシュユ」なのか「ヤマグミ」なのか
迷ってしまいますよね。 牧野先生命名の「春黄金花(ハルコガネバナ)」
という別名も今の時期には相応しいかもしれませんが、やはり秋になる
赤い実の薬効がより注目されて「サンシュユ」と呼ばれてしまうのでしょう。
2009/04/03(金) 00:59 | URL | 山桜 #-[ 編集]
お待ちしておりました
☆山桜さん こんにちは
花のことを書いた時点で、山桜さんからのご教示とか期待してました(^^b)
色々調べましたら、漢方としてもいい植物のようですね。
可愛い黄色いお花でした。

秋には赤い実がつくのですか。いい感じですね。
2009/04/03(金) 12:45 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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