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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

桃山・江戸の絵画 大和文華館の春

大和文華館は春になると、日本の絵画を展示する。
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それは無論、この美術館が所蔵する日本の絵画作品に、優品が揃っているから出来ることなのだが、「春」と言う季節がそれを望んでいるような気がする。
一つの小山全体が、美術館の建物と庭園で占められている。
四季という大雑把な分け方ではなく、もっと細密な(そして輪唱するかのような)季節の区分がある。花の咲く時期は輻輳するものではなく、徐々に広がり行くものだと悟らされる里山の風景。
それを味わいつつ、建物の中で「桃山・江戸の絵画」を楽しむ。

松浦屏風、阿国歌舞伎草紙、長春の美人画、中村内蔵助像・・・・・・
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これら慣れ親しんだ美しい絵に再会するのも、春の喜びの一つだ。

扇面貼交手筥 この箱の普段は見られない部位まで眺めたのは、東博での「大琳派」展だった。 
隠し処を見てしまったような、微かな後ろめたさまで感じてしまうほどの、悦び。


昨春の展覧会でも感銘を受けた、初期洋風画の「婦人弾琴図」、富士額の美人が上畳に坐す図など、再会したかった絵もここにあった。

所蔵品を楽しませてくれる美術館である以上、同じ作品が多く現れるのも当然で、そしてそれを享受したいがために、何度でもそこへ行くのだ。

その一方、初見の絵もある。
渡辺始興 芭蕉竹に仔犬屏風  こんな可愛いわんこを始興も描いていたのか。
右隻 白いわんこがいる。丸くて三角な目をしたわんこ。そのわんこに呼びかける同じ年頃のわんこたち。こちらは黒、茶、白の三匹。後ろを向いて短い尻尾を見せるのが黒。
左隻 離れていた白いわんこが仲間の声で、そちらへ寄る。集まるわんこたち。
縄張りのための会議ではなく、遊ぶための寄り合いなのだった。
あまりに可愛くて、撫でてみたくて仕方なくなった。

石川大浪 西洋婦人像  先般、神戸市立博物館で石川大浪の展覧会があったが、そのチラシを見るまで全く知らなかった絵師。テーブルに花?らしきものと青布の掛かった籠がある。そこだけは淡彩が施されているが、それに凭れる女は墨絵。細い線で描かれている。
なんとなく河野通勢を思うような構図と線描だった。

こうして今年の春も、大和文華館の美しい作品を味わえたのだった。

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コメント
大和文華館の春
一昨年の春、「松浦屏風」を見たくて、ここを訪れた時のことを思い出しています。2年経つと大分忘れていましたが、この記事と自分の2年前の記事↓で、かなり記憶がよみがえってきました。
http://cardiacsurgery.hp.infoseek.co.jp/JA071.htm#070411b
2009/04/20(月) 12:59 | URL | とら #8WYMted2[ 編集]
☆とらさん こんばんは

また奈良においでください。
爛漫の頃はそれこそ「万葉の春」を実感できますし、早春の頃は「廃都」を楽しめます。
大和文華館の所蔵品は、やはりいつ見てもよいです。
「松浦屏風」もその時々によって違うものを見つけたり出来、楽しいですね。
2009/04/20(月) 21:23 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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