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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

大阪所縁の日本画家

京都市立芸術大学芸術資料館から大阪に所縁のある日本画家の作品だけ集めた展覧会が、今日から天6の住まいのミュージアムで始まった。
今日は大雨だとわかっていたので遠出はやめて、大阪市内のみ動くことにして、市営地下鉄1日券を買い、使い倒した。5つのミュージアムで6つの展覧会を見たのだから、わたしは実によくこのチケットを使ったなー、と我ながらカンシンした。(感心か寒心かは別問題ですな)

東京の藝大は今やなかなか人気のミュージアムになったが、京都のそれは一般公開してるかどうかすら知らない。しかし大学側が卒業制作を所蔵しているのは、東西変わらず。
そのコレクションは時々外部で展覧される。
実際’90年に大丸で「近代日本画の誕生と歩み」展を見ている。
・・・もしかすると、それ以来の展覧会かもしれない。
cam185.jpg

まずは師範の谷口香嶠の絵手本が並ぶ。
柿、桔梗、秋海棠などが続く。生徒へのお手本とは言え、元がよくないとダメだから、やはりいい絵である。
墨絵でオモダカを描いたものもある。この植物の実物は知らないが、役者の屋号と紋で形を見覚えている。
没骨法で描いた鹿。こう見るといろんな技法がある。鶩雛(あひるの子)ボクスウと読むのかブスウと読むのか知らないが、アヒルの子である。花びらに埋まった水面を行く。なかなか可愛い。

師範で言うと他に菊池芳文の絵も並んでいた。
桜の絵が多い画家だが、珍しいものを見た。ナマズである。それに鴛鴦、雉がやや濃い色合いで描かれている。画家本人は薄い色調の人だから、生徒のために濃い色遣いをしてみせたのかもしれない。

チラシになったのは、村上華岳の羆。可愛い。こんなクマさんと森の中で出遭ったら、ちょっと逃げ出すけどね。テテが可愛い。爪がにゅっとしている。
数年前京都市美術館で、画家たちの動物園と言う展覧会があったが、栖鳳らは生徒たちを近所の京都市恩賜動物園に写生に行かせることが多多あったそうだ。
ハーゲンベック・サーカスといい、動物園といい、明治以降日本も動物との関わりがちょっと変化し、それが芸術分野にも広がっている。

華岳 二月の頃  これは静かな農村風景に見えるが、1911年の吉田から銀閣を望んだ風景なのだった。百年近く経った今、どこを探しても決してこんな風景はありえない。
遠近法が巧い、と思った。ここには出ていないが、夜桜の下での宴会を描いたものが華岳にはあるが、それも遠近法が巧かった。

玉城末一 孔雀  明るい青!西洋絵の具のような明るさ。孔雀の乗る岩の白さも綺麗。空も綺麗。綺麗なものだけで出来上がった絵。

要樹平 兵営付近 これは伏見深草の第十六師団の初期の兵営の姿らしい。今その建物は平安女学院の小学校になっている。白い壁の情緒のない建造物がパシパシと並んでいる。
手前の線路は国鉄のものか京阪のものか。視界の広がりを感じる絵。

松浦舞雪 兎  笹の下でウサギが逃げる図。後姿。しっぽが丸い。ちょっと沈南頻を思う色調だった。

松宮芳年 堺の相生橋  解説によると、奥の建物はレンガ工場らしい。明治は石とレンガの時代だった。大阪窯業の工場。働く人々の姿も多く、活気に溢れている。
しかし堺からどんどん近代工業化遺産が消えてゆく・・・

数は少ないが楽しめる展覧会だった。これで300円と言うのはいいかもしれない。
今回久しぶりに’90年の大丸「近代日本画の誕生と歩み」展の図録を開いている。
たまにこういうことをすると新発見があったりするので楽しい。
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