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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

大阪市立美術館の縁起絵巻

大阪市立美術館の常設展を楽しむ。
近世絵画、縁起絵巻、近代日本画の三本柱を見た。とりあえず古画を。

四季花鳥図屏風 桃山時代 田万コレクション
cam189-1.jpg
大阪市立美術館は開館以来、市民からの寄贈品を多く集め、それらを展示してきた。
そのうちの田万コレクションにこの屏風があった。
画像は一部分だが、なんとなくの可愛らしさがある。

大和名所遊楽図 
京や浪速の名所図会はあるが、大和のそれはあまり聞かない。近江になると近江八景図が現われる。
大和は国のまほろば たたなづく青垣 山こもれる 大和し美し
ヤマトタケルは望郷の念を歌ったが、その大和を描いた絵は確かに少ない。
右隻 馬に乗りそこへつく。鳥居がある。春爛漫。鳥居を入ってすぐの地べたに茣蓙を敷いてサカナを食べさせる商いをしている。向うに滝が見える。
一体ここはどこなのか。
左隻 どうやら長谷寺らしい。長い廻廊と舞台造りとが見える。ここは牡丹で有名な寺だが、花は何も見えない。太鼓橋を渡れば、おいしい山菜料理店「橋本屋」がある。ここには描かれていないが。

邸内遊楽図 これはサントリー所蔵のそれと構図が似ている。同じパターンの絵だと思う。
二階建ての妓楼。群舞する人々などなど・・・楽しそう。

春秋遊楽図 面白いのは、湯上りの客が団扇をパタパタする描写。マンガのように団扇の残像が描かれている。
右隻 外では馬が走り、邸内では茶坊主が茶をたてているところを見ると、武家の屋敷内かもしれない。松と桜の下で若衆らが円舞したり三味線や琴で興じている。
左隻 船遊び。柴を負う牛VS牛の闘い。揚弓で遊ぶ。琵琶法師の語りを聞く。けんかをする。 この屏風には男ばかりが描かれていて、女と言えばかむろらしき少女が少しばかり。
・・・もしやこのかむろも、少女ではないのかもしれない。

遊楽図屏風下絵 光琳による遊楽図の下絵など初めて見た。色はなく、墨で大方の線や柄や色の指定などが書かれている。屋根のところには「こけら」の文字もある。
遊女屋の前を行く冷やかし客の姿もあった。

長谷寺縁起 これは先の大和の長谷寺ではなく、大阪の長谷寺の縁起絵巻。15世紀。
行基が童子に連れられて十一面観音を巡礼する。そこには仏の眷属らが多くいた。

泉州長谷寺縁起 こちらは泉州の長谷寺縁起。
長谷寺は聖武天皇の勅願により開かれた寺シリーズ。国分寺だけではない。長谷寺もチェーンだったのだ。(おい・・・)
十一面観音を作る仏師たちの仲間に加わって不空羂索観世音菩薩とお地蔵さんとが、何本もの手に手に彫刻刀やトンカチなどの道具を持って、腕を振るっていた・・・

犬寺縁起(いぬでら・えんぎ) 伝説の概要はこちらに。
要するに、さる長者が妻と不倫関係にある家来によって謀殺されかけたとき、二匹の愛犬によって、命を救われたという話。その犬たちを祀った寺。
二匹の黒犬は敵をガブッ・・・「やれ!」の手付きをする主人と、形勢逆転で死に行く家来と。
さっきこのお寺のサイトをみたら、九曜紋だったが、途中までしか画面が表示されなかったので、てっきり犬の肉球紋かと思ってしまった。(あれば可愛いだろう)

大寺縁起(おおでら・えんぎ) 何故この二つを並べるかなぁ、紛らわしいタイトルじゃ。
cam189.jpg
こちらは堺の開口神社(あぐち・じんじゃ)の縁起絵巻。神仏混淆の時代ですから。
堺には大寺餅という老舗もあるが、ここからとったらしい。与謝野晶子の大好物のお餅。
やっぱり行基所縁のお寺。近衛基煕が土佐光起に描かせた。ちなみにこれは重文。
こうして眺めると、文は読まずともなんとなく勝手に物語を想像してしまう。

山王霊験記 これは頴川美術館に所蔵されている分の片割れで、描かれているのは炎上する寺の様子。安居院炎上。ご神体は助かる。
その伝承についてはこちらが詳しい。
懐かしくて泣ける。わたしは大学のとき、このアグイの唱導について色々学んだのだった。
先生は神道集の研究者だったが、わたしは先生の著書に小栗判官の研究が入っていたので、大喜びしたことがある。

二尊院縁起 法然上人の奇瑞。足引きの御影という話らしい。寺内の襖絵を見ると、マヨルカ陶のような華やかな明るさで描かれていた。珍しいような気がする。

中山寺伽藍古絵図 中山寺は小学生のときに遠足に行って以来、殆ど無縁。隣の清荒神にはまだ行くけれど、中山寺は梅も綺麗なのに。これまた近所の売布神社(めふ・じんじゃ)に至っては、一度も下車したことがない。今ではピピア・メフとかいう商業施設に映画館もあるらしいのに。終点の宝塚にはこの二年ばかりご無沙汰しているが、五月のバウホール公演が「オグリ」なので、見たい・・・・・・・(チケットは取れそうにない)
さて、絵は縦長の構図に塔頭があちこちにあり、奥の院もかすかに。(実に遠い・・・)
西国三十三ヶ所のお寺なのだが、どうもここは特別な地位にあるらしい。
それについては寺のサイトに詳しい。

これらを見ているだけでも随分面白かった。
考えれば民俗学にハマッていたのだから、縁起絵巻などを見て喜ぶのも当然なのだった。
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コメント
驚きの常設
こんばんは。
先日、この展示を拝見しましたがあまりの
素晴らしさに驚きました。
なぜか中国絵画しかリストがなく残念に思っていた所です。
遊行七恵さんアップしてくださって、感謝です。
光琳の下絵など珍品優品の数々。
さすが、大阪市美。
2009/05/03(日) 19:50 | URL | meme #z8Ev11P6[ 編集]
☆memeさん  こんばんは

> 光琳の下絵など珍品優品の数々。
光琳の下絵がなぜここにあるのか、ずっと不思議だったんですが、
それは大阪市立美術館のコレクションの始まりと言うものが、
「市民からの寄贈品」だからなのでした。
そういうことで、色んな「珍品優品」が出てくるようです。
もっともっとお蔵出しして欲しいです。
2009/05/05(火) 00:06 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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