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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

道教の美術 IN 大阪

いよいよ大阪で「道教の美術」が開催される。
三井記念美術館で見学して、色々感銘を受けた展示だが、こちら大阪の方が随分規模が大きい展示と言うことだった。
それで9/14内覧会に出かけた。
開会式から出たら、主催者の人々の挨拶もあり、テープカットもあり、なかなか気分も盛り上がってくる。
面白かったのは挨拶の中で「最近はコミックも影響を受けた作品が多く、皆様ご存知の『北斗の拳』もまた影響を受けております」・・・あっと思った。
そりゃそうでした、北斗七星の形の秘孔だな、ケンシロウ。
南斗六星だったっけ・・・水鳥拳がレイでしたか。
なんだかそれだけでもわくわくするね。

珍しく解説のヘッドフォンを借りる。わたしは難聴の人なのでなるべく借りないようにしているが、今回はちょっと特別。
聞き取りやすいし、ヘッドフォンを外した後も、鼓膜がざわつくこともなかった。

会場が大きいから展示室の演出もできるようで、部屋によっては背景色が変わっていた。
そういうのがまた良く似合うし、面白い演出になっていたと思う。
たとえば、これは後のほうの展示だか、十王たちや奪衣婆などの像が雛壇に並ぶコーナーがあり、そこは全体が赤い部屋だった。
ムードがあって、とても面白かった。

以下、三井で見たものは措いて、大阪だけの展示について少しばかり書く。

耳の尖った羽人や博山炉などは三井でも見たが、大阪だけ、と言うのが多い。
大量にあるのは、拓本類と経文だ。
敦煌経もいくつか出ている。
ちょうどこないだ京博で「シルクロード文字」を見たところだから、懐かしい気がする。

拓本は石碑から採ったものばかりなので、スペースがどうしても必要になる。
だからこれはやはり大阪市立美術館でなくては展示できないようだ。
(でもマジメに全て読むのはムツカシイ。時間もないし)
ところでこの展示には大阪市立美術館の元からの所蔵品が多く出ているが、もしかして「・・・在庫でこんなん出来るやん」という発想から始まったのではないか、とふと思った。
(おこられるわ)


山海経が見れたのも嬉しい。これは中之島図書館の貴重書。山海経の注釈本は三井で見たが、現物は大阪展のみ。
わたしが最初に山海経を知ったのはやっぱり諸星大二郎の作か、もしくは長岡良子「眉月の誓」かのどちらからかと思う。
その後に確か東洋文庫版でチラチラと読んだような。

伏義像 ああこの名を見れば占いの始祖、というイメージが強い。
世界の始まりか。

河図図(かと・ず) 実物を初めて見た。馬のような形の存在。東東洋の手による。
考えればカバは河馬と書くし。西洋でもケルピー(川馬)という妖魔がいることだし。

蔵王権現は5年前の「祈りの道 吉野・熊野 信仰の道」展で、新羅明神は昨秋の「三井寺」展で、色々と見せてもらった。
憤怒の像、異形の顔立ち、どちらも忘れられない像を見た。
ここでは衝撃的な形象は展示されていなかった。

三井展でギョッとした「焔口餓鬼図」を二点見た。解説を聞いていると、なかなか面白い背景があることがわかる。やっぱりこの絵は多くのお客さんにウケていた。
関係ないが、のぞきカラクリの「地獄極楽」はこの絵とも関連がある内容なので、あれもなかなかアナドレないものだ。

星曼荼羅は今回図録をいただけたので画像も手に入り、たいへん嬉しかった。
この星曼荼羅は二十八宿と十二星座とが一緒に描かれているので、東洋も西洋も星は同じだと思ったりする。けっこう楽しい。
年初に寺から「高島易断」をもらうが、そこに二十八宿が並んでいる。
そういえば山上たつひこ「金瓶梅」の章タイトルは、やはり二十八宿の名だった。

陰陽道の章にくると、解説も「小説、コミック、映画で云々」とアナウンスが入る。
わたしはコミックと映画に萌えたクチで、映画の二作目が公開される直前に「陰陽師ツアー」なる一日バスツアーに参加して、遊んだことがある・・・

十王図は奈良博「寧波」展で多くのものを見たから、にわか知識がたんまりありますよ。
一枚一枚楽しく眺めた。まぁ描かれている内容は、楽しいものではないですが。

群仙図なども多く出ている。中国の八仙をみると思うことがある。
水木しげる「悪魔くん」は何種類かバージョンがあるが、「悪魔くん千年王国」へ続く筋の話では、「東方の神童」たる悪魔くんを、蓬莱山に住まう八仙が、生かすべき死なすべきか協議する状況があった。そのイメージが今も常にある。

しかし蘆雪の「波上群仙図」の仙人たちの顔は、彼の描くわんころたちに良く似ている。あのわんころたちが人に似ているのでなく、この仙人たちがわんころに似ているのだ。

京都の黄檗山萬福寺は好きなお寺で、しばしば出かける。近所の普茶料理が目当てのときもある。(そっちがメインかもしれないが)
あの寺の本堂に居並ぶ羅漢たちは見慣れているので親しみがあるが、本尊を見覚えていなかった。それがいきなりここにおでましである。
華光菩薩倚座図  道士スタイルで、金ぴかな顔というのもこわいものだ・・・

封神演義(明代の版本)とそれをモティーフにした五彩の大きな器を見た。
本は挿絵が上部に入り、下に文が並ぶ。
ジャンプでファンタジーコミック化され、人気もあったが、わたしはそれより横山光輝の
「殷周伝説」の方が好き。
器はどのシーンを描いているかわからないが、カラフルで緻密に書き込まれ、見ていて楽しい。内側から見込みには出目金がいっぱい泳ぐ図柄がある。

長崎の中華なお寺からは媽祖像が来ていた。航海の神様でもあるから、福建省辺りでは特に信仰が深いそうだ。台湾でもマカオでも廟は大人気だった。
福福しくていい感じのおばさん、という雰囲気の像である。

長正殿蒔絵手箱  大倉集古館蔵というが、向こうで見た記憶がない。葦手で春、裏、長、殿という文字が見える。

さて神農さんが現れた。薬の神様なので、大阪の道修町では毎年11/22、23にお祭をする。
日本の薬の神様は少彦名さま、中国の薬の神様は神農さんということで、親しみがある。
ところでどういう理由があるのか、テキヤは神農と言う字を用いる。なんとなく面白いし興味があるが、まだ理由を調べてはいない。
調べてわかることかどうかもわからないが。

小杉放菴の道教をモティーフにした作品があった。
出光所蔵の分は、先般展覧会で楽しませてもらったが、「炎帝神農採薬図」は大阪市大付属病院所蔵なので、普段見ることはないから、嬉しかった。こういう風に知らない作品に会えるのがまた嬉しいことだ。

山本芳翆 浦島図  これは最初に見たのがもう随分前で、太田記念美術館で他館の宣伝ポスターで見たのだった。
その後実物に出会えるまでの間、ワクワクが長く続いた。
今回この浦島がポスターの半分を占めていて、多くの人々が彼の地上への帰還を見ているが、本当に綺麗な作品だ。
デロリの系統に入れる向きもあろうが、わたしはそうは捉えていない。
惜しいのは、図録ではちょっと色が濃く出すぎていること。
浦島のまとうパールピンクが重く見える。

本当に機嫌よく見て回った。解説も良かった。
多くのお客さんがおいでになって、楽しまれることを期待している。

それにしてもうれしいことに、この内覧会では休憩室に、コーヒーやジュース(近鉄提供)と、なんと神戸中華街の老舗・老祥記のぶたまんが用意されていた。
久しぶりにいただくぶたまんは大変おいしかった。
全くありがたいことだ。
内覧会、バンザイ。(そこかっ!)

10/4までは前期、10/6?10/25まで後期展。後期に行ったときは、地下の瑠樹でランチにしよう、と今のうちから考えている。
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コメント
No title
こんばんは。
三井で見たには見たのですが、私の脳みそが釈然としなくて、記事に至らず終いです。
中国の流行ものを勇んで喜んで取り入れたような気配ないですか?
外国の良いものを何でも取り入れてしまいながらも、大事なところはかすめて、
おいしいところ取り。
そんなDNAを感じてしまったのでした。
大阪で切れ切れ見ないで済む、通しで見たい気がします。
三井のちっちゃい字の解説プリントが切なかったです。

2009/09/17(木) 20:22 | URL | あべまつ #-[ 編集]
No title
こんにちは。Takさんやmemeさん経由でよく拝見させてもらっています^^  私も三井で見た時、北斗七星=北斗の拳がすぐ頭に浮かんだので、内覧会でそのお話があったなんて嬉しくなりました(笑)どうせだったらケンシロウの絵なんかも展示すればよかったのに思いますが、マンガミュージアムじゃないから流石に無理だったのでしょうか。
2009/09/17(木) 21:10 | URL | noel #-[ 編集]
展示換えが頻繁すぎた・・・
☆あべまつさん こんばんは
おいしいとこどり、というのにはワハハです。
さすが慧眼の人。わたしはそこまで考えてませんでした。
大阪でも前後期に分かれてますが、三井ほど頻繁ではないようです。

あの解説、確かに細かかったですね。しかし三井は三井でこうした展覧会を開催するとは、勇気があるなぁと感心してました。
2009/09/18(金) 00:05 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
アタタタタタッ
☆noelさん こんばんは
わたしも時々お名前やコメントを拝見しておりました♪

ケンシロウのあのポーズと決め台詞が頭の中をぐ~るぐる回りましたよ(笑)。
ケンシロウが出たら陰陽師も出なくちゃならなくなりますね。
わたしとしては嬉しいんですが、そうなるともう収拾がつかなくなりそうで・・・
(聖闘士☆矢はギリシャ神話の星座でしたね~)
2009/09/18(金) 00:10 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
No title
大阪では、山本芳翆の浦島図まで
出ていたのですね。
てやんでぇ~と負け惜しみする江戸っ子です。
2009/09/19(土) 08:16 | URL | 一村雨 #-[ 編集]
☆一村雨さん こんばんは
負け惜しみこそ江戸っ子のアカシ!!
ムフフ。
memeさんは今日見に行かれて、ゾワゾワとえぐられていたようですよ♪
たまにはこうでなくっちゃ!キャハハ~
2009/09/19(土) 20:38 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
No title
いつの間に、内覧会へ。。。
最近自分のブログ更新でいっぱいいっぱいになってました。
大阪市美の道教展は三井と別物と考えた方が良いですね。
ものすごい物量でした。
3回展示替えで三井に行きましたが、こちらの1回の方が
満足度高かったです。
あべまつ様同様、消化不良で書けず仕舞いの記事ですが
今度は満腹過ぎて書けない。。。


2009/09/19(土) 21:36 | URL | meme #z8Ev11P6[ 編集]
疾風怒濤のごとく
☆memeさん こんにちは
> ものすごい物量でした。
> 3回展示替えで三井に行きましたが、こちらの1回の方が
> 満足度高かったです。

あああ、そうでしょう、わかります。
なんしか凄いです、ホント<モノスゴイ>
今年のベストの上位ですよ。

> 今度は満腹過ぎて書けない。。。
がんばってくださいよ~
和歌山の記事も楽しみなんですが。
2009/09/20(日) 07:48 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
常設含めて4時間所要でした・・・
お世話になっております 先週末お伺いしましたが たっぷりとありましたな
お書きの「拓本」ほかに時間を費やし 途中で神様や仙人様を放り出して
(ああ神仙思想がいずこへ・・・何をしにいったのやら) 
おねえさんぽいところ描くもの中心に切り替えてみましたが
星の曼荼羅なんかで張り付くことになりまして
滞在時間そのものがなくなり 寄り道して甘いもの買うのあきらめました(きんつば・・・きんとん・・・)

でもまた来週末行きます こうなったら皿まで食らおうかと それではご自愛ご健筆を
2009/10/06(火) 20:14 | URL | TADDY K. #1xXJNkSU[ 編集]
☆TADDY K. さん こんばんは
おお~~4時間ですとな!
すばらしい。あの星曼荼羅はわたしも張り付いて見てました。

来週末ですか、わたしは11日に行きますんで、もしかするとすれ違ったり、ありそうです。

きんとんか・・・夙川の菓一條というお店では、栗きんとんのモンブランがおいしいです。
2009/10/06(火) 22:05 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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