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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

桜島と鹿児島ゆかりの画家たち展

尼崎市総合文化センターの展覧会は、「ハズレなし」と言っていいと思う。
少なくともこの20年、わたしは一回も「面白くなかった」と思ったことがない。
今回は「桜島と鹿児島ゆかりの画家たち展」として、主に桜島を描いた風景画・記録画と、出身の画家たちの作品が並んでいた。
所蔵先は全て鹿児島市立美術館、鹿児島県歴史資料センター黎明館である。

高校の修学旅行で九州一周したとき、鹿児島に一泊したが、縁はそれしかない。しかし大阪には九州出身者がたいへん多いので、彼らは帰省のたびにお土産として「カルカン」まんじゅうをくれる。これはおいしいので、「かすたドン」か「カルカン」を貰うと、ニコニコしてしまう。

わたしが行った時には生憎の大雨で、桜島は霞んでいたから実物の記録がない。しかし映像はよく見ているので、なんとなくナジミがあるような気がする。
(阿蘇も岩木山も榛名山も日本アルプスもそう)
それで噴火して大変だと言うこともよく聞くが、しかしそれでも薩摩の人々には桜島と西郷さんは心の支えなのだと言うことも、よく聞く。

1914年に桜島が大噴火したらしい。そのとき丁度帰郷していた黒田清輝が6枚の連作シリーズを描いた。板にダダダッと描いた作品。ルポルタージュ絵画と言うべきもので、いつもの黒田らしくない感じもあるが、そのナマナマしさは他にないものだ。
噴煙、噴火、溶岩、降灰、荒廃、湯気。
こういうものを見ると、やっぱり鹿児島とナポリが姉妹都市なのも納得する。
ベスビオ火山と桜島。

黒田に随行していた山下兼秀もまたルポ的な作品を描いている。
爆発図、噴火前、爆発当時、溶岩の流出、風景・・・こちらは時間の放物線を描いたようなシリーズだが。

梅原龍三郎 霧島  梅原は霧島や桜島を多く描いているが、そのどれもが素晴らしいと思う。
ここには出ないが、傑作中の傑作は「霧島(栄ノ尾)」だと思う。
初めて見たのは電車の車内釣り広告だが、あの衝撃は今も身体の底に残っている。
この絵は青緑色の美しい作だった。

田村一男 緑の噴煙/噴煙桜島  共に’65年の作だが、前者は真緑に染まり、後者はチョコ色。

桜島で思い出したが、映画「浮雲」の後半に桜島が出る。全てがイヤになって心機一転屋久島に赴任しようとする男が、船の出を待つ間に眺める。
モノクロなのに色彩を感じるようなシーンだった。

20年前の西山英雄の桜島のシリーズはなかなか面白かった。出たーーーッとかキターーーーッという感想が湧いてくるような。
こういうのも面白い。観念的な世界。

加山又造 桜島  ‘61年だからまだ後年の華麗な世界とは少し異なる。金と赤の渦巻が面白い。

鹿児島出身の洋画家と言うのは多いなと感心した。
黒田や武二、和田英作、橋口五葉、東郷青児、海老原喜之助・・・
父親が薩摩出身ということで有島生馬も含まれる。
色彩や形象のハッキリした作風の人が多いと思う。

五葉 女の顔  これは彼の版画と違い、彩色の好みもあってか、やはり南国の女の顔だと思った。少し開いた唇がいい。

生馬 欄干  白人女性が大きなレースの服を着ている。指輪が光る。もたれる様子がなんとなくいい。

青児 小鳥  白い女、白い木、どちらもポキポキしている。構成の面白い作品。

喜之助 厩  白い馬たちがいる。喜之助は海老原ブルーの他に馬のアイテムがある。いいなぁ、なんとなく。

他にもあれやこれやとなかなかいい作品が並んでいた。
鹿児島に行く予定もないので、こうして尼崎で見れてたいへんよかった。
誰か鹿児島に行くなら、かるかんをお土産にください・・・



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