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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

大観・観山と日本美術院の画家たち/宮廷工藝の粋

既に終了した展覧会の感想を少しばかり。
松岡美術館で「大観・観山と日本美術院の画家たち/宮廷工藝の粋」を見た。
やめておこうかと思ったが、大観のミミズクがチラシに載っていて、それに誘われた。
なにしろ可愛らしいので、スルーできない。

横山大観 梅花  櫻もいいが梅の美と言うのも深くていい。
大観は特に桜を描くと多少仰々しさが出るが、梅は優しさが前面に出るので、それがいい。

みみずく  耳が立つのがミミズク、丸いアタマはフクロウ。可愛い。
ホーホー言いそうな可愛さがある。キュートなものを見たのが嬉しい。
実はフクロウとかミミズクって大好きなのだ。絵でも実物でも。

蓬莱  551とツッコミが入るのは関西人の証拠なのだが、これは神仙のいる場。林で鶴と爺さんと女仙がデートする(ようにしか見えない)図。川田順を思い出す。辻井喬「虹の岬」ですな。

下村観山 山寺の春  喝食のような少年が向かう先に一本の櫻がある。「別れの一本杉」という歌もあるが、これは少年への指標の木なのかも知れない。
あとで解説を読むと、これは謡曲「鞍馬山」をモティーフにしたもので、稚児は遮那王(牛若丸)だった。天狗の山伏に連れられ、櫻の名木を見に行ったところ。
以前から好きな絵だが、その背景を知らなかった。しかしその意図するところは大方読み取れていたようで、ちょっと嬉しい。

前田青邨 鎮西八郎  強弓を使うヒトと言う伝承に基づき、長い弓がそばにある武人図。平安?鎌倉の武装って実は好きです、戦国のより。特に緋縅なんか見てると、魚のみりん干しを思い出すし。

紅白梅  青邨の梅花図は独特の様式があり、この絵もその様式で描かれているが、実にいい。様式と言う枠に収まりつつも、その中での自在感というのが、とても大きい。不思議な音調を感じるような枝ぶり、明るい花々。配線コードのような枝と言ってもいいが、その自由融通無碍ぶりにときめく。

奥村土牛 孤猿  まんが日本昔ばなしに出てきそうな猿。川の中の石にぽつんといる。なんでも昇仙峡が舞台らしい。

守屋多々志 橋  暗い背景に橋が伸び、そこを女が一心に走る。黒の空には白い雲が一つ浮かび、そこにカラスが二羽ばかり見える。女は灰色の女。橋姫かと思ったが、これは入水を図ろうとする浮舟だった。強い意思の表れを感じた。自分を消そうとする意思より、恨みを晴らそうとする意思を感じた。
どちらにしろ宇治橋を行く女は怖い。

ところで今回初めて知ったが、ここカメラOKでしたか。(シャッター音消去の上)絵葉書にないものを今度は撮ろうと思う。
        
併設の中国・明清の美術に今回は深く惹かれた。

碧玉、翡翠、それらを加工した香炉が並び、その美しさにクラクラした。
今までそんなに玉類にときめかなかったから、自分でもびっくりした。
イヤ本当に綺麗。

明代の皇帝に始まり、清朝の歴代皇帝のヒトトナリ・歴史などをパネル解説にしているのもよかった。皇帝が変わると趣向も嗜好も移るのがよくわかる。
特に良いのはやっぱり乾隆帝の時代のもの。香妃やカラクリ時計など、様々な逸話を持つ皇帝だけに、その文化度は高い。
饕餮ふたたび。殷周代の大スター饕餮くんが清朝に復活?というほどではないが、そのモティーフをつかったものもあった。
獅子がぞろぞろおるのも可愛い。細工師も技能の頂点に来てたのか。

それにしてもすばらしい玉製香炉だった。
焼き物もいいが、それよりも今回は翡翠の美に撃たれたのだった。

絵画も色々出ていたが、山水画より、清朝末期の物語性のある作品に惹かれた。
任伯年 風塵三侠図巻  殆ど劇画。昔モーニング誌で連載されていた「東周英雄伝」「深く美しきアジア」だったか、それが思い出される。隋末の李靖らを描いたもの。木村荘八の挿絵にも似ている。

いいものを選り取り見ることが出来るので、松岡はいいところだといつも思う。来年もよろしく。
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コメント
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2009/12/29(火) 17:18 | | #[ 編集]
☆――さん こんばんは
キティちゃん切手がはりついてましたか!
いいタイミングでの送付になったようでよかったです。

> 今月号の芸術新潮に参加しています。立ち読みでも・・・
見てきます~
2009/12/29(火) 21:40 | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
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