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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

呉春「白梅図屏風」と円山四条派の絵画をみる

新しくなった逸翁美術館では隔年展示の呉春「白梅図屏風」を主にした展覧会が開催されている。秋の新規開館からこちら三度目の訪問。
円山四条派の絵画という副題がついているが、展示構成は四条派と円山派の二手に分かれて向かい合うカタチで作られている。
cam371.jpg
チラシには白梅図屏風。この下地の絹はわざわざ藍染してから平織りしたもので、その色むらが更なる効果を生んでいる。
白梅が灰青色の空間で静かに舞う。そんな風にいつも見える。
梅は枝振りにも味わいがあるから、わたしの目には梅の舞が見えるのだろう。
しかも新しい展示室は黒壁に灰色の天井と言う拵えなので、いよいよ梅花が鮮やかに浮かび上がるのだった。

呉春 桜花遊鯉図  随分大きな絵で、その大きい画面によく肥えた鯉が機嫌良さそうに泳いでいる。絵を飾る表装の中廻しは白地に花柄の更紗でとても綺麗。上下は赤地に金糸でかがった花。

少し離れた場所に同じく呉春の「牡丹孔雀図」があるが、これと上記の絵とは対幅らしい。長らく離れていたのが逸翁の手元で元に復したそうだ。

呉春 秋夜擣衣図(しゅうやとういず)  擣衣は砧でポクポク衣を叩くことを言う。薄青い秋の夜空にふっくら月が出ている。月下には茅葺屋根の家の主婦がこちらに背を向けるようにして、ポクポクと衣を叩いている。
淋しさを感じるよりも、どことなくとぼけたような俳画風の味わいがある。

松村景文 花鳥図  呉春の影響下から離れた一作だと思う。白梅、長春花(どうも薔薇らしい)、白紫の木蓮、三光鳥、雀、メジロらが飛び交う楽しそうな空間。
動きがあるのを感じるだけでなく、囀りまで聞こえてきそうな一枚。

伝景文 秋草図巻  こちらはひどく現代的な作品だと思った。一見したところ本当に現代ぽくて、18世紀の絵巻には思えなかった。
開いてあるのは朝顔から藤袴まで。途中の黄蜀葵から描法が変化する。
始めは線描なしの塗りばかり、途中からは線の内に色を納めてある。
この違いがなかなか面白い。花は実に多くの種類が描かれている。ところどころにセミやバッタやカタツムリがいる。これもしみじみと一人で広げて眺めたい作品。

円山応挙 雪中松図屏風  これは三井にある国宝と同じ下絵から生まれた作品。こちらの方が若いときに描いたものらしい。

長沢芦雪 降雪狗児図img559.jpg 大好きなわんころたち。逸翁コレクションの中でも特に好きな一枚。可愛くて仕方ない。

ここまで見てきてどうもこのラインナップに覚えがあるなと思ったら、2006年冬の展覧会と似た構成だった。
所蔵品のうちからチョイスして並べるのだから、それは当然かもしれない。
そして美術と言うものは何度でも眺めたいものだから、不満は生まれない。

円山応瑞 朝顔図 本居宣長賛  好きな作品。青い朝顔がとても綺麗。
img560.jpg

他にも多くの名画があった。あとは京焼のよいのが飾ってある。
そのうちの色絵重箱は古清水焼らしい青と緑ばかりで構成されたやきものだが、花丸文様が描かれ、椿、菖蒲、梅、竹、菊などが優雅に咲いていた。
青い椿は異様に美しかった。

他に逸翁茶会記のうちから再現された展示がある。昭和26年1月末の茶会。
そこに黒樂のいいのが見えた。名を見るより先にもしやと思えば、やはりノンコウだった。

最後まで楽しませてくれる展覧会を逸翁は開いてくれるのだった。3/7まで。
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コメント
老後のたのしみに
おはようございます。  阪急沿線にまいりましたので、池田が ぐーーーんと近くになりました。 秋、行ってきました。乾山の梅図やら、ぴかっとしてましたなあ、             本居宣長は、小林さんの最晩年のライフワークでした。私も老後にコツコツ読めたら、いいな。 眼鏡眼鏡。
2010/03/03(水) 09:24 | URL | よし #-[ 編集]
現役からどんどんgogo!
☆よしさん こんにちは

>本居宣長は、小林さんの最晩年のライフワークでした。

西洋の器などを茶事につかい、自分なりの和洋折衷を楽しんだ数奇者が最後にたどり着いたのが本居宣長だった、というのはなかなか興味深いですね。

池田に行かれるなら少し歩かれて民俗資料館へもどうぞ。
とても面白い企画がたまにかかります。
2010/03/03(水) 12:31 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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