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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

樂歴代 茶の湯 新春の宴

樂美術館へ行った。
寅年の新春を祝う展覧会だから、もぉそろそろ終わりの頃なわけです。
cam381.jpg

入ると薄暗く暖かな照明の下に、赤樂のトラがにゅっ。
当代が24年前の1986年に拵えたトラ。
その前年は阪神タイガース奇跡の日本一がありましたなぁ。そしてその正月にはタイガー軍団・慶大ラグビー部が社会人を下してやっぱり日本一に。
ええトラ年でしたっけ。

また先年の利休四百年忌に拵えた黒樂の梅文が可愛い。利休梅と呼ばれる様式の梅が白く釉抜きされている。なんとなく夜の梅(暗香)というより、黒漆皿にハクセンコウがあるみたいな感じ。

覚入 赤樂「東風」  ぽつぽつと赤い点が舞う。灰色の砂塵の中に。そんな感じで綺麗さの中にどこか毅然としたものがある。

長次郎の黒樂がある。「勾当 寿軒に」与えたものだと箱書きがある。ごつごつした厚手の茶碗。寿軒の手に馴染ませるためにそんな造りなのかと思ったが、解説によると「歪みや動きをそぎ落とした」造りらしい。どうなのだろう、わからない。

そしてその長次郎をみつめつつ、わたしの右目は隣の赤樂をも捉えている。
「色は綺麗が、カタチが好みやないなぁ」
しかし眼を惹くのは確かだ。当然だった。ノンコウだ。「瑞雲」

赤樂にグレーの景色がある。照明の加減でわたしにはグレーに見えるが本当は暗緑色らしい。窯変した景色。「利休型長次郎碗」をベースに拵えた作。(それであまりわたしには好みではないカタチだったのだ)しかしさすがノンコウらしく薄作りである。
ノンコウの作だけは唇を押し当て、そっと噛んでみたくなる・・・

一入 黒樂「嘉辰」  ぼぉっと炎が立つような。めでたい新春をさす言葉が銘にあてられたのも納得。それにしても黒も赤もまことに美麗なものだと思う。

行った時ちょうど団体客が来てはって、皆さんわいわいとコレガスキアレガイイとお話なさる中に「これは偽物すぐに作れそうね」と声があった。
どれだろうと見たら黒樂のチカチカと綺麗なもので、早くに後を弟に譲った得入の作だった。
「常磐」 若くして亡くなる人が作ったものにそのタイトルがあるのが、なんとなく哀しい。

チラシにある黄土色の香合はノンコウのとら蓋香合。牡丹唐草の文様と雷文と形が中華風。
左入の虎蓋香炉もある。
そして二階展示室の南室には香合などが展示されているが、壁際でなく真ん中にあるガラスケースの中には、毎回工夫の凝らされた展示がある。
今回、このノンコウのウサギを中心にして、cam382.jpg
旦入、惺入が拵えた虎型香合が四方を固めるように牙をむいている。
この虎たち、みんなとても可愛い。トラの個体差というものを感じるなぁ。
却って真ん中のノンコウのウサギがフテブテしくていい。

宗入 菊置上香合  白菊が大ハマグリの上にモコモコと盛り上がっている。底部分にもモコモコ。なんとなく微妙な官能性も感じる。

弘入 花筏香合  緑色の釉薬が綺麗。そこに様式的な花筏がある。
思えば日本の文様と言うものは、抽象的概念や象徴により本質を想起させる、という手法のものが多いなぁ。

同じく弘入の乾山写しの椿柄蓋物が出ていた。春になると椿柄の作品に会えるのが嬉しい。
写しといえば、慶入の仁清写し四方銚子がよかった。貴人と小松。子の日の小松引きか。

この展覧会は3/22まで楽しめる。
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コメント
No title
>ノンコウの作だけは唇を押し当て、そっと噛んでみたくなる・・・
きゃ、色っぽい~
2010/03/09(火) 21:37 | URL | ogawama #-[ 編集]
☆ogawamaさん こんばんは

> きゃ、色っぽい~

コワモテでガテン系のわたしのヒソカな欲望でした、てへっ♪
2010/03/09(火) 22:26 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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