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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

岩合光昭写真展

3/3?3/15まで日本橋三越で「ねこ 岩合光昭写真展」が開催された。
そして3/13?4/11まで渋谷のたばこと塩の博物館で「岩合光昭写真展 IWAGO’s WORLD」が開催中。
両方に行ける日は13と14だけしかなかった。
cam403.jpg
ねこより鳥を愛するひと、イヌを友にするひと、金魚と暮らすひと・・・
実生活では色んなイキモノと一緒に生きる人が多い。同居していなくても好きで仕方ない、と言う人も多い。
しかし「ねこ」展では、本当にねこ好きな人も他のどうぶつが好きな人も皆一様に、幸せな顔つきを隠そうとせずに、会場を歩き回っていた。

だいたい女の人で猫好きな人と言うのは、一目でわかる。
ある種の共通点がある。それが何かははっきり言えないが、わかる。
わたしもそのクチだから。
しかし男の人で猫好きな人と言うのはあんまりよくわからない。
見分けがつかない、と言う意味で。
だが、会場にいる人は誰もが本当に笑っていた。
触ってはいけない展示パネルを撫でてしまいそうな人も一人二人ではなかった。
わかる、わかる?撫でたいよね?
岩合さんのねこたちはみんな、とても存在感がある。
子猫の可愛らしさは当然として、中猫大猫の魅力はちょっと言葉に出来ない。
わるぐちに近い愛の言葉を吐き出してしまいそうだから。
ねこねこ
(2010/03/03)
岩合光昭


日本に暮らす猫、地中海辺りの地域に生きる猫、みんなそれぞれ色んな表情、仕草をみせている。そう「見せて」いるのだ。
猫はヒトの心を読むので、カメラを構えた岩合さんを受け入れ、自分の仲良しさんにしか見せない表情や仕草や想いを見せてあげるのだ。
それで岩合さんがそれを撮影し多くの人々にほらほら♪と広めるのを、遠くからニヤッとほくそえんでいるのだ。

田代島という猫の島での写真を見ると、岩合さんが猫にまみれているのが見えた。
実はそれを見たとき別役実・佐野洋子の絵本「ねこのおんせん」を想起した。
岩合さん、噛まれてませんか・・・?
ハートのしっぽハートのしっぽ
(2010/03/03)
岩合 光昭



この日本の猫のシリーズは連載中ときどき見ていた。そのうちの特に忘れられない一枚がそこにあった。枚方の山田池公園でのベンチ。ゲームする男児ふたりにまといつく猫たち。
男の子たちも猫にまみれて暖かそう。猫も子供の体温でシアワセそう。
そしてそれをみつけて撮影した岩合さんご本人も嬉しそう・・・

岩合さんはむかし、海ちゃん(カイちゃん)という猫と暮らしていて、その写真集もある。
街で猫探ししているとき、ご自分も猫目線に降りるので、常に着替えを持ち歩くというエピソードも聞いていた。
ヒトの大きさで猫の高さに近づくのってけっこうしんどいと思う。
でもどの写真にも猫への愛情とソンケーがあふれている。
観客にもそれがまっすぐに伝わってくる。

三越では自分ちの猫の写真を持参すれば割引する上、会場の外壁にその写真展示と言う粋なシステムをとっていた。
岩合さんはプロカメラマンだから会場にはいずれも素晴らしい「作品」があったが、外のアマチュアカメラマンたちの写真も、決してわるいものではない。
いい心持ちで三越を出て、たばこと塩の博物館へ向かった。

ロビーと特別展示室とで岩合さんのどうぶつ写真が展示されている。
先に4階へ上がると、ホッキョクグマの親子がいた。壁に彼らの暮らしぶりが貼り出されている。
cam406.jpg
おとなのホッキョクグマは鼻面がとても長くて首から肩がズンとしていてまぁあんまり可愛くはないが、コグマたちはこちらが噛み付きたくなるほど、可愛い。
可愛い可愛い、と言うてばかりなのは、本当はどうぶつたちに失礼かもしれない。
ホッキョクグマからすればホットイテクレかもしれない。
でもやっぱり可愛いものは可愛いと思ってしまう。
彼らはアザラシをおいしく食べるそうだ。
その食事シーンはここにはない。

しかしホッキョクグマの次にはそのアザラシが現われた。
ごめんなさい、と思った。
ゴハンかぁと思った途端にそれが可愛い姿を見せているのだ、これはもぉごめんなさいと言うしかないではないか。
おなかを見せて寝ている。すっごくキモチ良さそうに寝ている。
cam404.jpg
また笑顔まで岩合さんは捉えている。
こんな笑顔、笑顔・・・ううう、かわいいーーーっ
ニホンゴ、これしかないのかと言うくらい「かわいいーっ」を連発してしまった。
場内のアチコチから異口同音。
つらいなー、痛いくらい可愛い。

ペンギンの大群も岩合さんは捉えている。色んなペンギンがいるものだ。
ピングーみたいなペンギン、suicaのキャラのようなペンギン、「北極のアイスキャンデー」なペンギンたち・・・メッカってこんな感じかも、と思ったり。

わたしは獅子座だが実はライオンより虎の方が好きだ。阪神タイガースのファンだからと言うこともあるかもしれないが、鬣がある奴よりシマシマな方が好きだということだ。
雌のライオンには当然タテガミはないから、前半身の立派さと後半身のサミシサという落差を感じないにしても、申し訳ないがやっぱり虎の方が好きだ。
しかしこのライオン家族の写真を前にして、それを言い切れるかどうか。
cam402.jpg
丸い耳のご家族さん、これって絶対に向こうから「イワゴウさん、お願いねー」と声をかけたに違いない。

以前、NHKのどうぶつ番組で野生のパンダ特集があった。岩合さんのカメラがパンダを追いかける。番組ではそれまで私が抱いていた「パンダの行動」の認識が崩れたりして、本当に見ごたえがあった。
(雌に嫌われてバコッと殴られた雄が飛んで逃げる図なんて、全く想像さえ出来なかった)
母子パンダ。cam405.jpg
お母さんパンダの目、完全に岩合さんを見ている。

だいぶ前、外国の書店で岩合さんの写真集を見かけた。
「スノーモンキー」だった。そのサルの生息する温泉地へ行ったこともあるが、サルにあんまり関心のないわたしはただただ感心するだけだった。
何に感心したかと言うと、やっぱり岩合光昭という写真家の「眼」だった。
そしてその本屋で、その国の人が「SNOW MONKEY」を購入していった。
スノーモンキースノーモンキー
(1996/11)
岩合 光昭岩合 日出子



三越と同じ猫の作品がいくつか並んでいた。
ワン湖で泳ぐニャンコ写真。cam406-1.jpg
キャプションも三越でのそれよりこちらの方が面白かった。
ヘテロクロミアの白猫さん、よく泳いでいる。

ロビーでは奈良のシカや秋田犬、奇襲イヌ(凄い変換だ!)ならぬ紀州犬などの写真が並んでいる。
ニッポンの犬 (新潮文庫)ニッポンの犬 (新潮文庫)
(2001/12)
岩合 光昭岩合 日出子


奈良の鹿は藤棚の下でくつろぐものがあり、その構図は大正の日本画を思い出させてくれた。榊原紫峰のやさしい絵画である。
犬たちはついつい犬マンガの大家・高橋よしひろを思い出させる。

本当に素晴らしい展覧会を続けて見ることが出来、嬉しかった。
岩合光昭さんのねこ、ほかのどうぶつたち。みんな本当に可愛くて、いとしい。

わたしの家には猫の家族がいる。めちゃくちゃな暮らし。時々ねこをにくむこともある。
しかし岩合さんの写真を見ると、自分の心根を反省する。
すべてのいきものが幸せに生命を全うする、そんな地球になってほしいと思った。
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コメント
No title
こんばんは。

悲しいかな、三越入りできずにいた私は
ただたばこ塩に入る事ができるよう
チャンス到来を願っているところです。
最近私を一人にさせてもらえずで、
こまっちょります。
ニャンラブとアニマルラブに埋もれたい~~
私はワンラブのほうがちょっと強いかも。
実家がワンラブ人間なのです。
マンションにニャンラブのおうちがあって、
そこで癒されてます。
岩合氏は本当にうまいこと見てますよねぇ。
あまりにもすばらしいタイミングに
してやられてしまうのです。
2010/03/21(日) 21:53 | URL | あべまつ #-[ 編集]
☆あべまつさん こんばんは
もぉ本当に岩合さんの写真を見ていると、心がなんとなく綺麗になるような気がします。
やっぱりそれは自然に生きる他の生命体の様子をありありと見せてもらえるからでしょうね。
身近なねこやわんこだけでなく、極北の地に住むものたちや秘境に暮らすものたち。
みんな熱心に生きている。
すばらしいなぁ、と強く思いますね。
2010/03/21(日) 23:48 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
No title
こんにちは。
岩合さんの猫写真、本当にいいですね。
私は以前、近所の蕎麦屋に行くときもカメラ2台にレンズ5本持って行くほど写真に凝っていたことがあり、その頃猫3匹と同居してました。当然ながら猫の写真も沢山撮りましたが、猫って、良い写真を撮ろうと思ってもなかなか撮れるものではありません。彼は魔術師か! と思ったりしますね。
関係ありませんが、私が小学校の頃に飼っていた猫は、私の下校時間に校門のところまで迎えにきたりしてました。小学校は歩いて20分くらいだったでしょうか。猫としてはかなりの距離だったのではないかと思います。残念ながら写真が1枚も残っていないのですが、昨年、小学生の時によく遊んだ同級生と久し振りに飲んだら、「お前の家に猫がいたなあ~」と覚えてくれていて、なんだか凄く嬉しかったものです。
「お前は小学生の時に郵便ポストに枯葉を入れたりしてたよ」などとも言われてしまいましたけど…。
2010/03/22(月) 02:45 | URL | みき♂ #-[ 編集]
天才動物写真家岩合光明!
岩合さんの写真は、前々から好きでしたが、
写真集を買うまでではなかったのです。
ところが今回、写真展を観に行ってから、
すっかりハマって、毎週のように文庫本を買って
います。『ニッポンの猫』に小林まことの『Whats
Michael?』が掲載されていて、爆笑しました。
「天才動物写真家岩合光明」は誇張されてい
るのかもしれないけど、本当に岩合さんの姿に
見えますねぇ。ネコは岩合さんが頼めばどんな
ポーズでも、とってくれそう!
2010/03/22(月) 22:11 | URL | えび #-[ 編集]
☆みきさん こんばんは
>近所の蕎麦屋に行くときもカメラ2台にレンズ5本持って行くほど
おおおおおおお!

>下校時間に校門のところまで迎えにきたりしてました
あああ、いい猫さんですね。
うちはお見送りはしてくれますが、お出迎えはナシどころか、「帰ってきたぞ~」と猫連絡が行き交い、妙に構えられております。

ねこはこちらの心をちゃんと読んでいて、それに併せた行動を取るなぁと感じることが多いです。
それにしてもお迎えネコさん・・・すばらしいお話ですね。


☆えびさん こんばんは
>『ニッポンの猫』に小林まことの『WhatsMichael?』が掲載されていて、爆笑しました。
おっとーそうなんですか!いや、でも実際入っても当然ですよね(笑)。
近所の猫とか見てたら、ニャジラとかいるし・・・

>ネコは岩合さんが頼めばどんなポーズでも、とってくれそう!
ありえそうですねー。
むかし、京都の寺の池で烏の行水を見まして、「写真撮るからもっかい入って~」と声をかけると、本当に烏はジャブンと・・・
ヒトの近くにいるどうぶつたちは、みんなわたしたちの言葉も思いも読み取ってるんでしょうね。
2010/03/23(火) 00:07 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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