京都のえき美術館で「にゃんとも猫だらけ」展を大いに楽しむ。
6/16-7/11の終盤に行くしかなかったのが悔やまれる。こんな展覧会があるときに風邪なんか引くなよ、わたし!!
とにかく楽しい、可愛い、面白い展覧会だった。
摺りがどうのとか構図がこうのなんて言うてられない。
可愛いものは可愛いし、おもろいものはおもろいのだ。
理屈ナシでめちゃくちゃ楽しめる展覧会だった。
平木浮世絵財団からの提供。
国芳を中心に、と言うことだが、案外と国貞も猫を多く描いていることを知った。
それに人物も風景の一つになる広重が描く猫も主役だったり、背景の点描だったりする。

チラシからしてええ感じ。
大きい猫は「ネズミよけの猫」の一枚絵。イヤ実に立派な猫なり。ええですなぁ。
その上のにゃんこたちは絵文字なヤツラとか役者見立てのとか、春に府中で大活躍した「がんばってます」な猫とか。
春の仕事の様子。

この手ぬぐいを向こう鉢巻な猫の相棒のほっかむり猫の肩とか膝がまた福々しくていいんだよな--♪
「山海愛度図会」シリーズでもこの「おおいたい」の猫の愛咬はまた愛い奴ですな??

でも実際に咬む猫はちょっと困るのよね。うちにも「手手かむイワシ」もびっくりな「手手かむ猫」がおったもんです。親にすぐ叱られてた。
広重のふくれ猫はいかにも江戸らしいしっぽの短い奴で、その背中の猫背具合がにゃんともいい感じです。

明治になったかて、着物暮らしは長く続いたけど、朝顔市のべっぴんさん、猫柄の着物を着てる。

そういえば、「野晒悟助」といえば野晒しドクロの絵柄の着物と決まっているが、ここに出てきた悟助の着物は猫尽くしで出来たドクロ柄だった。
おもちゃ絵の芳藤はこの「流好温泉の図」が好きだったのか、このほかにも同じような構図のものを数種拵えている。提灯に「ポンプ」の文字が楽しいし。
また他の絵師たちも芳藤のこの絵を基にしたのを描いている。

やっぱり猫の温泉っていいよな。(温泉=お風呂屋さん。実は関西では今も銭湯の名前に△△温泉というようなのが多い)
ねこのおんせんで思い出したけど、別役実と佐野洋子の絵本「ねこのおんせん」はキョーレツなヒネリの効いた面白い作品だった。
八代目団十郎は天下の美男だったけど32才で大坂で自害しちゃった。お墓は天王寺の一心寺にあるが、そのとき出た死に絵の多さは空前絶後だったらしい。それでここにある絵は老若女女たちの泣き崩れる姿だけど、雌猫も一緒に前の手で眼をぬぐっておるのだった。
凄いなぁ。杉本苑子「傾く滝」を久しぶりに読みたくなったよ。
ねこの曲芸も色々あるけど、これは鞠の曲芸。よく働く猫たち。

女三ノ宮の猫事件は光り輝く源氏の君の不幸の始まりでしたが、あれは後世にもええ構図として大人気でした。随分多くの見立て絵が出ていた。
またそれだけやなく、美人の裾にもぐりこむ猫たちがぞろぞろ描かれている。
中にはその猫を甲高な足が踏む踏む踏む・・・楽しそう。
コンパクトな図録は国芳の「猫飼好五十三匹」の影絵を装丁に使うセンスのよさ。

本当に楽しい「にゃんとも猫だらけ」な展覧会でした。
明日まで。
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ユニークなタイトルですね~~♪
ひとつのモチーフを集めて展覧会が
企画されることが、最近多いですが、
やっぱり「猫」は集客率が高そう!
江戸時代も現代も、やっぱり猫が
好きなのねぇ~。
> 江戸時代も現代も、やっぱり猫が好きなのねぇ~。
実感しましたよ!見に来てるお客さんもみんなデレデレでした。
可愛かったわ~~~
最近お忙しそうでチト心配してたんですが、お元気な感じでよかったです。
浮世絵にも案外と猫は取り上げられますね。昔横浜のいせ辰で、にゃんこ達が習字をしている構図の木版刷り扇子を買ったのを思い出しました。もったいないので和紙に包んだまましまってありますが、久し振りに取り出して見てみました。
図録もいいですね。欲しい…。
猫がいかにヒトの暮らしに入り込んでいるかをまざまざと実感するような展覧会でした。
平木浮世絵財団の協力展ですから、豊洲のUKIYO―tokyoで図録は買えるかもしれません。
>昔横浜のいせ辰で、にゃんこ達が習字をしている構図の木版刷り扇子を買ったのを思い出しました。
坂の途中のいせ辰さん、いいですね~。
にゃんこの習字はどんな字を書いたんでしょうね。
想像するだけで楽しいです。