FC2ブログ

美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

カポディモンテ美術館展

西洋美術館の「カポディモンテ美術館」展に行った。
16世紀前半にファルネーゼ家から教皇が出て、それで熱心な蒐集が始まったそうだ。
その当時のリアルタイムな作品が、500年後の日本でコンニチハ。
イタリアの(ナポリの)ルネサンスからバロック美術がメインである。
キリスト教のアラマシを知っていることを前提にされる作品群である。
tou267.jpg
巨きなチラシとなったパルミジャニーノ「貴婦人の肖像(アンテア)」を見る。
豪奢な衣裳・装飾をまとう美貌の婦人がそこに立っている。
コルティジャーナ・オネスタもしくは花嫁というのが、彼女の「素性」らしいが、500年後の今となっては、そのどちらであってもいい。
聡明そうな目つきの美貌の婦人がこちらをみつめる。
その姿を現代の我々が眺める。彼女はこちらをみつめ返すことはしない。
豪奢な装いが記憶に刻まれる。

tou269.jpg

ティツィアーノ マグダラのマリア  改悛の涙を流す彼女が描かれているが、他に職業がなかったのに、それを責められて荒野で長いこと反省する、というのがわたしなどにはよくわからないところだ。
しかしそんなことを思わせるための絵ではなく、美しい女を描くための方便としての作品だろうから(勝手なことを)、素直に見れはいいのだった。

コレッジョ 聖アントニウス  16世紀初頭の絵なのだが、バーン=ジョーンズの作品を彷彿とさせる。
茫然とした老人の顔がそんな風に見える。

ベルナルディーノ・ルイーニ 聖母子  背後の闇の中に百合が咲く。

ガローファロ 聖セバスティアヌス  既に聖人の印たる光の輪が頭の周囲にある。
緑のマントが身体を覆いつつも、肌の白さが目に残る。
口を開けているが、苦しさはもう消えている。

ジョルジョ・ヴァザーリ キリストの復活  生き返ったのは三日後と言うことだが、こんな元気そうなキリストなぞ見たこともなかった。
Vサインして走ってるのだ。階段をかけ降りている。手に旗まで持って。
「まいど-生き返りました-よろしくっ」
そんな声が聞こえてくるような。
そしてその勢いに負けてひっくり返っている兵士たち。

エル・グレコ 燃え木でロウソクを灯す少年  なかなか可愛い少年がフーッとしているのが可愛い。

アンニーバレ・カラッチの作品が三枚ある。いずれも物語性の高い、またケレン味のある作品。
元ネタの解説を読んでフムフムと言いながら絵をもう一度見る。やはりこうした作品は解説がないとわかりにくいのだろう。読んでいろいろ納得。

グイド・レーニ アタランテとヒッポメネス  劇的な情景。ヴィーナスからもらった三つのリンゴを背後に投げることで早き女の足を止める。肌の青白さ、腕の形、表情。
tou268.jpg
三つのリンゴの力は日本神話にもある呪的逃走のそれを思わせる。

ウルビーノの窯  飲み物を入れる大きなタライ。マヨルカ。ネレイス。トリトンなどの図像があるが、なかなか色っぽい。飲み物を取り出すと絵柄がのぞくから、見る人はニヤニヤと笑えたろう。

トスカーナ大公の工房で作られた小箱がある。黒檀に化粧張り、貴石のレリーフ(様々な果実を模している)・・・派手な明るい小箱だった。

カラッチョロ ヴィーナスとアドニス  姉と弟のような。キューピットはハトだか犬だかを追っかけてる。
なんとなく親和ムードのただよう作品。

ジェンティレスキ ユディットとホロフェルネス  力みなぎる作品。やったぜ!という感じ。絵を見てから解説文を読んで、「あ・・・」。最近はこういうことも表に出すようになったのか。
tou268-1.jpg

ストーメル 羊飼いの礼拝  書きにくいが正直な感想を書こう。小汚いバーサンやオヤジたちの中にあって光に包まれる赤ん坊ひとり。私生児を生んだ女と、その母子を養う予定の、影の薄いジーサン・・・
そんな風な人々。まるでルイス・ブニュエルの映画のワンシーンのようだった。

聖アガタを描いた作品が二枚ばかりあった。画家も描いた時代も違うから比べることは無意味だが、グアリーノのアガタは切り取られた胸を押さえながらも昂然と顔を上げ、挑むようなまなざしをこちらに向けている。

アントニオ・デ・ベリス アベルの死  左端のアベル、萌える?!そして赤茶けた野を手さぐりで歩もうとするカイン。こんな作品を目の当たりにすると、当時の鑑賞者も萌えてたかもしれない。

少年を救う聖ニクラウスの絵が二枚ある。こちらも聖アガタのときと似たようなことを前提にするが、二枚が二枚とも少年を救うというより、大勢の少年を侍らせているように見えて仕方なかった。
tou269-1.jpg

ジョルダーノ 眠るヴィーナス、キューピッドとサテュロス  昔のグラビアアイドルのようなポーズに、カーテンからのぞく男・・・ 

ここはナポリにある美術館だそうだが、わたしはナポリには行ったけれど町中を歩くことは出来なかった。
ガイドさんに治安が良くないので出ないでくださいと言われて、火山を港から遠望しただけ。
町中をバスバス走るというだけでナポリよサラバだったな。
しかしこんな素敵な作品群を見ると、やっぱりナポリをハイカイしたいと思った。
「ナポリを見て死ね」ともいうけど、なかなかムツカシイかもしれない。
展覧会は9/26まで。その後京都文化博物館に来て10/9?12/5まで展示される。
関連記事
スポンサーサイト



最近の記事
月別アーカイブ
カテゴリー
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

フリーエリア