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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

江戸絵画への視線

山種美術館の「江戸絵画への視線」は面白い展覧会だった。岩佐又兵衛の「官女観菊図」の重文指定記念と言うことで、山種所蔵の江戸時代の絵画を集めて展示している。

宗達と光悦のコラボ作品が出迎えてくれる。
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例の鹿がずらずら並ぶ新古今集鹿下絵和歌巻断簡のうち、ここにあるのはつつましく一人立ちする鹿。
ほかに四季草花下絵和歌短冊帖があったが、丸い菊が良かった。団菊というやつ。この時代はまだ団菊祭もなかったな、とつまらないことを思う。
銀が酸化して黒くなっているのが感じよく見えるのは、和の感性なのかもしれない。

宗達 槇楓図  ☆がいっぱい出ている。☆★☆。足下のリンドウ、見上げる楓。可愛い青☆はリンドウ。赤い★は楓。

抱一や其一の作品はこれまでにもここで見てきているが、其一の四季花鳥図が目の端に入った途端、逃げ出してしまった。トリファミリーがシアワセそうにそこにいたからだ。和やかだけどニガテな絵。

17世紀初頭の源平合戦図、輪踊り図などもあった。
源平合戦図は左右ともに合戦の名シーンが描き込まれていて、「あっあれあれ」とみつけるのも楽しかった。
福原でか、小さい帝が見えた。安徳天皇。
義経八艘飛びはあったが、入水シーンはなくてちょっとホッとした。
輪踊りではほっかむりの鼓持ち、大傘持ちがいた。まだ中世のしっぽがつながっていた時代。

さて又兵衛の官女観菊図は元は金谷屏風の一枚ということだったが、ほかの絵はここにはない。
薄墨色の美しさを感じる。狂乱の極彩色とでもいうべき絵巻群も良いが、薄墨色の作品には深い静けさがある。しかしその静かな世界にさえも又兵衛の深意が含まれているかのように見える。打掛の絵柄の優雅さにも眼がむいた。
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狩野常信の二枚の作品が楽しかった。
唐の皇帝が楽しんだという、仕女たちによる花いくさを描いた「明皇花陣図」、そして唐子と一緒の「七福神図」があった。七福神それぞれが唐子らと楽しそうに描かれているのだが、コワモテの毘沙門天がいなかった。
戯れ歌に「七福神のその内で弁天一人がなぜモテた?」というのがあって、毘沙門天がフクレるのだが、今回も・・・(笑)。

珍しいのが山本梅逸、岡田半江、中村竹渓ら。名古屋から関西では見ても、他の地で見れるとは思いもしなかった。山種に所蔵されているというのがフシギな感じがした。 

芦雪の唐子遊び図を見た。フルカラーの絵。子供らは好き勝手に楽しく遊んでいる。
しかしなんとなくおとなしい。やっていることはけっこうめちゃくちゃなのだが、音がしない絵なのである。芦雪のほかの子供らの絵は画面からはみ出してきそうな勢いがあるが、ここにはそれがなく、静かに納まっている。
ちょっと私には物足りなかった。

近代絵画も2室に展示されていた。
是真の漆絵がある。鮎の川跳び、コイの斉唱、カラスたち、丸々した雀たちといった作品。晩年になっても元気で面白い作品が多くて、見てるこちらも楽しくなる。

御舟「名樹散椿」と平八郎「芥子」があるのも嬉しかった。
9/5まで展示は続く。作品解説にも面白いエピソードが書かれ、それを読むのも楽しい。
「江戸絵画への視線」がこうして開かれてゆくのを感じた。
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コメント
No title
其一の鳥は、ド派手でしたからね。遊行さんがトリハダ立つのも不思議ではありませぬ。
2010/07/27(火) 06:27 | URL | 一村雨 #-[ 編集]
☆一村雨さん こんにちは
エライ目に遭いましたが、あのトリファミリーがほのぼのしてるのは、めでたいもんやと・・・
あかん、言うててゾワゾワしてきました。
2010/07/28(水) 12:34 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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