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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

画家 岸田劉生の軌跡 油彩画、装丁画、水彩画などを中心に

さて「画家 岸田劉生の軌跡 油彩画、装丁画、水彩画などを中心に」を見る。
全て笠間日動美術館からの借り出しで構成されている。
tou385.jpg

以前から劉生の装丁や挿絵、また南画風な作品には関心があった。
油彩画の重さよりむしろこちらの方が好きなくらいである。

以前に「白樺派の愛した美術」展で見た「かちかち山」があった。
しかもご丁寧にその挿絵全部がコピーされて小冊子風に綴じられて、テーブルに置かれている。喜んで読む。
わたしはウサギが武器を頭上高く掲げて悪魔のような目をぎらつかせるシーンが大好きだ。

白樺の表紙絵も本当に好きなものが多いので、やっぱり劉生はこっちの方がいいなと思う。
これは於松。cam322.jpg
こういう顔立ちは金髪になると、金子国義の少女に化すかもしれない。

麗子と於松。tou385-2.jpg
可愛いなぁ。そういえば「丹畫麗子像」という絵は麗子の着物の柄が面白かった。「麗」の字の上部つまり下の鹿の字をぬかした部分を絵柄にしていた。
こういうセンス、大好き。

「二人麗子」と言えば泉屋分館所蔵のそれを思い出すが、これが水彩になると、ドッペルゲンガーではなくなるのが不思議。

リトグラフ麗子。tou384.jpg
なにやら諸星大二郎風な影がついている。「西遊妖猿伝」に出てきそうな趣である。

どんどん南宋画に近づくのを眺める。
この白に黒ぼってんがつく猫などは徽宗の猫の写しかもしれない。
tou384-3.jpg

そしてこの「七童図」などを見ると、デューラーの影響と言うものはどこへ行ったのだろうと探索隊を出したくなるほどだ。
tou385-1.jpg

他によかったのは椿と梅を描いた「二友清交」「調脂弄粉」。
どちらも南画風な面白さがある。

改めて眺めると、劉生の絵から他の画家たちを想起したりすることが多い。
南宋画の影響を受けたものは井上洋介、モノクロ版画は谷中安規などなど。
劉生自身が影響を受けたであろうと思われるのは、デューラー風「怒れるアダム」、
tou385-3.jpg
斉藤与里風「フュウザン会装飾画」などなど。
tou384-1.jpg


38で世を去らねば、まだまだ面白い変化を見せてくれた気がする。
予想していたよりはるかに面白い展覧会だった。9/12まで。

tou384-2.jpgいかにも猫らしくていいなぁ。
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