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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

和田誠の仕事

たばこと塩の博物館では「和田誠の仕事」展が開催されている。
なんでも今年はハイライト発売50年だそうだが、そのハイライトのデザインを、当時デザイン会社社員だった和田が担当したそうだ。
その次には「ピースを吸う」1コママンガを続けて描いていたそうで、今回その作品が彩色されて展示されていた。
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2010年の今みてもセンスのいい、しゃれた1コママンガばかりだった。
私は特に「考えるヒト」がタバコ吸うのを警備員がオヨッと気づくのが、面白く思えた。

週刊文春の表紙もこの30年くらい和田だったのか。
新潮が谷口六郎、こうたのそれだったのは知っていたが、文春は和田というのは今回の展示で初めて知った。
やっぱり構図などはそんな感じがするが、全体的な雰囲気が違うと思った。

映画のポスターがたくさん出ていた。
一番古いのは1965年の日活名画座のためのもので、ちょっと見ただけでも「アラロレ」「ティファニー」やジョン・ウェインの顔があった。
チャップリン作品集もある。
映画ポスターと言えば野口久光の名作群があるが、それとは全く違う世界がここに広がっている。

和田誠の最初の監督作品「麻雀放浪記」のポスターがあった。
オフセットのものとモノクロ原画のものとがある。
どちらもシビレそうなよさがある。
私はこの映画を見て、その日のうちにオジから麻雀を教わったのだが、本当にあれはかっこいい映画だった。
ポスターも凄くかっこいい・・・

知らなかったのが林海象の「20世紀少年読本」のポスターも和田だったこと。
タイトルは英語で「CIRCUS BOYS」になっていた。
林海象の映像作品は特にそのチラシが好きなのだが、今もチラシを持っているにも拘らず、本当に気づかなかった・・・

特に好きなのが'86年の「ミュージカルフェスティバル」のもので、昔のミュージカルものばかり集めている。
「イースター・パレード」(これに名曲「上海リル」がある。「上海帰りのリル」とはまた別な歌で、この歌から後日譚のような「上海帰りのリル」が生まれたのだ)、「バンドワゴン」、「踊る大紐育」、「ショウボート」そして戦後の「リリー」(リリーと狐の人形が向き合うシーン)、「オズの魔法使い」などなど。

‘80年代、わたしはラジオの映画音楽特集番組を延々と録音し続けていた。
今も手元に96本のテープがある。
そこでこうした古い映画を知り、やがて上映会などでその実物を見に行くようになったのだ。小さい映画館や上映会では、野口久光と和田誠のポスターが貼られていた。
今から思うとそれらは古い映画ファンのコレクションだったのだろうか。

演劇やコンサートのポスターは'84年以降からのものばかりなので、どこかで見た覚えのあるものも多い。

白石加代子「百物語」シリーズのポスターでは、白石の白い顔が笑っているのだが、やっぱり怖かった。怖いハナシをするヒトだから、怖くてけっこうなのだが。

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和田誠の仕事は多岐に亙って・・・亙りすぎていて、「え゛っコレもか!!」というものがいっぱいあった。

その中にマーク・ロゴの仕事がある。
これがもぉ実に多すぎて・・・しかもすぐに「あっ和田誠だ」とわかるものばかりでなく、意外なものもあったりする。本当にスゴイ才能だ・・・。
(国際焚火学会ってなんなんですか、一体・・・?しかも可愛いタキビちゃんとでも言うべきゆるキャラが・・・)

三谷幸喜の作品も和田誠の仕事の一つだが、朝日新聞の「ありふれた生活」の挿絵が可愛い。展覧会を見た日、丁度ホテルで貰った新聞に載っていたので切っておいた。
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あああ、ねこもわんこも可愛いなぁ。

絵本の仕事もたくさんある。
今回のチラシは絵本「あな」の色指定の書かれた原画である。

本の装丁も多い。
それで思い出したが、丸谷才一と組んだ本もとても多い。
その丸谷が書いていたことで納得したことがある。
あいにくどの本の所収か思い出せないが、似顔絵の特性について書いたものだった。
「山藤章二の絵は本人を老化させて描くが、和田誠は幼児化させて描く。
だから和田誠の似顔絵は可愛いのだ」という意味のことだった。
そして次ページを開くと、丸谷のリクエストどおり、ぽっちゃり可愛い丸谷がコアラをだっこする絵があった。
まぁ可愛いものの方がいいわな。

新作が並んでいた。
「モロッコ」「風と共に去りぬ」「西部の男」「マルタの鷹」「バンドワゴン」「あなただけ今晩は」などである。
誰もが知る有名なシーンばかりを集めたのではなく、印象的な1カットを採り上げている。
そのセンスがまたとても素敵だ。
そして「和田誠ただいま制作中」という映像が流れていた。
「マルタの鷹」を完成させるまでの映像である。
ハンフリー・ボガードの苦みばしった顔、それに合うネクタイ、そして鷹像・・・
色を入れ続ける和田誠の真剣さと、どことなく漂うユーモア。

この面白い展覧会は11/7まで。
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コメント
幼児顔のマリリン
うわぁ!和田さんだ!!私も観に行きたいと
思っていたところですよ~~!早く行かねば!
和田さんの似顔絵は、幼児化させて描くって
いうのは、その通りですねぇ。
私は、子どもの頃に、空ビデオテープのパッケージ
デザインに、ハリウッド俳優がたくさん描かれている
和田さんのイラストがあったのですが、あれがとても
気に入っていました。マリリン・モンローもハンフリー・
ボガードも、みんな点目なのに、よく似てましたねぇ。
2010/09/29(水) 16:41 | URL | えび新聞 #-[ 編集]
愛い奴ら
☆えびさん こんにちは

よかったですよ~ホント、みんな似てるんです、・・目なのに(笑)。
和田さんが平野レミさんの旦那ということも、なんだか好きです♪
おいしい独創的なお料理を食べて、ああいう絵を描いてるのかな~と思ったり。
わたしも和田さんに似顔絵かいてもらいたい、と思いましたよ。
(幼児化されて、却ってコワイ子ども顔になったりして・・・)
2010/09/29(水) 17:10 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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