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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

ウフィツィ美術館 自画像コレクション

損保ジャパン美術館まで「ウフィツィ美術館自画像コレクション」を見に行った。
古い歴史を誇る美術館には数多くの肖像画が収蔵されているが、肖像画の中でも自画像を多く集め続け、現在もそのコレクションを増やし続けるというのは、なかなか出来ないことだと思う。
tou437.jpg

どちらかと言えば肖像画も自画像もニガテである。
特に自画像はスルーしてきた。
物語性のある作品が好きだとツネからここで書いているが、自画像の場合、当人の背景・生涯を画面に鏤めていれば、つい苦笑してしまうし、素知らぬ顔で他者のように描いていても、ついついナマアタタカく笑ってしまうのだ。
森村泰昌くらい突き抜けていれば楽しめるのだが。
(あくまでも自分の嗜好の問題なのだが)

時代ごとに5章に分かれている。
その中少しばかり、好ましく思ったものを挙げてみたい。

ヨハネス・グンプ  鏡に映る自分を描く画家を、背後から描く。
二重三重の入れ子細工、マトリョーシカのようで、こういう設定は面白い。

ニコラ・ファン・ハウブラーケン  「花輪の中の自画像」とタイトルがあるだけに本当に花輪の中に顔があるが、これがキャンバスを突き破って出てきてます図なのだった。
・・・・・・夏目房之助氏の母方の祖父の家族写真を思い出す。
父方の祖父はお札になったような顔写真などが有名だが、母方の祖父は紙屑の中から家族の顔を突き出させる写真を残したそうで、それを夏目房之助氏が公開しているのを見たことがある。
子供たちはみんな迷惑顔なのが印象的だった。それを企画した当人は堂々としていた。
そこがたまらなく面白かったのだ。
この花輪の中の顔はヒカエメそうに見せつつ、指先に光を当てているところに、彼のホンネが見えてくるようだった。

(全然感想になっていないな)
とりあえず、印象に残った作品を列挙する。
tou438.jpg

アングルの自画像は78歳の時のものらしいが、しっかりした感じがする。
息子が描いたベックリン、ギラギラ目のシュトゥック、堂々たるレイトン卿、「運命の輪」の羽ある美青年がなぜかじいさんに言い寄る図のあるクレイン、ガイコツ大好きアンソールなど、みんな本当に個性的ではある。

全てが「わたし、わたし、わたし」。「わたし」ばかりがいる。
「わたし」も「わたし」の好むことしか書かないし、見ない。
だから「わたし」は他者の自画像がニガテだ。

しかし藤田の自画像が好きなのは、これはねこのせいだと思う。
藤田の自画像と聞くだけで「ねこに会える」と期待してしまうのだ。
その期待にこたえてくれるので、藤田の自画像は割りに好きである。

シャガールの肖像画は他の画家と比べてまた別な意味合いがあると思う。
彼の作品は大方が主観に基づいたものなので、自画像だろうとなんだろうと、「わざわざ描いた自画像」ではないのではないか。
そして当時既に大家であったシャガールが自分から「コレクションに入れてくれませんか」と美術館に申し入れをしたと言うのが、とても可愛い。
その作品は本当に機嫌のいい顔をしていた。

日本人画家として草間弥生、横尾忠則、杉本博司の自画像が収められることになったそうだが、三枚ともちょっとわたしにはナゾな絵だった。

展覧会は関西にも巡回するので、時をおいて眺めれば、わたしのココロモチも変わるかもしれない。
今のところ、ニガテなままである。
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