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美術館・博物館・デパートでの展覧会を訪ね歩き、近代建築を見て周り、歌舞伎・映画・物語に溺れる日々の『遊びに行った日を記す』場所です。 

東大寺大仏 天平の至宝

光明皇后1250年御遠忌記念 東大寺大仏 天平の至宝
その内覧会に出かけた。10/7の話。
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今年は2010年なのだ。御遠忌1250年。
凄まじく長い歳月。
光明皇后と聖武天皇と彼らの娘・孝謙天皇の三人が大仏前で額づく絵が寺崎広業にあるが、実際にそのように大仏前で彼らが晴れ晴れしくも荘厳な心持ちでいたことは、間違いないように思われる。
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(この絵は展示されません)

多くのお客さんがあふれる会場の中をうろうろするうちに、奈良のお坊さんだけでなくアジア諸外国からのお坊さんたちの姿も目に入ってきた。
全くこれは西暦752年の大仏開眼の再現ではないか。
そこに立ち会うことができた喜びを改めて実感する。

音声ガイドを勧められたのでつけてみる。俳優の國村隼氏の語り。
わかりやすい語りだった。耳が良くないわたしも苦労しないで聞ける響きだった。

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東大寺拝観チケット。色んな情報がここに書かれている。

第1章 東大寺のはじまり―前身寺院と東大寺創建―
最初は考古学的な展示がある。

瓦など出土品関係。法華堂や二月堂付近から出土した瓦などを見ると、八月にその現場へ行ったときのココロモチが甦ってきたりする。
お水取りでは遠目から眺める二月堂、そこへ行って夏の奈良市内を一望した、あの清々しさが、瓦を通じて再現できるのだ。
この瓦は長く地中に埋もれていたため、きっと天平時代の記憶をそのまま鮮やかに保ち続けているだろう。

第2章 大仏造立

なにやら音声がする。おんじょう、と言うべき響きがある。
見に行くと多くの僧侶たちが一斉に読経をあげていた。
これは本当に魂にまで届くような豊かな音声だった。
いいものを聞くことが出来て嬉しい。

西大門勅額や八角燈篭が来ること自体が凄い、と思う。
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間近で「西大門」という文字や飾りのフィギュア・・・と言ってしまっては申し訳ないが、飾り(仏法守護者たち)のついた額を眺める。
8世紀に作られたもので、今日まで変わっていないというのも凄いことだ。
木は薄い黄色に近くなっている。
元の色は知らないが、それにしてもこれが1300年の命なのか。

平安時代に作られたやや前屈みの俗に言う「試みの大仏」を見る。
平安時代らしいような顔つきをしている。
わたしはやはり飛鳥白鳳天平までだ。

誕生釈迦仏立像及び灌仏盤は8世紀のもので、なかなか可愛い。
360度ぐるぐると廻って眺める。
天上天下唯我独尊、か・・・・・

たくさんの伎楽面がある。
これをつけて皆さんが大仏開眼を祝い、世紀の大イベントで舞に舞ったのだ。
イヤホンガイドでもその頃の音楽をイメージしたものが流れるので、とても楽しい。

初代東大寺別当の良弁僧正坐像がある。
二月堂の前にはその良弁僧正が赤ん坊のとき、鷲に攫われてその枝に引っかかっていた、と言う伝承のある杉が伸びている。
むかし六世歌右衛門が良弁僧正の母で、梅玉が良弁僧正を演じた芝居を見た。
失った子を捜し求める母を、歌右衛門が演じていた。
歌右衛門は他に隅田川の班女の前を演じていた。
こちらの母は班女の前と違い、立派に世に出たわが子と再会する。
その芝居のことが常に頭にあるので、この像を見ても物語が思い浮かぶ。

水晶玉やガラス玉、琥珀などもある。
やさしい光がそこにある。
手に掬ってみたいと思いもする。

前評判の高い大仏のバーチャル映像を見せるシアターへ向かう。
これは本当によく出来た映像だった。感心するばかり。
真夏に実物を見て、まだ意識に鮮明に残ったまま、この映像を見ると、自分がまだ大仏殿にいるような気がした。
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第3章 天平の至宝
不空羂索観音菩薩立像光背や二月堂本尊光背などがある。
葡萄唐草文染韋、天平古裂 赤地唐花文錦天蓋花形裁文残欠、天平古裂 淡赤地四菱入菱つなぎ文羅 など色々な布地ものが出ている。
こうしたものを見るとやはり東大寺と言う存在の大きさを感じる。

二月堂焼経もある。本来の美貌は、焼けたからといって損なわれることはない。裾の焦げがまるでセピア色のレースのようにも見える。

奴婢関係の資料などは読めないし読まない。
戸籍の効力を今日まで保たせているのは、律令国家となったときにしっかりした基礎が築かれたためで、それがいつの時代も続いているからだった。

第4章 重源と公慶
数年前に奈良で重源の展覧会があった。東大寺中興の祖というのか、勧進してまわり、がんばって大仏再現に力を注いだ上人。
実務に長けた人で、しかも最新の建築様式なども宋での留学で学んだという、本当にその時代の東大寺のために存在したようなお上人だった。
その像を見ると、意志の強さがこちらにまではっきりと伝わってくる。

展示の最後には先般三井で見て「おお、アフロ・・・!」と呼びかけてしまった五劫思惟阿弥陀如来坐像の別ものが鎮座ましましている。
こちらはなんとなく温和な女の子風な感じがする。それにしてもやはり凄い髪型だった。

今日から21日までは正倉院から特別出品もある。それを楽しみに再び出かけるつもりである。

最後に図録表紙。tou552.jpg
よく出来た美麗な本だと思う。
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コメント
No title
こんにちは。
私はもうちょっと、いろんな仏さんがお出ましになると思っていたので、ちょっとがっかりでした。
というより、マイベストの戒壇院の広目天さんと法華堂の月光菩薩さんが来てくれないのが残念だったのです。
2010/11/03(水) 05:18 | URL | 一村雨 #-[ 編集]
☆一村雨さん こんばんは

> マイベストの戒壇院の広目天さんと法華堂の月光菩薩さんが来てくれないのが残念だったのです。

ああ、奈良がお好きで、よく来られる一村雨さんだからこその残念さですね。
あの広目天はわたしも大好きです。
なかなかお出かけになれない仏さんたち。
またぜひとも奈良へおいでください。←回し者。
2010/11/03(水) 23:50 | URL | 遊行 七恵 #-[ 編集]
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